今日のロシアニュース(2020年1月26日分)

【主張】プーチン政権 身勝手改憲は看過できぬ - 産経ニュース
 身勝手な理由で改憲を要望する産経が良くもこんなことがいえたもんです。

 プーチン*1が下院に提出した改憲法案には、国際機関の決定が憲法に矛盾する場合、ロシアはそれを履行しないとする条文がある。たとえば、ロシアは自国の人権侵害について、欧州人権裁判所から多数の敗訴判決を受けている。

 まあ「何だかなあ?」ですね。
 ロシアが「国際機関の決定」とやらに従うべきかどうかは、「国際法の解釈」によるものなので、そうした改憲をすれば「常に当然に履行拒否でOK」と言う話ではないし、一方で現状のままなら「常に履行拒否できない」というもんでもないでしょう。

 中国は2016年、南シナ海での行動をめぐって仲裁裁判所から敗訴の裁定を受けながら無視している。

 これは明らかに嘘ですね。中国は無視はしていません。
 仲裁裁判所から敗訴裁定が出た。で中国は「そんなもん不当だ」と強がった(→と言っていいかと思います)。
 ただし、一方では「こういう裁定が出たのだから中国は判決に従った対応をしてほしい」というフィリピンのドゥテルテ*2政権に対し「フィリピンへの多額の金銭支援を約束」するなどしてうまく懐柔した。
 建前では「無視してる」かもしれませんが、本音では「無視できてないこと」は明らかです。
 どっちにしろこの件は「仲裁裁判所に訴えたフィリピン」と「訴えられた中国」の間である種の片がついています。
 なお、この仲裁裁判所裁定は、「浅井基文*3元明治学院大教授(元外務省中国課長)や矢吹晋*4横浜国立大学名誉教授など」が指摘していますが、少なくとも産経や日本にとっては手放しで支持できるもんではありません。
 浅井氏の指摘については
南シナ海問題に関する仲裁裁定|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
南シナ海仲裁裁定の問題点(中国専門家の指摘)|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
 矢吹氏の指摘については
南シナ海判決と沖ノ鳥島の運命 | ちきゅう座を紹介しておきます。矢吹氏には『南シナ海領土紛争と日本』(2016年、花伝社)という著書もあります。
 なぜ「手放しで支持できないか」というと、この裁定は、結論に至る理由を述べる部分で「人が住めないような場所は国際法上は岩であって島ではない」という判断を示しているからです。
 つまりこの裁定を支持するなら「日本が島と主張する沖ノ鳥島」は島ではなく、「岩だと主張する中国や台湾」が正しいことになります。
 「沖ノ鳥島」には明らかに人なんか住めませんので(そもそも満潮時にはほとんど水没するので、人が住めるようなスペースがありません。無理に、沖ノ鳥島をかさ上げするなど『満潮時でも水没しないようにした場合』でも『そのような行為は不当な脱法行為で法的には無意味→沖ノ鳥島は岩であることに変わりはない』と評価される危険性があります)。
 一方で「沖ノ鳥島を日本が島と言い続ける」気ならこの裁定について少なくとも「人が住めないような場所は国際法上は岩であって島ではない」という部分は批判しないといけない。ただし「人が住めなくても沖ノ鳥島は島だ、だから南シナ海仲裁裁判所裁定の島判断部分は間違ってる。しかしそれ以外の部分は正しい。だから結論は支持する」と思いつきで言っても「それ論理上、成立する考えなのかよ」「日本に都合の悪い部分だけ否定してるご都合主義じゃねえのか」つう批判は避けられません。そういうには相当、緻密な理論構築をしないといけない(そんな理論構築が実施に出来るのかどうかはともかく)。
 しかしこうした問題について日本政府も産経らウヨもまともに語ることはない。徹底的に逃げ続けごまかし続けるわけです。
 この件については裁定が出た当時に

岸田外務大臣会見記録 | 外務省
【香港フェニックステレビ 李記者】
 先日ですね,南シナ海に関しては仲裁判断がありました。外務大臣談話の中でですね,今回の仲裁判断には法的拘束力があるものだと,従うべきだといった内容がありました。日本側がこの今回の仲裁判断の中で,(ボーガス注:人が住めない場所は国際法上は岩であって島ではないという)島の判断も含めて支持をするということでしょうか。島の解釈を含めて,日本側が法的拘束力があるというふうにお考えでしょうか。
【岸田*5外務大臣
 まず今回の比中仲裁判断につきましては,国際法に基づいて平和的な解決を行う,法の支配を重視する,こういった考え方に基づいて重視をしてきました。そして国連海洋法条約の規定に基づいて仲裁判断,これは最終的であり,紛争当事国を法的に拘束するものであり,そして当事国は今回の仲裁裁判に従う必要がある,このように考えています。
 今申し上げたように,この最終的な判断,これは紛争当事国を法的に拘束するものである,このように考えております。
【香港フェニックステレビ 李記者】
 つまり日本側が今までも主張されましたように,沖ノ鳥島は島であると,ただこれについては台湾や中国が島ではないというふうに言っています。(ボーガス注:沖ノ鳥島が島だが今回の裁定も支持するというなら、日本の認識では)沖ノ鳥島に関しては人間が居住できるような環境,そして経済活動ができるようなものでしょうか。(ボーガス注:それとも、日本の認識では日本の沖ノ鳥島と今回の南シナ海紛争は性格が違うので、)今回のこういった仲裁判断には当てはまらないということでしょうか。
【岸田外務大臣
 まずですね,岩について何か具体的な定義というものはないと考えております。規定,国連海洋法条約第121条3など様々な規定がありますが,こうした規定にも,岩の定義というものはないと考えており,岩であるかどうかの解釈が確定しているとは言えないとは考えています。
 そしていずれにせよ今回の仲裁判断,これは沖ノ鳥島等の法的地位に関する判断ではありません。これは国連海洋法条約に基づいて,今次,仲裁判断に拘束されるのは,当事国であるフィリピン及び中国のみである,このように考えております。そして我が国としては,沖ノ鳥島国連海洋法条約上の条件を満たす島であると考えております。
朝日新聞 小林記者】
 沖ノ鳥島のことでまた質問なんですが,先ほど,大臣は,島や岩について具体的な定義はないと考えているとおっしゃられましたが,今回の判決では,島というか,そこに人が住めるかどうか,独自の経済活動が行えるかどうかという一定の基準を初めて示したと思います。拘束されるのは,あくまで中国とフィリピンだけなんですが,この基準を示した,この中身について,どう評価されていますでしょうか。
【岸田外務大臣
 まず,ご指摘の点は,基準を示したものだとは考えていません。121条の3にも「人間の居住,または独自の経済活動を維持することができない岩は,排他的経済水域または大陸棚を有しない」このような規定があるだけであります。そして我が国は,沖ノ鳥島については国連海洋法条約上の条件を満たす島であると考えています。我が国は1931年,内務省の告示以来,現在に至るまで,沖ノ鳥島を島として有効に支配をしています。かつ周辺海域に排他的経済水域等を設定してきており,我が国の実効に対して,近年までいかなる国からも異論が示されることはありませんでした。したがって,このような権限および同島の島としての地位,これは既に確立したものである。このように考えています。

というやりとりがあります。見て分かるのは「あの裁定での島の判断は結論に至る理由であって結論ではない」「この裁定は沖ノ鳥島についての裁定ではない*6」「とにかく日本は沖ノ鳥が島と思ってる。この判断は変わらない*7」の一点張りで、「香港のフェニックステレビ・李記者」や「朝日新聞・小林記者」の質問「人が住めない場所は島ではないという裁定の判断を日本政府は支持するのか?」から完全に逃げてると言うことですね。全く卑劣で姑息なこと、極まりない。実に安倍政権らしい卑劣さ、姑息さです。
 本来「仲裁裁定を支持する」と日本政府がいうなら李記者、小林記者のような突っ込みが来るのは当然予想されます。したがってそうした突っ込みにきちんと対応する気がないなら最初から「支持」なんて軽々しく口にすべきじゃない。ところが「南シナ海紛争では米国も日本ウヨも中国に批判的で、提訴したフィリピンに好意的だ。米国(安倍のご主人様)や日本ウヨ(安倍の支持層)を喜ばせるために安倍政権として明確に支持を表明しよう」という結論は安倍政権にとって「不動の結論」で動かせない一方、「裁定の島判断についてどう考えるか」について誠実に考えようとする気がないからこうなるわけです。
 浅井氏や矢吹氏は「裁定を支持すると言いながら、裁定の島判断についてどう考えるのか、逃げ続ける日本政府は卑劣だし、そうした卑劣さをほとんど追及しないマスコミ(安倍に怯えてる?)や野党*8は問題だ」と批判していますが全く同感ですね。
 また、この裁定は
1)「中国の領有権主張は否定した(正確に『中国が従来主張してきた領有権主張の根拠理論』を否定したのであり、別の理論構築をすれば中国の領有権主張が認められる可能性は一応あります)」ものの、「ならば島の領有権は誰にあるのか(フィリピン?、ベトナム?)」という結論を出してないこと
2)実は中国政府の領有権主張は中国共産党オリジナルではなく蒋介石政権時から主張されていたものであり、蒋介石政権を引き継ぐ台湾政府も中国政府と全く同じ領有権主張をしていたこと、そのため台湾政府も「不当裁定で従えない」といっていること、そうした台湾政府の態度について「台湾を批判したくない」産経らウヨが故意にネグってること(中国を批判するのなら台湾も批判すべきですし、台湾を批判しないのなら中国批判すべきではないが産経らウヨの態度は中国だけ非難というご都合主義)
を参考に指摘しておきます。

*1:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相などを経て大統領

*2:ダバオ市長、下院議員を経て大統領

*3:著書『日本外交』(1989年、岩波新書)、『新しい世界秩序と国連』(1991年、岩波セミナーブックス)、『外交官』(1991年、講談社現代新書)、『「国際貢献」と日本』(1992年、岩波ジュニア新書)、『「国連中心主義」と日本国憲法』(1993年、岩波ブックレット)、『ここが問題新ガイドラインQ&A』(1997年、青木書店)、『茶の間で語りあう 新ガイドライン』(1998年、かもがわブックレット)、『中国をどう見るか?』(2000年、高文研)、『集団的自衛権日本国憲法』(2002年、集英社新書)、『戦争する国しない国』(2004年、青木書店)、『13歳からの平和教室』(2010年、かもがわ出版)、『ヒロシマと広島』、『広島に聞く 広島を聞く』(以上、2011年、かもがわ出版)、『すっきりわかる! 集団的自衛権』(2014年、大月書店)など

*4:著書『文化大革命』(1989年、講談社現代新書) 、『毛沢東周恩来』(1991年、講談社現代新書)、『中国人民解放軍』(1996年、講談社選書メチエ)、『朱鎔基:中国市場経済の行方』(2000年、小学館文庫)、『中国の権力システム:ポスト江沢民のパワーゲーム』(2000年、平凡社新書)、『トウ小平』(2003年、講談社学術文庫)、『尖閣問題の核心:日中関係はどうなる』(2013年、花伝社)、『習近平の夢:台頭する中国と米中露三角関係』(2017年、花伝社)、『中国の夢:電脳社会主義の可能性』(2018年、花伝社)など

*5:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長

*6:そりゃそうですが、こうした裁定は当然ながら「判例」になります。沖ノ鳥島について仲裁裁判所やICJに持ち出されたらほぼ確実に「岩判断されるだろう」という見込みがつくわけです。

*7:沖ノ鳥島に人間が住めるわけがないので、この岸田外相答弁は事実上「裁定の島判断」を否定しています。しかし「何故、裁定の島判断を否定するのか」「否定した上で、中国敗訴の結論は支持するなんて事が論理的に可能なのか。可能というならどんな理屈で可能なのか?」などということについては明確に語らず岸田氏は逃げるわけです。

*8:残念ながらこの「野党」は俺の支持政党・日本共産党を含みます。

黒井文太郎に突っ込む(2020年1月25日分)

黒井文太郎*1
憲法(ボーガス注:九条擁護)のためなら死んでもいい」
「健康のためなら死んでもいい」
 昔からある話です

 黒井が「レベルの低い改憲ウヨ」と言うことは知っていますが、まさかここまでレベルの低い「護憲派への誹謗」を始めるとは思っていませんでした。俺の黒井評価もまだまだ甘かったようです。
 「健康と憲法」でだじゃれで「うまいこと言ったつもり」のようですが、どこの世界に「健康のためなら死んでもいい*2」だの「憲法九条擁護のためなら死んでもいい」なんて人間や団体があるのか。
 俺だって護憲派の端くれですがそんなことは全く考えていません。「九条改憲によって日本人の死の危険性が仮に減る」なら俺は改憲に賛成します。そう思わないから護憲派の訳ですが。いずれにせよ、「憲法九条を守ること」それ自体に価値があるなんて思ってない。これは俺に限らず全ての護憲派がそうでしょうが。
 そもそも「安倍が改憲しないと日本人が死ぬのか」。安倍ですら「改憲しないと日本人が死ぬ」とはいえないでしょう。そんな事実はないからです。
 黒井の脳内では改憲しないと日本が(ボーガス注:中国、北朝鮮、ロシアに?)侵略されるのか?。一体どういう論理展開なんだという話です。
 むしろ「改憲することによって現在の米軍のように国防と関係ない自衛隊の対外軍事行動が常習化し、それによって、むしろ日本人が死ぬこと(自衛隊が戦死したり、自衛隊の軍事行動への反発から日本人がテロ被害に遭うこと)」を護憲派は恐れてるわけです。
 まあ、こういう非常識な誹謗に走るのはむしろ「黒井ら一部の改憲派*3」が「論理的に敗北」しており、まともに改憲の必要性が説明できないことを示しています。
 改憲ウヨとしてよほど「改憲が進んでない現状」に焦ってるのでしょうが、それにしても改憲派でもある程度まともな人間はこんな馬鹿なことは言いません。

*1:著書『世界のテロリスト』(2002年、講談社+α文庫)、『北朝鮮に備える軍事学』(2006年、講談社+α新書)、『日本の情報機関』(2007年、講談社+α新書)、『ビンラディン抹殺指令』(2011年、洋泉社新書y)、『イスラム国の正体』(2014年、ベスト新書)、『イスラム国「世界同時テロ」』(2016年、ベスト新書)など

*2:これは普通に考えて成り立たない話ですね。まともな健康法なら死ぬことなどあり得ませんので(もちろん死亡の危険性があるようなインチキ健康法にはまる人間ですら『健康のためなら死んでもいい』とは思ってないでしょう。彼は『私の健康法にはそんな危険性はない、言いがかりはやめろ』というでしょう)。こうした物言いは言いがかり以外の何物でもない。

*3:全ての改憲派がそうだとは言えないと思うのでこう書きました。

今日のロシアニュース(2020年1月25日分)

プーチン先生の歴史講義 ロシア史観に欧州は反発 :日本経済新聞

 プーチン*1が内外に印象づけたいのは「ソ連こそが第2次大戦で欧州をナチス・ドイツから解放した立役者だ」という点だ。

 勿論そうした面は当然あります。
 ただし

プーチン先生の歴史講義 ロシア史観に欧州は反発 :日本経済新聞
 欧州議会は昨年9月、第2次大戦を巡りソ連の開戦責任をあからさまにロシアに突きつけた。開戦80年を記念した決議「欧州の未来に向けた欧州の記憶の重要性」で、1939年8月、ソ連ナチス・ドイツが結んだモロトフ*2・リッベントロップ*3協定と呼ばれる不可侵条約と(ボーガス注:ポーランドソ連とドイツが分割することを定め、ドイツのポーランド侵攻を容認した)秘密議定書が「第2次大戦勃発の引き金となった*4」と明記したのだ。

という面も一方ではあります。特に東欧の場合「ドイツから解放された後」に共産政権がソ連の強力なバックアップでつくられ、その過程では「カチンの森虐殺(ポーランド、1940年)」「ヤン・マサリク外相の自殺*5チェコ、1948年)」などの悲劇もあった。
 また、その後も「ハンガリー動乱(1956年、ナジ・イムレ首相をソ連に連行し処刑)」「プラハの春弾圧(1968年)」などもあったのでソ連(そして後継国家のロシア)への反発はかなり強いでしょう。
 なお、これからわかることは「被害国が加害国を恨むのは当たり前だ」ということです。
 「東欧諸国が未だにソ連(そして後継国家のロシア)を恨む」ように「中韓が未だに日本を恨む」のは当たり前です。それは反ロシアとか反日とかいう話ではない。
 ロシア相手には「東欧が恨むのは仕方がない」という日本マスコミが、自分のことになると「昔のことは水に流そう」と言い出すのだから心底呆れます。

欧州議会の決議はよほど腹に据えかねたのだろう。
プーチン氏は、第1次大戦の戦後処理として結ばれたベルサイユ条約を問題視。敗戦国ドイツに収奪ともいえる重い賠償金を課し、その恨みがナチス台頭と次の大戦を招く一因になったとの見方を示した。
チェコスロバキア解体(ボーガス注:を英仏が容認したこと)こそが「ヒトラーの東方への行動の起点となり、第2次大戦の開戦の要因となった」と結論づけた。

 物事の原因が「複数ある」と言うことはいくらでもあります。
 プーチンの指摘「重い賠償金やチェコスロバキア解体容認が戦争を助長した」も事実なら、欧州議会の指摘「独ソのポーランド分割が戦争を助長した」も事実と言っていいでしょう。だからこそ第二次大戦では連合国は日独伊にそれほど重い賠償金は課さなかったわけです(もちろん米ソ冷戦で日独伊を米国側につけるために重い賠償金を避けたという面もあるでしょうが)。

 昨年末にモスクワで開いた国防省関係者との会合でも、再び歴史講義を展開。ヒトラーはかつてポーランドの駐独大使に「ユダヤ人をアフリカの植民地に移住させる考えがある」と伝え、大使は「もし実現すれば、我々はワルシャワにあなたの素晴らしい銅像を建てます」と答えていたと明かした。

 これまたプーチンの指摘は嘘ではないでしょう。ポーランドは単純な「ナチドイツの被害国ではない」ということです。
 もちろん「だからソ連は悪くない(プーチンが強弁したいこと)」とか「ポーランドがナチに侵略されても自業自得」とかいう話では全くありませんが。

 憤激したポーランドのドゥダ大統領はプーチン氏との同席を嫌い、イスラエルのフォーラム出席も取りやめた。

 「ロシアにそんなこと言う資格があるのか?」「外交上非礼ではないのか?」という問題はさておき、指摘自体は嘘ではないと思います。
 ポーランド側が「自らの加害性」を認めることも戦後70年経って必要なことではないか。

*1:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相などを経て大統領

*2:ソ連外相

*3:ナチドイツ外相。戦後、死刑判決

*4:不可侵条約自体は問題ないと俺個人は思います。問題は秘密議定書でしょう。

*5:ソ連による暗殺説もありますがひとまず自殺と記載しておきます。なお、自殺だとしても「ソ連の圧力による心労が原因」なのでソ連に責任がないとはとても言えません。

今日の朝鮮・韓国ニュース(2020年1月25日分)

「拉致問題、今解決を」 福井で被害者・地村さん講演:福井:中日新聞(CHUNICHI Web)
 「自らの体験談」しか出てこないようなので拉致の解決という観点ではほとんど意味のある講演ではないですね。
 今更地村氏に言われなくても「拉致の早急な解決」が望ましいことは皆分かっています。問題はそのために何をするか、です。
 その具体策がないのなら、それは単なる「無内容なお題目」にすぎません。
 なお、蓮池薫氏が割と新潟以外でも講演してるのに対し、地村氏は「福井のみ」のようです。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年1/25日分:荒木和博の巻)

全ての拉致被害者【調査会NEWS3172】(R02.1.25): 荒木和博BLOG
 「全ての拉致被害者」についての私見を和田春樹氏、蓮池透氏などの主張を参考に書けば以下の通りです。
1)「全ての拉致被害者」なんてもんはわからない。
 これは現時点では「拉致実行犯側でもない限り」わかりようがないですね。「わかりようがない」という点をまず認める必要があります。
2)現時点で拉致と思われる人間を、可能な限り過不足なく帰国要求するしかない。その場合適切なのは「政府認定拉致被害者」だろう
 とはいえ「わからないから要求しない」というわけにいかず、一方で「怪しい代物まで要求するわけにも行かない」。「おそらく拉致だろうというものを可能な限り過不足なく要求すること」は難しいですが、現時点での情報を元に最善を尽くすしかないわけです。その場合、政府認定拉致被害者が一番適切でしょう。
3)特定失踪者は国内で何人も発見されてる上、認定根拠が怪しいので話にならない。そもそも政府も拉致被害者に認定していない。
 なお、2)についていえば、「理屈の上では」、政府認定拉致被害者は「増減する可能性」があります。
 「北朝鮮拉致だと思われていた物が北朝鮮拉致でない(あるいはその逆)」は理屈の上ではあり得ますが、小泉訪朝以降そうした増減はないので「新証拠が出るなどの大きな状況変化がない限り」今後も多分増減はないでしょう。

今日の中国ニュース(2020年1月25日分)

習近平氏の国賓待遇 批判強める野党「覇権主義容認と誤解招く」(1/2ページ) - 産経ニュース

「『国賓待遇』で接遇することによって、世界に対して、中国の覇権主義国際法や民主主義の基本的価値やルールに反する行動を容認する*1といった誤ったメッセージを送ることになりませんか」
 国民民主党玉木雄一郎*2代表は22日、首相の施政方針演説に対する衆院本会議での代表質問で、中国公船による領海侵入新疆ウイグル自治区での人権問題など懸念を列挙して、首相にこう迫った。
 共産党山下芳生*3副委員長も24日の参院本会議の代表質問で香港問題に触れ、「弾圧が中国の最高指導部の承認と指示のもとに行われていることは、きわめて重大」と指摘した。国賓待遇の是非には直接、論及しなかったものの、共産党関係者は「もろ手を挙げて歓迎できる状況にはない」と言い切る。
 立憲民主党枝野幸男*4代表は12日のNHK番組で、「国賓としてお招きするのに、『いかがなものか』という声が国内外にあることについて、私は十分理解する*5」と述べた。

・アンチ中国のあまり「野党も安倍首相を批判している!」と言い出して、珍しく野党を持ち上げる産経です。
・アンチ安倍の俺ですが、この件では「日中友好の観点から安倍が正しい。野党*6は間違ってる」と明言したいと思います。まあ、共産党の場合「立民や国民民主に引きずられてる面が大きい」のでしょうが、野党共闘を重視するあまり、日中関係を軽視するのはやめてほしい。
 ウイグル問題や香港デモ問題などは別途批判すればいいし、「習主席は既に昨年6月のG20で訪日」しています。
 そのときに批判しないで今回批判するのは全く意味が分かりません。
 「今回は国賓訪問だから反対」というのは「天皇との面会*7」という事柄に「必要以上に価値を置いており」、「天皇がもはや主権者ではない現在」においては非常に問題のある態度でしょう。
 それとも「前回はG20の会議出席がメインで、日本が招待したわけでないからOK」というのか。それも極めて形式的な物言いでしょう。
 大体、今野党だから、こんなことを言うのではないか。今与党でもこんなことが言えるのか。あるいは「4月上旬までに(つまり習主席訪問の前までに)」政権奪還が仮に出来たとして、安倍の計画を「白紙撤回する度胸」があるのか。
 あるいは「今後政権奪還したとして」、習主席の国賓訪問は絶対にしないというのか。「4月上旬までに安倍退陣はあり得ても、野党の政権奪還はない(4月上旬までに衆院解散はないし、仮に解散があっても残念ながら自公過半数割れに追い込めるか疑問、過半数割れに追い込んでも野党共闘首相候補*8を首相に出来るか疑問*9)」という考えから無責任に放言してるだけではないのか。
 「仮に今後政権奪還しても、今年春の習主席国賓訪問後は2~3年程度しばらく国賓訪問がなくても問題ない。2~3年後のことはそのとき考えればいい」という考えから無責任に(以下略)。
 「反中国言動をすれば今の日本では受ける」という無責任なポピュリズムはやめてほしい。
 何というか「野党は本気で政権を奪還する気があるのか」「また『実は霞ヶ関埋蔵金はありませんでした、消費税増税せざるを得ない(民主党)』みたいな醜態『政権交代後の習主席国賓訪問』を見たくないんですが?」と苦言を呈さざるを得ない。こういうときに「我々はアンチ安倍だし、野党共闘も重視するし、中国の人権問題がどうでもいいとは言わない。しかし国賓訪問には反対しない」という「ポピュリズムに対決する姿勢」が共産党の魅力と考える俺にとっては「この程度では共産支持をやめません」が「共産にはがっかりだよ」といわざるを得ません。
 とはいえ、玉木や枝野とは違い「国賓訪問反対」とは言わなかった点は「共産党は良く踏みとどまった」とそれなりに評価したい。
 俺はあくまでも「モリカケ桜を見る会などの公私混同、不正行為」「ホワイト国除外という嫌韓国行為」「靖国参拝や『櫻井よしこ*10百田尚樹*11ら極右との交友関係』、ニッキョーソヤジ*12などの極右性」など「安倍の問題点」を批判し「安倍の早期退陣を願ってる」のであって「安倍のやることなら全て反対」でもなければ、「野党の安倍批判なら全て賛成」でもありません。
 アンチ自民、共産支持の俺ですが、基本的には

ロッキード事件では田中角栄*13を批判しても日中国交正常化は評価する
・金権腐敗では金丸信を批判しても金丸*14訪朝の成果(第18富士山丸船長の帰国)は評価する
イラク自衛隊派兵では小泉純一郎*15を批判しても小泉訪朝(拉致被害者の帰国)は評価する

という「是々非々の立場」です。


【変革 ハウス食品グループ】カレーを人民食に 手探りの中国市場(1/4ページ) - 産経ニュース

 2002年、中国・上海。市場(いちば)を歩き回ることから調査は始まった。山積みのジャガイモ、ニンジン、つり下げられた肉の塊、調味料…。どんな種類があり、どんな味が好まれているのか。中国でカレールーの「バーモントカレー」を売り出すため、ハウス食品が同年に立ち上げた上海事務所では「何もかも手探りだった」と堂上(どううえ)貴幸(44)=現ハウス食品グループ本社経営企画部次長=は振り返る。
 消費者の反応を探るため、商社と組んで1997年に上海市内にカレーのレストランを開店。日本から持ち込んだカレーソースを使い、価格は1皿40人民元ほどに設定した。当時の為替レートで600円相当だが、物価水準を考慮すると(ボーガス注:日本人の)感覚的には3千~4千円といったところ。中国では、白いご飯の上に何かをかけて食べるという習慣がなく、当時はスプーンも一般的ではなかった。
 それでも日本のカレーは話題となり、受けた。休日には500~600人が来店し、タクシーで乗り付ける人も。デートスポットとしても人気を呼んだという。店の内装や店員の制服は高級感を出し、トイレにまでこだわったことも奏功したのかもしれない。
 日本では家庭の味が、中国ではぜいたくな料理に化ける。だが、ハウスは「飲食店を通じてではなく、家庭の中に届ける」ことを目標に掲げた。
 その第一歩を踏み出した市場で、堂上たちは日本との違いを目の当たりにすることになった。日本のものよりも水っぽいムラサキタマネギが一般的。肉も鶏、豚が中心でバーモントカレー開発でメインにしていた牛はややマイナー。
 日本のバーモントカレーそのままでは、中国の家庭に浸透しそうにない。ハウスの挑戦が始まった。
 中国の鶏肉、野菜に合わせて味を調整。肉料理によく使われリッチな風味を演出するスパイス「八角」を入れた。また、見た目は日本のものより黄色っぽく仕上がるようにした。「日本では色が濃いと、よく煮込んでいるとかうま味が凝縮しているとイメージされるが、中国では古くなったとみられがち。『黄金色』が好まれる」のだという。
 日本と比べてスーパーの商品棚の照明は少し暗いことから、パッケージは明るく目立つ色に。日本ブランドであることをさりげなく知らせるために小さくカタカナで「ハウス バーモントカレー」と入れた。
 売り込みはかつての日本流。スーパーに出向いては試食販売を繰り返した。
 堂上たちは「子供の健康づくりに役立つ」ことをセールスポイントにした。家庭の食卓を攻めるには子供からというわけだ。規制がまだ緩く学校での試食会を開くこともできた。
 テレビCMも当初は人気女優を起用して、おしゃれな家庭料理のイメージを強調していたが、北京五輪(08年)後は子供にターゲットを絞り、人気があった女子トランポリン選手に切り替えた。さらに日本のアニメとのタイアップなどで畳みかけた。
 急成長が続く中国経済。販路開拓のためスーパーなど量販店に売り込みに行くのだが、店がどんどん増えている。「急成長どころではない。一足飛びという感じだった」という。
 ハウス食品グループの中国でのカレー事業は、スタートから8年目の12年12月期に黒字化した。売上高は前年を下回ることなく伸び続けており、19年3月期は58億円となった。現在は上海、大連、浙江省の3工場で生産し、中国各地に出荷している。
 ハウスは「カレーを人民食に」との目標を掲げてきた。事業立ち上げから昨年3月まで中国に勤務した堂上は「確実に市場は広がってきている」と話す。

 ということで中国ビジネスは大事だという話です。


中国・習主席来日「国賓扱いは正しいか」:日経ビジネス電子版

 テレビ東京アナウンサー・西野志海と日経ビジネス編集委員・山川龍雄が、世間を騒がせている時事問題をゲストに直撃する動画シリーズ。第25回のテーマは、中国・習近平*16(シー・ジンピン)主席来日「国賓扱いは正しいか」
◆西野志海(日経プラス10サタデー・キャスター、以下、西野):
 このコンテンツは、BSテレ東で毎週土曜日朝9時から放送している「日経プラス10サタデー ニュースの疑問」の中でお伝えし切れなかった内容を、改めてインターネットの記事や動画でお届けしようというものです。今回のテーマはこちら。
 中国・習近平国家主席来日「国賓扱いは正しいか」
 賛否両論、いろんな議論が出ていますね。
◆山川龍雄(日経プラス10サタデー・メインキャスター、以下、山川):
 今日は国賓来日については「慎重であるべきだ」という立場の人に、来ていただきました。
◆西野:
 参議院議員佐藤正久さん*17です。
◆佐藤氏:
 今回は安倍首相の方から習主席を国賓として招きたいと申し入れた経緯があります。そんな中で、自民党の議員が異論を唱えるのは、本来であればなかなか難しい。しかし、誰かが言わないと駄目なんです。自民党内で何も言わずにすんなり来日してしまったら、解決できる問題も解決しない。
 とりわけ強調したいのは、尖閣諸島周辺の接続水域での航行や領海侵入です。これは日本の主権に関わるので、見過ごすわけにはいきません。
◆山川:
 日本が抱いている危機感を、あらゆる手段を用いて、中国政府に伝えていくことが大事だと。
◆佐藤氏:
 そうです。安倍首相が「下からの突き上げがあるが、何とか習主席の来日を成功させたいので、これくらいの条件はのんでほしい」と交渉できる環境を整えるのが大事だと思っています。
 「言論NPO」による世論調査では、中国に良くない印象を持つ日本国民は85%に上ります。そんな状況下で、天皇陛下の来客として迎えようとしているのです。少しでも国民が歓迎できる環境にもっていかなければなりません。
◆山川:
 春までにはまだ時間があります。尖閣だけでなく、日本人が拘束されている問題なども前進してほしいですね。
◆佐藤氏:
 ここ数年で15人が捕まり、うち5人は帰国しましたが、まだ10人が拘束されています。しかも彼らの拘束や判決の理由は明らかにされていません。
◆西野:
 国賓として招く話が出た後も、中国側の態度は変わっていないんですか。
◆佐藤氏:
 というよりも、逆に悪化している。
◆西野:
 それなら、どうして国賓として招くことをやめないのですか。
◆佐藤氏:
 日本から申し入れた状況なので。(中略)恐らく過去の中国元首の訪日に倣えば、国賓でなければ、習主席は来ないだろうと。
◆山川:
 実際、(ボーガス注:小渕*18政権時の)江沢民*19主席と(ボーガス注:福田*20政権時の)胡錦涛*21主席が来日したときには、国賓として迎えました。中国はメンツを重んじる国です。(ボーガス注:面子を重視するという)習主席の性格を考えても、国賓でなければ、現実として来ないでしょう。
◆佐藤氏:
 確かにそうかもしれませんが、それは政府の理屈であって、国民からすると、よく分からない。
 実際、フランスのマクロン*22大統領は国家元首ですが、日本に来たときは国賓ではありませんでした。ローマ教皇(法王)もそうです。「国賓でなければ、日本には来ない」と言われても、国民の胸にはストンと落ちないと思います。
◆西野:
 では、国賓として来日した後に、中国側の姿勢が変わる可能性はあるのでしょうか。
◆山川:
 日本側は安全性に関する科学的根拠を示しているのに、中国はいまだに新潟県産の米を除く福島、宮城など10都県の食品・飼料の輸入を停止したままです。
◆佐藤氏:
 私は地元が福島ですから、この問題には特に心を痛めてきました。外務副大臣だったときも随分と動いた経緯があります。
 この問題における中国の影響は大きい。中国が規制を解除すれば、韓国、香港、台湾にも好影響を与えます。特に今年は東京オリンピックパラリンピックがある年ですから、春までに解除してくれれば、大きなインパクトがある。
◆山川:
 これは期待してよい?
◆佐藤氏:
 政府の中でも、ハンドリングしやすい問題だと思います。私も外務省に「ここは押すべきだ」と言っています。
◆山川:
 そして、香港やウイグルチベットなどの人権問題ですね。日本側が昨春に来日を要請した後、急速に国際問題として浮上しました。
◆佐藤氏:
 ここは言い続けるしかない。中国政府は「国内問題」であり、「内政干渉だ」と言っていますが、人権は国際問題ですよ。
◆西野:
 一方で、中国との経済的な結びつきも無視できませんね。
◆佐藤氏:
 そうです。(中略)隣国である中国は、経済規模を拡大している。この傾向は今後も変わらないでしょう。下のグラフの通り、今や中国のGDP国内総生産)は、日本のおよそ3倍です。いずれアメリカを抜くといわれています。
◆山川:
 日中の貿易額の伸びを見ても、お互いがサプライチェーンで結びつき、切っても切り離せない関係になっています。言わなければならないことは言うべきだけれど、関係は改善したい。そこが難しいところですね。
◆西野:
 少し身近な話題について聞きたいのですが、習主席が来日する場合の「おもてなし」はどうなるのでしょう。
 昨年5月、トランプ大統領国賓として招かれたときは、大相撲観戦をしたり、炉端焼きの食事をしたり楽しそうでした。習主席だと、どうなりますか。
◆佐藤氏:
 いろいろと考えていると思いますよ。間違いなく、中国側はトランプ大統領を意識した対応を求めてくるはずです。
◆山川:
 アメリカの大統領と同格に見られることを意識する?
◆佐藤氏:
 中国国内向けだけでなく、世界に向けて「いい絵」をアピールしたいでしょう。
◆西野:
 日中関係はトゲがたくさんあっても、(ボーガス注:日中の経済関係を考えると)嫌いだから別れるとは言えないところが難しいですね。
 佐藤さん、ありがとうございました。

 ウヨの佐藤ですら「反対」ではなく「慎重」としかいえない点が興味深い。また佐藤が習主席訪日について「経済交流の進展が目的だ」とはっきり認めてる点も興味深い。


【編集者のおすすめ】『世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』河添恵子著 日本弱体化進めぬために - 産経ニュース
 「民主化(複数政党制など)や中国共産党の下野ならまだしも、そんなもん望んでるのはお前ら反中国ウヨだけだろ。「習近平中国崩壊」が単に習氏の主席退任ならともかく中国経済崩壊なんてもんなら日本も世界も大ダメージ食らうぞ(まああり得ない話だけど)」で終わる話です。
 まあここで「世界は中国の民主化を望んでる」ならまだまともなのですが、それでは読者として想定する反中国ウヨ相手に売れないのでしょう。その時点で「ばかばかしい」で終わる話です。


【産経の本】『日本と中国はまったく違います』張茂森著 反中国最前線からの告発 - 産経ニュース
 「門田隆将氏の推薦文」という時点で「なんだ、日本ウヨに媚びるゴミ本か」で終わる話です。まともな人間ならいかに反中国でも「河野談話否定論のデマ右翼」門田に推薦文は頼まないでしょう。

*1:国賓待遇と「それ」とは別問題でしょうよ。向こうが「国賓待遇でないなら多分来ない(江沢民胡錦濤訪中は国賓待遇だったので)」という状況下で「国賓待遇しない」とは「訪日しなくていい」といってるのと同じ話です。

*2:民主党政調副会長、民進党幹事長代理、希望の党代表などを経て国民民主党代表

*3:共産党書記局長を経て副委員長

*4:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)を経て立憲民主党代表

*5:「理解する」とは曖昧な表現で「理解した(一理あると思った)だけで国賓訪問に反対はしてない」と「インチキ政治家」枝野だと言い出しかねないですが、まあ一応「反対という意味」なのでしょう(俺は枝野という人間をかけらも信用していません)。

*6:といっても産経記事に名前が出てくる野党は「立民、国民民主、共産」だけで「維新(事実上、自民応援団)」「社民、れいわ(野党共闘のメンバー)」の態度は不明ですが。まあ維新の場合「自民党応援団」ですから賛成の立場かと思います。

*7:天皇との面会があるかどうかが国賓かどうかの違いのようです。

*8:現状のままなら枝野立民代表になるでしょうが

*9:何が言いたいかと言えば、野党共闘過半数を維持しても「自民に近い国民民主」に自民が分断工作を仕掛け、国民民主が裏切り、国民民主の支援で自民総裁が首相、という可能性があるという話です。

*10:一時、安倍によって中教審委員に任命された

*11:一時、安倍によってNHK経営委員に任命された

*12:野次を飛ばすこと自体がゲスですが「ヤジの内容」も「街宣右翼並みの日教組誹謗」というゲスさです。

*13:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*14:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、副総裁(宮沢総裁時代)などを歴任

*15:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*16:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*17:第4次安倍内閣で外務副大臣

*18:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相などを経て首相

*19:電子工業大臣、上海市長・党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*20:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*21:共青団中央書記処第一書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*22:オランド政権財務相を経て大統領

三浦小太郎に突っ込む(2020年1月25日分)

月刊Hanadaに連載をさせていただくことになりました。今日発売の3月号に載っています | 三浦小太郎BLOG Blue Moon

 月刊Hanadaに連載をさせていただくことになりまして、今月(1月)24日発売の3月号に「【新シリーズ 戦後名論文再読1】三浦小太郎 清水幾太郎 日本よ、国家たれ―核の選択」が掲載されます。

 清水論文がどんな代物か、三浦が簡単にすら説明しないのは「日本核武装」という清水の主張があまりにも非常識すぎるからでしょうか?。
 まあ「核の選択」なんてタイトルの文章が、月刊Hanadaで紹介され紹介者が三浦という時点で「Hanadaと三浦が極右だ」と知ってれば別に清水を知らなくても、内容は「核武装論だろう」と想像がつきますが。
 まあ昔はともかく今は清水幾太郎なんて無名に近い「忘れられた存在」だと思います。後で簡単に触れますが「安保反対派から核武装支持」という常人には理解しがたい変節をしたこと(しかも核武装という非常識主張に変節したこと)がやはり「忘れられた理由」でしょう(とはいえ、非常識極右でも三島由紀夫などは忘れられていませんので、学者としての能力に疑問符がつく御仁なのでしょう。一応「オーギュスト・コント研究者」ではあるのですが)。日本核武装論には批判的な「左派やリベラル保守は勿論」、核武装支持の極右派にとってもこの種の変節者は褒めづらいものがあります。
 いわゆる1960年安保闘争では鶴見俊輔*1日高六郎*2丸山真男*3などとともに左派、ないしリベラル派の学者として岸*4政権批判を展開した清水は晩年、三浦が月刊Hanadaで紹介したというウヨ論文「日本よ、国家たれ―核の選択」で日本核武装を主張するまでに極右化します。
 常人には理解しがたい変節であり、「藤岡信勝*5」「筆坂秀世*6」など、「1990年代以降に、極右に転向した元左翼(あるいは元リベラル保守)」の先輩と言っていいでしょう。

参考

清水幾太郎(1907~1988年、ウィキペディア参照)
 1932年「唯物論研究会」幹事、1938年「昭和研究会」文化委員、1939年東京朝日新聞社学藝部専属、1941年読売新聞社論説委員終戦時は海軍技術研究所嘱託。戦後は1946年二十世紀研究所設立、1949年平和問題談話会参加。
 1949年から1969年まで学習院大学教授。
◆著書
・『流言蜚語』(1937年、日本評論社→2011年、ちくま学芸文庫)
・『愛国心』(1950年、岩波新書→2013年、ちくま学芸文庫)
・『論文の書き方』(1959年、岩波新書)
・『私の文章作法』(1971年、潮新書→1995年、中公文庫)
・『社会心理学』(1972年、岩波全書)
・『倫理学ノート』(1972年、岩波全書→2000年、講談社学術文庫)
・『本はどう読むか』(1972年、講談社現代新書)
・『日本人の突破口』、『無思想時代の思想』(1975年、中公叢書)
・『私の読書と人生』(1977年、講談社学術文庫)
・『オーギュスト・コント』(1978年、岩波新書→2014年、ちくま学芸文庫)
・『昨日の旅:ラテン・アメリカからスペインへ』(1977年、文藝春秋→1990年、中公文庫)
・『戦後を疑う』(1980年、講談社→1985年、講談社文庫)
・『日本よ国家たれ:核の選択』(1980年、文藝春秋)など
◆参考文献
小熊英二*7清水幾太郎』(2003年、御茶の水書房
・庄司武史*8清水幾太郎』(2015年、ミネルヴァ書房

*1:1922~2015年。元同志社大学教授。著書『北米体験再考』(1971年、岩波新書)、『アメリカ哲学』(1986年、講談社学術文庫)、『柳宗悦』(1994年、平凡社ライブラリー)、『老いの生きかた』(1997年、ちくま文庫)、『アメノウズメ伝』(1997年、平凡社ライブラリー)、『限界芸術論』(1999年、ちくま学芸文庫)、『太夫才蔵伝:漫才をつらぬくもの』(2000年、平凡社ライブラリー)、『戦時期日本の精神史:1931‐1945年』、『戦後日本の大衆文化史:1945‐1980年』(以上、2001年、岩波現代文庫)、『夢野久作・迷宮の住人』(2004年、双葉文庫)、『回想の人びと』(2006年、ちくま文庫)、『期待と回想』(2008年、朝日文庫)、『教育再定義への試み』、『竹内好』(以上、2010年、岩波現代文庫)、『思い出袋』(2010年、岩波新書)、『文章心得帖』(2013年、ちくま学芸文庫)、『埴谷雄高』(2016年、講談社文芸文庫)など(ウィキペディア鶴見俊輔』参照)

*2:1917~2018年。元東京大学教授。著書『戦後思想を考える』(1980年、岩波新書)、『私の平和論:戦前から戦後へ』(1995年、岩波新書)、『戦争のなかで考えたこと:ある家族の物語』(2005年、筑摩書房)、『私の憲法体験』(2010年、筑摩書房)など(ウィキペディア日高六郎』参照)。

*3:1914~1996年。東京大学名誉教授。著書『日本の思想』(1961年、岩波新書)、『戦中と戦後の間:1936-1957』(1976年、みすず書房)、『後衛の位置から』(1982年、未来社)、『「文明論之概略」を読む(上・中・下)』(1986年、岩波新書)、『忠誠と反逆:転形期日本の精神史的位相』(1998年、ちくま学芸文庫)、『福沢諭吉の哲学他六篇』(2011年、岩波文庫)、『政治の世界他十篇』(2014年、岩波文庫)、『超国家主義の論理と心理他八篇』(2015年、岩波文庫) など(ウィキペディア丸山真男』参照)

*4:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(いずれも鳩山一郎総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*5:1943年生まれ。元東大教授、元拓殖大教授。元「新しい歴史教科書をつくる会」会長(現在は副会長)。右翼転向後の著書に『自由主義史観とは何か』(1997年、PHP文庫)、『「自虐史観」の病理』(2000年、文春文庫)、『汚辱の近現代史』(2001年、徳間文庫)、『教科書採択の真相:かくして歴史は歪められる』(2005年、PHP新書)など(ウィキペディア藤岡信勝』参照)

*6:1948年生まれ。元参院議員(元日本共産党政策委員長)。セクハラ問題で政策委員長を更迭後、離党し右翼転向。右翼転向後の著書に『日本共産党中韓:左から右へ大転換してわかったこと』(2015年、ワニブックスPLUS新書)、『日本共産党の最新レトリック』(2019年、産経新聞出版)など

*7:慶應義塾大学教授。著書『単一民族神話の起源』(1995年、新曜社)、『<日本人>の境界 沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮:植民地支配から復帰運動まで』(1998年、新曜社)、『<民主>と<愛国>:戦後日本のナショナリズムと公共性』(2002年、新曜社)、『市民と武装アメリカ合衆国における戦争と銃規制』(2004年、慶應義塾大学出版会)、『社会を変えるには』(2012年、講談社現代新書)、『生きて帰ってきた男:ある日本兵の戦争と戦後』(2015年、岩波新書)、『日本社会のしくみ:雇用・教育・福祉の歴史社会学』(2019年、講談社現代新書)など

*8:首都大学東京助教