今日の中国関係ニュースほか(10/23分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■産経【主張】台湾の与党大敗 繁栄と自立の両立めざせ
https://www.sankei.com/column/news/181127/clm1811270002-n1.html

 民進党政権への今回の厳しい評価は、年金制度や労働法制の見直しで、政権が社会の反応を見誤った結果だ。

 そういう要素がないとは言いません。しかしやはり「中国との間で無用な対立を深め、経済を悪くした」という要素もあるでしょう。産経的には「対中関係悪化で負けた」ということは絶対に認めたくないのでしょうが。


産経抄・11月27日
https://special.sankei.com/f/sankeisyo/article/20181127/0001.html

 統一地方選挙で、与党の民主進歩党が惨敗し、中国に対する融和政策を掲げる野党・国民党が票を伸ばした。蔡英文総統は責任を取って、民進党の主席を辞任した。
「民衆の願いを反映している」。
 中国政府はまるで「勝利宣言」のような趣旨の声明を発表した。

 これについては浅井基文先生が紹介する中国メディア「環球時報」記事でも

http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1080.html
・多くの分析が指摘するように、今回の国民党の大勝は国民党の活力が回復したためではなく、蔡英文及び民進党の失政が民心の怒りを買い、多くのものにとって民進党は「嘘つき」と映り、民進党だけには投票しないという結果が国民党に勝利をもたらした。
 台湾の民衆が民進党に政治を委ねたのは、国民党政権が成し遂げなかった経済社会発展問題*1を解決することを期待したからだ。ところが民進党は民意を読み誤り、党の「脱中国化」の政治路線が支持を受けたと考え、「文化的台独」「密かな台独」を推し進めた(ボーガス注:その結果中台の経済交流が冷え込み、かえって不況を助長した)。
 今回の選挙と同時に行われた10項目の住民投票の一つ、「東京オリンピック参加正式名称住民投票*2」も(ボーガス注:「台湾」参加派の敗北という形で)失敗に終わったが、これもまったく現実的ではなく、仮に通ったとしても実現しようはなく、(ボーガス注:支持者に押されてこうした投票を強行した)民進党のグロテスクでパラノイア的な思考を代表している。

と書き「蔡英文民進党政権が、経済を犠牲にしてまで、中国の反発を買う外交路線をとったことに台湾民衆がノーを突きつけた」としています。
 浅井先生は「グロテスクでパラノイア」など、どぎつい表現はともかく「環球時報」記事の「選挙分析」は「事実認識として概ね正しいと思う」としています。俺も同感です。中国にこびまくれとはいいません。しかし中国との対立を無用にあおる蔡英文路線は愚劣だったと思います。地方選大敗も自業自得と言うべきでしょう。

 日本として看過できないのは、住民投票の結果である。東京電力福島第1原発事故から始まった福島など5県産食品の輸入禁止の継続が、賛成多数で成立してしまった。東日本大震災に際して台湾からは、200億円を超える義援金が送られてきた。日本を訪れる観光客も年間400万人を超えているだけに、残念でならない*3
 今後2年間は禁輸が続く。同様の措置を取ってきた中国は、激化する米中対立の影響か、緩和を検討し始めた。

 つまりは台湾は産経が言うような「親日ではない」ということです。


桜井よしこ『将来に禍根残しかねない入管法改正案 日本は外国人政策の全体像を見直す時だ』
https://yoshiko-sakurai.jp/2018/11/24/7780
 確かに「安い労働力がほしい」「少子化で労働力が不足するから」などの「財界の要望」にのっかり、安易な考えでろくに議論もせずに「入管法改正で移民を積極的に受け入れ」なんかすべきではありません。
 仮に移民を受け入れるにせよ「欧米で起こってるような移民差別」等の弊害が起こらない対策が必要です。しかし残念ながらよしこの主張はそうしたまともなもんではありません。

 安倍晋三首相も自民党も一体どうしたのか。まるで無責任な野党と同じではないか。

 「ウヨ排外主義」のよしこは「移民問題」では安倍批判するわけですが、それにしても「まるで無責任な野党と同じ」て(苦笑)。この文脈で野党批判するのはおかしいでしょうよ。
 むしろ「立場はいろいろと違うが与党案に批判的という意味では私は野党を支持する」とでもいうべきでしょうにねえ。

 外国人は単なる労働者ではない。誇りも独自の文化も家族もある人間だ。いったん来日して3年、5年と住む内に、安定した日本に永住したくなり、家族を呼び寄せたくなる人がふえるのは目に見えている。その時彼らが機械的に日本を去るとは思えない。すると日本社会にどんな影響が出るだろうか。

 まあ欧米であるような「文化的衝突」とか果ては「移民差別」の危険性がありますよねえ。「それはそのときに考える」とか「多分そう言うことにならないと思う」「とにかく労働力不足だから移民が必要なんだ」なんてのは無責任でしかありません。

 問題は一般永住者である。シンクタンク「国家基本問題研究所」研究員の西岡力氏の調査によると、17年末で75万人の一般永住者の3分の1、25万人が中国人だ。一般永住者は日本人と同等の権利*4を与えられた外国人と考えてよい。滞在期間は無制限で、配偶者や子供にも在留資格が与えられる。活動も日本国民同様、何ら制限もない。彼らが朝鮮総連のような祖国に忠誠を誓う政治組織を作ることも現行法では合法*5だ。
 他方中国政府は10年に国防動員法を制定し、緊急時には海外在住の中国国民にも国家有事の動員に応ずることを義務づけた。仮に、日中両国が紛争状態に陥った時、在日中国人が自衛隊や米軍の活動を妨害するために後方を攪乱する任務に就くこと*6も十分に考えられる。

 おいおいですね。完全な「中国人差別」で「偏見、デマ」でしかありません。「それなりにまともな移民反対論」で終わらないあたりさすがよしこです。もちろん褒めてません。しかしこれが「一応、経済誌」の週刊ダイヤモンドに乗るんですか(呆)


■産経【主張】ダライ・ラマ講演 民族の権利求める声聞け
https://www.sankei.com/column/news/181126/clm1811260001-n1.html

 ダライ・ラマ演説と同じ20日、トランプ大統領の側近だったバノン前首席戦略官が、米亡命中の中国人元実業家、郭文貴氏とともに中国国内の人権弾圧を調査する基金設立を発表した。

 バノンといえば極右排外主義者として悪名高い人物であり、政権内外の批判でトランプも首席戦略官を首にせざるを得なかった危険人物です。そんなんが「人権」云々と言っても何の説得力もない。ただの反中国でしかないわけです。

 バノン氏は米国が中国の「属国」となると危機感を唱えてきた人物であり、内なる抑圧と対外拡張を一体と捉えた対中警戒が浸透している証左といえよう。

 極右バノンはアメリカ政治においては「キワモノ扱い」「批判対象」でしかありません。

 ダライ・ラマの訴えは「私たちがもし、中国にとどまるならば、中国憲法に基づいたすべての権利が与えられるべきです」という穏やかなものだ。

 ということは産経は今後、チベット独立論など口にしないと言うことでしょうか?


ダライ・ラマ法王日本代表部事務所麗澤大学で学生たちに向けたご講演』
http://www.tibethouse.jp/visit_to_japan/2018/181119_hhdl-01.html
 麗澤大学の母体が右翼宗教「モラロジー日本会議加入団体)」であり、教員も

https://www.reitaku-u.ac.jp/about/teachers
特別教授
古森義久*7 (元産経ワシントン支局長)
特任教授
高橋史朗*8(元『新しい歴史教科書をつくる会つくる会)副会長』)
教授(経済学部)
八木秀次*9(元『つくる会』会長、現在、日本教育再生機構理事長)

とウヨ*10がいることを知ってれば、「まーたダライの野郎、ウヨと野合したんかい!。どうしようもない馬鹿だな、おまえ」ですね。まあ、こう言っちゃ何ですが、麗澤なんて大して知名度のある大学じゃないし、普通訪問しませんよねえ。
 ちなみに以前、悪質な右翼暴言で非難された「黒田成彦平戸市長」つう馬鹿者がいますが、ウィキペディアによればこやつの母校が麗澤大だそうです。なるほど麗澤大ならあの馬鹿右翼ぶりも納得です。しかしこんなんを市長にするなと言いたいですね。

参考
長崎県黒田成彦平戸市長在特会桜井誠を支持するレイシストだったなんてシャレにならん
https://matome.naver.jp/odai/2147011919911362601


■朝日『武装勢力、さらなる攻撃を動画で宣言 中国総領事館襲撃』
https://www.asahi.com/articles/ASLCS4JPLLCSUHBI010.html

 容疑者が所属する武装勢力は南西部バルチスタン州の独立を求めており

 つまりは「バルチスタンで経済活動する奴=バルチスタン独立を目指す我々にとっての敵パキスタン政府の支援を受けてる=当然、すべて敵。バルチスタンから出て行け」つう話であり「中国だから」というわけではないわけです。


朝日新聞『中国マネーは毒か希望か』
https://digital.asahi.com/articles/ASLBS56B7LBSUHBI02H.html
 タイトルからして明らかに朝日の「全体的論調」は「産経か!(タカアンドトシ風に)」「反中か!」といいたくなる代物ですがそれはさておき。

【@アフリカ】飢餓の国、H&Mも進出(アディスアベバ=石原孝、上海=宮嶋加菜子)
 4年前に完成した工業団地「ボレレミ1」は、約160ヘクタールの敷地に中国や韓国など11社の縫製工場が入る。朝夕、従業員を送迎するバスが何十台も列をなす。
 隣では「ボレレミ2」(約180ヘクタール)の来年の完成に向け、中国の建設企業「中地海外集団」などが工事を続けている。エチオピア投資委員会のゲタソ・モツバイノン(31)は「毎日のように見学希望の問い合わせがある。一番多いのが中国企業だ」と話す。
 国内では近年アパレル向けの工業団地が計画中も含め約10カ所立ち上がった。スウェーデンの衣料品チェーン「H&M」も進出。米ブルームバーグは「中国がエチオピアを巨大なファストファッション工場に変えつつある」と報じた。
 政府は国内総生産(GDP)に占める製造業の割合を14年度の4・8%から、25年に18%まで引き上げる目標を掲げる。後押しするのは中国だ。工業団地周辺の道路や鉄道、送電網など、工業化を支えるインフラに融資し、建設する。1992年から15年までの投資額も中国がトップだ。中国マネーとともに移住した中国人は6万人とも言われる。
 米ジョンズ・ホプキンス大学の研究機関「中国アフリカ研究イニシアチブ」によると、中国がエチオピア支援を急増させたのは06年以降。15年までに計約130億ドル(約1兆4300億円)を注ぎ込んだ。時を同じくして、エチオピアの成長率はアフリカで最高規模の年10%前後の高い経済成長率を維持するようになった。貧困率は95年の45・5%から10年には29・6%まで減少。25年までに中所得国入りを目指す。
 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は9月、アフリカ諸国53カ国の首脳らが集まった「中国アフリカ協力フォーラム」で、アフリカへの支援として無償援助150億ドルを含む総額600億ドル(約6兆6600億円)の拠出を表明。アフリカ諸国から歓迎された。
 エチオピアの首都アディスアベバ郊外の鉄道駅。ホームに止まる中国製客車の入り口に、真っ赤な制服姿のエチオピア人駅員が立ち、乗客の切符を確認する。隣には指導役の中国人職員。運転士や最後方で安全確認するのも中国人だ。
 列車はここからインド洋に面した隣国ジブチを結ぶ750キロ余りの区間を走る。貨物と共用で1月に開業した。内陸国エチオピアの輸出入品は約9割がジブチの港を通る。車で3日前後かかる道のりを約10時間に短縮する悲願の事業だ。
 約34億ドル(約3740億円)に上った総工費の7割を中国輸出入銀行が融資した。建設は中国中鉄と中国土木工程集団の国有企業2社が担当。最初の約6年間は中国人の技術者が運営に関与し、現地の運転士や駅員の育成に携わる。
 エチオピア鉄道公社の担当責任者、タラフン・サルカ(50)は「欧州などと違い、中国は一つの銀行から借りることができ、返済交渉などの手続きが便利。建設も現地従業員の訓練もしてくれる」と話す。
 2015年に開業した首都中心部を走るLRT(次世代型路面電車)も中国輸出入銀行が85%を融資し、中国中鉄が建設した。建設責任者を務めたバハイル・シンタイエフ(36)によると、契約書にはこの事業が「中国標準」で実施されると明記された。設計から建設まで「高水準」を求められ、機材の多くは中国から運ばれ、中国人作業員らが工事を担った。

 もちろん「一帯一路の一例」ですが、イヤー、中国の経済力ってすごいなあと改めて思います。


■産経『「D&G」中国で不買運動も 「無知で汚い」書き込みの創立者ら謝罪』
https://www.sankei.com/world/news/181123/wor1811230023-n1.html
 チベットウイグルだ、などといった政治問題ではなく「弁解の余地のない中国人に対する差別暴言を経営幹部が放言した」らしいので謝罪はもちろん当然です。擁護のしようがない話です。
 とはいえもちろん一方では「中国市場が大きい」つう要素もあるわけです。


■産経『台湾、日本食品規制継続へ 住民投票成立 東京五輪「台湾」案は否決』
https://www.sankei.com/world/news/181125/wor1811250007-n1.html

 台湾の中央選挙委員会は25日、24日の統一地方選と同時に行われた「住民投票」10件の開票結果を発表した。
 福島など5県産の日本食品の輸入で「規制継続」を求める投票は、約779万票の同意で成立した。住民投票には法的拘束力がある。今後2年間は輸入解禁できなくなり、日台関係に影響を及ぼしそうだ。同意せずは約223万票だった。

 こうした台湾住民の認識の是非はさておき、台湾は産経が言うような「親日」ではないわけです。


■国基研『台湾与党敗北は対中融和派の勝利を意味しない』太田文雄(元防衛庁情報本部長)
https://jinf.jp/feedback/archives/23849
 誰が考えても「対中融和派の勝利」「蔡英文路線(中国敵視)の敗北」でしょうにねえ。少なくとも国基研のような常軌を逸した反中国ウヨの敗北であることは確かでしょう。


■産経【台湾地方選】「嫌与党」票を誘った対立候補、蔡政権に厳しい判断、20年の総統選へ野党にも難題
https://www.sankei.com/world/news/181124/wor1811240020-n1.html
■日経『蔡英文総統が党主席辞任へ 台湾地方選で与党大敗』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38155510U8A121C1MM8000/

https://www.sankei.com/world/news/181124/wor1811240020-n1.html
 24日に投開票された台湾の統一地方選で、与党、民主進歩党は人口が集中する直轄市2つを失い、県・市の首長ポストを13から6に半減させる惨敗を喫した。地盤としてきた複数の県・市で再選を目指す現職が落選したのは蔡英文政権への厳しい批判が原因で、蔡総統の求心力低下は避けられない。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38155510U8A121C1MM8000/
・蔡氏は同日夜、敗北の責任をとって党主席を辞任すると表明した。総統としての職務は続けるが、政権の求心力低下は避けられない。
民進党は今回の選挙で全22県市の首長ポストを選挙前の13から6に減少。国民党は6から15〜16に増やす見通しで、形勢が逆転する。
民進党は20年にわたり執政を握る南部の直轄市、高雄の市長選で陳其邁氏(53)が国民党の韓国瑜氏(61)に敗北。
・中部の台中市でも国民党の盧秀燕氏(57)が民進党現職の林佳龍氏(54)を破った。中部の雲林県、南部の嘉義市などでも、民進党の現職候補が国民党候補に相次ぎ敗れた。

 これでわかること、それは「台湾独立」を安易に持ち出す蔡英文の政治ゲームに台湾人がダメ出ししたと言うことでしょう。「そんなことより経済をなんとかしろ、中国の反感買って経済的締め付け食らって意味があるのか」「蔡英文がそんな馬鹿なことを続けるならお灸を据えないといけない」と。
 もちろん地方選挙だから「地方の問題」もあるでしょうがこれほどの大敗は「国政への不満」「蔡英文への不満」の表明でしょう。
 なお、当然ながらこうした蔡英文批判は「統一論」でも「中国支持」でももちろんありません。
 一方で産経などが言う「台湾人は反中国だから民進党支持」がデマであることも明白になったわけです。


■産経【国際情勢分析】独立選ばなかったニューカレドニア 中国の南洋進出に「待った」
https://www.sankei.com/world/news/181122/wor1811220007-n1.html
 独立するかどうかと中国との関係はそれほど関係ないでしょう(独立時に中国がニューカレドニアを経済支援してくれれば、独立派も『独立時に経済がやってけるか』つう懸念が多少は減るでしょうが)。
 基本的には『フランスからの支援が長期はともかく少なくとも短期的には減るだろうが、それでも独立すべきか』つう話です。

 マクロン政権がニューカレドニアを離したくなかった背景には、太平洋地域での中国の覇権構築の脅威がある。

 いやいや基本的に自国領が減ることをよしとする政府は普通ないでしょう。中国の脅威なんてのは主たる問題ではない。


■日経『IOC住民投票に警告 台湾、呼称変更要求で』
https://id.nikkei.com/lounge/auth/password/proxy/post_response.seam?cid=2903134

 国際オリンピック委員会IOC)は19日までに、東京五輪で台湾代表が「中華台北」ではなく「台湾」の名で出場することに賛同を求める24日実施の住民投票について、五輪憲章違反の疑いがあるとする3度目の警告文を台湾当局に送った。投票で賛成が多数を占めれば、五輪参加資格が停止される可能性が高まった。
 台湾メディアによると、警告文は「中華台北」の呼称は1981年の協議で確定しており変更は不可能と強調。その上で、各国・地域の国内オリンピック委員会NOC)の活動を阻害する活動がある場合、NOC資格の取り消しや停止ができるとする五輪憲章の規定に、住民投票が抵触する可能性があるとしている。
 五輪呼称を巡る住民投票は、統一地方選に合わせて台湾の独立勢力が提案。五輪で「台湾」が使えないとの不満は台湾人には強く、11月7、8日に行われた民間の世論調査では、住民投票の提案に賛成すると答えた人は約67%に上った。賛成が反対を上回り、有権者数の4分の1以上であれば提案は成立する。
 台湾当局は「住民投票は人民の民主的権利」として尊重する構えだ。一方中国は反発しており、7月に住民投票にかける取り組みが起きていることを問題視して東アジアオリンピック委員会(EAOC)の会合を開き、来年8月に台中市で実施予定だった東アジア・ユース大会の中止を提案。これが通り同大会の中止が決まった。その後、住民投票に必要な署名数が集まり実施が確定した。
 IOCは79年、「一つの中国」原則に配慮し「中華民国」(台湾)から「中華台北」への変更を決議、81年の協議で台湾も同意した経緯がある。

 一応紹介だけしておきます。


■産経『「チベット人に中国憲法に基づいた権利を」 ダライ・ラマ14世講演要旨』
https://www.sankei.com/world/news/181120/wor1811200024-n1.html

「われわれはチベットの独立は求めていない。中国憲法に基づいたすべての権利が与えられるべきだ」
「1974年*11以降、私たちはチベット独立は求めておりません。歴史的にはもちろん私たちの国チベットは独立国であったわけですが、実際の状況などを考え合わせ、あまり実際的ではないということで、そのような決意にいたったわけです」

 少なくとも建前上はダライが独立を主張していないことが重要なポイントですね。


朝日新聞『「中国ネット部隊が侵入」選挙戦で台湾与党、中国は否定』
https://www.asahi.com/articles/ASLCM4FWZLCMUHBI00V.html
 まあ普通に考えてそんな事実はないでしょう。
 少なくともこの件については

 中国の対台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の報道官は14日の記者会見で、中国側が介入しているとの見方について、「民進党は(中国への)敵意をあおり、選挙戦で利益を得ようとしている。まったくの捏造だ」と反論した。

というのが事実でしょうね。何せ具体的事実を民進党は何ら提示してないそうですから。
 苦戦が伝えられる与党民進党が「敗戦に備えて中国に責任転嫁する」とともに勝てば勝ったで「中国の陰謀に勝った」とでも言い出すんでしょうか?。この記事が事実なら民進党には呆れます(残念ながら事実なのでしょうが)。勘弁してほしいですね。いかにアンチ中国とはいえ、もう少し民進党ってまともだと思っていたんですが。
【追記】
 もちろん民進党が勝った選挙区もありますがトータルでは国民党に大敗したようです。そしてさすがにその大敗を前に「中国の干渉がー」とはいえないようです。そんなことは敗北の主な理由でないことは明白だからです。


■台湾建国独立連盟【10月27日】集い「沖縄、台湾、そのはざまの尖閣
https://www.wufi-japan.org/archives/586

 沖縄は福建省との経済交流が加速度的に進められています。

 「アホか?」としかいいようがないですね。それの何が問題なのか。


ニューズウィーク日本版『中国の経済支援で借金漬けに:新植民地パキスタンの悲劇』楊海英*12
https://www.newsweekjapan.jp/youkaiei/2018/11/post-28.php
 まあ「産経文化人」楊海英なので「予想の範囲内」ですがずいぶんとパキスタンに失礼な暴言を吐くもんです。

・習がパキスタンのカーン首相を11月2日に迎えたときだ。中国はこのクリケットの元スター選手を厚遇し、うるさい口を封じた。カーンはパキスタン正義運動(PTI)党首として選挙運動をした際は、「前政権が中国による支援外交の術中にはまり、祖国を『債務の罠』に陥れた」と厳しく批判していた。
 しかし政権の座に就いてからはいち早く北京詣でをし、支援強化を請うた。
・中国は共産党幹部を養成する中央党学校でカーンに演説させ、「両国の揺るぎない友情」を謳歌してみせた。
 こうした政治手法は全て「中国共産党の偉大な先輩」たちに学んだものだ。70年代に毛沢東パキスタンのブット*13首相を首都・北京に招待。中ソ対立で中国側に立つ見返りにウラン濃縮技術を提供した。
 パキスタンはその後、歳月をかけて原爆の開発に成功。緩やかにではあるが完全に中国からの支援に依存する国、中国流新植民地主義の「優等生」に成り果てた。こうして借金の返済が見通せなくなり、13年にグワダル港の運営権を中国企業に譲渡した。
・その点、今年11月4日に発表された両国の共同声明は興味深い。
・共同宣言には、「双方ともグワダル港に関するマイナス報道に反対する」とも付け加えた。「植民地」開拓により事実上の軍港*14を世界に設置する中国に、パキスタンが協力している実態を隠すための方策だろう。

 まあ楊が中国やパキスタンに悪口雑言しようが何もどうにもなりません。この男もどこまで劣化し、落ちぶれれば気が済むんでしょうか?

 11月5〜10日、かつて西欧列強の租界があったこの港湾都市で中国初の輸入博覧会を開催。政府の宣伝によると、172の国・地域から約3600もの企業が展示ブースを設け、盛況を呈した。習は元歌手の夫人彭麗媛(ポン・リーユアン)夫人を連れて各国首脳と記念撮影を行い、共産党機関紙・人民日報の一面を飾った。
 こちらも毛時代の再来を彷彿させた。「あまねく世界からの友人たち」を集めた毛にも、かつて上海映画界のスターだった江青夫人が寄り添っていた。
 「友人」といっても、第三世界の指導者か、アフリカのゲリラのボスだけだったが。
 習夫妻と写真に納まったのは、経済支援の継続を求めるラオスと、したたかな八方美人外交を行うベトナムの首相ぐらい。「西欧列強」首脳が不在の毛時代が再来したかのようだった。

 毛時代の中国は貧乏国でした。しかし今や、「輸入博覧会を開催し」、多くの国から企業が参加しました。
 たとえば

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37243060R01C18A1FFE000/
■日経『中国輸入博に日系450社 参加国で最多、シェア拡大へ』
パナソニックが次世代エコカー用の車載装置などを展示するなど、技術力や品質をアピールして中国でのシェア拡大につなげたい考え。伊藤忠商事や丸紅などの総合商社も日本製食品などを展示する。
トヨタ自動車やホンダなどの自動車メーカーのほか、三菱重工業なども出展する。日中関係の改善が追い風となっており、展示スペースの総面積でも最大となる。中国と関係が悪化する米国だが、参加数は日本と韓国に次ぐ130社超の見通し。ゼネラル・モーターズGM)など自動車メーカーを中心に技術力をアピールする。

https://digital.asahi.com/articles/ASLC64D4VLC6UHBI01V.html
■朝日『最多出展の日本、中国輸入博で攻勢 14億人に食い込め
・5日に中国・上海で開幕した中国国際輸入博覧会では、日本からの参加企業・団体が約450と、国別では最多となった。
パナソニックは今回、中国で売れ筋の家電や美容機器を中心に、最新のコンセプトモデルや新製品を集めた。中国法人・松下家電の呉亮社長は「これまでは日本で型落ちした商品を中国に売れば良いという認識だったが、中国の家電市場は日本の2倍以上。選ぶ目も厳しい。日本と同時発売していかなければならない」と話した。
・中国市場に注目するトヨタ自動車も次世代1人乗りモビリティー(乗り物)の「e―Calm 02」などのコンセプトモデルを一挙に公開。
・医療分野では、オムロンの血圧計を試す人が多くいた。展示場を案内する担当者は「中国では今、健康管理で血圧への関心が高まっている」という。
名古屋市ベンチャー・ヘルスケアシステムズは、尿を郵送して健康状態をチェックできる自社の事業を紹介した。滝本陽介社長は「健康への意識が高い中国の人たちに取り組みをぜひ知ってほしい」と話す。
・小豆を使ったアイスで知られる井村屋グループには絶えず人が並んでいた。中国でも人気のくまモンの人形をキャラクターにした熊本県貿易協会は、ラーメンなどを展示するブースに人だかりができた。

という記事は楊の主張「文革云々」が全くのデマであることを証明しています。まあ楊も自分の主張がデマだとわかった上での故意のデマ垂れ流しでしょうが。この男もどこまで劣化し、落ちぶれれば気が済むんでしょうか?


■日経『ダライ・ラマ、後継者「成人から選定」 高僧会議で協議』
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO37381160V01C18A1FF8000/

 チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世(83)は5日、ダラムサラ日本経済新聞などのインタビューに応じ、(中略)後継者は「高僧や学者」か「適切な資質のある20歳くらいの人物が望ましい」と話し、幼児の中から生まれ変わりを探す伝統的な輪廻(りんね)転生制度の廃止に言及した。

 まあダライの本心がそういうもんだろうということは以前からわかり切っていましたが、伝統維持派の反対を切り捨てて実現できるかどうか。


■ダイヤモンドオンライン『中国で安倍訪中が話題ならずで「日本を必要としない日」到来の予感』姫田小夏
https://diamond.jp/articles/-/185602
 さすがに全く話題にならないわけではないでしょう。
 とはいえ「日中国交正常化での田中*15訪中」「日中平和友好条約での福田*16訪中」「宮沢*17内閣での天皇訪中」に比べればインパクトが弱いのも事実でしょう。
 そこには「安倍が右翼的価値観から中国を敵視しようが、それには限界がある。今や日中間の経済関係は大変深くなり、安倍個人の考えでどうにかなるものではもはやなくなったし、日本以外にも中国は世界各国と経済関係がある。安倍が中国敵視していいとは言わないが、昔ほど過敏に反応する理由もなくなった」「大体安倍が訪中する前から二階*18幹事長は訪中していたし、5月の李*19首相訪日を考えれば安倍訪中は予想の範囲内でしかない」という「中国の自信」があるのでしょう。


■ちきゅう座『協調と包囲の矛盾解けない対中政策:安倍訪中がもたらした「消化不良」』<岡田充*20(おかだ・たかし):共同通信客員論説委員
http://chikyuza.net/archives/88992

 欧米メディアは今回の訪中をどうみているのか。「ワシントン・ポスト」は25日「トランプ氏の盟友、日本の首相が中国首脳にすり寄ろうとしている」という記事で、「安倍はトランプと個人的な関係を築いて日米同盟を強化したものの、米中貿易戦争の深刻化による経済への悪影響も懸念、米中両国とのバランスを取るのに腐心している」と書いた。CNNテレビも「中国もトランプ政権からの圧力が高まる中、アジアでの外交・経済面での味方を切実に必要としている」と、米中対立が日中接近の要因になったとみる。
 「日本がすり寄った」とする「ワシントン・ポスト」とは、逆ベクトルで描いた日本の記事がこれだ。
 「米国から貿易戦争を仕掛けられる中国が日本に近づこうとしたとも言われる」(「朝日」28日付「天声人語」)。
 TVでもキャスターや解説者が「日中がここにきて急接近した理由はなんでしょうか」と問い、天声人語と同様「(米国との貿易戦争に)困った中国が日本にすり寄ってきた」という解説が多かったように思う。
 米中対立が、日中双方を引き寄せる要因の一つであるのは間違いないが、それは主因ではない。両国は「急接近」したわけではない。経過を見ればわかるように「中国がすり寄ってきた」という評価も事実ではない。メディア・リテラシー(報道の真偽を見極める能力)が改めて問われる。
 安倍政権が、「一帯一路」への協力を切り札に改善に乗り出したのは、(ボーガス注:水面下であったであろう日中事務方の交渉を無視し)表面的にみただけでも、17年5月の二階・自民党幹事長の訪中から。それ以降、段階を踏みながら首脳会談の実現に歩み始めるのであって「急接近」ではない。中国の経済規模が日本の2・5倍にも達したいま、日中関係が悪化したまま経済関係も停滞すれば、マイナスの影響を受けるのは主として日本である。安倍の「地球儀を俯瞰する外交」とは、中国包囲網の構築を意味する。しかしそれは成功しないどころか、関係悪化が続けば日本が逆に包囲されかねない。「中国を包囲することなどできない」(外務省高官)のである。これが、対中関係改善を促す日本側の動機である。

 まあそういうことですね。岡田氏のいう「2017年5月の二階訪中当時、すでに日本は一帯一路支持方向にシフトしており、トランプの報復関税など主要因ではない」というのはよほどの馬鹿でない限り簡単に理解できる話でしょう。
 「中国が急接近」とは事実無視にもほどがあります。そこまでして安倍にこびたいのか、はたまた「中国経済が日本を超えたこと」を認めたくないのか。
 なお、岡田氏も安倍を批判していますが、訪中し、一帯一路を支持するといってはみたものの「政策変更はしてないなどとああでもないこうでもないと言い訳するわ」「過去の戦争についてまともに反省を表明しないわ」「未だに公式には中国封じ込め的言動を撤回しないわ」で、中国側は安倍については「半信半疑」「懐疑的」です。
 「まあ訪中して一帯一路支持表明したからそれなりの態度はとるけど、政策変更はしてないだの、中国封じ込め的言動を公式には撤回しないだのいう安倍さんを全面的には信用できんわ(中国)」となるわけです。


■リベラル21『第二のふるさと訪問記』阿部治平*21 
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4565.html

 かつて牧野の小さな町まで行くのに、路線バスで早朝から晩まで丸1日かかった。それが今回は3時間とかからなかった。集落の道路は家の前まで舗装されていた。2008年のリーマンショックが中国に波及するのを回避するために、中国政府は4兆元のインフラ投資を行ったが、それがここ西北の片田舎にもこのような恩恵をもたらしたのであろう。

 中国が経済的に豊かになったことが伺え、隣国の国民としてうれしい限りです。


■リベラル21『続・第二のふるさと訪問記』阿部治平
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4573.html

 おもにナンチェンの説得にあたったのは、中国共産党の「大西遷」に同行したチベット人幹部のタシ・ワンチュクである。

 まあ、このタシもプンワン同様「先が見えていた人」なんでしょう。だから説得に当たった。こういう人間がチベットに多数いて、一方中国側もそうした人間をうまく使って、統治を進めれば今のようにはならなかったろうと思うと残念です。


■文春オンライン『日本で「ウイグル問題を報じづらい」3つの深刻な理由』(安田峰俊*22
http://bunshun.jp/articles/-/9651
 一番大きな理由は安田が言う「1)中国政府がこうした報道を好まず妨害するのでリスクがある(ウイグル自治区に入ること自体が難しいし、在日ウイグル人も必ずしも取材に応じない)」「2)ウイグルが日本ウヨと野合してるのでウヨ美化したくないと躊躇」「3)ウイグルについて全く知識がないと報じづらいが、詳しい知識を得ることが困難」という「3つの理由」よりも「国際問題は視聴率がとれない、部数がとれない」でしょう。1)〜3)なんか「視聴率や部数がとれれば」そんなもんはなんとか乗り越えていくんじゃないか。
 そして何も報じられない国際問題はウイグルだけじゃない。ミャンマーロヒンギャだって、パレスチナ問題だってろくに報じられてやしません。
 とはいえ

・2008年春ごろ、彼らの一部は日本国内で民族運動の組織を立ち上げる動きを見せ、世界規模の団体である世界ウイグル会議(WUC)もこの動きを支持した。その後、「1人1組織」みたいなものも含めて、現在までに日本国内で複数のウイグル民族運動団体が成立している。
 だが結論から言えば、これらの団体の多くは結成当初から日本国内の保守・右翼系勢力との関係が深かった。戦前からのルーツを持つような伝統右翼系の勢力と、『日本文化チャンネル桜』のようなネット右翼イデオロギーを持つ後発勢力の双方が影響力を及ぼしていたのだ。また、いわゆる宗教保守系新宗教団体もここに接近している。
・こうした日本側の支持者の影響は、ウイグル民族運動の上位団体であるWUCまで及んでいる。
 2012年5月にWUCの総会が東京で開かれた際、WUC総裁(当時)のラビア・カーディルを登壇させてシンポジウムを開いた団体「世界ウイグル会議を応援する日本人の会」には、平沼赳夫*23石原慎太郎*24加瀬英明藤井厳喜ら保守界隈の大物の名前が並んだ。同日には藤井らが付き添う形で、イスラム教徒であるラビア氏による靖国神社への昇殿参拝もおこなわれている。
・2013年には宗教保守系新宗教の傘下政党*25の党首がラビア・カーディルと会談し、彼らのメディアで大々的にそれを報じる事件も起きている。
・現在、日本国内でのウイグル人民族運動の主流は2012年当時とは別の団体に移り、彼らがWUCの事実上の出先機関になっているが、やはり右翼系の勢力との関係は確認できる
・日本でのウイグル人の民族運動の多くは、2008年の発足当初から「反中国」を理由に右翼・保守勢力と共闘する形を取っている。こうした団体に関係している在日ウイグル人活動家には、(ボーガス注:右翼)日本人支援者への忖度もあるのか、ウイグル情勢について過剰に話を演出したり、日本国内の特定の政治思想*26におもねるような言説を繰り返す例も少なくない。
・報道が極端な(ボーガス注:反中国極右)イデオロギーや(ボーガス注:ウイグルが野合してる右翼系の)新宗教思想の宣伝につながることを懸念する一般メディアや記者が取材を手控えるのも納得できる話ではある。

つう「ウヨとウイグルの野合」つう要素が「ウイグル報道をしたがらない傾向」を助長してることは安田のいうように事実でしょう。つうこと(ウイグルと日本ウヨの醜い野合の問題)を以前指摘したらid:Mukkeには「ウイグルに失礼だ!」と逆ギレされましたが、安田に対してはMukkeはなんというんですかね?。Mukkeらがどう強弁しようとウイグルのウヨとの野合は「醜悪であり、かつウイグルにもデメリット」なんですが。


■産経『個人消費は堅調? 中国「独身の日」セール、開始2分で1630億円』
https://www.sankei.com/world/news/181111/wor1811110014-n1.html

 アリババのサイトには、中国内外の約18万の企業・ブランドが参加。海外から商品を購入する越境通販では、日本や米国の商品が売れ、化粧品や紙おむつ、健康食品の人気が高い。

 ということで産経がいかに中国を敵視しようとも魅力的な中国市場に日本企業も参入するわけです。


■ツイートいろいろ

■石平太郎
 習近平の外遊日程が判明された。29日まではスペイン訪問、12月2日からはアルゼンチン訪問、30日と12月1日の二日間は(ボーガス注:アルゼンチンで開催される)G20会議出席だが、全体会議参加以外にBRICS五カ国首脳会議に出席し、多数の外国首脳との会談が予定されいる。注目の米中首脳会談が短時間で儀礼的なものに終わる公算である。

 「米中首脳会談が短期間で終わるだろう」が石にとっての「中国への悪口」なのでしょうが「スペイン、アルゼンチン、BRICS四カ国(ブラジル、ロシア、インド、南ア)との首脳会談がある」ことを記載し「中国の大国外交」を事実上認めてるのが実に滑稽です。

福島香織
・(ボーガス注:11/11に開催された)昭和12年学会*27第1回研究発表会行ってきたで。異なる分野の学者がイデオロギー、宗教、意見や立場にとらわれず*28、アカデミズムの手法で、昭和12年に起きた歴史的事件にアプローチする珍しい学会。面白いよ。

「学会メンバーが誰なのか書かないのが怪しすぎ。自称南京事件研究者・東中野とか酷いメンツじゃねえの?」
「アカデミズムの手法でアプローチって、それ学会ならどこでも当たり前やろ?。アカデミズムじゃない手法でアプローチする学会って何だよ?。怪しすぎ」
「まあ、すでに福島は、産経退社後、カネに詰まったのか、中国問題のジャーナリストじゃなくて、完全にただのプロ右翼活動家に転落してるからな。そういう類のトンデモ極右のなんちゃって学会だろ、ここ?。学会の名に値しないだろ?。東中野の『日本「南京」学会』みたいなもんだろ?」
と思って「昭和12年学会」でググったら予想通りで吹き出しました。こういう馬鹿ウヨ学会の誕生も「歴史修正主義極右・安倍が総理であることの悪影響」でしょうか。それにしても福島も、とことん落ちぶれて劣化したもんです。産経時代は「阿比留や安藤慶太などとは違い」ここまで酷くなかったと思うので哀れさを感じます。

http://www.okamiya.sakura.ne.jp/Pamphlet1937.pdf
 大東亜戦争(戦後、太平洋戦争と言い換えられ*29、最近ではアジア・太平洋戦争という造語*30もある)に日本が負けたあと、「戦後歴史学」の通説は、戦前の日本が、善良な国民ばかりの中国を侵略した悪逆非道な国家だったと規定するかのような傾向*31がある。いまだに多くの日本人が、日本は侵略国家だったと思っているようだが、それは果たして学術的検証の結果*32であろうか。

なんて堂々と「宮脇淳子会長」が「会結成の挨拶文」で公言するわ

http://www.okamiya.sakura.ne.jp/Pamphlet1937.pdf
 平成30年5月28日、宮脇淳子*33、倉山満*34藤岡信勝*35の3名で会合を持ち、藤原書店社長・藤原良雄氏同席のもと、「昭和12年学会」を創立いたしました。

と「学会の中心人物」全員(宮脇、倉山、藤岡)がプロ右翼活動家(ちなみに倉山のブログ記事(https://office-kurayama.co.jp/?p=3190)によれば会長が宮脇で、事務局長が倉山)だわ、

http://www.okamiya.sakura.ne.jp/Pamphlet1937.pdf
■峯崎恭輔(軍事史
「正定事件と在支カトリック情勢:田口枢機卿の北支視察より」
・昭和 55 年生まれ 放送大学学生
著書『「正定事件」の検証─カトリック宣教師殺害の真実』(並木書房、平成 29 年)

などという日本軍の戦争犯罪「正定事件」を否定する発表がされるわ、なんて極右「学会」をよくもまあ福島も宣伝できるもんです。
 「昭和12年学会」でググったら

■猫の泉@nekonoizumi
藤原書店、これはないやろ。
⇒倉山満,宮脇淳子,藤岡信勝『昭和十二年とは何か』
「戦後当然とされた「日本=侵略国家」という「通説」を問い直し、真実を追究する。「昭和十二年」に焦点を絞り、イデオロギーにとらわれない公平な歴史研究を行なう、画期的試み。
「昭和十二年学会」創立記念出版! 」
「学会の研究成果は、藤原書店発行の『別冊・環』の特集号で発表することといたします。」

なんて批判ツイートも見つかりました。 
 そのうち産経でもこの学会が宣伝されるんですかね。
 しかし「藤岡や倉山がこの学会の中心人物だなんてわかったら、やばい。あたしの評判が落ちる(←安心しろよ、もう落ちてるから)」という後ろめたさでもあるのか、具体的なことは書かずに姑息にも隠すあたり
「そんな姑息な隠し方するくらいなら最初から宣伝すんじゃねえよ、福島!*36
「大体、俺みたいに『昭和12年学会』でググればわかることが隠せるわけねえだろ!」
「大体、これから産経とかウヨメディアで『おまえが隠したいこと』もどんどん宣伝されてくだろうし。お前、最終的には昭和12年学会を手放しで万歳するんだろ?」 
「お前、本当、産経やめてからの劣化が酷いな。阿比留や安藤慶太などと何一つ変わらないデマ野郎になったな。やめない方がよかったんじゃないの?。お前、本気で今の生き方が満足なのか?。カネに詰まってるからウヨにこびてるだけだろ?」としかいいようがないですね。
 それにしても藤原書店ってこんなやばい出版社だったんですね。『1991〜1995年に、フェルナン・ブローデル『地中海』(全5巻)を出版』『河上肇賞を主催』(以上、ウィキペディア藤原書店」など参照)』というので「第1回後藤新平賞(藤原書店主催)に李登輝を選出する右寄り出版社とはいえ、展転社などとは違い、一定のレベルには達してるまともな出版社なのだろう」と誤解していました。これからは「藤原書店はろくでもない馬鹿ウヨ出版社」と正しく理解することにします。なお、藤原書店からは宮脇淳子・倉山満・藤岡信勝共著『昭和12年とは何か』(2018年)が出版されています。しかし「マルクス主義者だった河上肇」はもちろんですが、後藤新平にしても保守政治家(満鉄初代総裁、第2次、第3次桂内閣逓信相、寺内内閣外相、第2次山本内閣内務相、東京市長東京放送局NHKの前身)初代総裁など歴任)とはいえ、藤岡らのような非常識極右ではないでしょうに藤原良雄(藤原書店社長)つう人も藤岡らとお付き合いとはどういう脳みそしてるんですかね?。
 なお、話が脱線しますが『河上肇賞』つう名前でありながら

http://www.fujiwara-shoten.co.jp/main/kawakami_prize/
■第2回受賞者・作品(2006年)
〈奨励賞〉
・太田素子 氏*37埼玉県立大学教授)
 作品名:『子宝と子返し:近世農村の家族生活と子育て』(後に2007年、藤原書店
■第5回受賞者・作品(2009年)
〈奨励賞〉
・貝瀬千里 氏(新潟市役所勤務/27歳)
 作品名:『岡本太郎の仮面』(後に2013年、藤原書店

■第7回受賞者(2011年)
〈本賞〉
・志村三代子氏(早稲田大学演劇博物館招聘研究員/42歳)
 作品名:『映画人・菊池寛』(後に2013年、藤原書店

ということで受賞作が必ずしも「マルクス経済学や経済学」関係でないどころか、「何が河上と関係するのかさっぱりわからない」「どう見ても、人文科学&社会科学系論文なら何でもありになってる」のは「何だかなあ」と思います。賞として意味があるのか。
 「河上肇は偉大な社会科学者だったから、人文科学&社会科学系なら何でもあり」なんてのでは河上が浮かばれません。
 しかも最近では

■第11回受賞者・作品(2015年)〜■第13回受賞者・作品(2017年):該当作品なし

って何なんでしょうか、これ。毎年選べとはいいませんが3年連続なしなんて明らかに異常でしょう。
 大体選考委員が「川勝平太」「新保祐司」「橋本五郎」と「何が河上と関係するのかさっぱりわからない」「そもそもこいつらに河上についてのまともな知識どころか興味があるかさえ怪しい」つうあたりも「はあ?」ですが。
 つうか産経文化人、トンデモ右翼の新保なんかよくも選考委員にするもんです。
 ちなみに昭和12年におきた事件としては

・盧溝橋事件(7/7)
  これを契機に日中が全面戦争に突入。中国では7/7に起きたことから「77事変」と呼ばれる。
226事件青年将校らに死刑執行(8/19)
・日独伊防共協定成立(11/6)
・日本軍が南京を陥落(12/13)
  もちろんこの後に問題となるのがいわゆる南京事件です。

などがあります(ウィキペディア「1937年」参照)。


東京新聞『米、中国と全面対立望まず 南シナ海・台湾では応酬』
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018111001001368.html
朝日新聞『譲らぬ中国「台湾、犠牲払っても統一」 米との溝深まる』
https://www.asahi.com/articles/ASLCB4JLYLCBUHBI027.html

 扱ってる内容はどちらも「閣僚級による外交・安全保障対話」で同じなのに、東京と朝日の記事タイトルの印象が違いすぎて吹き出しました。まあ、これは東京の方が適切でしょうね。朝日もずいぶんと反中国に「変節(?)」したもんです。


■産経『中国は今後もドイツと日本を反面教師にするのか』愛知学院大学准教授・柴田哲雄
https://www.sankei.com/world/news/181111/wor1811110001-n1.html

 習近平*38国家主席は2013年6月の訪米に際して、「中米両国は歴史上大国が衝突し対抗したのとは異なる新たな道を歩むべきだ」と強調した。要するに習氏は、新興「大国」の中国が覇権「大国」の米国に相対するに当たって、かつての新興「大国」のドイツや日本の轍(てつ)*39を踏まぬようにするつもりだと述べたのである。

 吹き出しました。柴田氏が「習近平発言の引用」という形ですが「戦前日本が太平洋戦争という形で米国と対決したことは愚かなことだった」と見なしてることは間違いないでしょう(もちろんナチドイツが米国と激突したことについて柴田氏が愚かと考えてることと、ナチドイツに対する柴田批判については産経も異論ないことも間違いないでしょう)。
 「柴田主張は正論」「つうか自民党ですら公式見解はそうした見解(岸信介*40安倍晋三*41ですら米国相手に公然とは居直れない)」とは思いますが、普段の産経の論調「戦前日本が米国と対決したのは米国が悪い、日本は悪くない」とは明らかに矛盾するので苦笑せざるを得ません。
 なお、ドイツや日本の場合、米国と対決したというよりは「東欧侵略(ナチドイツ)」「中国侵略(日本)」という路線がそれを是としない米国との対立を招き、「にもかかわらず」、日独が「米国と対立してもかまわない」として、方針を変更しなかったが故に米国と激突したというのが正しいでしょう(日本の場合、真珠湾攻撃で先に米国にけんかを売ってるので全く弁解の余地などありません)。
 ちなみに柴田氏の名前でぐぐったら

・柴田『協力・抵抗・沈黙:汪精衛南京政府イデオロギーに対する比較史的アプローチ 』(2009年、成文堂)
・柴田『中国民主化民族運動の現在:海外諸団体の動向』(2011年、集広舎)
・柴田『習近平の政治思想形成』(2016年、彩流社

といった中国関係著書の他に

・柴田『フクシマ・抵抗者たちの近現代史:平田良衛・岩本忠夫・半谷清寿・鈴木安蔵』(2018年、彩流社

という本がヒットしましたが『フクシマ・抵抗者たちの近現代史』の著者「柴田氏」が「産経記事の柴田氏か」「同姓同名の別人なのか」気になるところです。「柴田哲雄」という名前はそれほど一般的名前ではなく「同姓同名の別人の可能性が高いとは思えない」一方で、産経に寄稿する人間が「鈴木安蔵を抵抗者として評価する」あるいは

https://dokushojin.com/article.html?i=3555
・(ボーガス注:柴田氏は福島事故の対応について)日本政府や東京電力に対して怒りを覚える。
・半谷について、氏は次のように述べる。半谷は水力発電の時代に、電力が専ら首都圏に送られていたのを批判して、電力の「地産地消」を唱えた。仮に原発時代の到来まで存命であったならば、依然として電力が立地地域を素通りして首都圏に送られているのみならず、放射能汚染のリスクさえもが立地地域に押し付けられているのに異を唱えて、改めて電力の「地産地消」を唱えるのではないかと。

として「政府や東電の原発政策に批判的」とは信じがたいので【追記:コメ欄で同一人物だとご指摘いただきました】。
 そして仮に『フクシマ・抵抗者たちの近現代史』の著者が「産経記事の柴田氏」だとして産経がこの本のことを知った上で寄稿依頼したのか気になるところです。
 産経のことだから知らない可能性大だと思いますが。まあ、仮に『フクシマ・抵抗者たちの近現代史』の著者が「産経記事の柴田氏」だとしたら、彼は産経のような極右ではないでしょう。
 とはいえ産経のような極右でない御仁が産経の寄稿依頼を引き受ける理由が今ひとつわかりませんが。

【参考:平田良衛・岩本忠夫・半谷清寿・鈴木安蔵について】
 柴田本で名前が挙がってるメンツ「平田良衛・岩本忠夫・半谷清寿・鈴木安蔵」のうち、鈴木安蔵以外はあまり有名でないと思います。まあ鈴木安蔵も存命時に比べれば知名度は落ちていると思いますが。

■平田良衛(1901〜1976年:コトバンク参照)
 戦後、日本共産党福島県委員会初代委員長、小高町*42議会副議長などを歴任。

■岩本忠夫(1928〜2011年:ウィキペディア参照)
 双葉地方原発反対同盟(以下、反対同盟)の結成に参加し、1971年4月に福島県議会議員に初当選。福島第一原子力発電所の作業員の被曝や放射性廃液漏れなどの問題を厳しく追及した。
 しかし、原発交付金で地元が潤う中、1975年、1979年、1983年の県議選で落選。1982年に反対同盟を辞め、1984年には社会党を離党した。1985年、不正支出問題で当時の田中清太郎・双葉町長が辞任すると、町長選挙の候補者に推され、保守系の票も集めて当選。その後、5期20年(1985〜2005年)、町長を務め、電源三法交付金東京電力の寄付を財源に大型公共事業をすすめた。

 岩本氏ご本人には言い分もあるでしょうが、「現実への対応」を口実に現実追認に堕する典型的パターンかと思います。なお、彼の最晩年に皮肉にも福島原発事故が起こりますが、彼の事故後の発言はないようで、彼の最晩年の考えはよくわからないようです。

http://odaka-kanko.jp/c-ijin/
■半谷清寿
・実業家。安政5(1858)年〜昭和7(1932)年
・明治18(1885)年には、福島県会議員となり、翌明治19(1886)年、小高に相馬織物会社を設立し、小高羽二重を初めました。
・その後、明治37(1904)年相馬精錬株式会社を設立、続けて明治39(1906)年「東北機業」を設立、大正2(1904)年には小高銀砂工場創設と、清寿の業績は多方面でありましたが、何と言っても相馬羽二重業は代表的業績であると言えます。
 また清寿は、明治45(1912)年から3期12年にわたり、衆議院議員を務めあげ、政治家としても活躍しました。

鈴木安蔵(1904〜1983年:ウィキペディア参照)
静岡大学名誉教授。憲法学者憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)結成に参加し、初代代表委員に就任、護憲運動にも関わった。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-07-27/2005072712faq_0.html
赤旗『現憲法の“手本”となった民間の「憲法草案要綱」とは?』
〈問い〉 
 改憲派が「押しつけ憲法の克服」を改憲理由に掲げるなかで、現憲法の“手本”になった日本の民間の憲法案が存在するという金子勝氏の一文(6月22日付文化面)を興味深く読みました。「憲法研究会」と「憲法草案要綱」についてくわしく知りたいのですが。(東京・一読者)
〈答え〉
 「憲法研究会」は、終戦直後の1945年10月末に高野岩三郎(元東大教授・後に初代NHK会長)が鈴木安蔵憲法学者・後に静岡大学教授)に提起し、11月5日、杉森孝次郎(元早大教授)、森戸辰男(元東大助教授・後に片山*43・芦田*44内閣の文部大臣)、室伏高信(評論家・元朝日新聞記者)、岩淵達雄(政治評論家・元読売新聞政治記者)らが集まり発足させた民間の憲法制定研究団体です。
 同研究会が同年12月26日、発表した「憲法草案要綱」には、「日本国の統治権は、日本国民より発する」「天皇は、国民の委任により専ら国家的儀礼を司る」「国民の言論・学術・芸術・宗教の自由を妨げる如何なる法令をも発布することはできない」「国民は、健康にして文化的水準の生活を営む権利を有する」「男女は、公的並びに私的に完全に平等の権利を享有する」など、現行憲法と少なくない部分で通ずるものがあり、軍に関する規定も設けていませんでした。
 当時、日本政府は明治憲法を表現を変えるだけで引き継ごうとしていたなかで、GHQが最も注目したのが憲法研究会案でした。
 この案が新聞に発表された3日後の12月31日には参謀二部(G2)所属の翻訳通訳部の手で早くも翻訳がつくられ、翌年1月11日付でラウエル中佐が詳細な「所見」を起草、これにホイットニー民政局長も署名しています。「所見」は各条文を分析したあと、「この憲法草案中に盛られている諸条項は、民主主義的で、賛成できるものである」と高く評価し、加えるべき条項として憲法最高法規性、人身の自由規定、なかでも被告人の人権保障などをあげていました。
 こうした憲法研究会の役割については、『憲法制定前後』(鈴木安蔵著、青木書店)、『新憲法の誕生』(古関彰一*45著、中公叢書)などに詳述されていますが、古関氏はこの中で「憲法研究会案とは、自由民権期の憲法思想が、半世紀にわたる弾圧と苦闘のあとでこの二人(高野、鈴木)の歴史の継承者を通じて復権を果たしたことを意味する」と書いています。

http://kenriken.jp.net/about/representative/
■『憲法理論研究会の創始者鈴木安蔵氏の人と学問』金子勝*46立正大学法学部教授)
(前略)
 鈴木憲法学の成立の意義は、第1に、日本における「マルクス主義憲法学」の分野が開拓されたという点にある。このことは、日本憲法学のなかに、初めて、民衆の立場に立った憲法学が生まれたことを意味する。憲法現象の生成、変化、発展、死滅の運動法則を解明できる憲法学が成立したことをも意味する。第2に、日本における「憲法の歴史的研究」の分野が開拓されたことである。このことは、日本憲法学が、歴史学から独立性を確保し、憲法規範と憲法理論の発展法則を明らかにできる憲法学になったことを意味する。第3に、日本における「憲法学批判」の分野が開拓されたことである。このことは、日本憲法学が、現実の憲法体制と憲法政治の本質を解明し、それを貫く発展法則を明らかにできる憲法学となったことを意味する。
 こうして、日本の憲法学は、解釈術学から脱却して、研究対象である憲法現象の全体像とそれを貫く発展法則を明らかにできる社会科学としての資格を確保するに至った。従って、鈴木によって、日本における「社会科学としての憲法学」が創始された。
《編集部注》
 筆者の金子勝氏は、愛知大学教授時代の鈴木安蔵の門下生である。なお、鈴木は、日本憲法の制定についての研究は、自由民権運動の本格的な再検討が必要であるとの考えから、高知に赴き(1936年5月29日〜6月2日)、自由民権運動期の私擬憲法を発掘し、自由民権運動の研究にも取り組む。鈴木は1939年、土佐の植木枝盛の「東洋大日本国国憲按」の発掘とその分析を憲法史の本で公表している。
 戦後すぐ、鈴木は、高野岩三郎や森戸辰男、室伏高信らと7人で民間の「憲法研究会」を創設(1945年11月5日)。鈴木が起草した「憲法草案要綱」(同年12月26日発表)は、植木枝盛自由民権運動の私擬憲法も参考にしていた。「憲法草案要綱」はGHQに届けられ、日本国憲法の起草過程に重要なヒントを与えることになった。特に象徴天皇制というアイデアは、植木が「皇帝」の権限に対して「立法院」の同意を随所にセットして、実質権限を議会に委ねようとした、さまざまな憲法的工夫と響き合う。家永三郎*47は、『植木枝盛選集』(岩波文庫)の解説で、日本国憲法の原案となったマッカーサー草案の作成にあたり、占領軍は、戦前におけるほとんど唯一の植木枝盛研究者だった鈴木安蔵が起草した「憲法草案要綱」を参考にしたことを指摘して、「日本国憲法植木枝盛草案の酷似は、単なる偶然の一致ではなくて、実質的なつながりを有する」(322頁)と書いている。日本国憲法には、鈴木安蔵を通じて、自由民権運動と植木の憲法構想が息づいている。
 その後、鈴木は1952年に静岡大学教授となり、愛知大学教授、さらに立正大学教授に就任する。憲法理論研究会の代表を19年間務め、1983年8月7日、79歳で死去した。

http://www.asaho.com/jpn/bkno/2012/1105.html
憲法理論研究会と鈴木安蔵のこと(水島朝穂*48
 戦争が終わるとすぐに、鈴木は、高野岩三郎や森戸辰男、室伏高信らと「憲法研究会」を創設する。鈴木が起草した「憲法草案要綱」(第3案まで)は1945年12月27日に発表された。連合国軍総司令部(GHQ)民生局のラウエル中佐は、この憲法研究会案に注目。綿密な検討を加えた後、これを二つのセクションで翻訳し、「この憲法草案中に盛られている諸条項は、民主主義的で、賛成できるものである」という所見を付けた覚書を提出した(高柳賢三他編『日本国憲法制定の過程I』〔有斐閣、1972年〕26-39)。ここで詳しくは立ち入らないが、日本国憲法制定過程におけるGHQ案の起草に際して、鈴木の憲法研究会案が参考にされたことは確実と言われるようになった(高柳賢三他編『日本国憲法制定の過程Ⅱ解説』18-21頁)。


■なぜNHKまんぷく」は、安藤百福の“台湾ルーツ”を隠したのか(野嶋剛*49
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58365

 日清食品創業者の安藤百福(1910−2007)と、その妻・仁子をモデルにしたNHK連続テレビ小説まんぷく」が好調だ。視聴率は放送開始1ヶ月以上を経ても、20%超をキープする。インスタントラーメンという国民食への視聴者の関心の高さを感じさせるが、物語には、一切触れられていないことがある。
 それは安藤百福が台湾出身者であるという来歴である。
(中略)
 日清食品のホームページで安藤の経歴を解説する「安藤百福クロニクル」でも台湾出身であることは完全に伏せられている。
(中略)
 NHKは作品公式サイトに、「実在の人物をモデルとしますが、激動の時代を共に戦い抜いた夫婦の愛の物語として大胆に再構成し、登場人物や団体名は改称した上、フィクションとしてお届けします」と前置きしている。台湾というルーツは、「夫婦の愛の物語」には必要なかったということだろうか。

 NHKが「台湾や中国を巻き込んだ政治問題化」を恐れてそのあたり曖昧にしたのかと思っていましたが、明らかに「日清食品と安藤家」がそのあたりを曖昧にしたがっていますね。NHKの意思というより明らかに「日清食品と安藤家の意思」が大きいですね。生前の安藤も曖昧にしたがっていたのかもしれません。
 つまりは「自分が台湾出身であることを明らかにしても何のメリットもない」、つまりは日本が外国人差別国家だという話でしょう。野嶋記事は「チキンラーメン発売当時の安藤氏が、それ以前に当時の在日台湾人社会で借金踏み倒しなどの経済的トラブルを起こして台湾人社会において酷く反感を買っていたことが大きいという説がある」としていますが、俺個人は「外国人差別」という要素を「日本人として」否定したいが故に「経済トラブル説」に野嶋が固執してる気がします。
 安藤に限らず「ロッテ創業者の重光(韓国人)」など(出自を隠してるとはいえないにしても)出自をあまり明らかにしたがらない人間は他にもいますので。
 まあ今となっては安藤が出自を隠したがった理由はわかりませんが。

参考

まんぷくウィキペディア参照)
■キャスト
■今井福子 → 立花福子(安藤サクラ
 主人公。大正9年8月16日生まれ。立花萬平の妻。日清食品創業者である安藤百福の妻の安藤仁子がモデル。
■立花萬平(長谷川博己
 明治43年3月5日生まれ。日清食品創業者の安藤百福がモデル。


大紀元『米NGO調査、「ミレニアル世代が共産主義に憧憬」学校教育の影響との指摘も』
https://www.epochtimes.jp/2018/11/37740.html

 ワシントン本拠のNGO共産主義者犠牲財団」と調査会社ユーガブ(YouGov)は2100人のアメリカ人を対象に、社会主義共産主義などの問題についての意見を聞いた。

 まあ団体名からしてただの反共右翼団体でしょう。

 アメリカ人の半数が、共産主義について、デンマークスウェーデンノルウェイなどの北欧の寛大な社会保障制度をイメージしている。つまり、社会主義は「分かち合う」「平等」と解釈、大学の無料化、無料の健康保険、雇用の保障、格差のない社会と考えている。

 で、それの何が問題なのか。まさかスターリンソ連文革期中国などを「デンマークスウェーデンノルウェイなどの北欧の寛大な社会保障制度」と同じ社会制度を持った組織とイメージしてるわけではないでしょう。
 むしろ「北欧の社会福祉制度」に関心を持ち「米国もそうあってほしい」と思う人間が増えてることは喜ばしいことであって嘆くことではない。

今年の報告書によると、共産党専制体制をとる中国が新疆ウイグル自治区で人々を収容し抑圧していると聞いたことのある人は、わずか15%だった。

 そりゃそういう国際ニュースに興味のある人は少ないでしょうね。「共産主義に対する危機感がない」つう話ではない。
 たとえば「ミャンマーロヒンギャ問題(もちろんミャンマー共産国ではありません)」など別の問題について話を聞いても知ってる人は少ないでしょう。


■日経『ダライ・ラマが来日へ』
https://id.nikkei.com/lounge/auth/password/proxy/post_response.seam?cid=918412

超党派の日本チベット国会議員連盟の総会に出席する。政府関係者との会談は予定されていない。

 総会とやらに出席してもほとんど無意味でしょうね。この議連、あの下村博文*50が会長というウヨの巣窟でしかないからです。本気でチベットのことを考えてるわけではない。
 おまけに下村の親分・安倍は日中関係に配慮してダライと会わないのだから、下村がそんな安倍の顔を潰せるわけもないでしょう。


■無役(無責任な立場)だと中国相手に勇ましい&「いうことがコロコロ変わる無責任男」安倍

・野原燐がリツイート
■deadletter
安倍晋三が「野田佳彦*51の“尖閣国有化”のせいで日中関係が冷え込んだ」とかぬかしたそうですが、(ボーガス注:都知事時代の)石原慎太郎が購入を発表した時に「断固支持する」「寧ろ国が買うべきだ」とか喚いていた。
夕刊フジ石原都知事の“尖閣購入”断固支持する!』(安倍晋三
https://archive.fo/xBkp3
・東京都の石原慎太郎知事が「都が日本の国土を守る」として、沖縄・尖閣諸島の購入交渉を進めていることを明らかにした。案の定、中国は強く反発している。私は、石原氏の発言・行動を断固支持する。
・将来、国が買い取ることを前提として、一時的に、東京都という自治体が買収することは間違っていない。
 われわれは現在、有志議員として国境の離島(排他的経済水域の起点となる島)を守るための議員立法を準備している。この中には、離島の買い取りについての条項も盛り込んでいる。この法律が成立し次第、尖閣諸島は国として買収すべきだ

 いつもながら安倍もでたらめな男です。しかしid:noharraもこういうリツイートをするとは「安倍さんのおかげでウイグル政治犯が解放された」とデマっていたときとはずいぶん変わったもんです。


■【矢板明夫*52の中国点描】中韓共闘にくさび打ち込んだ安倍首相訪中
https://www.sankei.com/premium/news/181107/prm1811070007-n1.html
 ばかばかしい。くさびを打ち込むも何も中国の態度は「是々非々」でしょう。
 今後もケースバイケースによっては「韓国との共闘」も当然あり得るでしょう。そのときにどう矢板が強弁するのか、今から楽しみです。


■産経【正論12月号】特集・弾圧国家の恐怖 経団連は“中国信仰”を捨てよ 監視社会の国に利用されていいか 産経新聞特別記者・田村秀男*53
https://www.sankei.com/premium/news/181110/prm1811100001-n1.html
 もちろん経団連に「中国信仰」なんかありません。経団連は中国が「人権面で素晴らしい国だから」という理由で経済進出するわけではない。「金儲けができるから」という理由で進出するわけです。これは中国に限らない。
 たとえば経団連が「サウジ政府の記者暗殺事件」や「ロシア政府の元スパイ暗殺疑惑」で「あんな野蛮な国とは付き合えない」と商売を打ち切るかといったら「欧米がサウジ制裁発動(ロシアにはなお、部分的には制裁発動されています)」「欧米各国でサウジやロシアの製品不買運動」で「下手にロシアやサウジと付き合うとかえって経済的ダメージ」などの事態でもない限り、自主的には打ち切らないでしょう。
 もちろん「金儲けができるから」という考えは「信仰ではなく事実」でしょう。そして「金儲けができない」と思ったら田村に言われなくても中国からは撤退します。

10月19日の時点で日中首脳会談で合意が見込まれる主な分野は以下の通りだ。
 *日中両国でイノベーションや知的財産について協力を進めるための新たな枠組みづくり
 *3兆ドル規模の日中通貨スワップ協定の締結
 *一帯一路沿線の第三国で日中企業によるプロジェクト共同受注

 今頃こんな記事を注記もなしに転載するな、ですね。「実際にはホニャララが合意となりました」という注記くらいつけたらどうなのか。

 「知的財産権保護」についても協議することになっているが、これまで中国の侵害行為に目立った抗議をしてこなかった日本政府が対抗措置条項を中国側に呑ませられるとは、だれも信じないだろう。

 安倍応援団産経がここまで「事実上の安倍批判」するとはびっくりです。
 しかしそれでも

トランプ政権のように国家ベースの対中制裁措置をとれるようにするためには、日本側の法的整備が必要だが、立法府の国会議員や法案を作成する官僚にはその気すらない。

と書き「法案を作成する与党、安倍政権」と書かず、「法案を作成する官僚」と書く当たりせこさ爆発(苦笑)ですが。

【特集 沖縄新知事“誕生”の闇】
創価学会の“敗北” 産経新聞副編集長 佐々木美恵
北朝鮮シンパ「主体思想」の支配 軍事評論家 古是三春*54

 「創価学会の敗北」て(苦笑)。まあ確かにある意味そうなんですが「都合の悪いときだけ、安倍自民の敗北ではなくて創価学会の敗北」ですか?。選挙で勝ったときは「創価学会の勝利」なんて書かないくせにねえ。
 「主体思想」て(苦笑)。まさか北朝鮮問題などテーマになってない沖縄県知事選でしかも「野党共闘候補」で当然、保守層も支持してる*55し、自民支持層ですら「今回はデニー」つう人間がいたのによくもアホなことがいえたもんです。デニー氏自身北朝鮮シンパなどではないでしょうし。

★「生きた人間から臓器を…」今、ウイグルで何が行われているか 評論家 三浦小太郎

 せめてウイグル専門家である水谷尚子*56にでも書かせたらどうなのか。三浦なんかただのプロ右翼に過ぎません。

バチカンはなぜ屈したのか 落とし穴だらけの接近と和解 産経新聞パリ支局長 三井美奈

 現時点では「和解の方向を模索」てだけで正式に和解したわけではありませんが?

★北海道地震 原発が動いていればブラックアウトはなかった 産経新聞論説委員 長辻象平

 いい加減火事場泥棒も大概にしてほしいもんです。北海道の原発が仮に福島原発のように壊れればブラックアウトなんてもんではすまないんですが。

*1:つまり景気回復

*2:中華台北ではなく台湾で参加したいという投票

*3:義援金や観光客なら「産経が大嫌いな」中国からも来ているのですがね。つうか「あの北朝鮮からすら」、親日アピールもあってか、義援金がきていますし(つまりは日朝外交は十分成り立つと言うことです)。

*4:よしこのいう「同等の権利」とは何でしょうか。もちろん外国人である以上、帰化しない限り現行法上、「参政権」はありません(但し通説、判例では法改正すれば外国人に地方参政権を付与することは出来る)。

*5:「そもそも朝鮮総連の存在に何か問題があるのか?」って話です。仮に「祖国に忠誠を誓う(実際どうか無知なので知りませんが)」にしても朝鮮総連にせよ、在日中国人組織にせよ「合法的な枠内での活動」に決まってるでしょうに。つうかすでに華僑組織は日本にあるでしょうよ(中国政府に忠誠誓ってるか知りませんが)。

*6:「アホか」「デマも大概にしろ」ですね。「関東大震災時の朝鮮人虐殺」のようなことでもよしこは在日中国人相手にやりたいのか。

*7:著書『「日中友好」のまぼろし』(2006年、徳間文庫)、『外交崩壊:中国・北朝鮮になぜ卑屈なのか』(2006年、文春文庫)、『「中国の正体」を暴く』(2012年、小学館101新書)、『憲法が日本を亡ぼす』(2012年、海竜社)、『古森義久オバマ習近平朴槿恵金正恩を斬る:反日勢力をのさばらせた朝日新聞と外務省の大罪』(2015年、テーミス)、『中・韓「反日ロビー」の実像』(2016年、PHP研究所)など

*8:著書『家庭教育の再生:今なぜ「親学」「親守詩(おやもりうた)」か』(2012年、明成社)、『日本が二度と立ち上がれないようにアメリカが占領期に行ったこと』(2014年、致知出版社)、『「日本を解体する」戦争プロパガンダの現在:WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の源流を探る』(2016年、宝島社)など

*9:著書『明治憲法の思想』(2002年、PHP新書)、『日本国憲法とは何か』(2003年、PHP新書)、『本当に女帝を認めてもいいのか』(2005年、洋泉社新書y)、『憲法改正がなぜ必要か』(2013年、PHP研究所)など

*10:以前は、高橋は明星大、八木は高崎経済大でしたがいつの間にか移籍したようです。

*11:「つうことは1973年以前は独立を求めていたんですか?」ですね(たぶんそういうことなのでしょうが)。なお、国連の中国加盟と台湾追放が1971年、ニクソン訪中、田中訪中(米国と日本が中国と国交樹立)が1972年です。

*12:著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店→後に2018年、岩波現代文庫)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)、『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店)、『最後の馬賊:「帝国」の将軍・李守信』(2018年、講談社)、『モンゴル人の中国革命』(2018年、ちくま新書)など

*13:外相、首相、大統領を歴任。1977年に軍のクーデターで失脚(ハク陸軍参謀長が大統領に就任)。1979年に大統領時代に発生したブットの政敵暗殺を『ブットの命令によるもの』とされて死刑に処されたが、ハク大統領によるでっち上げ説が濃厚。

*14:グワダル港は現在軍港ではありませんし、今のところ軍港にする動きもないようです。中国が得た権利も現時点では「民間港としてのグワダル港の運営権」にすぎないようです。楊の物言いはデマと言っていいでしょう。

*15:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*16:岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*17:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も、小渕、森内閣で蔵相

*18:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て、現在、幹事長

*19:共青団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*20:著書『中国と台湾:対立と共存の両岸関係』(2003年、講談社現代新書)など

*21:著書『もうひとつのチベット現代史:プンツォク=ワンギェルの夢と革命の生涯』(2006年、明石書店)、『チベット高原の片隅で』(2012年、連合出版

*22:著書『和僑:農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人』(2016年、角川文庫)、『さいはての中国』(2018年、小学館新書)など

*23:村山内閣運輸相、森内閣通産相小泉内閣経産相など歴任

*24:福田内閣環境庁長官、竹下内閣運輸相、都知事など歴任

*25:幸福の科学」系列の幸福実現党のことでしょう。明確に名前を出さないのは幸福側の攻撃を恐れてるんでしょうか?

*26:要するに反中国右翼です。

*27:つうか「昭和12年」を「学会」のテーマにした理由は何なのか?。昭和12年に発生した南京事件を否定したいから?

*28:もちろん俺が後述するように「日本の戦争犯罪をなかったことにしたい」という「特定の極右イデオロギー」に思い切りとらわれてるわけですが。藤岡の「自称・自由主義史観研究会」と大して変わりません。まあ中心人物がどちらも藤岡ですからね。似てくるのはある意味自然です。

*29:言い換えられたというより「米国側の用語」として存在したわけですが。

*30:何も「事件当時の言葉を使わないといけない」なんてルールはありませんが。それいったら、例えば弥生町で見つかったからその名がついた「弥生式土器」なんかどうなるのか。「弥生式土器」の時代に弥生町なんかないわけです。つうか今時大東亜戦争なんて使ったら知性を疑われますよ。

*31:「傾向」も何も日本が無法な中国侵略を行ったのは事実ですが。

*32:吉見義明氏の慰安婦研究、笠原十九司氏の南京事件研究、林博史氏の沖縄戦研究などの過去の研究蓄積を侮辱する暴論ですね。

*33:著書『最後の遊牧帝国:ジューンガル部の興亡』(1995年、講談社選書メチエ)、『世界史のなかの満洲帝国と日本』(2010年、ワック文庫)など

*34:著書『嘘だらけの日露近現代史』(2015年、扶桑社新書)、『嘘だらけの日英近現代史』(2016年、扶桑社新書)、『嘘だらけの日仏近現代史』(2017年、扶桑社新書)、『嘘だらけの日独近現代史』(2018年、扶桑社新書)など

*35:著書『「自虐史観」の病理』(2000年、文春文庫)、『教科書採択の真相:かくして歴史は歪められる』(2005年、PHP新書)など

*36:とはいえ、福島が隠さないで平然と居直るのもそれはそれで見ていて、哀れで痛々しいですが。ただし、いずれは「居直る」んでしょうねえ。いつまでも隠しきれるわけがない。

*37:著書『江戸の親子:父親が子どもを育てた時代』(1994年、中公新書)、『近世の「家」と家族:子育てをめぐる社会史』(2011年、角川叢書)など

*38:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*39:もちろんドイツはナチドイツのヨーロッパ侵略、日本は太平洋戦争

*40:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工大臣を歴任。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*41:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*42:現在は市町村合併南相馬市

*43:社会党書記長、委員長、首相、民社党顧問など歴任

*44:幣原内閣厚生相、片山内閣副総理・外相などを経て首相

*45:著書『「平和国家」日本の再検討』(2013年、岩波現代文庫)、『平和憲法の深層』(2015年、ちくま新書)、『日本国憲法の誕生(増補改訂版)』(2017年、岩波現代文庫)など

*46:著書『日本国憲法の原理と「国家改造構想」』(1994年、勁草書房)、『憲法の論理と安保の論理』(2013年、勁草書房)など

*47:著書『戦争責任』、『太平洋戦争』(以上、2002年、岩波現代文庫)、『一歴史学者の歩み』(2003年、岩波現代文庫)など

*48:著書『現代軍事法制の研究』(1995年、日本評論社)、『武力なき平和:日本国憲法の構想力』(1997年、岩波書店)、『この国は「国連の戦争」に参加するのか:新ガイドライン・周辺事態法批判』(1999年、高文研)、『戦争とたたかう:憲法学者・久田栄正のルソン戦体験』(2013年、岩波現代文庫)、『はじめての憲法教室:立憲主義の基本から考える』(2013年、集英社新書)、『ライブ講義 徹底分析! 集団的自衛権』(2015年、岩波書店)、『平和の憲法政策論』(2017年、日本評論社)など

*49:著書『ふたつの故宮博物院』(2011年、新潮選書)、『ラスト・バタリオン:蒋介石と日本軍人たち』(2014年、講談社)、『認識・TAIWAN・電影:映画で知る台湾』(2015年、明石書店)、『故宮物語』(2016年、勉誠出版)、『台湾とは何か』(2016年、ちくま新書)、『タイワニーズ』(2018年、小学館)など

*50:第一次安倍内閣官房副長官、第二次安倍内閣文科相など歴任

*51:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)を歴任

*52:著書『習近平』(2014年、文春文庫)、『習近平の悲劇』(2017年、産経新聞出版)など

*53:著書『人民元の正体:中国主導「アジアインフラ投資銀行」の行末』(2015年、マガジンランド)、『検証 米中貿易戦争』(2018年、ML新書)など

*54:篠原常一郎(筆坂元参院議員の元秘書、元共産党員)のペンネームのようです。著書『ノモンハンの真実 日ソ戦車戦の実相』(2009年、産経新聞出版→後に2018年、光人社NF文庫)など

*55:つうか今時左派だって大抵の人間は主体思想なんか支持しませんが。

*56:著書『中国を追われたウイグル人:亡命者が語る政治弾圧』(2007年、文春新書)など

今日の中国関係ニュースほか(10/8分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■産経『世界は中国の支配を許すか 専門家3氏が緊急討論』
https://www.sankei.com/world/news/181109/wor1811090018-n1.html
 徹頭徹尾馬鹿馬鹿しい。
 まず第一にこの中に「専門家の名に値する人物」は一人もいません。全員「反中国・プロ右翼活動家」でしかありません。
 それでも『習近平』(2014年、文春新書)、『習近平の悲劇』(2017年、産経新聞出版)という著書がある「産経外信部次長」矢板は「中国専門家」をなんとか名乗れるかもしれない。
 しかし、

国土庁長官官房参事官、通産省大臣官房情報管理課長などを歴任

というその経歴上、中国研究の実績があるとはとても思えず、
また、

・『江戸三〇〇藩 最後の藩主』(2004年、光文社新書)
・『本当は恐ろしい江戸時代』(2009年、SB新書)
・『世界の国名地名うんちく大全』(2010年、平凡社新書)
・『愛と欲望のフランス王列伝』(2010年、集英社新書)
・『本当は謎がない「幕末維新史」 幕府再生はなぜ失敗したのか?』(2012年、SB新書)
・『本当は面白い「日本中世史」:愛と欲望で動いた平安・鎌倉・室町時代』(2013年、SB新書)
・『世界の王室うんちく大全』(2013年、平凡社新書)
・『歴代知事三〇〇人:日本全国「現代の殿さま」列伝』(2014年、光文社新書)
・『歴史ドラマが100倍おもしろくなる 江戸300藩 読む辞典』(2015年、講談社プラスアルファ文庫)
・『「領土」の世界史』(2015年、祥伝社新書)
・『誤解だらけの韓国史の真実』(2015年、イースト新書)
・『最終解答 日本古代史』(2015年、PHP文庫)
・『最終解答 日本近現代史』(2016年、PHP文庫)
・『消えた都道府県名の謎』(2016年、イースト新書Q)
・『世界と日本がわかる 最強の世界史』(2016年、扶桑社新書)
・『アメリカ歴代大統領の通信簿:44代全員を5段階評価で格付け』(2016年、祥伝社黄金文庫)
・『韓国と日本がわかる最強の韓国史』(2017年、扶桑社新書)
・『「系図」を知ると日本史の謎が解ける』(2017年、青春新書インテリジェンス)
・『消えた市区町村名の謎:地名の裏側に隠されたふるさとの「大人の事情」』(2017年、イースト新書Q)
・『消えた江戸300藩の謎:明治維新まで残れなかった「ふるさとの城下町」』(2018年、イースト新書Q)
・『誤解だらけの皇位継承の真実』(2018年、イースト新書)
・『誤解だらけの沖縄と領土問題』(2018年、イースト新書)
・『江戸時代の「不都合すぎる真実」:日本を三流にした徳川の過ち』(2018年、PHP文庫)

など「中国と全く関係ない本を多数量産する」八幡の場合、その中国関係著書『本当は分裂は避けられない!? 中国の歴史』(2015年、SB新書)、『中国と日本がわかる最強の中国史』(2018年、扶桑社新書)はおそらく「オリジナリティなどかけらもない、先行研究をコピペした代物*1」でしょうし、湯浅に至っては中国関係著書は何もありません。
 第二にそもそも「許す」も何も中国は世界支配などする能力以前に「する意思がない」でしょう(まあ能力がないから、する意思がないという要素もありますが。今現在において「世界支配」と呼べるのは米国と全盛期のソ連くらいでしょう)。
 米国は「軍事同盟NATOの盟主」、旧ソ連は「軍事同盟ワルシャワ条約機構(もちろん今は消滅)の盟主」です。中国にはそれほどの力はない。一帯一路やAIIBは「中国を中心とする」とはいえ別に中国は「盟主」ではありません。

 八幡氏は「中国の一帯一路政策はまさに大東亜共栄圏だ。今、中国は戦前の日本のような苦しい立場に追い込まれている。これは安倍晋三首相の成果だ」と指摘した。

 おいおいですね。まず第一に「安倍の成果」云々以前に中国は「戦前日本」のように追い込まれてなどいません。追い込まれてなどいないからこそ安倍は5月に李克強首相訪日を受け入れ、10月には自らが訪中し、「一帯一路への協力」を表明したわけです。むしろ追い込まれてるのは「中国封じ込め」を事実上廃棄した安倍の方ではないのか。
 第二に「産経らウヨは大東亜共栄圏を美化していたのではなかった」のか。
 「おいおい、お前ら、いつから大東亜共栄圏を侵略主義として批判するようになったんだ?」ですね。ここでの「大東亜共栄圏に対する物言い」は中国批判の一環なんだからどう見ても大東亜共栄圏礼賛ではないでしょう。まあこういうのを「語るに落ちる」というのでしょう。産経だって本心では大東亜戦争を「侵略と認めてる」わけです。
 なお、一帯一路をどう評価するにせよ「むき出しの軍事力で脅してるわけではない」という意味で大東亜共栄圏とは全然違うでしょう。 

 湯浅氏は「民間企業はともかく、日本の政府としては一帯一路政策に乗るべきではない」と提言し

 吹き出しました。もはや何を言おうと日本企業が中国ビジネスに積極的に乗り出していくことは阻止できないと諦めてるようです。


■朝日『ダライ・ラマ「後継者は民主的に決める」 中国を牽制か』
https://www.asahi.com/articles/ASLC55HG3LC5UHBI02K.html
 「民主的に決める」ねえ。転生霊童は「今の中国政府」だけでなく「歴代チベット社会においても」占いなどで「真の転生者を発見する」建前であって「ローマ法王選出」のような「法王にふさわしい人物」を選挙で決めるもんじゃないんですけどね。
 いずれにせよ「民主的に決める=選挙で決める」のなら当然ながら「高僧の中から人品優れた人間を決めること(ローマ法王選出に似た制度)」になるわけです。まさか選挙で「子どもの中から転生者を選ぶ」わけではないでしょう。
 「よかれ悪しかれ」チベットの伝統制度(幼い子どもを生まれ変わり認定)は廃棄されることになるわけです。
 ただそうした伝統廃棄が果たしてダライにできるかどうか。
 何せ

 現行の輪廻転生を続ける選択肢も否定せず、決めるのは「チベットの人々次第だ」とした。

と煮え切らない態度ですからね。そしてこうしたダライの考えにI濱女史ら「日本国内の自称ダライ支持者」は果たしてどういう態度をとるのか。

 ダライ・ラマは、その死去後に生まれ変わりの少年を捜して後継者にする伝統が数百年続いてきた。ただ、この方法だとチベット亡命政府を敵視する中国政府が都合の良い後継者を選び、チベット統治に利用する懸念がある。

 「中国に都合がいい」も何も「歴代のチベット支配層にとって都合がよかった制度・転生霊童」を中国も踏襲してるつうのが正確ですよねえ。「中国のいわゆるチベット解放」以前は「従来のチベット支配層に都合がよい少年を選ぶなんてことはなく公正中立だった」のか。おそらくそんなことはないでしょうね。そもそも生まれ変わりなんかないわけですから。当然生まれ変わりを客観的に正確に発見する方法なんてもんもあり得ない。

ローマ法王枢機卿らによって選ばれるような制度も可能だ」と話した。

 まあ、ダライ本人と「ダライの側近連中」はそういう制度にすぐにでも移行したいんでしょう。何度もしつこく「制度変更を検討している」と言い出すのはそういうことです。今のままでいいとダライが思うなら黙ってればいいわけですから。


■毎日『在日ウイグル人、募る不安 親族が再教育施設に』【福永方人、林哲平】
https://mainichi.jp/articles/20181105/k00/00m/030/104000c

「留学で日本に来ているのに、両親の安否やお金の心配で勉強に集中できません」。
 東京都内の専門学校に通う20代のウイグル人男性は、たどたどしい日本語で訴えた。
 新疆の中心都市ウルムチ*2に住む両親とは昨年10月以降、連絡が取れなくなった。母はウルムチの再教育施設に収容されたと親戚から聞いた。父も昨年11月に中国当局に連行されたとの情報があり、やはり収容されたとみられるという。心当たりとなるのはイスラム教徒である両親のメッカ巡礼だ。「両親は信仰心があつすぎるとみなされたのかもしれません」とうつむいた。
 2015年に来日した男性には、当初は服飾関係の事業を営む父から仕送りがあり、学費などに充てていた。それが連絡が取れなくなるのと同時に途絶え、いまはアルバイトでなんとかしのいでいる。「とにかく両親の状況が知りたい」というのが切実な思いだ。
 一方、首都圏に住む40代のウイグル人女性に新疆の家族から耳を疑う一報が入ったのは今春だった。昨秋に再教育施設に収容されたきり、連絡が途絶えていた弟の遺体が突然当局から返された。「病死した」とだけ説明があったが、家族の話では顔の耳や口元にあざが残り、胴体部分には白い布がまかれて中を確認することは許されなかった。
「スポーツが得意で健康そのもの。突然亡くなるなんてとても信じられない」。
 女性は今でも死を受け入れられていない。
 新疆生まれのカザフスタン人男性、オミル・ベカリ氏は昨年春、新疆に住む両親を訪ねた際に数カ月にわたって収容された。5月にAP通信の取材に答えたベカリ氏は「中国の法律とシャリア(イスラム法)のどちらに従うか」といった質問に答えなければ何時間も座ることを許されなかった、などと証言している。
 これに対して、新疆ウイグル自治区ナンバー2のショハラト・ザキル主席は新華社を通じ、「(再教育施設の)目的はテロや宗教過激主義がはびこる環境と土壌を根本から取り除くことだ」と反論している。

 「ノルウェーに霞を食えとはいえない」のあの人のように「ボーガスは中国べったりだ」などと思われても不愉快なので「一つの参考情報」としてひとまず紹介しておきます。まあ非常識な産経がむちゃくちゃな中国誹謗してすべてを台無しにするのと違いまともな記事かと思います。
 ちなみにこの毎日記事についたツイートの一つ。

ゆーすけ
 安倍首相など多くの国会議員が所属するウイグル議連はどう対処しているのだろうか。人の命がかかってるんだから皮肉とかじゃなくてマジでどう対応しているのか知りたい。

 まあ何も対応してないでしょうね。対応してたら宣伝してるでしょう。


■人民日報『「一帯一路と中日協力モデルシンポ」が東京で開催』
http://j.people.com.cn/n3/2018/1105/c94476-9515104.html

 富士通総研の金堅敏*3主席研究員は、「『一帯一路』構想が提起されてからの5年間に、中国と沿線各国との協力の範囲が拡大を続け、深まりも増し続け、『一帯一路』構想は経済のグローバル化への発展を加速的に推進する重要なプラットフォームになりつつある」と述べた。
 日本の総合商社・双日株式会社の海外事業部海外事業課の林千野・中国デスクリーダーは、「両国企業はすでに第三国市場でいくつかの協力プロジェクトを展開している。日中企業にはそれぞれの長所があり、両国企業が協力を強化することで長所が活かされ短所が補われ、第三国での事業をよりよく展開することが可能になる」と述べた。

 要するに日本ウヨの一帯一路否定論はデマだということです。


■コメ欄でも指摘があるが福島香織も落ちぶれたもんだと思う。
 まあ多分福島的には

菊村到
 推理小説作家。読売新聞記者を続けながら兼業作家をしていたが1957年に『硫黄島』で芥川賞を受賞したことを契機に読売を退社。専業作家になる。
黒田清*4
 読売新聞大阪本社社会部長など歴任。ナベツネによって露骨に左遷されたことに抗議して退社。フリージャーナリストとして活躍。
筑紫哲也*5
 朝日新聞外報部次長、「朝日ジャーナル」編集長など歴任。朝日を早期退職しTBSテレビ『ニュース23』キャスターに就任。
・伴野朗(ともの・ろう)氏
 推理小説作家。朝日新聞記者を続けながら兼業作家を続けていたが1989年に早期退社。専業作家になる。1976年 『五十万年の死角』で第22回江戸川乱歩賞を、1984年に 『傷ついた野獣』で第38回日本推理作家協会賞を受賞。
鳥越俊太郎*6
 「サンデー毎日」編集長など歴任。毎日を早期退職しテレビ朝日ザ・スクープ』キャスターに就任(以上、ウィキペディア参照)。 

などといった「諸事情から早期退職したがかえって成功したと思われる」新聞界の諸先輩方と同じ「日の当たる道」を歩きたかったのでしょう。何せ産経社内では「ただの右翼デマゴーグ」にならない限り出世できず、ただしその道を一度歩めばまともな人間からは相手にされません。かつ産経社内で出世しても、所詮「いつ潰れてもおかしくないおんぼろ会社」です。福島が「産経を辞めて、まともな中国報道でもうけたい」と思う気持ちもわからないではありません。産経時代の福島はウヨであるにせよ「阿比留や安藤慶太ほどのデマゴーグではなかった」でしょう。
 しかし「諸先輩のような成功はできなかった」あげく、結局「ただの右翼デマゴーグ」に転落とはただただ哀れで愚かな話です。
 退社前は

・『潜入ルポ 中国の女』(2011年、文藝春秋
・『中国絶望工場の若者たち』(2013年、PHP研究所

などとまともそうなタイトルだったのが、退社後は

・『赤い帝国・中国が滅びる日』(2016年、ベストセラーズ
・『「中国の悪夢」を習近平が準備する』(2017年、徳間書店
・『習近平王朝の危険な野望:毛沢東トウ小平を凌駕しようとする独裁者』(2018年、さくら舎)

とみるからにトンデモな上、出版社もマイナーになっています。
 「今の福島」のようなフリーの右翼デマゴーグなんていつ切って捨てられてもおかしくない不安定な代物です。代わりはいくらでもいる。


ツイッターいろいろ

福島香織「中国の悪夢」絶賛発売中
 安田峰俊さん、城山三郎賞おめでとうー!気づいたの今。「さいはての中国」(小学館)もいただきました。

 「城山三郎賞」というから「城山のような経済小説作家に与える賞(あるいは経済問題をテーマにした作品に与える賞)」かと思ったら

第1回(2014年)
中村哲『天、共に在り―アフガニスタン三十年の闘い』(NHK出版、2013年10月刊)
・堀川惠子『教誨師』(講談社、2014年1月刊)
・第2回(2015年)
 瀬木比呂志『ニッポンの裁判』(講談社、2015年1月刊)
・第3回(2016年)[3]
 辺見庸『増補版 1★9★3★7』(河出書房新社、2016年3月刊)
 北野慶『亡国記』(現代書館、2015年8月刊)
・第4回(2017年)
 該当作なし
・第5回(2018年)
 安田峰俊*7『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA、2018年5月刊)

ということでなぜか違うようです。
 それはともかく、城山三郎は保守とはいえ極右ではないですし、主催者の角川書店も、

魚住昭*8(元共同通信記者、ノンフィクション作家)
片山善博(元鳥取県知事。菅内閣総務相慶應義塾大学教授)
斎藤美奈子*9(文芸評論家)

といった選考委員たちも極右ではないのでまあ、そういう意味では安田本はまともな本ではあるのでしょう。少なくとも石平などの「中国崩壊するする詐欺本」などとは違うのでしょう。それにしても同じ中国問題ライターという意味では「安田のライバルであるはずの福島」が安田の受賞を脳天気に喜んでいていいんでしょうか?。
 「私って安田氏のような業績が果たしてあるだろうか」とかいった悩みはないんですかねえ。正直、今の福島は「ただの反中国プロ右翼活動家」への転落、劣化にもほどがあるでしょうに。

野原燐さんがリツイート
丹菊逸治(激怒中)
 (ボーガス注:右派のチベット問題、ウイグル問題への関与はただの中国たたきに過ぎないというのは)これは道理としてはまあそうなんだけど、でもチベット問題、ウイグル問題について、チベット問題、ウイグル問題について、日本国内においては右より左がちゃんと声をあげるべきだと考えている。右は結局政権のプロパガンダに過ぎない*10。日本国内においては左が声をあげることが重要。

 「アンチ中国の右翼id:noharra(八木孝三)」らしいリツイートですが「要するにおまえら左派にどうしてほしいの?」ですよねえ。
 基本的に俺は「ベトナム戦争での米軍支援」「日本自衛隊南スーダンPKO」のような「日本ががっつり関わるような話(日本は米軍支援をやめよ、自衛隊南スーダンから撤退せよ)」でもない限り「海外の問題なんか日本人に基本、何もできねえよ。どうしようもねえだろ」と思いますよ。
 特に左派なんて政権握ってないですからねえ(政権握れば何でもできるわけではなく、むしろしがらみで動きにくくなることも多いですが)。
 「政権握ってない集団」が「ウイグルガー、チベットガー」といってどれほどの意味があるのか。
 それより小生的には「朝鮮学校無償化除外」とか、あるいは「チベットがー、ウイグルガー」つながりで連想すると「アイヌ問題や琉球民族問題(まあ要するに基地問題ですね)」とか、まあ、ネタは何でもいいんですが「国内の人権問題」にコミットしていくべきだろうと思います。 まあこれだって「政権与党の方向性に反し、国民世論も政権与党を支持(無関心、どうでもいいという消極的支持を含む)」なんて話(まあ何でもネタはいいですが例えば今あげた朝鮮学校無償化除外、アイヌ問題や琉球民族問題(基地問題))なんかだとなかなか「改善は難しい」ですがそれでも国内問題ですからね。海外問題よりは取り組みようがあるでしょう。 
 まあいずれにせよ丹菊氏はともかく八木の場合はただのアンチ中国、アンチ左派に過ぎないからくだらない限りですが。八木は「元兵庫県職員で自治労に所属していた」そうですが、自治労ってこんな奴がいるような右翼労組なんでしょうか?

福島香織
・私の知り合いの(ボーガス注:中国人の)女社長はシングルマザーで小学3年生の男の子を自分で育てている。昼間はバリバリ働き、ベビーシッターを雇っている。中国は女性が社会で男性と同等に働いているね、女性の社会進出度は日本よりよっぽど進んでいるね、などと言うと、「中国の女は好きで強くなったわけではない。強くなければサヴァイヴできない*11からだ」「女で、その上地位もお金もなければ見下されるからだ」と反論される。
・私がこの地位と生活を手にれるまでどれだけの犠牲を払ったと思う?。日本には女社長は中国より少ないかもしれないけれど、(中略)金も稼げず(政治的)地位がなくても婚姻がこわれない日本の方が女性が大切にされている*12ってことじゃない?と反論されると、その通りだと思いますわ。
・社会進出している女性たちの壮絶なサヴァイバル競争があったりする。人をけおとし、自分も傷つき、より弱い存在から搾取したりして漸く手に入れられるのが社長の地位と年収1500万円の暮らし*13。そういうのが女性の社会進出なら、別に社会進出しなくてもいいんじゃない、という価値観が許されるのが日本なんじゃないかな、と思うのだ。
・(ボーガス注:ジェンダーギャップ指数が)韓国や中国よりも低かったりするのに、女性の幸福度ランキング*14とかになると日本は上位に来る

 「そういえば毛沢東が『空の半分は女性が支えてる(もちろん男女平等関係の話)』とかいってたらしいなあ」「どこまで実質的権限あるか知らないけど、中国って宋慶齢*15とか女性幹部多い気がするなあ(印象論だけど)」と思いますがそれはさておき。
 ■ハフィントンポスト『日本のジェンダーギャップ指数、過去最低を更新、114位に』
https://www.huffingtonpost.jp/2017/11/01/nippon_a_23263093/
に対する福島の苦しい言い訳です。
 「女性の収入が高かったり、女性が企業の高い役職に就いてたりするとジェンダーギャップ指数(世界経済フォーラムが算定している女性の社会進出についての尺度)が高くなるんだけど、そんなことに果たして意味があるんでしょうか。女性が収入と社会的地位(社長就任など)を上げても、仕事が忙しいから子どもとの団らんの時間もない上、キャリアアップするためにサバイバル競争で弱者を蹴落とすくらいなら指数が低くていいのではないか」て「調査対象国144カ国のなかで日本はジェンダーギャップ指数が114位」つうひどい成績はそういう言い訳ができるレベルじゃないと思うんですけどね。
 たぶん何も知らない人に「この指数で日本は何位でしょう。ヒントですがG7諸国ではフランス11位、ドイツ12位、英国15位、カナダ16位、米国49位です。日本の隣国である東アジアの国では中国100位、韓国118位です』つうたら「中国と米国の間をとって、75位くらい?」つうんじゃないか。ここで「中国と韓国の間で110位くらい?」とかいう人がいるとも思えない。そこで「実は114位です」つうたら「はあ?。日本そんなに酷いの?」になるんじゃないか。
 せめて真ん中より上(つまり75位以上)でないと。
 安倍政権もさすがに「114位でもたいした問題じゃない。価値観の相違だ」などとはいっておらず改善の意思を表明してますし。
 なお、2017年調査結果は中国が100位、日本が114位、韓国が118位なので「韓国が高い」つうのは福島の勘違いです。韓国が高かったときもありましたがまあ「日本が抜いたり抜かれたり(韓国が抜いたり抜かれたり)」で「常に韓国が日本より高いわけではなく」たいした差はありません。「スウェーデンフィンランドノルウェーと日本」みたいな「イヤー常にスウェーデンフィンランドノルウェーの方が段違いで日本より上なんですわ」つうほどの違いは日韓間にはありません。
 そして確かに2017年調査では中国は日本より高いんですが「100位(中国)と114位(日本)」ですからねえ。
 「アイスランド1位」「ノルウェー2位」「フィンランド3位」「スウェーデン5位」「フランス11位」「ドイツ12位」「英国15位」「カナダ16位」「米国49位」などと比べたらどんぐりの背比べです。
 なお、この種の調査に詳しい方はご存じでしょうが、こういう調査は「アイスランド1位」「ノルウェー2位」「フィンランド3位」「スウェーデン5位」など、ほぼ毎度のように北欧がトップ10に入ってきます。「左派方面では昔からいわれてること」で、ベタで恐縮ですがやはり「日本の理想の一つは北欧社民主義、福祉主義」とは思います。
 なお、このように日中韓が軒並み低い理由はやはり儒教の影響ではないかともいわれています。
 まあそれはともかく。大体その福島の言い訳「女性が社会進出しても、金とキャリアアップのために何かを犠牲にするくらいなら社会進出しなくていい」なら、発展途上国だって「貧乏でもいい。我々は美しい自然があり、先進国のように時間に追いまくられてない。豊かになることがすべてじゃない」ともいえちまいますし。
 大体「女性の社会進出は単純に美化できない」つうのは「日本みたいに全然女性の社会進出が進んでなくていい」つうことと違うでしょうよ。つうか、そういうこというんだったら「キャリアウーマン(?)」福島はどうなるのか。
 「新聞記者としてサバイバル競争するのはやめて、結婚して子ども生んで専業主婦になったらどうですか?。」といわれたら従うのか?(福島って確か独身だった気がします)。
 最後にハフポストの有識者意見を見てみます。
 しかしなんで福島が、ジェンダーギャップ指数関係で、こんな強弁するかといえば「中国や韓国相手には絶対に負けを認めたくない、なぜなら日本はアジアの盟主でないといけないからby福島」なんでしょうね。
 正直「中国100位に日本が111位で負けてる」つうことより「G7諸国で日本は最下位(フランス11位、ドイツ12位、英国15位、カナダ16位、米国49位など)」つうことを気にしろよ、と思いますが、福島的には「欧米に負けても別にいい。なぜなら欧米様は偉大だから。アジアの中で勝てればいい→中国に負けることなんか絶対に認めたくない。負けを認めざるを得ないのならたいした負けじゃないと強弁しよう」つう欧米コンプレックスと「日本はアジアの盟主」意識があるのでしょう。
 正直、ジェンダーギャップ指数とか関係なく「ええやん、中国、台湾、韓国の下に日本が来ても(さすがに積極的な意味ではなく消極的な意味での容認ですが)。1980年代ならまだしも、今はもう日本が偉そうにわしがアジアの盟主だとかふんぞり返ってられる時代やないやろ。文化とか民主主義とかはともかく少なくとも経済力はそういう時代やないやろ。あえて言えば経済力では中国がアジアの盟主と違うのか?。もう日本は遅かれ早かれ、経済の分野では中国に追い抜かれてどうしようもない状況になると思うで。正直愉快やないけど」と思いますね。

https://www.huffingtonpost.jp/2017/11/01/nippon_a_23263093/
■「構造的な女性差別は、教育の分野でも起きている」瀬地山角*16・東京大教授インタビュー
 (ボーガス注:こうした問題では)普通はみなさん、(ボーガス注:女性政治家が日本では少ないという)政治分野の低さを問題にすると思います。ですが、私があえて深刻だと指摘したいのは、教育分野。高等教育在学率が低いためで、ここだけとると101位になっています。多くの人が「平等」だと信じている教育の分野ですら、男女の格差が現れているのです。
 なぜなら先進国では日本のように、高等教育の在学率が女性の方が低いという国はほとんどない。多くの国で女性が男性を上っています。
 日本の場合、短大の進学率を足せば、高等教育進学率は女性が男性を上回りますが、かつて職業訓練ではなく、教養教育が中心だった短大という存在は、日本特有のもの。2年制なので、大学在学相当の年齢の人口を分母とした「在学率」でとらえ直すと、男性より低くなるのです。
 教育の男女格差の背景には「女の子はそんなガツガツして大学までいかなくても、東京の大学に入らなくても、地元の短大で」という価値観がまだ根強く残っていることがあります。親からそんなに無理しなくて良い、などと言われて、本人もそんなものかと思わされている。
 私の大学の講義で、「進学における男女差」の話をした後に寄せられる感想の紙からは悲鳴が聞こえてきます。
 現役でしかダメと言われて必死に勉強して東大に来られた、という女子学生。自分よりも優秀なのに来られない女子学生が地元の高校にはたくさんいた、という学生もいた。志望は地元の国公立大学か東大だけど、現役合格が前提という受け方をしている人もたくさんいる。「地方」「浪人」となると極端に女子学生が減るのです。
 高校生の段階ですでに、女性が自分の能力の限界まで挑戦するということを、男性に比べて許されていない。女性が教育投資の対象になってない。女性が家計を支えるという考えがそこにはない。これこそ構造的な差別です。
 そういう背景を知るにつけ、東大の女子学生比率が2割という現状は、本当に恥ずかしいことだと思っています。
 2016年、東大が自宅が遠い女子生徒が借りるアパートの家賃を補助しようという取り組みを公表したところ、逆差別だという批判が出ましたが、そういう人たちは、どれだけ女性が構造的に差別されているかが分かっていないのでしょう。


■【田村秀男のお金は知っている】「日中通貨スワップは日本のため」とは面妖な
https://www.sankei.com/premium/news/181103/prm1811030014-n1.html

 財務省は「スワップは中国のためではなく、日本の企業や銀行のためになる」との一点張りというが、何とも面妖な。

 別に面妖ではないですね。むしろ「日本のためにならず中国のためにしかならないこと」を財務省や日本財界が熱心だったらそのほうが面妖です。つまりは田村がでたらめ言ってるということですが。


■日経『中国輸入博に日系450社 参加国で最多、シェア拡大へ』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3724306001112018FFE000/
時事通信『中国が大規模な輸入博=14億人市場をアピールへ−「貿易戦争」で米けん制』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018102901063&g=int
■AFP『多数の日本企業が上海の輸入博へ出展 成果に期待』
http://www.afpbb.com/articles/-/3195422
フジサンケイビジネスアイジェトロ、中国輸入博への出展支援』
https://www.sankeibiz.jp/business/news/181008/bsl1810080500001-n1.htm

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3724306001112018FFE000/
・11月5日から中国・上海市で初開催される「中国国際輸入博覧会」に、日本からは各国・地域で最多の約450社が参加することが分かった。パナソニックが次世代エコカー用の車載装置などを展示するなど、技術力や品質をアピールして中国でのシェア拡大につなげたい考え。伊藤忠商事や丸紅などの総合商社も日本製食品などを展示する。
・日本は、トヨタ自動車やホンダなどの自動車メーカーのほか、三菱重工業なども出展する。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018102901063&g=int
 博覧会には、安倍首相訪中を受けて中国事業に力を入れる日本企業も多数出展。パナソニックは「中国ではこれまで家電メーカーとして高い知名度があるが、車載用電池など多様な新分野も手掛けていることを中国市場に幅広く伝える場にしたい」(広報担当者)と意気込む。

http://www.afpbb.com/articles/-/3195422
 洋食器や金物などを地場産業とし、古くから金属加工業が盛んである新潟県燕三条市にある岡部洋食器製作所の岡部隆文社長は、「日本は今、人口が減少しているので食器の市場も不景気であり、売上が伸び悩んでいることから、海外に活路を見出そうとしている」と話す。岡部社長は中国に目を向け進出を目指している。
「中国では今、通販ショップでこの製作所の商品を買えますし、日系のデパートでもこの製作所のコーナーがあります」。岡部社長は、中国側バイヤーとスムーズに交流するため、中国のSNS微信ウィーチャット、WeChat)を利用し、また今後、中国での業務拡大に向けて中国語のできる人材を採用していくという。岡部洋食器にとって、今回の輸入博はまさに業務拡大の最高の機会だ。

https://www.sankeibiz.jp/business/news/181008/bsl1810080500001-n1.htm
 中国政府が11月5〜10日、上海市で初めて開催する輸入に特化した総合見本市「第1回中国国際輸入博覧会」に、日本企業約380社・団体が参加。日本貿易振興機構ジェトロ)が運営する「ジャパン・パビリオン」には261社・団体が出展する。ジェトロの石毛博行理事長は「中国政府は輸入増による消費者の生活向上を目指しており、売り込みのチャンスだ」と期待する。
 同パビリオン出展企業の8割以上は中小企業で、空気清浄機など環境関連機器製造のアンデス電気(青森県八戸市)や、疲労回復ウエアのベネクス(神奈川県厚木市)、尿検査サービスの名大発ベンチャー、ヘルスケアシステムズ(名古屋市千種区)などが参加。医療健康関連、家電、自動車関連、産業用ロボットなど各種製品や、コメをはじめ農産品も出品される。

 ということで中国ビジネスの重要性が改めて明白になりました。
 「ノルウェーに霞を食えとは言えない」と主張したid:Mukkeさんも「トヨタやホンダなど日本企業に霞を食えとは言えない(日本に霞を食えとは言えない)」というはずです(皮肉のつもり)。
 まさか「ノルウェーに霞を食えとは言えないが、日本は霞を食うべきだ」なんて馬鹿なことは言わないでしょう。


■【石平のChina Watch】日中首脳会談で得した中国
https://www.sankei.com/column/news/181101/clm1811010006-n1.html
 正確には「お互い得をした」ですね。損しかしないのなら安倍も習主席もどちらも会談などしません。まあ石は「極端なアンチ中国」なので「中国ばかりが得をした、安倍総理に失望した」と言い出すわけですが。


■ちきゅう座『なぜ文化大革命は過ぎ去らないのか:日本の「進歩的」中国研究者の「結果責任」を問う(その2)』<石井知章(いしいともあき):明治大学教授>
http://chikyuza.net/archives/88598
 結局、「過ぎ去らない」つうのはどういう意味か、「結果責任を問う」とはどういう意味か、つうことは俺には今一つよくわかりませんでした。ちきゅう座メンバーには理解できたうえに「素晴らしい論文だ」と高い評価までできたようですが。
 つうか、この論文で批判的に取り上げられてるのは、ほとんど加々美光行*17『歴史としての文化大革命*18』(2001年、岩波書店)「だけ」であることには正直拍子抜けしました。
 まあ小生は、加々美本を読んでいないので評価は避けます(正直、文革終了後の著書である加々美本が文革を好意的に評価してるとはとても思えませんが)。
 いずれにせよ加々美本「だけ」取り上げて「加々美氏の結果責任を問う」ならまだしも『日本の「進歩的」中国研究者の「結果責任」を問う』とはずいぶんと大きく出たもんです。
 石井氏にとっては加々美氏が『日本の「進歩的」中国研究者』とやらの代表格なのかもしれませんが、それは石井氏と「そのお仲間」にとっての「当然の常識」だとしても、俺のような部外者にとっては当然の常識ではありません。
 つうか「加々美氏以外」にはいったい誰が石井氏らにとっての「結果責任」とやらを負う「進歩的中国研究者」なんですかね?。
 加々美氏以外では「汪暉氏*19」「丸川哲史*20」「矢吹晋*21」が名前を挙げて非難されていますが、「「進歩的」中国研究者(?)」として石井氏によって批判的な扱いで名前が出てる「中国研究者」は結局、加々美氏を含めてこの四人でしかありません(柄谷行人*22、前田年昭氏もその中国認識を非難されていますが彼らは中国研究者とは言えないでしょう)。
 しかも「汪暉氏」「丸川氏」に至っては「以前、彼らを批判した文章があるので参考にしてほしい」と脚注で処理しており「汪暉氏」「丸川氏」の文章引用も何もないので、この文章を読むだけでは何が何だかさっぱりわかりません。
 まあ加々美氏批判、矢吹氏批判の部分も、俺には正直よくわからないのですが、それでも加々美氏、矢吹氏の場合、彼らの文章の一説を石井氏が引用したうえで、批判しているだけまだましです。
 まあ、「頭の悪い」俺なりに石井主張を理解すれば「確かに文革毛沢東中国共産党主席)が劉少奇国家主席)やトウ小平(副首相)らから権力を奪い取るためのただの権力闘争でしかなかったかもしれないが、文革に希望を見た人間がいることを無視してはいけないのではないか。単に毛の上からの命令ではあれほど大きな運動にならなかったのではないか」と加々美氏らが主張していることを勝手に石井氏が「文革美化だ」と決めつけてるだけのように見えます。
 もちろん「文革に限らず」、「何かに希望を見た人間がいるから」といって「それが正しいこと」にはなりません(そもそも文革の正しさなんぞを加々美氏らが主張してるか疑問に思いますが)。しかし「偽りの希望」であれ何であれ、「希望を見た人間がいること」を無視して果たして適切な文革認識はできるのか。俺は疑問に思います。
 「加々美氏らの文章を読んでないので評価できない」とはいえ、まさか加々美氏らが「大東亜共栄圏の理想を信じた人間がいる→だから大東亜共栄圏は正しい」並みの低レベルな議論を展開してるとは思えないのですが。
 もちろん「希望を見た人間がいること」を指摘し、「なぜ彼は希望を見たのか」、「その希望は今達成できたのか、いまだ達成できないとするならばどうすればいいのか」を考えることは別に文革美化ではないでしょう。


■ちきゅう座『なぜ文化大革命は過ぎ去らないのか:日本の「進歩的」中国研究者の「結果責任」を問う(その1)』<石井知章*23(いしいともあき):明治大学教授>
http://chikyuza.net/archives/88559

 初出:(愛知大学現代中国学会編『中国21』、Vol.48, 2013年3月から転載)

なので5年前の少し古い記事です。

*長文ですので、著者のご了解のもと、二回に分載いたします。註は、次回に一括して掲載いたします。(編集部)

 まあ小生が気になったのは「過ぎ去らない」つうのはどういう意味か、「結果責任を問う」とはどういう意味かつうことですね。
 ただそれは「その1」を読んだ限りではよくわかりませんでした。「その1」には「文革は問題だった」、「文革と似たような問題行為としてはいわゆる反右派闘争や大躍進があり、反右派闘争、大躍進、文革においては毛沢東の影響が大きかった」というある意味「細かい点はともかく」大筋ではほとんどの日本人が「うん、知ってる」つう内容でしかありません。
 「その2」を読めば「過ぎ去らない」「結果責任を問う」の意味がわかるんでしょうか?
 正直「文革がまた中国で起こるか」という意味では「文革は過ぎ去っています」。
 中国は四人組を裁き公式に文革を否定しました。そして発展途上国だった文革時代はともかく、「経済成長した今」多くの独裁的国家(例:ミャンマー、サウジなど)で見られる「一般的な人権侵害」ならともかく「法治主義否定と言っていい文革」なんか外資逃亡の危険があるだけでできるもんじゃありません。
 一方で「建国の父・毛沢東を公式に全否定できるか」「全否定できなければ過ぎ去ってない」つう立場に立てば「過ぎ去ってはいない」でしょう。それを示すのがトウ小平*24が生前語ったと言う有名な言葉「毛主席の功績は7、罪過は3」「その功績を全否定することはできない(俺の要約)」でしょう。
 また「文革被害者への経済支援などが適切にされたか」つう意味でも「過ぎ去ってはいない」かもしれない。まあ、結局「定義の問題」ですね。どういう意味で「過ぎ去ってない」といってるかが問題です。「また文革が起こる」つう意味ならそれはただのデマでしかありません。
 「結果責任を問う」つうのも、まあ「何をするのか」ですよねえ。今更「当時、一部の中国研究者が『事情がよくわからなかったとは言え』文革を、文革が終了するまで、褒めたことは間違ってる」といったところで今どれほどの意味があるのか。今時文革を美化する人間などいないし、当時の研究者の多くは「文革批判派、支持派問わず」高齢化でなくなっています。
 これが「彼らはなぜ間違ったのか、我々が同じような過ちをしないためには中国政治研究は、あるいは『中国に限らず』政治研究はどうあるべきなのか」つう問題設定なら建設的かも知れませんが。

 問題は、中国国内だけに限られるのではなく、その政治的かつ社会的運動が、日本を含む周辺国、さらに世界のさまざまな国へと与えた影響にまで及んでいることである。たとえば、ポル・ポト派クメール・ルージュ)の支配下で、自国民の虐殺を行った当時のカンボジア民主カンボジア)は、文革中から中華人民共和国の親密な友好勢力であり続けたし、毛沢東もこれを支援していたことからも、文革ポル・ポトによる大量虐殺との関連性がしばしば指摘されている。文革のさなかに張春橋*25カンボジアを訪問し、ポル・ポト*26と抱擁し、その「偉大な」革命の成就を讃えつつ、「中国では成し遂げられなかった」と語っている

 いやーポルポト虐殺だけでしょうよ、関係がありそうなのは。他はたいした影響ないでしょう。

 日本でも当時、毛沢東思想が新左翼の一部で広く流布していたが、そのなかでも、あさま山荘事件を起こした連合赤軍は、毛沢東思想にきわめて大きな影響を受けていたとされる。
 ところが、文革新左翼運動の思想と行動との親和的関係性をめぐる研究は、今日においても十分に行われているとはいいがたく

 イヤーそもそも本当にそんなに毛沢東の影響なんかあるんですかね?。確かに極左のゲリラ闘争とか一見すると「文革造反有理」に似てなくもないですけどね。あるいはあさま山荘での粛清も一見すると「ポルポト虐殺」に似てなくもないですけど。
 確かに一見すると永田洋子*27なんか「毛沢東の妻・江青を連想しないでもありません」。
 ただ、それいったら、ゲリラ闘争は「PLOの闘争に一見似てる」し、まあ、こういう物言いにどれほどの意味があるか。
 そもそも「文革新左翼運動の思想と行動との親和的関係性をめぐる研究」が「十分に行われてない」のは「中国で造反有理と言ってるなら俺たちが同じことやってもいいんじゃないか」的な「浅い影響しかない」からじゃないか。
 その程度の浅い影響ではとても研究する価値もなければ、研究する気にもならないでしょう。


■リベラル21『大変革進行中の中国みたまま(2):北京の大気汚染は解消したのか』坂井定雄 
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4553.html

 今回の中国旅行中、強い関心があったことの一つは、北京のひどい大気汚染は解消したか、ということだった。しかし、わずか4日間の北京滞在中、あのどんより濁った、大気汚染をまったく感じなかった。初秋のさわやかな2千万都市北京だった。
 もちろん、わずかな滞在日数を秋に過ごしただけで、判断はできない。しかし北京市民の友人、知人たちに尋ねると誰もが、あの大気汚染はもう気にしなくなった、という答えだった。
 中国政府と北京市当局は、大気汚染解消に二つの重要対策で取り組んできたという。
 その第一は、北京市内と周辺の、大量に汚染排気、排水を排出してきた工場をほとんど潰したこと。
 もう一つの大気汚染対策は、乗用車のガソリン・エンジンから電池エンジン、あるいはガス・エンジンへの転換の推進だ。

 「アンチ中国」阿部治平とかはこうした問題を「対処療法で一時しのぎ」みたいな悪口しかしませんが「仮にそうだとしても評価できると思う」とする坂井氏です。


■リベラル21『大変革進行中の中国みたまま(1):スマホ利用の爆発的広がり』坂井定雄 
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4550.html
 阿部治平など、中国への悪口ばかりが多いリベラル21ですが、珍しく中国を評価しています。
 まあ、この坂井氏(阿部同様リベラル21の常連寄稿者)、本業は「中東問題」でリベラル21への寄稿もほとんど中東関係ですが。

 昨秋も今回も、歩き回ったどこでも感じたことは、まちがきれいになったことだ、かつてのように、ごみが街頭に散らばっていることはなかった。ゴミ一つない、などというと、そんなはずはない、どこを見ているのか、と反中派は信じないだろうが、事実、道路にゴミがなく、樹木が手入れされ、花が多く、政府や共産党の宣伝文句を書いた紙が減り、スローガンは決められた掲示板などの場所に整理され、街歩きの気分の邪魔にならない。

 要するに坂井氏のような外国人観光客に配慮してるのでしょう。


■産経『日中通貨スワップ、麻生氏「日本の企業活動を支える意義」』
https://www.sankei.com/economy/news/181030/ecn1810300014-n1.html

 麻生太郎*28財務相は30日の閣議後会見で、日本銀行中国人民銀行が26日に再開した日中通貨スワップ(交換)協定について、「人民元を安定的に供給できることは、日本の企業の活動を支えるという意味で意義がある」と述べた。

 言ってることは間違いではないでしょうが、「安倍同様反中国のはず」のウヨ麻生も変われば変わるもんです。


■産経【正論】中国の「微笑」は戦術的秋波だ キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・宮家邦彦
https://www.sankei.com/column/news/181030/clm1810300005-n1.html

 2000年秋から3年半、北京の大使館勤務を経験した。そこで学んだのは「中国との首脳会談は成功しかない」ということだ。

 そもそも「中国に限らず」通常「首脳会談は成功するもん」でしょう。別に北京大使館勤務なんかしなくてもわかることです。
 理由は簡単です。首脳会談の前には当然ながら事務方の調整があります。いきなり調整なしで首脳会談なんてリスキーなことは誰もしない。まあこれは国家間外交に限らず、企業の交渉なども同じですが。事前調整なしにいきなり社長同士が会ったりはしない。
 その調整段階で「何らかの成果が期待できなければ」当然ながら首脳会談はお流れになるでしょう。
 「首脳会談が公式に発表される」ということ自体が「双方が成果をアピールできる、首脳会談を正式に発表してもリスクはないと判断したから」のわけです。
 まあ安倍・プーチン会談のように「日露経済交流を獲得したプーチンはともかく安倍に何の成果があったの?。安倍的には島はどうでもいいの?。日本財界がロシア進出できればいいの?。それとも外交やってる感がアピールできればいいの?」と問いただしたくなるような代物も時としてありますが。

 日中企業の第三国での経済協力、ハイテク・知的財産に関する対話、ガス田開発協議の早期再開、円元通貨スワップ協定の再開など、経済分野で両国関係を進展させようとしている。それ自体は日本の経済界にとっても結構なことだ。

 産経が本気でこんなことを言ってるとはとても思えませんが、全くその通りだと思います。

今回興味深かったのは、歴史、靖国尖閣南シナ海、一帯一路などについて対外的言及が殆(ほとん)どなかったことだ。

 一帯一路についてはすでに安倍は5月の李克強首相訪日時に参加表明しています。
 他について言えば、まあ双方が棚上げにしたと言うことでしょうね。安倍が無茶苦茶やっていたのがとにもかくにも元に戻ったと言っていいでしょう。

 現在、日中関係は戦略レベルで「安倍首相の粘り勝ち」であり、さすがの中国も対日関係改善に動かざるを得なかったのだろうと推測する。

 「どこがだよ」ですね。安倍以外がこの成果なら「中国にこびた、許せない」でしょうが、安倍だとこの詭弁です。

http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4544.html
 靖国神社秋の例大祭への閣僚の集団参拝はピタリと止んだ。安倍晋三習近平に会いに行くからである。

という事実一つとっても「安倍の粘り勝ち」などとは言えません。
 あるいは

https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/c_m1/cn/page4_004101.html
 李総理も河南省遼寧省での経験もいかされ,貧困脱却を始め,中国全土の均衡のとれた発展に御尽力されていると伺っております。

https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2018/1026daisangoku.html
 5世紀、日本に、初めての文字である漢字がもたらされました。6世紀に伝来した仏教は、日本人の考え方に大きな影響を与えています。そして8世紀に遣隋使(けんずいし)・遣唐使を通じて、中国の社会制度や、都市のつくり方を学びました。中国は、長きにわたり、日本のお手本でした。

などという安倍のお世辞のどこが「粘り勝ち」なのか。
 例の「明治150年式典(10/23)」が「参加者300人、天皇皇后出席なし、開催時間約20分、テレビ生中継なし(なお、佐藤栄作の明治100年式典は参加者1万人、天皇皇后出席あり、開催時間約50分、テレビ生中継あり)」というかなりしょぼい代物に終わり、安倍自身、事前にほとんど宣伝しなかったのも理由の一つは「下手に宣伝して中国の反感を招き、訪中が中止になるリスクを犯したくなかったから」でしょう。

 中国との付き合いで最も難しいことの一つが「面子」の扱いだ。日中で面子の意味は微妙に違うようだが、公の場で中国人を辱めれば、思いもよらない逆上と反発を招くことだけは確かだろう。

 やれやれですね。中国人は特にメンツを重視するのかも知れません。
 とはいえどこの世界にメンツを潰されて逆上しない人間がいるんでしょうか?
 例えば宮家氏とて正当な理由もなく突然「あんたに頼んだ仕事(講演であれ、原稿執筆であれ)、あれ取りやめたから。理由?。どうでもいいだろ、そんなこと。ギャラさえ払えば文句はないだろう」とか、もっと酷くて「ギャラ?。仕事をキャンセルしたのに、あんたに払うわけないだろう」なんて不誠実な態度をとられればマジギレするんじゃないですかね。

 逆に言えば、公の場で中国人の面子を保つ度量さえあれば、彼らは実質面で驚くほど簡単に譲歩することが少なくない。

 やれやれですね。安倍が一帯一路参加表明したこと一つとっても「日本は実質面で譲歩してない」とはとてもいえないのですが。


■産経【異論暴論】正論12月号来月1日発売 弾圧国家・中国の恐怖 「対岸の火事」ではない
https://www.sankei.com/column/news/181030/clm1810300007-n1.html
 確かに安倍のような独裁体質の政治家が首相の日本にとって別に「中国に限らず」例はロシアでもトルコでもどこでもいいですがメディア規制や司法介入は「対岸の火事ではない」でしょう。
 すでに安倍の圧力に屈したNHKやテレ朝は国谷キャスターや古館キャスターを更迭しています。
 朝鮮学校に対する許しがたい不当判決もどう見ても安倍の圧力への屈服でしょう。三権分立など日本にはないのでしょう。
 とはいえ安倍信者・産経のいうことはもちろんそういう意味ではありません。
 「中国の侵略がー」という与太話です。
 また「中国のウイグルチベット支配がー」といいながら、国連人種差別撤廃委員会に「アイヌ差別がー」「沖縄民族差別がー(基地問題)」といわれると逆ギレするでたらめが産経です。

中国の掲げる巨大経済構想「一帯一路」は、実は経済的な植民地政策だという指摘。

 「大東亜共栄圏じゃあるまいし」、「アホか」ですね。まあ、産経が寝言をほざこうとも「犬が吠えても歴史は進む」ではないですが「産経が吠えても一帯一路は進む」わけですが。何せ安倍政権がすでに一帯一路参加を表明してますし。

 弾圧国家・中国に対し、日本の経済界はこれ以上、肩入れしていいのか。

 といったところでもちろん肩入れするでしょうね。財界にとって大事なのは人権ではなく金儲けだからです。大体産経が騒ぐ人権は「中国、北朝鮮限定」で「ミャンマーロヒンギャ問題」などは平気で無視するのだからいい度胸です。


■国基研『誤解されかねない安倍首相の対中外交』冨山泰
https://jinf.jp/weekly/archives/23660
 安倍が国基研を裏切ったことは明白ですがそれを認められず酷い強弁です。

 習近平*29国家主席の威信をかけた勢力圏拡大構想「一帯一路」も「債務のわな」に対する援助対象国の警戒で失速気味だ。

 何度も書きますが失速などしてはいないでしょう。もちろんどこでもいつでも一帯一路プロジェクトは大歓迎で成功してると言ったら嘘になりますが、基本的には「概ね成功してる」といっていいのではないか。

自由、民主主義、市場経済、法の支配を重視する世界秩序の中心を占めてきた米国

というのは「市場経済」を除けば、米国が「世界のリーダーとして振る舞うためのフィクション」にすぎません。
 「記者暗殺事件」での米国のサウジ批判がぬるいことや「スペイン・フランコ政権」「フィリピン・マルコス政権」「台湾・蒋介石政権」「韓国・朴チョンヒ政権」「チリ・ピノチェト政権」「エジプト・ムバラク政権、シシ政権」など独裁政権を過去に容認してきた(あるいは現在容認している)こと一つとっても米国の「民主主義や法の支配」重視などでまかせでしかありません。そうしたフィクションは「トランプの無茶苦茶ぶり」で崩壊しつつありますが「トランプほど酷くない」だけで歴代の米国政権はそんなにほめられた代物ではありません。

 産経新聞によると、安倍首相は李克強*30中国首相との会談で「中国国内の人権状況について日本を含む国際社会が注視している」と伝えた。最高指導者の習主席ではなく、ナンバー2の李首相に伝えたというのも、腰が引けている。

といったところで「それが安倍」のわけです。「人権意識など特になく、反共主義から中国を敵視するが、中国ビジネスを重視する財界からどやされると腰砕けになる」つう話です。
 そもそもこんなこと言ってる国基研にしても反共主義から中国を敵視してるに過ぎません。
 だからこそ「ミャンマーロヒンギャ問題」など中国以外の問題についてはほとんど言及しないわけです。


朝日新聞『日本より規制ゆるい」医大教授の前に現れた中国人の男』
https://www.asahi.com/articles/ASL9N04TTL9MULBJ047.html
■日経『データが示す日本の研究力低下 根底に大学の環境悪化』
http://college.nikkei.co.jp/article/109513616.html

https://www.asahi.com/articles/ASL9N04TTL9MULBJ047.html
「その研究、うちでやりませんか」
 今年1月、中国の製薬関連企業の顧問を名乗る中国人男性が、東京慈恵会医大のある教授を訪ねた。きっかけは、教授の研究チームが専門誌に発表した腎臓の再生医療に関する一本の論文だ。
 腎臓病の患者は世界的に増えている。中国では、透析を必要とする患者は数百万人いるとされ、高齢化の影響で今後も増えると予想されている。ある腎臓内科の中国人医師は「市場規模は天文学的な数になるだろう」と見ていて、ビジネスとしての将来性は高い。

http://college.nikkei.co.jp/article/109513616.html
 ある有力大学の教授は中国の大学教授にこう声を掛けられた。
「定年退職後に中国に来ないか。給料は2倍出す」。

 こうした引き抜き工作の成功事例の一つが「復旦大学の服部素之教授」「清華大学博士研究員の島袋隼士氏」「中国科学院上海植物ストレス研究センターの三木大介准教授」なのでしょう。


朝日新聞『植物に浮かぶ「DREAM」 中国に渡った日本人が成果』
https://www.asahi.com/articles/ASL9N6D0YL9NULBJ01G.html

 中国科学院上海植物ストレス研究センターは5月、ゲノム編集を用いて植物のシロイヌナズナの遺伝子を自在に改変できる技術を確立した、と発表した。応用が進めば、少ない水で育つ穀物や色や大きさを好みに調整した野菜など、「デザイナー植物」の開発につながる成果という。
 研究の中心になったのは同センターの准教授で日本人の三木大介。三木は日本で博士号を取得し、米国や欧州などで研究。米国時代の上司が上海で新たに研究所を立ち上げたのをきっかけに、研究の場を中国に移した。
 三木は「中国政府は農作物の研究に力を入れていて、この分野は研究費がつきやすい」とし、「やせた土地でも育てることができたり、冷害や塩害などにも耐えたりする農作物作りにつなげたい」と話した。

 以前拙ブログ(http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20180907/1265542156http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20181022/5640238727)で
NHK『科学技術強国・中国の躍進と日本の厳しい現実』
https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0913.html
毎日新聞『日中平和友好条約40年/下 研究者、中国に活路 予算10年で倍増、世界一の米国に迫る』
https://mainichi.jp/articles/20181017/ddm/007/010/058000c
を紹介しました。
 これらの記事では日本からの頭脳流出として「復旦大学の服部素之教授」「清華大学博士研究員の島袋隼士氏」が紹介されていましたが今度は「中国科学院上海植物ストレス研究センターの三木大介准教授」だそうです。
 中国の脅威というなら「軍事云々」よりむしろ「こうした科学技術」でしょうが産経らウヨはこういう問題は全く取り上げず、「軍拡は主張しても頭脳流出を阻むための学術予算増は主張しない」のだからげんなりします。そして実際、安倍自民は軍拡しても科学予算は増やさない。
 むしろこうした「科学研究での中国の脅威」を取り上げるのは皮肉にも産経が「中国の軍事的脅威をわかってない」と悪口する朝日や毎日です。


■国基研『外国人の受け入れは慎重であるべし』太田文雄(元防衛庁情報本部長)
https://jinf.jp/feedback/archives/23655

 日本では少子化の観点から外国人の受け入れ拡大に向けた検討を進めており、菅義偉官房長官は、「外国人が住んでみて良かった、働きたいと思う国にすることが大切だと思う」などと述べている。
 NHKでは今年4月に放送された番組で、学生の9割が中国からの留学生という宮崎県えびの市の某私立高校が紹介されていたが、学生は中国国歌の「義勇軍進行曲」を歌い、学校からお小遣いまで支給されているとのことであった。

 「義勇軍進行曲」については「元々、国歌としてつくられたわけではない」など、「いろいろと面白いエピソードがある」ので、ウィキペディアの記述を引用しておきます。

義勇軍進行曲(ウィキペディア参照)
・田漢 (1898〜1968年)作詞、聶耳 (1912〜1935年) 作曲。
・元々は、1935年に作られた抗日プロパガンダ映画『風雲児女』の主題歌であった。1949年9月中国人民政治協商会議で、正式な国歌が制定されるまでの暫定的な国歌として決定されたが、別の正式な国歌は結局制定されなかった。
文化大革命中は、作詞者の田漢が反革命分子として投獄され、1968年に獄死し、1975年に党永久追放が決定されたこと(もちろん文革終了後に撤回)もあって歌詞は歌われなくなり、曲の演奏も少なくなって消滅しかけた。これに代わり、毛沢東を讃える歌『東方紅』が事実上の国歌として扱われた。
文革終結直後の1978年3月に、第五期全国人民代表大会第一回会議で歌詞が変更されたうえ、正式な国歌とされた。この時に改められた歌詞は「集団作詞」による、毛沢東中国共産党を讃える内容を含んだ政治色の強い内容であった。1978年当時は毛沢東を信奉する勢力がいまだ多かったこと、1979年に行われた田漢の名誉回復の前だったことが歌詞改訂の理由とされる。
文革処理がほぼ終わった1982年12月の第五期全国人民代表大会第五回会議で、田漢の作詞による元の歌詞に戻された。
・2004年の第十期全国人民代表大会第二次会議に中華人民共和国憲法が改正され、国歌は「義勇軍進行曲」であることが明記された。
・2017年6月22日に、愛国教育の一環として「国歌法」の草案が、全国人民代表大会常務委員会第二十八回会議に上程され、8月28日の修正案審議を経て、9月1日の第十二期全国全国人民代表大会常務委員会第二十九回会議で「中華人民共和国国歌法」を採択し、2017年10月1日から施行した。
 これは『義勇軍進行曲の替え歌』が色々な場所で唄われているため、法律で規定することにより、小中学校で国歌やその精神について教育するとともに、商業広告や個人葬式での使用・唱和禁止、公共の場におけるバックグラウンドミュージックの禁止、悪意ある替え歌に対して、15日以内の拘留処分などを定めた。
■歌詞直訳
 起て!奴隷となることを望まぬ人びとよ!
 我らが血肉で築こう新たな長城を!
 中華民族に最大の危機せまる、
 一人ひとりが最後の雄叫びをあげる時だ。
 起て!起て!起て!
 我々すべてが心を一つにして、敵の砲火をついて進め!
 敵の砲火をついて進め!
 進め!進め!進め!
文革終結直後に一時採用されていた歌詞の直訳
 進め! 各民族の英雄的な人民!
 偉大な共産党は我々を領導して長征を継続する。
 全ての人々が心を一つにして共産主義の明日に向かい、祖国の建設と祖国の防衛のために英雄的な闘争を行おう。
 進め! 進め! 進め!
 我々は千秋万代に亘って(=永遠に)毛沢東の旗を高く掲げて進め!
 毛沢東の旗を高く掲げて進め!
 進め! 進め! 進め!

■聶耳 (1912〜1935年:ウィキペディア参照)
 義勇軍進行曲の作曲者。
 1933年、中国共産党に入党。周囲の左翼文化人が中国国民党に次々と逮捕され獄死する中、盟友の劇作家・詩人の田漢も逮捕。近日中に聶耳も逮捕予定との情報を受けて、1935年4月に日本滞在中の兄を頼って来日する。
 『義勇軍進行曲』は抗日映画『風雲児女』の主題歌として、田漢が獄中から密かに送った歌詞に合わせて日本在留中に最終的に書き上げた。
 しかし、聶耳は1935年(昭和10年)7月17日の午後、神奈川県高座郡藤沢町(当時、現在は藤沢市)の湘南海岸(鵠沼海岸)にて友人と遊泳中に行方不明になり、翌日水死体が見つかった(一部に彼の死を「中国国民党または日本国政府による謀殺」とする陰謀論があるが、当時捜索に携わった地元関係者は、他の水死者と特に変わった点はなかったと証言している)。
 聶耳の遺骨は1937年(昭和12年)に、聶耳の友人の留学生たちが出身地の雲南省昆明*31に持ち帰り、西山美人峰に埋葬された。
■聶耳記念広場
 藤沢市にある湘南海岸公園(県立公園)の東端には、聶耳記念広場がある。なお藤沢市昆明市は聶耳の生没地の縁で、1981年(昭和56年)に友好都市提携を結んでいる。

 しかし「少子化で学生確保が難しいとは言え、高校生の9割が中国人留学生って本当か?」と思ってググってみたらどうも本当のようです。びっくりですね。この高校は「非常に極端な例」ですが、ここまで極端でなくても「新潟県佐渡が中国人観光客ウエルカム」とかまあいろいろあるわけです。日本にとっては「中国さまさま」「あーりがとう、あーりがとう、(中国人に)感謝しよう。日本製品買ってくれてどうもありがとう、日本観光に来てくれてどうもありがとう(井上陽水風に)」でありウヨの中国敵視ほど馬鹿馬鹿しいもんはありません。

参考

http://www.asahi.com/edu/student/news/TKY201008160236.html
朝日新聞『努力しないと夢は夢のまま 中国人留学生OB、後輩に「助言の会」 宮崎』
 「目標を持って高校でも大学でもしっかり勉強を」。
 えびの市榎田の日章学園九州国際高校で、日本の大学に進学した同校OBの中国人留学生が、後輩の留学生に日本での暮らしや大学生活などについてアドバイスする取り組みが行われている。
 昨年から始めた「卒業生の声を聞く会」で、7月24日には同校を今春卒業した5人が登壇した。
 同校は2006年度から、中国吉林省長春市にある併設校・長春日章学園高中(高校)で3年間学んだ後に日本の4年制大学への進学を目指す中国人学生を受け入れており、現在は5期生の164人が在籍している。
 聞く会で、中央大学商学部に進んだ薜剛(シュエガン)さん(20)は「来日して行動が大切と気づいた。努力しないと夢は夢のままで終わる」と語りかけ、関西学院大学国際学部の孫浚善(スゥンジュンシャン)さん(20)は、深夜までアルバイトを続けながら、早朝には起床して通学する生活ぶりを披露。「いま一番大事なのは勉強すること。今の時間を大切にして日本語も英語もしっかり身につけて。どの大学も論文は必要なので書く能力も大切」などと助言した。
 同校の馬籠勝典校長は「先輩の生の声を聞いて日本での生活の大変さを理解し、大学受験に奮起してほしい」と話した。

https://www.nhk.or.jp/d-navi/izon/
NHKおはよう日本
■シリーズ『外国人「依存」ニッポン』
「ゴチュウモンハ?」
  帰宅途中の深夜のラーメン店。ネームプレートにはベトナム人と思われる名前。ふと店内を見渡すと、多くが外国人とみられる店員。
 こうした光景はすでに全国の至る所で珍しくなくなっています。
 それどころか取材を進めると産業によっては外国人がいないと成り立たないほどその存在感が大きくなっていることがわかってきました。
 たとえば、農業の現場からは「外国人がいないと野菜が消える」という声が聞こえてくるほど"依存"が進んでいるのです。
 外国人が支える今の日本。国などが公表しているオープンデータを独自に分析し、さらに各地を歩き考えます。

https://www.nhk.or.jp/d-navi/izon/page/180425.html
NHKおはよう日本
■シリーズ『外国人「依存」ニッポン』
■救世主は留学生?(2018/04/25)
 日本に住む外国人は年々増え続け、256万人余りと過去最高を更新しています。
 外国人が増えているのは東京や大阪などの大都市だけではありません。
 NHKが独自に分析してみると、北海道や九州といった地方の自治体で急激に外国人が増えていることが分かりました。なぜ地方で?。聞こえてきたのは「救世主は留学生」という声でした。
■ここは中国!?、ある私立高校では
 取材に訪れたのは、宮崎県えびの市にある私立高校の入学式。
 いきなり記者は驚かされました。
 校長先生のあいさつは中国語で、生徒たちは中国の国歌を歌うのです。
 今回入学したのは中国からの留学生167人。一方、日本人の生徒は全体でわずか16人。全校生徒の9割を中国人留学生が占めています。
 この高校もかつては日本人だけでしたが、急激な少子化を受けて15年ほど前から生徒集めに苦労するようになりました。宮崎県の高校生の入学者数はこの20年でおよそ35%減少し、経営が立ち行かなくなるおそれが出てきたのです。
 馬籠勝典校長は当時をこう振り返ります。
「どんどんどんどん日本人の生徒が減っていきましたね。会社でいえば倒産という事態です」
■日本の大学に入りたい!留学生の熱意にかける
 そこで学校が目をつけたのが外国人留学生です。
 中国の長春*32に設立した系列校で2年間、日本語を学んだ生徒をまとめて受け入れ、1年かけて日本の有名大学に進学させる戦略に打って出たのです
 留学生の1人、尹傳淇さんは、日本の文化に興味があったことに加えて激化する一方の中国国内の受験競争も日本行きの背中を押したと言います。
「中国の大学受験は本当に競争が激しい。自分がどんなに努力しても、それよりもっと努力している人がいる。大学に入るために日本に来たので、こうした静かな環境はいいと思う。満足しています」(尹傳淇さん)
 授業では大学入試の対策を徹底的に行い、7年連続で進学率100%を実現しています。実績を上げることで継続的に留学生を確保できるようになり、学校の経営も安定。今では生徒数の減少に悩む各地の学校から問い合わせが相次いでいるといいます。
「日本人の生徒を集めるのは難しい。であるならば中国がいちばん近い国であり、日本の大学に行きたいという留学生たちが来てくれれば学校経営は成り立つ」(馬籠勝典校長)
■進む人口減少 自治体も留学生に注目
 留学生に注目しているのは学校だけではありません。
 全国の80%以上の市町村で日本人が減少する一方、335の自治体では人口が増えています。こうした中には日本人が減ったものの、外国人が増えたことで人口が増えたという自治体もあり、人口減少対策としても外国人の存在感が高まってきています。
■人口を増やせ!町が日本語学校を運営
 北海道の中央部にある東川町は3年前、町みずからが日本語学校を開設しました。全国で初めての取り組みです。
 タイやベトナムなどアジア各国から留学生に来てもらおうと、町が授業料の半分を負担したり、寮の家賃も補助したりと手厚い支援も行っています。さらに留学生全員に、町の商店街で買い物ができるポイントカードを毎月8000円分配布。
 留学生からは「東京や大阪より生活費がかからないので東川町を選びました」など好評です。
■なぜ留学生?、町の狙いは
 町がこれほどの手厚い支援をしてまで留学生を呼び込もうとしているのは、財政上のメリットがあるからです。
 自治体には人口に応じて国から地方交付税が配分されます。東川町ではおよそ200人の留学生が住んでいるため4000万円を確保できると試算しています。それを財源に高齢者福祉や子育て支援の充実につなげているのです。
 松岡市郎町長は「外国人であろうと人が住んでいるということは町にとって極めて大きなメリットがある」と話します。
 短期間しかいられない留学生を呼び込むことで人口を増やし、地方交付税を増やすという取り組みに問題はないのか。
 総務省は「留学生も住民であり、住民が増えればその分、行政コストもかかるので地方交付税の額が増えるというのは問題ない」ということでした。
 一方で課題もあります。今の日本の在留資格の制度では、留学生は母国で大学を卒業しているか、日本語学校を卒業してから日本の大学や専門学校に進学しなければ日本で就職することはできません。
 このため留学生のほとんどが卒業後に町を離れてしまい、これまで町に定住した外国人は2人しかいません。
「留学生を呼び込むという入り口のところにいままで重点を置いてきたが、外国人にもできるかぎりとどまってもらい、町の持続を担ってもらうことができるといい」(松岡町長)
 外国人の定住に詳しい日本国際交流センターの毛受(めんじゅ)敏浩*33さんは「地方では留学生にとどまらず、外国人の移住・定住を進めていこうという動きが出てきている」と指摘したうえで、次のように話しています。
「外国の人たちを今後どう受け入れていくのか、国の制度をしっかり作っていかないと、自治体など現場の対応だけでは無理がある」
 人口減少対策が待ったなしとなっている中で、地域の担い手として外国人の存在をどうとらえるのか、日本全体で考えなければならない時期に来ていると感じた取材でした。

 NHK記事に出てくる「毛受(めんじゅ)さん」というのはかなり変わった名字ですが、昔からあるようです。 
 「毛受」でググったらこんなのが出てきました。

■毛受勝照(めんじゅ・かつてる:ウィキペディア参照)
 戦国時代から安土桃山時代にかけての武将。柴田勝家の家臣。
 新居城主・水野良春の4世孫「毛受照昌」の子。父「毛受(水野)照昌」が稲葉村に移住した時に父が姓を「水野」から「毛受」と改めたと云う。
 12歳の頃より織田氏の家臣・柴田勝家に小姓として仕え、後に小姓頭に取り立てられ、1万石を与えられるまでになった。
 17歳の時、天正2年(1574年)の伊勢長島攻めに従軍した。激戦の中、勝家軍の馬印(騎標)が一揆勢に奪われる事態が起きたことがあった。勝家はこれを武門の恥として憤激し、敵中に入って討死しようとしたが、荘介(後の勝照)はこれを諌止して、自分で敵陣に突入して見事に馬印を奪還。これを勝家に送り、再び敵中に突入した。勝家は大いに喜び、精兵を派して荘介を救った。
 勝家は荘介に偏諱を与え、自身の名前の一字「勝」の字を与えて、諱を勝照と名乗るように申し渡した。
 天正11年(1583年)、賤ヶ岳の戦いにおいて柴田軍は羽柴秀吉に敗れて、勝家は斬り込み、討死を覚悟したが、勝照はこれを諫めて、退却して籠城するように進言した。自らが代って戦うとして兵200を率いて出陣。秀吉軍が包囲すると、勝家の馬印「金の御幣」を掲げて大軍を惹きつけた。この時、兄・茂左衛門は兄弟で討死しようと言ったが、勝照は生き延びて母を扶養することを頼む。しかし義を好む母に対してそれは却って不孝であると言って、茂左衛門は拒否。勝照は「我は柴田勝家なり」と言い放ち、身代わりになって果敢に応戦。勝家の脱出の時間を稼いで、討死した。享年25歳。
 秀吉はこの忠義を激賞して、北ノ庄城の落城後、毛受兄弟の首を母に返した。なお毛受の子孫は尾張徳川家に仕え、明治初期に再び名字を水野に戻したと云う。

■毛受洪(めんじゅ・ひろし:コトバンク参照)
 幕末〜明治時代の武士、官吏。越前福井藩主・松平慶永にもちいられて中老にすすみ、京坂で朝廷や諸藩との連絡にあたった。後に新政府の参与、集議院幹事。明治33年4月19日死去。76歳。

*1:というか八幡の本はおそらくすべてそうなのでしょう。そうでなければここまで幅広い分野について一人の人間が著書の量産などできるもんではありません。アマゾンレビューでも「素人が先行研究を適当にコピペしたクズ本。本当に知識を得たいならもっと良書がある(俺の要約)」という趣旨の酷評が多数あります。

*2:新疆ウイグル自治区の首府

*3:著書『自由貿易環境保護NAFTAは調整のモデルになるか』(1999年、風行社)など

*4:著書『TBS事件とジャーナリズム』(1996年、岩波ブックレット)など

*5:著書『ニュースキャスター』(2002年、集英社新書)、『スローライフ:緩急自在のすすめ』(2006年、岩波新書)、『若き友人たちへ:筑紫哲也ラスト・メッセージ』(2009年、集英社新書)など

*6:著書『ニュースの職人:「真実」をどう伝えるか』(2001年、PHP新書)、『あめりか記者修業(増補改訂版)』(2003年、中公文庫)など

*7:著書『和僑:農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人』(2016年、角川文庫)など

*8:著書『特捜検察』(1997年、岩波新書)、『渡邉恒雄 メディアと権力』(2003年、講談社文庫)、『野中広務 差別と権力』(2006年、講談社文庫)など

*9:著書『紅一点論:アニメ・特撮・伝記のヒロイン像』(2001年、ちくま文庫)、『モダンガール論』(2003年、文春文庫)、『文壇アイドル論』(2006年、文春文庫)、『冠婚葬祭のひみつ』(2006年、岩波新書)、『戦下のレシピ:太平洋戦争下の食を知る』(2015年、岩波現代文庫)、『日本の同時代小説』(2018年、岩波新書)など

*10:イヤー政権のプロパガンダつうことはないでしょうよ(少なくとも極右連中のチベット云々は)。政権はあんなに反中国じゃないんで(まあ極右連中が「安倍政権がチベットウイグルについて特に何も言わなくても」結局政権批判ができないつうのはその通りですが)。

*11:イヤー、日本の女性だって基本的には「女で収入がなくて地位もなければ見下される危険性は高い」しサバイブも難しいと思いますよ。日本を変に美化(?)されても困る。

*12:イヤー金を稼げないからこそ「誰のおかげで飯が食えてるんだ!、夫の俺のおかげだろ!。妻のお前が、俺と離婚して生活がやってけると思ってるのか!。調子に乗るな、馬鹿野郎!(DVや家庭内離婚)」が日本にはあると思いますが。つうかこの中国人女性社長の言い分て仮に本心だとしても「隣の花が赤く見えるだけ」でしょう。日本の多くの女性からすれば「年収1500万なんてすごい」「それだけの年収が私にあれば夫に馬鹿にされることもない」じゃないですかね。

*13:まあ中国でも恵まれた階層だけでしょうが「1500万円の年収の女性社長がいるなんて中国すげえ、さすが日本を追い抜こうとしている経済大国は違いますわ」と思うのは俺だけではないでしょう。まあ、そうしたことを「手放しでたたえることはできない」かもしれませんが、福島みたいに「金がすべてか」「人間性すさむくらいなら金なんかいらない」と悪口するのは「中国に対するただの負け惜しみ」だと思います。

*14:「女性の幸福度ランキング」とやらはググってもよくわかなかったので特にコメントしません。もちろん「幸福度が高いから女性の社会進出が進んでなくていい」つう話ではないでしょう。

*15:孫文の妻。新中国建国後、全人代常務副委員長、国家副主席などの要職を歴任

*16:著書『東アジアの家父長制』(1996年、勁草書房)、『ジェンダーセクシュアリティで見る東アジア』(編著、2017年、勁草書房)など

*17:愛知大学名誉教授。著書『中国の民族問題:危機の本質』(2008年、岩波現代文庫)、『未完の中国:課題としての民主化』(2016年、岩波書店)など

*18:【追記】なおググったところ、著書名は、本当は『歴史のなかの中国文化大革命』(2001年、岩波現代文庫)であることが判明しました。「話の本筋ではない」とはいえ、5年前の発表当時ならまだしも、5年たっても誤記に気づかないのか、誤記をそのままにしておくというのは「仮にも学者を名乗るのなら」石井氏は相当に恥ずかしいと思います。そしてそれをそのまま踏襲したちきゅう座も相当にお粗末です。

*19:著書『思想空間としての現代中国』(2006年、岩波書店)、『近代中国思想の生成』(2011年、岩波書店)、『世界史のなかの中国:文革琉球チベット』(2011年、青土社

*20:著書『日中一〇〇年史』(2006年、光文社新書)、『台湾における脱植民地化と祖国化』(2007年、明石書店)、『台湾ナショナリズム』(2010年、講談社選書メチエ)、『魯迅毛沢東:中国革命とモダニティ』(2010年、以文社)、『ポスト〈改革開放〉の中国』(2010年、作品社)、『思想課題としての現代中国:革命・帝国・党』(2013年、平凡社)、『魯迅出門』(2014年、インスクリプト)、『中国ナショナリズム』(2015年、法律文化社)など

*21:横浜国立大学名誉教授。著書『トウ小平』(2003年、講談社学術文庫)、『尖閣問題の核心:日中関係はどうなる』(2013年、花伝社)、『習近平の夢:台頭する中国と米中露三角関係』(2017年、花伝社)、『中国の夢:電脳社会主義の可能性』(2018年、花伝社)など

*22:著書『マルクスその可能性の中心』(1990年、講談社学術文庫)、『ヒューモアとしての唯物論』(1999年、講談社学術文庫)、『<戦前>の思考』(2001年、講談社学術文庫)、『坂口安吾中上健次』(2006年、講談社文芸文庫)、『日本精神分析』(2007年、講談社学術文庫)、『定本 日本近代文学の起源』(2008年、岩波現代文庫)、『トランスクリティーク:カントとマルクス』(2010年、岩波現代文庫)、『反文学論』(2012年、講談社文芸文庫)、『遊動論:柳田国男と山人』(2014年、文春新書)、『世界史の構造』(2015年、岩波現代文庫)、『憲法の無意識』(2016年、岩波新書)、『新版 漱石論集成』(2017年、岩波現代文庫)など

*23:著書『中国社会主義国家と労働組合』(2007年、御茶の水書房)、『現代中国政治と労働社会』(2010年、御茶の水書房)、『中国革命論のパラダイム転換:K.A.ウィットフォーゲルの「アジア的復古」をめぐり』(2012年、社会評論社)など

*24:副首相、党副主席、人民解放軍総参謀長などを経て国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*25:いわゆる四人組の一人。文革期に副首相を務めた。文革後の1983年に終身刑判決を受けるが健康悪化を理由に1998年に仮釈放。2005年に死去(ウィキペディア張春橋」参照)。

*26:民主カンボジア首相、カンボジア共産党書記長

*27:連合赤軍副委員長。死刑判決が確定していたが2011年に脳腫瘍のため死去

*28:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二〜第四次安倍内閣副総理・財務相

*29:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*30:中国共産主義青年団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*31:雲南省省都

*32:吉林省省都

*33:著書『人口激減:移民は日本に必要である』(2011年、新潮新書)、『自治体がひらく日本の移民政策:人口減少時代の多文化共生への挑戦』(2016年、明石書店)、『限界国家:人口減少で日本が迫られる最終選択』(2017年、朝日新書

今日の中国関係ニュースほか(9/26分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■産経『中国の輸入規制「緩和」「大きな朗報」宮城知事』
https://www.sankei.com/region/news/181030/rgn1810300046-n1.html
 産経のような極右でもない限り、中国ビジネスを無視するようなバカなまねはできないわけです。


■産経『訪中直後、偶然ではないモディ首相来日…安倍晋三首相、日印の絆見せつけ中国牽制』(力武崇樹)
https://www.sankei.com/politics/news/181029/plt1810290040-n1.html
 まあ強弁ですね。こんなことが牽制になるとは安倍も産経も思ってないでしょう。


■【一筆多論】中国と台湾の冷戦構造 河崎真澄
https://www.sankei.com/column/news/181029/clm1810290006-n1.html

 民進党筋は統一地方選をめぐり、「水面下の世論操作や資金供給を通じ、中国が台湾で巧みに、親中派の政党や政治家らを支援している」と語気を強めた。

 当然ながら何の根拠もあげないのではただの陰謀論であり、中国政府や親中派政党(中国国民党?)などへの誹謗でしかありません。そもそも発言者が「民進党筋」という曖昧な代物で「具体的な個人名や肩書きが出ない」時点で怪しいことこの上ない。「国民党の議席増と民進党議席減」を恐れて今から予防線張ってるだけではないのか。
 なお「国民党に限らず」野党各党がどれだけ伸びるかはともかく、「与党・民進党議席減」は間違いないとみられてるようです。

民主社会の世論を誘導して選挙に影響を及ぼす構図は、11月6日の米中間選挙で「中国が介入を試みている」とトランプ大統領が批判した状況に似ている。

 トランプのこうした主張については「事実無根」「共和党の敗戦濃厚な選挙結果をごまかしたい」「ロシアゲート批判について中国を持ち出してごまかしたい」とする見方がむしろ有力でしょう。

 総書記を含め3期目も、権力を手放す考えがないことは明白だ。

 とはいえないでしょうね。単に「レイムダック化を避けるために任期制限を撤廃したが、3期目は子飼いに譲る」つう可能性は当然あります。

 毛沢東トウ小平に比べ実績の乏しい習氏

 AIIBや一帯一路は十分実績でしょう。


■リベラル21『日中首脳会談で大東亜戦争を語れるか(1)』半澤健市
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4544.html

 靖国神社秋の例大祭への閣僚の集団参拝はピタリと止んだ。安倍晋三習近平に会いに行くからである。この「ピタリ」ほど、政治家のご都合主義と軽薄な信念を示すものはない。

 もちろん半澤氏は安倍政権の閣僚連中(首相の安倍含む)に靖国にいってほしいわけではないでしょう。しかしおっしゃるようにこれほど安倍政権の閣僚連中(首相の安倍含む)の無定見を示すもんはありません。
 連中は信念があって靖国に行ってるわけではおそらくない。日本会議の票がほしいから行ってるだけでしょう。しかし今はそんなことより「中国ビジネスを期待する財界の献金」がほしいわけです。だから靖国に行かない。


■産経【日中首脳会談】日中外交の転機となるか 中国の苦境見透かし、人権・東シナ海で懸念表明(原川貴郎)
https://www.sankei.com/politics/news/181028/plt1810280003-n1.html
 「安倍応援団」産経的にはそういうことにしたいのでしょうが「ウヨ支持層の手前」、安倍もそうしたことにある程度触れざるを得なかっただけの話でしょう。
 懸念表明が無意味だとまでは言いませんが産経が褒め称えるほどではないでしょう。まあ、本当は産経もそんなことはわかってるでしょうが。

 「競争から協調へ」「脅威ではなくパートナー」「自由で公正な貿易体制の発展」。
 安倍首相は「新3原則」と名付け、「これからの日中関係の道しるべとなる」とした。今後、中国が、「脅威」となる行動を取ったり、自由・公正な貿易を阻もうとした場合、この新3原則が「錦の御旗」となりえるからだ。

 酷い詭弁ですね。産経的には中国は「そもそもパートナーじゃない」「脅威でしかあり得ない」んじゃなかったのか。
 大体これは「お互いに守ろう」なんですから、中国だけでなく日本も縛るわけです。「中国を軍事的脅威として軍拡することは日本政府は自重すべきだ、新三原則の精神に反する」つうことになるわけです。


ツイッターいろいろ

福山和人
 日中首脳会談で「パートナーであり互いに脅威とならない」ことが確認されたことは重要だ。辺野古移設、改憲、軍備拡大などの口実に「中国脅威」論を都合よく利用することはもうできない。

 「できない」というよりは「政治道徳的に」「国家間の約束として」許されないというべきでしょうね。安倍だと平気で中国脅威論ぶちかまして訪中の成果を台無しにする危険性が否定できませんが。
 つうか、会談後なのに
■産経『石垣島駐屯地、年度内に着工 陸自、中国にらみ防衛強化』
https://www.sankei.com/politics/news/181029/plt1810290003-n1.html
なんて記事が出てますからねえ。事実なら全くとんでもない話です。そもそも石垣島において、「中国がー」なんてのは嘘じゃないのか。配備理由は全く別ではないのか。

福島香織
【訂正】安倍首相がウイグル問題を言及したのは李克強首相との会談です。ネットのvpn不具合で、報道をしっかりと確認できず、知人との会話で、聞き間違いしました。密かに期待していたので、期待が聞き間違いをまねいてしまいました。すみません!。やはり習近平さんには言えなかったかあ。

 「やはり」て(苦笑)。「福島さんの考えはなんとなく想像はつきますが、一応確認したいので。えーと『やはり習近平さんには言えなかった』の『やはり』とは具体的にどういう意味なんでしょうか?」と聞かれたら、福島もどう答える気なんですかね?

石平がリツイート
・take4
 安倍総理は総裁選等で世話になった親中派二階俊博氏や経済界の人々に気を遣って、訪中して一帯一路に協力すると発言。

 「企業献金をくれる財界の要望(中国ビジネス重視)」はともかく、二階氏が親中派だの、二階派が総裁選で安倍支援しただのは、安倍の今回の訪中に全く関係ないでしょう。そもそも二階氏が親中派なのは財界の要望に応えてのことです。そして安倍の訪中は「5月の李首相訪日からの流れ」でしょう。
 そして二階氏以外の自民党派閥ボスだって、「安倍と対決した石破*1」も含めて、岸田*2にせよ、石原*3にせよ、麻生*4にせよ、誰にせよ反中国なんて輩はいないでしょう。

石平
 中国紙が1面で大きく報道したことは、要するに習近平政権からすれば、今回の安倍首相訪中において、中国側は大いに宣伝すべきほどの外交上の成果を上げたからだ。それに対し、日本側はこれと言った成果を何か上げたというのか。
■読売『中国紙、1面で大きく報道』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181027-00050083-yom-int
 中国の共産党機関紙・人民日報など各紙は27日、安倍首相と習近平(シージンピン)国家主席の会談を大きく伝えた。
 人民日報は、安倍首相と習氏、李克強(リークォーチャン)首相との各会談をともに1面で報道し(中略)た。

 「人民日報の報道」以前に、そもそも外交成果が期待できなかったら安倍の訪中を受け入れないでしょうからね。一方、外交成果が期待できなければ「安倍も訪中しない」わけです。結局のところ「安倍の考える成果」を石が成果と認めないだけの話です。

石平
 安倍首相の訪中は中国に良いこと尽くしの展開となった。中国を助ける通貨交換協定は再開され、「第三国市場での協力」の名目で日本は事実上一帯一路に参加。おまけに、安倍首相自身は習近平との会談では一帯一路を評価する発言をした。そこまで中国に迎合して関係改善する必要性は日本にあるのか?

 もちろん「安倍にとってはそうする必要性があるから、そうした」わけです。 

石平
 今日出演した(ボーガス注:大阪朝日放送の)「正義のミカタ」で、安倍首相が中国首相に対して(ボーガス注:ウイグルの?)人権問題を提起したことについて、「アリバイ作り」だとコメントしたが、これは軽率な批判だと反省して撤回したい。日本の首相は中国首脳にこの問題を提起しただけでも意義がある。安倍首相は言ってはいけなかったのは一帯一路への評価だ。

山際澄夫*5
・28日の朝日、産経は安倍訪中をともに高く評価しているが、〈友好の演出で足並みをそろえたことに意義〉とした朝日よりも、尖閣の守りが固まったわけでも、靖国参拝をしたわけでもないのに、〈中国の苦境見透かし〉と、日本の外交勝利のように伝えた産経に違和感を感じた。
天安門事件後、孤立する中国に手をさしのべたのも日本だった。世界が経済制裁を続ける中で、巨額の経済援助を再開した。その結果が、今日の中国の軍事大国化と覇権主義である。中国との友好演出は、日本国民の独裁国家中国への警戒心を薄めさせることにもなる愚策だ。
・なぜ安倍首相は、中国支援に踏み切るのか。正気かと思われるほどの唐突感がある。経団連を批判して済む話ではあるまい。
・安倍首相の中国訪問に経営トップ数百人が同行するという。キーワードは友好、関係改善。一帯一路への協力を打ち出し、パンダの貸与要請まで行う。中国の軍事大国化に協力し、感謝もされなかった対中ODAをやっと終了できるというのに、まだ懲りないのですか。
・安倍首相は、中国にパンダの貸与を依頼するらしい。メディアは〈友好ムードが一層高まりそう〉(朝日)〈関係改善が高まりそう〉(時事)というが、中国は民主主義も法の支配もないならずもの国だ。日本政府も友好ごっこで国民の目を曇らせるのはいい加減にしてほしい。

 石や山際にとって安倍訪中はよほど不快なようです。ただ他のウヨ連中(産経の阿比留、櫻井よしこ福島香織など)は、安倍を批判できず、ただただ、だんまりでしょう。しかし石みたいなごろつき極右を出演させるとは大阪朝日放送はどうしようもないですね。
 しかし「ならず者だー」つうなら領事館でヒットマン使って政府批判派を暗殺する「王国」サウジもいい加減「民主主義も法の支配もないならずもの国」と思いますが、まあ、石や山際はサウジ批判なんかしないわけです。

Shoko Egawa
・安倍首相の最大のメリットは、(ボーガス注:天皇訪中を決定した宮沢*6首相など)リベラルな政治家が日中関係改善しようとすると、妨害、非難、罵倒する人たちが、あべちゃんがやることならギャーギャー言わないことだ

 「5月の李首相訪日」「10月の安倍訪中」についてのウヨに対する痛烈な皮肉ですが全くその通りです。ウヨは石、山際、酒井信彦など一部例外しか安倍批判しませんから。おそらく阿比留、櫻井よしこ福島香織などは安倍批判しない。その一部例外も「安倍さんは酷い」とぼやくだけで、安倍に無視されて終了です。
 そういえば日中平和友好条約もリベラル三木*7ではなく、タカ派福田赳夫*8でした。
 米中国交正常化も「反共のはずのニクソン*9」でした(正式な国交樹立はカーター*10ですが)。

福島香織
・シリア情勢って本当にわからないんだよね。米国の言ってることが正しいんだか、ロシアの言ってることが正しいんだか。もちろん安田さんの言ってることが正しいのかもわからない。だからこそ聞く耳を持たなきゃいけないと思うんだよ。
・いずれにしろ、ジャーナリズムとは何か、ジャーナリストはどうあるべきか、久しぶりに考えさせられました。

 正論ではあるでしょうが、もはやジャーナリストではなくただの極右活動家で、「一帯一路は失敗してる」とデマを飛ばし、また、「産経在籍当時の福島本人の書いた記事はともかく」デマメディア産経に在籍した人間が、産経批判もせずにこんなこと言っても笑うほかありません。

M谷N子*11
 ネトウヨや自称保守陣営による(ボーガス注:安田純平*12ら)ジャーナリストや(ボーガス注:高遠菜穂子*13ら)海外ボランティアへの自己責任論。その背景には、日本国政府への無謬の盲従がある。政府の渡航禁止勧告を聴かなかったのだからという言い方をするが、そもそも国が、民の命や、情報や善意を大切にしなくて、何の政府なのか。本末転倒で議論にもならない。(ボーガス注:今回安田氏が救出されたとはいえ、長い間「ウヨ連中」の安田氏への自己責任論による非難を放置した)安倍政権を、私は厳しく批判する。

 いやー、はっきりと「安倍政権を批判する」といいきっただけ、俺的には「安倍批判するM谷女史>絶対に越えられない壁>安倍批判しないI濱女史」ですね。しかも「つい最近まで、ウヨ連中の安田氏非難を放置していたのに今頃安田解放で安倍政権はどや顔か。恥を知れ」「ぶっちゃけ今回、活躍したのはトルコやカタールじゃないの?。日本人が活躍したとしてもせいぜい日本外務官僚で、自民党の政治家は外務三役も含めて全く関係ないんじゃないの?。民主党政権でも解放できたんじゃないの?」という「安倍批判理由」も「合点合点」「全く同感」です。
 つうか共産党すら「現時点ではこの件での安倍批判を控えてる(安田氏の政治利用との批判を避けたいのでしょう)」状況でM谷氏もずいぶん思い切ったツイートです。


■【田村秀男のお金は知っている】「消費税増税」と「デフレ」が習主席を助けるのか
https://www.sankei.com/premium/news/181027/prm1810270007-n1.html

 日経電子版10月23日によれば、日本の野村証券などが日中首脳会談に合わせて日中共同ファンドを設立する。ファンドを通じて対中投資する。日本側にとっての利益は格別、見当たらない。

 「あほか」ですね。企業の目的は金儲けです。金の儲からないことは基本的にしない。
 小生も経済音痴なのでどんな利益があるかわかりませんが「日本側に利益がない」なんてことはあるわけがない。


■産経『安倍首相の訪中に秘められた明確な戦略』(北京 原川貴郎)
https://www.sankei.com/politics/news/181026/plt1810260049-n1.html

 安倍首相は伝統的に対日関係を重視する中国共産主義青年団出身の李氏との親密さを強調。米中貿易戦争の影響が中国経済に広がる中、国内では習近平国家主席への批判もあり、中国指導部内で李氏の影響力は相対的に高まっている。安倍首相には(ボーガス注:国家中央軍事委員会主席である)習氏の配下にある中国軍の行動を牽制する狙いもあったのだろう。

 なるほど「5月に訪日した李首相の北海道旅行に安倍総理が同行したのも習主席への牽制なんですね!」てそんな訳あるか、詭弁も大概にしろて話です。
 大体訪中して「ナンバー2」李首相に会うのは当たり前の話ですし、安倍は「ナンバー1」習主席にも会うわけです。「習には会いません。李だけに会います」つう話ではないのに何が牽制なのか。
 たとえば「仮定の話」ですが、訪日した中国首脳が「今の無役の、干されてる石破ならともかく」、幹事長時代の石破*14にあったら「安倍への牽制」になるのか。普通誰もそうは思わないでしょう。与党ナンバー2に会うのは当たり前の話です。

 安倍首相が中国との関係強化を図るのは北朝鮮という要因も大きい。拉致問題解決の上で北に発言力を持つ中国との連携を確認する重要性は論をまたない。

 間違いじゃないですが、それは最近そうなったわけではなくて、小泉訪朝の時からずっとそうですから。
 たとえば和田春樹氏などは「日本が対北朝鮮制裁を成功させるには中国の協力が必要。中国が北朝鮮を経済支援したら、日本が制裁しても意味がない」と言い続けてきたわけです(ただし和田氏は「中国の協力はあり得ない」と見て、むしろ制裁解除を主張したわけですし、俺も和田氏に同感ですが)。「今更それ言うのか?」ですね。

 中国の巨大経済圏構想「一帯一路」への協力姿勢について安倍首相は、周囲にこう話している。
 「こっちの利益になることは一緒にやってもいいというだけだ」

 安倍がどう言い訳しようと結局協力するわけです。
 大体中国は最初から「中国だけでなく、日本の利益にもなるように取り扱いますから是非参加してください」といってるわけで「イヤー日本どころか中国の経済的利益も出ないんですけど、いろいろ事情があってやらないわけにいかないんですよ、協力してもらえませんか」とは一言も言ってないでしょうに。


■産経『日中首脳会談で影潜めた“歴史戦” 一時的な停戦状態』
https://www.sankei.com/politics/news/181026/plt1810260045-n1.html
 尖閣チベットウイグルなど他の問題はさておき、歴史戦(南京事件否定論靖国参拝正当化など)なんか首脳会談で安倍が持ち出せるわけがないでしょう。非常識にもほどがあります。
 一方の中国も「日本国内にはあの戦争を正当化する極右勢力も存在するが、あの戦争に批判的な平和勢力も存在する。あの戦争の惨禍を二度と繰り返してはならない」程度の一般論にとどめ、安倍のメンツを丸つぶれにするような安倍批判を歴史認識問題でしなかったのはある意味当然でしょう。
 つうか、安倍に限らず、過去の日中首脳会談で訪中した日本首相が悪口されたことなんかないでしょう。
 まあ「訪中しない首相」ならくそみそに言われた人間もいたようですが。
 俺の以前読んだ本だと石橋湛山*15宇都宮徳馬などといった自民党親中国派が訪中した際「岸*16首相は中国敵視、台湾べったりで本当に酷いですね」などといわれて返事に困ったなんて話が確かあります。


■産経【主張】日中首脳会談 「覇権」阻む意思が見えぬ 誤ったメッセージを与えた
https://www.sankei.com/column/news/181027/clm1810270001-n1.html
 本文読まなくてもタイトルだけで内容がわかりますが安倍訪中に不満たらたらの産経です。

 日本は、天安門事件で国際的に孤立した中国にいち早く手を差し伸べ、天皇陛下の訪中や経済協力の再開に踏み切った。だが、日中が強い絆で結ばれるという期待は裏切られた。

 いやいや別に裏切られてはいないでしょう。日中関係がその後ギクシャクしたのは「小泉靖国参拝」「野田内閣の尖閣国有化」「安倍靖国参拝」などがあったからです。
 そうした問題で中国の日本批判を支持する、しない*17はともかく、中国は日本の奴隷ではありません。
 「天皇訪中したんだから後は俺の言いなりになれ」つうわけにいくはずがない。裏切ったという話ではないわけです。
 大体、「経済協力の再開」などは単純な善意ではありません。中国ビジネスで儲けたいという考えがあり実際に日本企業は儲けたわけです。「期待が裏切られた」どころか期待は大きな成果を生みました。


■日中平和友好条約締結40周年記念レセプション 安倍総理挨拶(2018年10月25日)、から一部引用
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2018/1025jpncn40.html
■日中第三国市場協力フォーラム 安倍総理スピーチ(2018年10月26日)、から一部引用
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2018/1026daisangoku.html

https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2018/1025jpncn40.html
 日中平和友好条約の締結40周年という記念すべき年を、中国の皆様と共に、心からお祝いしたいと思います。
 40年前、批准書の交換を終えたトウ小平副総理は、日本で新幹線に試乗し、当時最先端のカラーテレビ工場、製鉄所、自動車工場を視察されました。新幹線の中で感想を聞かれたトウ小平副総理は、「これこそ我々が求めている速さだ」、「今回の訪日で近代化とは何かが分かった」と述べられました。そして中国に帰国されてから僅か2か月後、かの有名な中国共産党第11期三中全会が開かれます。改革開放の始まりです。
 つい先ほど、私は李総理と共に、この40年の日中両国の歩みを回顧する写真を見ました。日中友好病院や宝山製鉄所の第一高炉など、日中協力の下で中国の近代化を支える重要な施設が次々と建設されていく様子がうかがえました。
 トウ小平氏の唱えた改革開放の下で、世界を驚かす大きな発展を遂げた中国。写真から、その熱気を感じることができました。
 この過程で、日本はODA(政府開発援助)や民間の投資を通じ、中国と共に歩み続けてきました。このことをうれしく思います。今や、中国は、世界第2位の経済大国へと発展し、日本の対中ODAは、その歴史的使命を終えました。今日、日本と中国は、アジアのみならず世界全体の経済発展に欠くことのできない役割を果たしています。世界がかつてないほどつながり合い、一国だけで解決のできない問題が増える中、日中両国が世界の平和と繁栄のために共に貢献する、そうした時代が来ていると思います。
 明日の李克強総理、そして習近平国家主席との会談では、こうした新たな時代にふさわしい、新たな次元の日中協力の在り方について、大所高所から胸襟を開いて議論したいと思います。
 この40年間の日中関係を支えてきたもの、そして、これからの日中関係を支えていくものは、国民同士の絆(きずな)です。うれしいことに、今年の国慶節(こっけいせつ)に、中国人の方々が最も訪れたい場所として選んだのは日本でした。最新の世論調査で、日本に良い印象を持つ中国人の方々の割合が大幅にアップしています。相互理解を増進する上で何より重要なのは、直接足を運び自らの目でありのままの姿を見ることではないでしょうか。
 両国の未来を担うのは青少年です。私は青少年の交流を力強く後押ししていきます。青少年交流に長年尽力された李克強総理からも、新たな交流の枠組み作りに賛同いただいています。私自身も明日、李総理の母校である北京大学を訪れ、学生の皆さんと交流することを大変楽しみにしておりますし、学生の皆さんから質問を受けることも予定しているわけであります。わくわくしながら、どきどきもしているところであります。
 今、両国が進む航路の先には、協力の大海原が大きく広がっています。今回の訪中を通じ、皆さん、力を合わせて、日中友好の船を前へ前へと進めていこうではありませんか。
 最後に、改めて日中平和友好条約締結40周年をお祝いし、日中の友好協力のますますの発展、御列席の皆様の御健勝、御多幸を心から祈念いたしまして、私の御挨拶とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2018/1026daisangoku.html
 1980年代、中国に、いち早く支援を始めたのが日本です。日本の政府と企業が投資を行い、中国の皆さんと共に近代化を進めてきました。現在の発展した中国を見ることができるのは、日本人としての誇りでもあります。
 そして今、発展した中国と日本が、ついに、共に世界に貢献する時代がやってきました。
 日中協力の主役は企業です。本日、この人民大会堂には、日中の企業幹部など1,000人を超える皆様が集まっています。正に歴史に残る盛大な会と言えるでしょう。今回、ここにお集まりいただいた日中両国企業や関係機関の間で、50件を超える協力文書が締結されました。インフラや物流、さらにヘルスケア、金融など、新たな可能性が期待される分野ばかりであります。今日が、正に新しい日中関係の幕開けとなります。
 ここにお集まりの企業の皆様は、それぞれ、優れた能力をお持ちです。両国の企業が競争するだけではなく、その力を組み合わせて協調することで、需要と課題の両方に応える可能性を高めていくことができます。例えば、電力インフラの分野です。多くの国が大規模な投資を必要としており、日中の企業が激しく競い合ってきました。しかし、最近は、両国企業が、技術力、価格競争力、ネットワークなど、それぞれの強みを持ち寄って、協力してプロジェクトを進める例も現れています。先ほどその成功例をパネルで企業の皆様から説明していただきました。今後、質の高い電力インフラの整備が進むことで、現地の発展に大きく貢献していくことでしょう。
 このような協力を進めるには、共通の考え方、すなわち土台が必要であることも忘れてはならないと思います。インフラ投資において、開放性、透明性、経済性、対象国の財政健全性といった国際スタンダードに沿ってプロジェクトをつくることが重要であります。
 例えば、タイはEEC(東部経済回廊)という地域開発プロジェクトを進めています。本日、日中とタイの企業が、EECにおけるスマートシティを開発するプロジェクトを始動しました。ここでは、誰もが使える共通インフラを構築し、国際企業に広く入居を呼びかける計画です。これは、開放性と透明性を確保しています。
 1999年、カザフスタンで、製油所近代化プロジェクトがスタートしました。当初は、日本の資金で日本企業が手掛けており、2006年の引渡しから現在まで、12年もの間、順調に稼動している質の高いインフラとなりました。2009年からの第2期は、中国政府がサポートし、リーマンショック後の苦しい時期にリスクマネーを供給し、カザフスタンを助けました。そして、2011年に始まった第3期では、日中両国が手を組み、最強のチームで挑みました。両国の政府系金融機関と民間金融機関もファイナンス面で支援をし、インフラの経済性と財政健全性を確保した成功例となりました。
 このカザフスタンの成功は、今後、世界に羽ばたきます。日本企業はこの体験を基に、世界の日中の企業が、この体験を基に、世界の持続的な発展に貢献していくことでしょう。
 日中企業が、国際スタンダードにのっとり、ビジネスとして持続可能なプロジェクトを進め、各国のお手本となることは可能です。日本と中国で、その手助けをできればと考えています。中国政府も、質の高いインフラ、開放性や透明性といった国際スタンダードについて発言されていると聞いており、大変心強く思っています。
 本日のフォーラムは、出発点です。日中が協力して国際スタンダードに合致し、第三国の利益にもなるウィン・ウィン・ウィンのプロジェクトを形成していこうではありませんか。日本政府としても、中国政府と共に力強く後押ししていく所存です。
 本日お集まりの日中企業の皆様が、フォーラムでの議論を通じて、更なるビジネスの創出につなげていただくことを期待してやみません。そして世界の経済発展で、日中が共に大きな貢献をしていく。そうした成功例を次々とつくっていくことを期待いたしまして、私のスピーチとさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

 いつもの産経新聞なら

「日中両国が世界の平和と繁栄のために共に貢献する、てどういうことだ!」
「両国が進む航路の先には、協力の大海原が大きく広がっています、てどういうことだ!」
「日本の1980年代の経済支援で発展した中国が見れてうれしい、てどういうことだ!」
「日中でウィンウィン、共存共栄の関係を築くってどういうことだ!」
「中国にこびへつらうのも大概にしろ!」

などと悪口雑言でしょうが、まあ相手が安倍ではだんまりでしょう。


■朝日『新たなパンダ貸与、中国に要請 神戸や仙台での飼育念頭』
https://www.asahi.com/articles/ASLBV5JV5LBVUTFK01B.html
 産経らの強弁「安倍総理は中国にこびたりはしない。安倍総理の態度は何一つ変わってはいない」を見事なまでに裏切る安倍です。


ニューズウィーク日本版『安倍訪中に経団連の利権あり:「一帯一路」裏切りの末路』楊海英
https://www.newsweekjapan.jp/youkaiei/2018/10/post-27.php

・9月12日、中西宏明*18会長率いる経団連と日中経済協会、日本商工会議所の合同訪中団は、中国の首都北京で李克強(リー・コーチアン)首相と会談。自由貿易の堅持が必要との認識で一致したという。
・10月10日にも中西会長は福田康夫元首相と北京を再訪して李首相と会談した。
・今回の安倍訪中も財界に突き動かされた感じは否めない。

 そりゃ財界の意向は影響してるでしょう。今更楊に教えてもらう必要もない。


■産経『対中ODA、戦後最大級の失敗』古森義久
https://www.sankei.com/world/news/181026/wor1810260002-n1.html
 中国に限らずODAは「単純な善意」ではないのに言ってること無茶苦茶ですね。日本企業の経済進出を応援するつう意味合いもあるわけです。

 日本のODAが中国の民主化や人権尊重に配慮しなかったことも明白だった。ODA大綱では民主主義や人権を弾圧する国には援助を与えないはずだったのだ。

 ならば中国以外のODAはすべて「人権上問題がなかったか」といえばそんなこともないでしょう。
 しかし古森らウヨは「中国だけあげつらう」わけです。


■産経『安倍首相が李首相と会談、日中通貨スワップ再開など合意へ』
https://www.sankei.com/politics/news/181026/plt1810260011-n1.html
 予想の範囲内ですがやはり産経の反対は無視してスワップ協定は実現の運びだそうです。


■産経『日中通貨スワップは日米の信頼損なう』編集委員 田村秀男
https://www.sankei.com/economy/news/181026/ecn1810260003-n1.html
 と産経が言ったところでおそらく日本財界の要請に従い、安倍は日中通貨スワップをするし、そうなったら産経もだんまりでしょう。
 日中通貨スワップについて一般的見方は

 財務省や日銀は、対中進出の銀行や企業が緊急時に人民元を調達でき、利益になると説明する

と田村が認めるとおりですから。

 日本の官民はハイテク分野での対中協力に踏み込む。経団連はインフラ設備と金融の両面で、一帯一路沿線国向けに日中共同プロジェクトを立ち上げるという。対中警戒心を強めているタイなどアジア各国も、中国ではなく日本がカネと技術を出すといえば、プロジェクト受け入れに傾くだろう。不確かなビジネス権益に目がくらんだ揚げ句、習氏の野心に全面協力するというのが、かつては国家意識の高さを誇った経団連の使命なのか。

 経団連中国ビジネスを重視するのは当たり前の話です。つうかドラマ「大地の子」で「経団連全面協力での中国への製鉄所建設の話」が出てきますが、あれは産経的にはどう理解されるのか。


産経
安倍晋三首相は習近平氏にウイグル問題を提起するか
https://www.sankei.com/politics/news/181025/plt1810250033-n1.html
■「米国は目覚めた。日本も発信を」 ラビア・カーディル氏、中国のウイグル族弾圧を批判
https://www.sankei.com/world/news/181025/wor1810250048-n1.html
■「洗脳され、ウイグル語も禁止に」 在日ウイグル人が語る中国の弾圧
https://www.sankei.com/world/news/181026/wor1810260004-n1.html
 まあ安倍は提起しないでしょうし、提起しなくても産経もカーディルも安倍批判しないでしょう。

https://www.sankei.com/world/news/181025/wor1810250048-n1.html
 少数民族ウイグル族への人権弾圧について「ナチス・ドイツの独裁者ヒトラー以上の大虐殺であり、人類に対する罪だ」と批判した。

 吹き出しました。イヤーさすがにヒトラーよりはずっとましでしょう。そもそも「問題にされてるのはウイグル政治犯収容所疑惑」であって「ウイグル人大量虐殺疑惑」ではありません。ましてや「ヒトラー以上の虐殺」て。

https://www.sankei.com/world/news/181026/wor1810260004-n2.html
イスラム教が禁じている豚肉も食べさせられる。要するに洗脳です。
・今や現地の学校ではウイグル語の使用が禁止され、ウイグルの歌を唱っている人も捕まえられる。
ウイグル人は土葬なのに、火葬場がどんどん造られています。

 「豚肉強制」「ウイグル語禁止」の部分は事実ならばもちろん弁解の余地のない暴挙です。
 一方「火葬推奨」は「やり方はともかく」、やること自体はむしろ衛生的でいいかと思います。日本も昔は土葬がメジャーでしたが火葬がメジャーに変わっています。

https://www.sankei.com/world/news/181026/wor1810260004-n2.html
 以前からあった弾圧が一層厳しくなったのは、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」と関係があるのではないか。私たちの故郷は「一帯一路」の要衝であるため、周辺のイスラム教の国々からの人の往来が活発になるでしょう。中国当局は国内外のイスラム教徒が結びつけば中国の脅威になると一方的に考え、懸念を払拭するため、自治区内でイスラム教の要素を徹底的に破壊し、漢民族に同化させようとしている。こうみています。

 もちろんこれが事実だとしてもそれは「一帯一路それ自体の問題」ではありません。


大紀元『第四章(下) 共産邪霊、人類を破滅の道へ』
https://www.epochtimes.jp/2018/10/33451.html

 共産党唯物論を唱えることにより人々を物欲に溺れさせ、享楽と精神的刺激を追求するようにした。

 法輪功らしいですが、もちろん唯物論とはそういう意味ではありません。


■産経『安倍首相訪中「対中ODA、歴史的使命終えた」』
https://www.sankei.com/politics/news/181025/plt1810250024-n1.html
 タイトルが産経らしくて吹き出しました。記事本文には

 レセプションで、安倍首相は「日中両国が世界の平和と繁栄のためにともに貢献する時代が来ている。(習氏らとの会談で)新たな次元の日中協力のあり方について胸襟を開いて議論したい」と語った。また「今回の訪問が、今後の新たな日中関係を切り開く契機となることを期待している。力を合わせて日中友好の船を前へ前へと進めていこう」と呼びかけた。

と書いているのにねえ。


■朝日『安倍首相、インド首相を別荘招待へ 異例の「特別待遇」』
https://www.asahi.com/articles/ASLBQ4FHVLBQUTFK009.html
■毎日『安倍首相、印首相を別荘招待 中国とバランス外交』
https://mainichi.jp/articles/20181024/k00/00m/010/147000c

 安倍らしいせこい行為です。「インドと連携した中国封じ込めを俺は諦めてない」つうウヨ支持層向けのパフォーマンスでしょう。


■朝日『高齢者2億人 介護、中国に商機 北京で日中フォーラム』
https://www.asahi.com/articles/ASLBR5K0LLBRUHBI03B.html
■読売『境港←→中国で商機創出』
https://www.yomiuri.co.jp/local/tottori/news/20181024-OYTNT50174.html

https://www.yomiuri.co.jp/local/tottori/news/20181024-OYTNT50174.html
 境港と中国・吉林省日本海経由で結ぶ新たな物流ルートの構築などを目指し、県と同省は25日、北京市で連携の覚書に調印する。

 産経の反中国がいかに非現実的か改めてわかります。


産経
■【中国点描】習主席に言わねばならぬ3つのこと
https://www.sankei.com/world/news/181024/wor1810240005-n1.html
■【阿比留瑠比の極言御免】中国には譲歩しないことが肝心
https://www.sankei.com/premium/news/181024/prm1810240011-n1.html

https://www.sankei.com/world/news/181024/wor1810240005-n1.html
 この5年間、安倍政権の対中政策はほとんど変わっていない。にもかかわらず、中国当局と官製メディアの安倍氏への“評価”が180度変わったのはなぜか。

https://www.sankei.com/premium/news/181024/prm1810240011-n2.html
 26年11月には、首相と習近平国家主席による日中首脳会談が実現する。この時の習氏は仏頂面で笑顔はなかったが、今年9月の会談では満面の笑みを浮かべる豹変(ひょうへん)ぶりである。
 この間、日本は中国の要求には一切応じず、友好を請うような言動も取らなかった。何ら譲歩しなかったにもかかわらず、である。

 産経らしい嘘八百ですね。今年5月に李克強首相が訪日した際に安倍が李首相の「北海道旅行」に同行したことの、あるいはその時に安倍自ら一帯一路支持を表明したことのどこが「安倍政権の対中政策はほとんど変わっていない」「中国の要求には一切応じず、友好を請うような言動も取らなかった」なのか。産経も別記事では安倍の北海道旅行同行や「一帯一路参加表明」を嘆いていたはずですが。

https://www.sankei.com/premium/news/181024/prm1810240011-n2.html
 理由はいくつも挙げられる。首相自身が展開した自由や民主主義、法の支配を訴える「価値観外交」が少しずつ中国を追い詰め、包囲網を築いていったことや、中国の軍事的膨張主義が国際社会で広く認知されたことも一因だろう。

 もちろんそんな事実はどこにもありません。安倍主導による中国包囲網なんてもんはありません。
 最近欧米が批判を強めてるウイグル問題についても安倍は「欧米と比べてろくにウイグル問題になど言及しません」。
 「軍事的」膨張主義なんてもんもないでしょう。シリア軍事介入したロシア、イラクやアフガンに軍事介入した米国と違い、中国は海外軍事介入などしていません。
 一帯一路などの経済進出は「軍事的」膨張主義とは言えない。南シナ海の領土紛争を「軍事的膨張主義」というのは誇張が過ぎるでしょうし、フィリピン、ベトナムがAIIBや一帯一路に参加してることでわかるように中国とこれらの国の関係は対立一辺倒ではありません。
 台湾、チベットウイグルは実効支配してるチベットウイグルはもちろん、実効支配してない台湾も「中国にとって国内問題」ですしね。かつ台湾への締め付けは現時点ではもっぱら経済的なものばかりです。まあ、台湾侵攻なんて現実的にないですが。
 チベットウイグル統治において軍が投入されてるか知りませんが、仮にそうだとしてもそれは国内問題である以上「是非はともかく」、膨張主義ではありません。

https://www.sankei.com/premium/news/181024/prm1810240011-n2.html
 最近では逆に、安倍政権側も中国の巨大経済圏構想「一帯一路」への協力など、中国との接近に前のめりになっているのではないかとの見方も出ている。

 最初に阿比留が書いた「安倍政権の対中政策はほとんど変わっていない」「中国の要求には一切応じず、友好を請うような言動も取らなかった」と明らかに内容が矛盾しています。

https://www.sankei.com/premium/news/181024/prm1810240011-n2.html
 だが、首相は周囲にこんな本音を漏らしている。
「別にこちらが前のめりということではない。一帯一路の件は、リップサービスをしているだけだ。中国にカネをやるわけでも出すわけでもない」

 ウヨ支持層に対する「ただのいいわけ」でしょうね。一帯一路は「ただの机上の空論」ではなく現実に様々な経済プロジェクトがある以上、参加表明が「リップサービス」ですむわけもない。「このプロジェクトに日本は参加できないか?」と要請されて「すべて断る」なんてバカなことができるわけもないでしょう。
 大体「リップサービス」だとしてもリップサービスをすること自体、中国に対する方針変更ではないのか。

https://www.sankei.com/premium/news/181024/prm1810240011-n3.html
 首相が日中首脳会談で、新たなジャイアントパンダの貸与を求めるとの観測についても突き放す。
 「パンダの件は地方自治体の要請で外務省が勝手に進めていることで、私は知らなかった。そんなこと頼みたくもない」

 酷いいいわけですね。安倍に相談もなしに外務官僚なり、河野外相なりが勝手にパンダ誘致の話を進めてるというのか。「もっと小さな話」ならともかくパンダ誘致なんて大きな話でそんなことがあるわけないでしょう。
 つうかパンダ誘致したくないなら安倍が「そんなことはするな!」と指示すればいいことです。
 安倍も阿比留も「安倍様は中国に毅然とした態度をとり続けてる」という虚構を維持するために強弁してるわけです。

https://www.sankei.com/premium/news/181024/prm1810240011-n3.html
 首相は今回の訪中に合わせて対中政府開発援助(ODA)の終了を決めるなど、姿勢は全くぶれていない。

 いやいや遅くとも一帯一路参加表明、李首相訪日歓迎の今年5月の時点で、安倍は阿比留の言うような反中国の態度を公式に放棄しています。
 ODA打ち切りについても中国が激しく抗議していないことから考えるに「まあODAはもらえるならもらえる方がうれしいが、うちも世界に冠たる経済大国になったし、財政事情で出せないつうなら別にいいですよ。その代わりと言ったら何ですが一帯一路への協力お願いします」つう話でしょうよ。
 阿比留も全く酷い嘘つきです。

https://www.sankei.com/premium/news/181024/prm1810240011-n3.html
 むしろ懸念されるのは政界、経済界の今後だろう。

 経済界はともかく政界とは一体何のことなのか。野党(立憲民主、国民民主、共産、社民、自由など)の動きは安倍の対中国外交には直接関係ないでしょうし、与党(自民、公明)の動きは「自民党総裁」安倍が了承してるに決まってる。結局、阿比留も今後、与党が「親中国」で動くことを予想し、その際に「二階*19幹事長や岸田*20政調会長らが勝手にやってることだ」と強弁する気なんでしょう。


■産経【正論】「友好」に騙されない対中外交を 文化人類学者、静岡大学教授・楊海英*21
https://www.sankei.com/column/news/181022/clm1810220003-n1.html
 タイトルだけでうんざりですね。だますも何も、隣国にして経済大国の中国に対して日本が友好関係を築くのは当然のことです。議論の余地すらない話です。
 問題は友好関係を築くかどうかではなく「どんな友好関係を築くか」ですね。

 「一帯一路」巨大経済圏構想も行き詰まっている

 一帯一路がすべてバラ色だと言ったら嘘になりますが、一方でこうした楊の物言いも完全なデマです。「成功もあれば挫折もあるが、概ねうまくいってる」というのが適切な認識でしょう。

 日中国交正常化以来、反日は最も鋭利な武器として隣人に対する牽制(けんせい)として使われてきた

 そんな事実はどこにもありません。「中曽根*22、小泉*23、安倍*24首相の靖国参拝」「野田*25政権の尖閣国有化」など対立する理由があるから対立するわけです。


■産経『亡命ウイグル人ら、国際組織で中国の弾圧に対抗 東京に事務局、26日結成大会』
https://www.sankei.com/world/news/181017/wor1810170003-n1.html

 日本の支援者も加わる。

 以前からラビアらと付き合いのある反中国右翼との腐れ縁が今回も続くのでしょう。

 ラビア氏らは(中略)安倍晋三首相が提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」について「中国の拡張主義に対する明確な答えだ」と高く評価している。

 まさか本気ではないでしょうが、安倍が一帯一路支持にシフトを切った今、こんなことを言っても全く無意味でしょう。

 結成大会が開かれる26日には首相と中国の習近平国家主席による首脳会談が北京で行われる予定で、首相が中国の人権問題にどう言及するのかにも注目が集まる。

 安倍のことだから何も言及しないでしょう。そして安倍万歳ウヨ連中もそれを黙認するわけです。


■産経『台湾の訪問要請断る ローマ法王
https://www.sankei.com/world/news/181019/wor1810190015-n1.html
 ついにバチカンも台湾と断交し、中国と国交樹立でしょうか?


■ちきゅう座『対アフリカで日中協調は可能か 関係改善背景に微笑のサイン』岡田充*26
http://chikyuza.net/archives/88257

・安倍政権は、日中関係改善の「切り札」として、昨年来「一帯一路」への条件付き支持・協力を打ち出した。5月の安倍・李克強*27首脳会談では、「一帯一路」協力について協議する「官民合同委員会」発足で合意した。
・安倍首相は日中平和友好条約40周年にあたる10月末に訪中(ボーガス注:予定)。第一回官民合同委員会(北京9月25日)では、日中両国が第三国で協力するインフラ整備事業として①タイの鉄道建設、②中欧鉄道での物流協力、③西アフリカでのプロジェクト―などが検討されたという。安倍訪中の「土産」になる。
・日中両国のアフリカ関与の歴史を振り返る。日本主導のTICADは1993年、国連と世界銀行との共催でスタートした。TICAD閣僚レベル会合を経て、2013年までは5年ごと、それ以降は3年に一回開かれている。一方、「中国・アフリカ協力フォーラム」は2000年10月に北京で第一回首脳会合が開かれ、やはり3年ごとの開催。
 先行した日本だが、貿易額、投資残高ともに今や中国が日本を引き離す。2018年の「通商白書」によると、中国の2016年の対アフリカ輸出のシェアは16・6%と、5・8%のフランスを引き離し一位。日本のシェアはわずか2・2%である。2001年の中国輸出シェアは3・7%に過ぎず日本の4・2%を下回っていたから、この15年でいかに輸出が伸びたかが分かる。アフリカ全体でみると、中国は最大の貿易相手である。
 対アフリカ投資残高は2016年、中国が330憶㌦と日本(100億㌦)の三倍超。アフリカ進出企業も「中国が2000社と日本企業300社の差は開く一方」(みずほ総研「アフリカ重視を続ける中国」)である。
・アフリカでの日中協力は、両国の経済力の差が3倍近くにも広がった現実を反映しているのかもしれない。「もはや中国を包囲することはできない」(外務省高官)という現実的認識から、中国との関係を見つめ直さざるを得ない。

 こうした岡田記事を読めば、福島香織や石平などが一帯一路を誹謗するのがいかにデマかわかろうというもんでしょう。


■人民日報『第14回東京-北京フォーラムが東京で開幕 中日平和友好条約の意味を考える』
http://j.people.com.cn/n3/2018/1015/c94473-9508464.html

 内閣官房副長官西村康稔氏は挨拶で、「日中平和友好条約は日中関係の原点・基礎であり、両国の持続的な協力関係を発展させ、平和的な手段でどんな争いも解決するという原則が、同条約締結40周年を迎えた今日に至るまで守り続けられている。日中両国は互いに助け合うパートナーであるべきで、両国における真の平和を実現させるためには、両国民のサポートがさらに必要となってきている」と述べた。

 安倍お気に入りの極右の西村ですら中国ビジネスを考えてこういうわけです。


■産経『福田康夫元首相、日中首脳会談で国際秩序発展の具体策に期待感』
https://www.sankei.com/politics/news/181014/plt1810140024-n1.html
 福田氏に才能や人脈があることや、彼の日中友好への熱意を評価し、認めた上でのことですが、「元首相」とはいえ、政界引退を表明した人間がこれほど目立ってしまうことは「日中間に他にまともなパイプがないのか?」という意味で健全なことではないでしょう。


■産経【正論11月号】中国資本の土地買収を追う! 学生たちと現場を歩んで 北海道特別ツアーリポート 産経新聞編集委員 宮本雅史*28
http://www.sankei.com/life/news/181014/lif1810140008-n1.html
 いつもながら反中国の妄想が非道すぎる産経です。
 しかしこんなトンデモ妄想ツアーに参加する学生がいるとは。

 中国と関係がある*29とされる農業生産法人に農地の五六パーセントを買収された平取町豊糠地区や、登別市上登別の太陽光発電所用地、伊達市喜茂別町のゴルフ場、洞爺湖町の月浦温泉、赤井川村のキャンプ場など、中国系資本が買収した十か所を視察して回った。
 現実を目の当たりにした学生たちは強い衝撃を受けたようだ。
 「視察に行くまでは、大げさに考えすぎているとみていたが、実際に自分の足で歩いて、意識が百八十度変わった。日本人としての屈辱が芽生えた。日本の危機的状況がなぜ、国民に知れ渡っていないのか? 国民が知らなければ、どんな重要な問題であれ、無と化してしまう。現地視察という体験をして、今回の問題を伝えていく使命感が生まれた」(二十三歳男性)
 「現場を見ると、日本の将来に関わる問題だと感じ、必ず解決しなければならないと気づいた。一人でも多くの人に伝えたい」(二十歳女性)
「なぜ、観光地でもなく、交通の便がよいわけではない豊糠が買収されているのか。何の目的があるのだろうか? 日本であるにもかかわらず、そこで何をしているのか把握できない場所があるというのは恐ろしいことだと感じた。このまま土地買収が進むと、気がついたときには日本がなくなってしまっていた、ということが十分に起こりうることだと感じた。私達ができることは、現実をもっと多くの人に知ってもらうことだと思う。日本の国土を守っていくためには、国民がもっと真摯に向き合い、行動していかなければならない。改めて日本という国の素晴らしさを感じた。そして守っていきたいと心から思った」(十九歳女性)
「外国資本によって国内での自由な経済活動が行なわれることは社会の発展の上で不可欠であり、グローバリゼーションや資本主義の観点からも否定されてはならない。しかし、土地、不動産売買は越えてはならない一線である。国家の独立にかかわる問題だからだ。外国人の土地保有が規制なしに野放しにされている現状はどう考えてもおかしい。われわれ一人一人が今一度、国家や領土を守るということに関心を寄せる必要があると感じた北海道視察だった」(十八歳男性)
「中国資本が開発を進めることの何が悪いのか?中国人が嫌いなだけではないか?などという声もある。具体的な脅威としての姿が見えないものを恐れていても杞憂でしかないと。しかし、問題の本質はそこにはない。中国人であろうとロシア人であろうと、我が国の領土がいとも簡単に買収されていることが問題であって、現実は想像以上に深刻なのだ。脅威としての姿が見えない。これ以上の危機は存在するだろうか。今後、国民一人一人が『脅威』を意識しなければ、いずれ我が国もそして美しい山河も消失するだろう」(十九歳男性)

 そんなもん視察して何がわかるのか。外部から一見してわかる明らかな違法行為でもしてない限り、そんなところに行ったところで何もわかりません。中国に限らず外資の土地購入それ自体は何ら違法ではないし。
 感想も非常識すぎて絶句ですね。
 むしろ脅威を感じるのならシャープや日産が台湾企業(ホンハイ)やフランス企業(ルノー)といった外資の傘下になったことに「日本経済は大丈夫だろうか」と脅威を感じるべきじゃないですかねえ。
 いや別に傘下になったことが悪いとか法律で禁止しろとか言う話じゃないですが。しかしフランスや台湾なら何も言わないウヨ連中もこれが「シャープや日産が中国企業の傘下」なら「中国の脅威」を叫んでるんでしょうね。


■産経【田村秀男のお金は知っている】相次ぐ謎の要人拘束は習主席の悪あがき? 米との貿易戦争で窮地に追い込まれた中国
http://www.sankei.com/premium/news/181013/prm1810130007-n1.html
 産経の田村記事が無茶苦茶すぎて頭痛がします。産経以外ではまず載らない記事じゃないか。
 マスコミ報道を見る限り、要人(女優ファン・ビンビン*30や孟宏偉*31ICPO総裁)の拘束は「法的に是とは言いがたいように思いますが」、「要人拘束」の是非はひとまずおきます。 
 問題は「悪あがき」だの「貿易戦争で窮地」だのと、「要人拘束」につながりがあるとみなす田村の主張が無根拠だと言うことです。こじつけですら根拠と言えそうなものは何もありません。


ダライラマ法王日本代表部事務所『ダライ・ラマ法王と3人の科学者たちによる仏教科学と現代科学との対話のご案内』
http://www.tibethouse.jp/event/2018/Dialogue181116.html
 ダライ的には「ダライ集団(ダライ一味)の科学による権威付け」がしたいのでしょうが、まあ馬鹿げた話だと思います。
 宗教と科学では分野が違う。「科学の素人」ダライが「宗教の素人」科学者と何か話し合っても宗教的な意味でも科学的な意味でも何ら意義あることはないでしょう。
 そもそもまともな科学者ならこんな企画には応じないでしょうね。ここでいう「まとも」とは「学問的能力」という意味ではなく「こんな馬鹿げた企画に応じない常識の持ち主」という意味ですが。


■産経【主張】ウイグル族拘束 中国の人権侵害見逃すな
https://www.sankei.com/column/news/181012/clm1810120001-n1.html

・中国が新疆(しんきょう)ウイグル自治区で、100万人以上の少数民族を再教育施設に強制収容した疑いが出ている。
・国連の人種差別撤廃委員会なども、中国政府にこの問題で正確な情報を公開するよう相次いで要求した。

 やれやれですね。慰安婦問題や朝鮮学校問題、あるいは沖縄基地問題で「在日朝鮮・韓国人への人種差別ではないのか」「琉球民族*32への人種差別ではないのか」と人種差別撤廃委員会にダメ出しされたら「あの委員会は偏向してる、反日だ」「慰安婦は公娼だ、性奴隷じゃない」「そもそも琉球民族などいない。日本にいる少数民族アイヌだけだ*33」「朝鮮学校の教育を全肯定するのか(ボーガス注:そんなことは人種差別撤廃委員会は何一つ言っていません。単に「差別するな」といってるだけです)」「沖縄独立論に加担するのか(ボーガス注:そんなことは人種差別撤廃委員会は何一つ言っていません。単に「翁長知事などの日本政府批判には一理ある」としか言っていません)」「翁長*34知事らを支援するのか。内政干渉だ」「沖縄には米軍基地が必要だ」などと逆ギレしていた分際でこれです。
 「お前、あの委員会を評価するのか、しないのかどっちなんだよ」「中国たたきに使えて都合のいいときだけ評価して、自分らの国が批判されたら『事実誤認』といって居直るとかとかダブスタじゃん」「手前らが慰安婦問題とかであの委員会に対して居直っていいなら、中国もウイグル問題で居直っても何の問題もねえよな」「朝日や毎日ならまだしも少なくとも手前ら産経には人種差別撤廃委員会の勧告で中国批判する資格なんかねえよ」ですね。
 しかし「慰安婦問題や朝鮮学校問題、あるいは沖縄基地問題」でのウヨの逆ギレのせいでこの委員会もある程度日本において有名になったかと思います。俺もこの委員会について知ったのは「産経の逆ギレ」がきっかけですし。三度も産経に逆ギレされればさすがに「国際問題には無知な」俺も注目します。
 それにしても委員会にダメ出しされた内容がすべて「安倍の極右ぶり(戦前賛美の歴史修正主義や、沖縄差別や在日差別や反共・反北朝鮮)に基づく話」つうのは今更ながらうんざりします。「安倍政権以前から沖縄差別が続く*35基地問題はともかく、他の問題は安倍でなければこんなダメ出しは委員会からは出てなかったでしょう。そしてその基地問題にしても、安倍は過去の首相と比べても最低最悪の訳です。

これに対し中国外務省は、「根拠がない」「内政干渉だ」と反発している。だが、事実と異なると主張するのであれば、中国政府が国際社会が納得する明確な根拠を示して、説明せねばならない。

 そうですね。
 日本政府にも「人種差別委員会のダメ出しに居直らないでまともに対応してください」といいたいですよね。
 そして「マスコミや野党の私への批判は事実と異なる」というだけでまともに釈明しない「モリカケの安倍」にも是非同じこと(社会が納得する明確な根拠を出して説明しろ)を言ってあげてください。

 国際社会は結束して、対中制裁も辞さない強硬な姿勢で迫る必要がある。

 いや制裁なんぞは「中国の世界経済における重要性を考えたら」現実問題無理でしょう。
 「アパルトヘイト南ア」とつきあって名誉白人の称号をもらってたゲス国家・日本(当時)を国際社会が批判してもさすがに「よし対日制裁だ、日本が南アと付き合うのをやめない限り制裁で日本経済をたたきのめす」とはならないのと同じことです。
 しかし、チェチェン問題、ロヒンギャ問題などでは「ロシアに制裁を!」「ミャンマーに制裁を!」などとは言わないのに、そして「日本の少数民族問題アイヌ」には無関心なのに、中国の少数民族「だけ」にはお優しいことです(皮肉のつもり)。まあマジレスすれば産経にとってウイグルチベットは単に中国たたきのネタ扱いでしかないわけですが。

 亡命ウイグル人でつくる「世界ウイグル会議」議長で民族活動家のラビア・カーディル氏は昨年、日本で弾圧の現状を訴え、地方議会が憤りを表明した意見書を採択するなどしている。

 日本の一部地方議会で採択と言ったところで「ウヨ地方議員が反中国的な意味合いでやったに過ぎない」でしょうからね。正直、「産経の中国批判」みたいなもんで、ある意味「何の期待もできない」話です。

 日本政府の動きは鈍くはないか。今月訪中する安倍晋三首相は、習近平*36国家主席との首脳会談で問題を取り上げ、厳しく非難すべきだ。

 まあ、安倍はそんなこと言わないでしょうし、言わなくても産経もM谷N子女史もid:noharraもたぶん安倍批判なんぞしないでしょう。
 M谷N子女史やid:noharaが喜んでた「安倍元首相がウイグル問題で胡錦濤に批判的なことを言った」が結局、id:Bill_McCrearyさんも
安倍晋三が口先だけの男でなければ、首相だった時に胡錦濤に同じことを言っている
https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/cc419a0ee6f60979f2e29de949b3a81c
■ね、首相に復活したら安倍は動いてはくれないだろ(今後に期待?)
https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/c7fc57b318e56872b390dedcbcf5c0ba
でご指摘のように、首相をやめて、責任のない立場になったことによる「口先だけのいい加減なものであったこと」が改めて明確になるわけです。そしてM谷N子女史、id:noharraなどの過去の安倍賛美も「自らの発言に責任を負う覚悟が何一つない放言だったこと」が改めて明らかになるわけです。


■産経『世界同時株安 米金利上昇が世界に打撃 対中貿易戦争の悪化も懸念』
https://www.sankei.com/economy/news/181011/ecn1810110037-n1.html
 世界同時株安が日本や世界の経済にとっていいことかといったら「いいことだ」という人はまずいないでしょう。実際「いいことではない」でしょうが。
 ではなぜこうなったか。「トランプのイラン制裁による原油高」「米国中央銀行金利上げ」などいろいろ考えられる理由はありますが、産経記事にも書いてあるように大きな理由の一つは「トランプの対中国制裁関税」でしょう。
 「トランプが中国と対決してうれしい」などと抜かしていた産経、国基研などウヨ連中は故意に無視しますが、「対中国関税」レベルでこれです。ウヨ連中が放言するように「中国経済が崩壊」したらそれこそ日本や世界の経済が恐ろしいことになります。


東京新聞『<東京人>アジアンタウン 本当の意味での共生とは』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201805/CK2018050602000132.html

 現在、東京在住の外国人は五十二万人を超え、外国人の五人に一人が都内在住です。編集部がある飯田橋でも、中国語と韓国語に加えてタイ語ベトナム語など、他のアジアの言語を耳にするようになりました。どうやら、近くの日本語学校に通っているようです。
 彼らが住む・働くアジアンタウンというと、(ボーガス注:韓国料理店の多い)大久保のコリアンタウン、(ボーガス注:中国料理店の多い)池袋チャイナタウンが知られていますが、同じ大久保では近年、ネパール料理の店が増え、駅近くの路地は通称「イスラム横丁」と呼ばれるように。また、お隣の高田馬場は(ボーガス注:ミャンマー料理店が増え)リトル・ヤンゴン*37化が進んでいます。「東京人」六月号では、都内を中心に新たなアジアンタウンを紹介しています。

 日本もずいぶんと国際化したもんです。とはいえ「朝鮮学校差別」のような排外主義が未だにある点が困りものですが。


■ビジネスジャーナル『西川口、チャイナタウン通り越し本物の中国化…定員も客も中国人のみの超レア料理店が密集』
https://biz-journal.jp/2018/10/post_25076.html
東洋経済オンライン『中国人の街「西川口」の変貌っぷりが凄すぎる』
https://toyokeizai.net/articles/-/233998
サピオ『中国語だけで暮らせる西川口 街を歩けば犬肉に食用ガエルの販売も』
http://news.livedoor.com/article/detail/15017603/

https://biz-journal.jp/2018/10/post_25076.html
 「鯉の姿蒸し」(時価)、「ウシガエルの四川風煮込み」(1680円)、「カイコ串*38」(150円)などの斬新なメニューも目を引く。
 これらは、日本人向けの中華料理店では目にすることのない料理だ。
(中略)
 これらの街の様子からわかるのは、西川口は横浜中華街や神戸南京町とは根本的に存在が異なるということだ。
 ここは観光地ではなく、中国人が実際に生活する居住地域なのである。本当の意味でのチャイナタウンといってもいいだろう。
 事実、西川口の中国人住民はここ10年間で急増している。川口市の統計資料によると、17年時点での川口市の中国人の住民数は1万8000人弱で、06年に比べて1万人以上も増加している。

https://toyokeizai.net/articles/-/233998
 中華街について詳しい立正大学山下清*39教授は最近になってこの一帯を「西川口チャイナタウン」と呼び始めた。「中華街」という言葉はそもそも、1955年に今の横浜中華街に建てられた牌楼門にそう書かれたことに由来している。
 日本人にとっての観光地というイメージの強いその「中華街」と区別するために、山下教授はあえてこのエリアを「チャイナタウン」と定義した。
(中略)
 過激な風俗店の数が一時は200を超えたが、2000年の半ばの摘発をきっかけにそのほとんどが消えた。
 その後に増加したのが中国料理店だった。今ではこのエリアのあちこちで「麻辣湯(マーラータン)」「鴨脖(注:鴨首のスナック)」「油条(注:細長い揚げパン)」といった看板が躍っている。

http://news.livedoor.com/article/detail/15017603/
 近所のイトーヨーカドーのフードコートでは、鴨の頭や鴨の首が中国語の説明書きのみで売られている。日本人は誰も買わず、中国人だけが買うのでこうなっているようだ。
 西川口には、多くの在日中国人の故郷である旧満州福建省の料理のほか、雲南省の過橋米線(グォチャオミィシエン)、西安*40刀削麺(ダオシャオミエン)、湖北省の鴨ボー(ヤーボォ)、甘粛省の蘭州*41拉麺(ランヂョウラーミエン)、新疆ウイグル自治区の郷土料理など中国各地の味が揃う。

 まあ中にはそういう「中国人客やマニアな日本人客向け」の店もあるんでしょうね。すべてがそうではないでしょうが。


■私の一冊(筑波大学新聞 第270号 2008年6月16日):本多勝一著 『極限の民族:カナダ・エスキモー、ニューギニア高地人、アラビア遊牧民*42山下清
http://www.geoenv.tsukuba.ac.jp/~yamakiyo/daigakushinbun.html

 東京教育大の学生であった頃,中央線沿線の西荻窪に住んでいた。いつも銭湯の帰りには,洗面器を持ったまま古本屋に立ち寄った。その時に買った本が,本多勝一著『極限の民族』(朝日新聞社,一九六七年刊)であった。当時,本書はベストセラーであり,私が買ったのは,刊行から四年あまり過ぎた第一四刷であった。
 著者の本多勝一は,当時,朝日新聞のスター記者であり,のちに,ベトナム戦争や日本軍の中国での残虐行為などのルポを朝日新聞に連載して大きな反響を呼んだ。
 本書は,朝日新聞に連載されたルポをまとめたもので,「カナダ・エスキモー」,「ニューギニア高地人」,「アラビア遊牧民」の三部作からなっている。いずれも,現地に住み込んで,当時ほとんど知られていなかった民族の姿を生き生きと描き出した。理学部地学科地理学専攻の二年生であった私は,本書を読んで,将来は自分も外国の民族について調査をしたいと思うようになった。今思えば,私が世界の華人(華僑)社会やチャイナタウンの研究をするようになったのも,『極限の民族』の影響だろう。二年生の終りの春休み,私は本多のまねごとをしながら,リュックを背負って東南アジアのひとり旅に出かけた。
 「カナダ・エスキモー」の中で,本多がカリブーやアザラシなどの生肉を食べる場面が出てくる。本書から学んだことの一つは,調査者は,現地の人々が食べているものを食べ,できるだけ現地の人々と同じ生活をするべきだということである。大学院時代にシンガポールに留学した際にも,東南アジア各地を歩きながら,このことを実践するように努めた。
 大学教員になってからも,屋台や大衆食堂で,できるだけ現地の人々と同じものを食べるようにしている。中国や韓国では犬料理を味わい,池袋チャイナタウン(池袋駅北口周辺)の調査でも,院生たちといっしょに,犬肉の鉄板焼きや蚕のさなぎの串焼きなどを食べながら,「人文地理学をやるんだったら,何でも食べられないとダメだ!」などと,アカハラもどきの「指導」をしている。

 「カイコ、本多氏」でググったら、ちょうどヒットしたので紹介しておきます。

*1:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*2:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て、現在、自民党政調会長

*3:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任

*4:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二〜第四次安倍内閣副総理・財務相

*5:産経新聞ニューヨーク支局長、外信部次長など歴任。著書『安倍晋三と「宰相の資格」』(2006年、小学館文庫)、『それでも中国と付き合いますか?』(2008年、ワック文庫)、『民主党政権で日本は滅びる』(2010年、ワック文庫)、『すべては朝日新聞から始まった「慰安婦問題」』(2014年、ワック文庫)

*6:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*7:片山内閣逓信相、鳩山内閣運輸相、岸内閣科学技術庁長官(経済企画庁長官兼務)、池田内閣科学技術庁長官、自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官などを経て首相

*8:岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*9:アイゼンハワー政権副大統領を経て大統領

*10:ジョージア州知事を経て大統領。2002年ノーベル平和賞受賞者

*11:著書『中国を追われたウイグル人:亡命者が語る政治弾圧』(2007年、文春新書)など

*12:著書『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』(2010年、集英社新書)など

*13:著書『戦争と平和:それでもイラク人を嫌いになれない』(2004年、講談社)、『破壊と希望のイラク』(2011年、金曜日)など

*14:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相を歴任

*15:吉田内閣蔵相、鳩山内閣通産相などを経て首相

*16:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*17:俺個人は靖国尖閣では中国を支持するというか、日本の行為に非常に問題があったと思いますが。

*18:日立製作所会長

*19:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て現在、幹事長

*20:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て、現在、自民党政調会長

*21:著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)、『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店)、『最後の馬賊:「帝国」の将軍・李守信』(2018年、講談社)、『モンゴル人の中国革命』(2018年、ちくま新書)など

*22:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官を経て首相

*23:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*24:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*25:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)を歴任

*26:共同通信社香港、モスクワ、台北各支局長、編集委員論説委員を経て、現在、客員論説委員。著書『中国と台湾:対立と共存の両岸関係』(2003年、講談社現代新書)、『尖閣諸島問題』(2012年、蒼蒼社)など

*27:共青団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*28:著書『対馬が危ない:対馬を席巻する韓国資本』(2009年、産経新聞出版)、『爆買いされる日本の領土』(2017年、角川新書)など

*29:どんな関係だよ?ですね。中国へ農産物を輸出するのだって関係ですし。

*30:一時消息不明だったが、脱税を理由に追徴金が課されることが発表され、当人も姿を現している。

*31:中国公安部副部長、国家海洋局副局長、海警局局長を歴任。現在、汚職を理由に中国捜査当局に身柄拘束され捜査を受けているとみられる。

*32:「在日朝鮮・韓国人」「琉球民族」でわかるようにこの場合の「人種」には民族が含まれます

*33:とはいえアイヌ問題でもこの委員会から「小野寺まさるのようなアイヌ差別暴論を日本政府はきっちりダメ出ししろ。放置するな(実際には、事実上野放し状態)」などのだめだしが出ていて、それについても産経が逆ギレてますが。

*34:那覇市議、沖縄県議、那覇市長を経て沖縄県知事。著書『闘う民意』(2015年、KADOKAWA

*35:たとえば少女への性的暴行事件がきっかけで大規模な抗議集会が沖縄で開かれたのは橋本政権時代です。

*36:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*37:ミャンマーの首都

*38:カイコについては本多勝一氏(長野出身)が「私が子どものころは、まだ養蚕がされていたので食べたことがある。結構おいしい(要約)」と、本多『本多勝一はこんなものを食べてきた』(2004年、七つ森書館)に書いていた記憶があります。

*39:秋田大学教授、東洋大学教授、筑波大学教授を経て、現在、立正大学教授。著書『チャイナタウン』(2000年、丸善ブックス)、『池袋チャイナタウン:都内最大の新華僑街の実像に迫る』(2010年、洋泉社)、『改革開放後の中国僑郷:在日老華僑・新華僑の出身地の変容』(編著、2015年、明石書店)、『新・中華街』(2016年、講談社選書メチエ)など。個人サイト(http://qing-hai.org/)(ウィキペディア山下清海」参照)

*40:陝西省省都

*41:甘粛省省都

*42:1967年、朝日新聞社。後に本多『カナダ=エスキモー』、『ニューギニア高地人』(1981年、朝日文庫)、『アラビア遊牧民』(1984年、朝日文庫)として文庫化。

id:Mukkeの類友「id:Dg-Law」の珍論を笑う

 まあ以下の話はつまらない話といえばつまらない話ですが。俺は「id:Mukke類友id:DG-Lawペンネーム稲田義智)が大嫌いですので突っ込んでおきます。こいつみたいなバカとつきあえる、稲田著『絶対に解けない受験世界史』(2014年、社会評論社)、『絶対に解けない受験世界史2』(2017年、パブリブ)の担当編集者とかさっぱり理解できません。
 まあ「稲田の本を売って金儲けするためなら、稲田がバカでもくずでも付き合います」つうことでしょう。商売繁盛でよかったですね(棒読み)。
 まあ、あいつのコメント欄に書いてもいいのですが、id:Mukke並みの馬鹿野郎であるid:DG-Lawが俺のコメントを「承認しないで掲載拒否することが2万%確実な」もんで。
 過去には理由にもならないへりくつで俺のコメントを削除した馬鹿野郎がid:Mukke並みの馬鹿野郎であるid:DG-Lawなんで。

http://blog.livedoor.jp/dg_law/archives/52419354.html
 安倍*1首相の首を取ったところで衆院選で勝たない限りは自民党政権が続き,すなわち政権の体質は変わらないとすれば,安倍首相の首にどれほどの価値があろうか

 びっくりですねえ。似たようなことは阿部治平も言っていた記憶がありますが、俺は少なくとも「石破*2や岸田*3の方がいくらかでも安倍よりはましだと思います」が。
 この理屈だと「第一次安倍政権と福田政権の政権体質は同じ自民党だから変わらない(第一次安倍での安倍の辞任に意味はなかった)」「第一次安倍を退陣に追い込んだ事務所費疑惑などの追及は無意味」なんでしょうか。そんなあほな。いかに同じ自民政権とは言え、それは福田康夫*4に対して、そして事務所費疑惑などを追及した赤旗などに対して失礼でしょう。
 この理屈だと「ウォーターゲートニクソン*5を退陣に追い込んだところで、フォード副大統領が昇格するだけで共和党政権が続き、政権の体質は変わらないから無意味」になるのか。
 この理屈だと「ロシアゲートでトランプを退陣に追い込んだところで、ペンス*6副大統領が昇格するだけで共和党政権が続き、政権の体質は変わらないから無意味」になるのか。
 この理屈だと「安保闘争岸信介*7を退陣に追い込んだところで、衆院選で勝たない限りは自民党政権池田勇人*8政権)が続き*9政権の体質は変わらないから無意味になる」のか。
 この理屈だと「立花隆の金脈報道で田中角栄*10を退陣に追い込んだところで、衆院選で勝たない限りは自民党政権三木武夫*11政権)が続き政権の体質は変わらないから無意味」なのか。
 この理屈だと「リクルート疑惑で竹下登*12を、女性スキャンダルで宇野宗佑*13を退陣に追い込んだところで衆院選で勝たない限りは自民党政権(海部*14政権)が続き政権の体質は変わらないから無意味」なのか。
 この理屈だと「佐川急便疑惑で細川首相を退陣に追い込んでも、羽田*15政権が続き政権の体質は変わらないから無意味」になるのか?
 この理屈だと「故人献金問題で鳩山首相を退陣に追い込んだところで衆院選で勝たない限りは菅直人*16政権が続き政権の体質は変わらないから無意味」なのか。
 この理屈だと「スターリンが死んでも、ソ連共産党政権が続くから無意味。フルシチョフスターリンもかわらない」のか。
 この理屈だと「毛沢東が死んで文革が終わっても、中国共産党政権が続くから無意味、毛沢東トウ小平も変わらない」のか。
 そういう話じゃないでしょうにねえ。まあ、id:Dg-Lawが「フォードが昇格しただけでニクソンウォーターゲート追及など無意味だった。今のトランプロシアゲート追及も無意味だ」つうならこういう安倍に対する物言いも許されるでしょうがね。さすがにid:Dg-Lawウォーターゲートロシアゲートの追及が無意味とは言わないんじゃないか。しかし「ウォーターゲートロシアゲートの追及に意味がある」のなら「安倍がやめても自民政権が当分続くから無意味」なんて物言いには全く正当性はないでしょうね。奴の書いた本も果たしてどこまで信用できるものやら。 
 まあid:Dg-Lawは「下村*17の子分・鈴木寛(下村文科大臣補佐官)を褒めるバカ」だから何ら期待してませんけど。
 鈴木も「鳩山内閣文科副大臣」を務めながら「自民、公明、共産、山本太郎」に敗れて参院選で落選するや下村にゴロニャンするんだから論外のくずです。
 なお、このとき「民主党候補一本化ができず」、分裂選挙になったが故に「民主党候補」鈴木とともに落選した「民主党候補」大河原雅子氏が今「衆院議員(立民所属)」なのはよかったと思います。
 ちなみに「鈴木を補佐官にしてくれた下村」も「自民公認で鈴木を政界復帰させる気まではない」ようですね。

*1:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*2:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*3:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長

*4:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*5:アイゼンハワー政権副大統領を経て大統領

*6:インディアナ州知事を経て副大統領

*7:戦前、満州国総務庁次長、

*8:吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相を経て首相

*9:まあ実際続いたわけですが

*10:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*11:片山内閣逓信相、鳩山内閣運輸相、岸内閣科学技術庁長官(経済企画庁長官兼務)、池田内閣科学技術庁長官、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官を経て首相

*12:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)を経て首相

*13:田中内閣防衛庁長官自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相を経て首相

*14:中曽根、福田内閣文相を経て首相

*15:中曽根、竹下内閣農水相、宮沢内閣蔵相、細川内閣副総理・外相を経て首相

*16:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相を経て首相

*17:第一次安倍内閣官房副長官、第二次安倍内閣文科相を歴任

今日の中国関係ニュースほか(9/14分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■産経『米議員、中国のウイグル政策を痛烈批判』
https://www.sankei.com/world/news/181011/wor1810110020-n1.html
 与党議員とは言えトランプ政権の中枢にいるわけでもない極右・反中国議員が無責任に吠えてるだけでしょう。トランプの対中国報復関税がかわいく見えるほどの非常識さです。

・対中経済制裁など、強力な対抗措置をとるようトランプ政権に促す法案を提出すると発表した
国際オリンピック委員会(IOC)に2022年の北京冬季五輪開催を見直すよう要請する考えを明らかにした。

って、「対中国経済制裁」「北京冬季五輪中止」なんてもんができるわけもない。


■産経『安倍晋三首相、中国共産党幹部と面会「日中関係は順調に進展」』
http://www.sankei.com/politics/news/181011/plt1810110023-n1.html
 明らかに今の安倍は産経や日本会議といったウヨ連中ほど反中国ではないわけですが、連中はそういうことは無視するわけです。安倍以外の首相(自民党総理でも極右ではない、宮沢首相、福田康夫首相や非自民の細川首相、村山首相、菅*1首相など)なら悪口雑言でしょうが。 


■リベラル21『柳条湖事件記念日に思ったこと』阿部治平 
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4529.html

 国民党系の軍に属したものは抗日戦に参加しても、文化大革命期には迫害を受け、悪ければ殺された。文革終了以後、馬占山系の元抗日兵士らはどんな扱いを受けているだろうか。いまも日陰者だろうか。

 文革時代は国家主席劉少奇ですら、迫害を受けて健康を害して死去していますからねえ(王光美*2、劉源*3ほか『消された国家主席 劉少奇』(2002年、NHK出版)やウィキペディア劉少奇」などによれば、糖尿病の持病があったのにろくに治療されずかえって悪化し命を縮めたらしい)。
 文革時代はかなり特殊な時代で一般化できないでしょう。
 なおぐぐって見つけた記事ですが、

http://j.people.com.cn/94475/8311011.html
■人民日報『抗日戦争期の旧国民党兵士の福利厚生保障 民政部』
 中国民生部はこのほど、全国人民代表大会代表の王敏剛氏が提案した抗日戦争(日本の呼称・日中戦争)期の旧兵士を対象とする優遇措置政策について、条件を満たす旧国民党兵士を、社会において様々な困難を抱える人々と同じように社会保障の対象に組み入れる旨を改めて言明した。対象者には老人ホームや福祉施設への優先入居などの優遇措置が適用される。民政部はまた、各地の党委員会および政府に対し、抗日戦争期の元国民党兵士を重要祝日の関連イベントに招待するよう求めた。

ですからねえ。
 この記事が2004年ですから「1949年の新中国建国以降、(文革の混乱などがあったとは言え)長年、国民党軍兵士が好意的扱いを受けてなかったこと」は阿部氏が言うように事実なのでしょう。
 しかし今が2018年ですから、もはや「日陰の身分ではない」でしょうね。
 最近も

http://j.people.com.cn/n/2015/0831/c94474-8943797.html
■人民日報『共産党と国民党の元抗日兵士が初めて共に観閲を受ける』
 9月3日の軍事パレードでは共産党と国民党の元抗日兵士が初めて共に観閲を受け、全民族抗日戦争の偉大な精神を体現する。
 軍事パレードに参加する50個隊列(梯団)のうち、抗日戦争元同志は2個乗車隊列を組み、最初に登場する。大陸部から選ばれた健在の国共両党の元抗日兵士、共産党と国民党の抗日烈士の子孫、および抗日戦争の前線支援模範代表だ。国共両党の元兵士は共に乗車して観閲を受ける。
 近年、抗日戦争の正面戦場*4の歴史的役割に対する評価が高まり、国は社会保障面で元国民党抗日戦争兵士への配慮を深めるとともに、中国各地で抗日戦争正面戦場記念館を建設し、国民党将兵を抗日戦争烈士リストに入れている。今年8月、国は条件を満たす元国民党抗日戦争兵士に1人当たり5000元の慰問金を給付した。

なんて記事があります。
 「中国(中華人民共和国)が経済大国になりもはや台湾(中華民国)などある意味、政治的には恐れるに足りない存在になったという余裕」「毛沢東主席、劉少奇国家主席周恩来首相、トウ小平国家中央軍事委員会主席など、革命第一世代がほとんど(いやすべてか?)死去し日中戦争国共内戦が過去の歴史化したこと」や「民進党に比べ中国共産党に融和的な中国国民党を取り込む政治的な思惑」などはあるでしょう。
 単純な善意でもないでしょう。また「もっと早く実施してほしかった」という批判も可能でしょうが、人道的行為として評価されていいことかと思います。しかし阿部氏ってこういう事実を知らないんでしょうか?
 なお、以上の文は「人民日報記事を読む限り、もはや多分日陰の身分ではないと思いますよ」として阿部記事に投稿しました。多分掲載拒否でしょうが。 


■産経『台湾・蔡総統、中国への警戒あらわ 「屈服も譲歩もしない」 双十節演説』
http://www.sankei.com/world/news/181010/wor1810100026-n1.html
■朝日『台湾総統、関係修復の「呼びかけ」やめた 中国への訴え』
https://www.asahi.com/articles/ASLBB4KCFLBBUHBI01G.html
 産経や朝日の記事が事実なら蔡英文には呆れますね。どれほどバカで先見の明がないのか。中国にこびへつらえ、屈服しろとは言いませんが、こんな挑発的態度がとれるほど台湾の国際的地位は高くはないでしょう。かえって中国の反撃でまずます蔡は追い詰められていくでしょう。


■産経【世界を読む】豪中止の太平洋向け短波、中国が占拠
http://www.sankei.com/west/news/181009/wst1810090003-n1.html

 オーストラリアの公共放送ABCがネットの時代に時代遅れだとして同地域向けの短波放送を中止したところ、中国が素早くあいた周波数に滑り込んだ。

 おいおいですね。そういうのは「占拠」とはいわないでしょう。合法に取得した権利が「占拠」なら、「アメリカはアラスカをロシアから占拠した」「アメリカは日本から沖縄を占拠した(戦後の米国統治時代)」「日本は沖縄をアメリカから占拠した(佐藤政権時代の沖縄復帰)」などといっていいでしょうが、普通そうは言わない。
 「占拠」とは「違法」とか「違法ではないにせよ反社会的」といった意味合いの言葉のはずです。
 いやそもそも物質でない「電波」について「占拠」という言葉を使うことが妥当かも少々疑問な気がします。

 ネット環境が十分ではない太平洋の多くの島々において、短波放送はなお重要な情報源だ。戦略性を欠いた動きを中国に突かれたオーストラリアの、脇の甘さが指摘されている。

 産経的には「戦略」云々なんでしょうが、オーストラリア的には赤字垂れ流してまでやる意義がなかったつうことでしょう。

 豪政府は中止を決めたのはABCだとして関与を否定したが、野党労働党は放送維持の資金を投入しなかった政府に責任があると追及。同党の太平洋地域担当者は「国益に甚大な被害を与えた」と非難した。

 イヤー今の与党が労働党だとして、本当に予算投入による短波放送維持なんかしたんでしょうか?。言いがかりの気がします。

 ABCと同様に太平洋地域への放送を行ってきたニュージーランドの公共放送ラジオ・ニュージーランド(電子版)は、自らの短波放送継続を強調するとともに、同局幹部が「リスナーは聞き続けた周波数に慣れており、すぐには中国からの放送と気づかず聞き続けるだろう。ABCのリスナーを引き継ぐという、中国の戦略的な動きを感じる」と指摘した。

 まあ、「周波数が同じならリスナーも最初から多くなるんじゃ(もちろん放送に問題があれば、次第に減っていくから、努力は必要だが)」とは中国も思っているでしょう。新規周波数の放送をやるより「従来の周波数を引き継いだ」方が有利ではあるでしょう。
 でも、さすがに「ABCと中国国際放送の違いがわからないリスナーがいる」とは中国も思ってないでしょう。
 大体NHK地上波みたいに、「こちらは中国国際放送です」みたいなアナウンスは放送の中でするでしょうし。


■リベラル21『強権が自ら踏みにじる「依法治国」:大興区事件に見る習近平政治(下)』田畑光永*5 
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4520.html
 そもそも積極的に北京市長の様々な振る舞いを応援してるかどうかはともかく確かに「首都行政」について、習氏は容認はしてるでしょう。ド田舎ならまだしも首都で行われてることについて認識してないなんてあり得ないでしょう。とはいえ国政ならまだしも「習氏が直接指示してるわけではないと思われる地方行政」をもとに「大興区事件に見る習近平政治」というのは果たして適切か疑問に思います。
 しかしそれはひとまずおきます。田畑論文ではそんなことよりもっと重大な問題があると思うからです。

 昔を持ち出せば笑われることを承知で言えば、私が北京に駐在していた40年前は、中国が文化大革命の深い傷を癒しながら改革・開放へと踏み出した時期であった。新聞や雑誌の大きなテーマはなぜ毛沢東崇拝が文革での大規模な破壊や殺傷をもたらすに至ったか、であった。個人崇拝を反省、批判する沢山の小説や論文が書かれた。
 40年という歳月は、人々にあの痛切な反省、自戒を忘れさせるに十分なほどに長く、その間に伝統に根ざした独裁権力が復活するための土壌がととのったのだろうか。

 田畑とリベラル21には「やれやれ」ですね。心底呆れます。
 彼らが紹介する事例は確かに「事実であるならば」、人権上問題であり、中国政府は批判を免れないでしょう。
 ならば小生が何に呆れるのか。
 それはどう見ても田畑とリベラル21が「習近平毛沢東*6的個人崇拝を目指しており、トウ小平*7江沢民*8胡錦濤*9時代とは違う。今の中国の人権問題はトウ小平時代の天安門事件などとは違う。むしろ文革に近い」つう話にしていることです。
 上に紹介した田畑の一文は「習近平毛沢東的個人崇拝を目指しており、トウ小平江沢民胡錦濤時代とは違う。今の中国の人権問題はトウ小平時代の天安門事件などとは違う。むしろ文革に近い」としか理解できないでしょう。なぜなら天安門事件について田畑は『文革への反省が失われた』云々とは書いていないからです。
 小生も田畑らが単に「中国の政治は人権上問題だ」といえば「まあ残念ながらそうだろうね」で済ますつもりでした。
 しかしろくな根拠もあげずに「天安門事件などとは今の習近平は違う」つう話にするのには全く賛同できません。
 基本、違いなど何らないでしょう。むしろ「トウ小平存命時」の「革命第一世代」トウの扱いの方が、習氏などよりよほど個人崇拝じゃないんですかね(もちろんトウにそれだけの実力やカリスマがあったこともまた事実ですが)。まあ、トウへの崇拝は毛沢東崇拝と同一視できるもんではありませんが。正直、こういう田畑やリベラル21のような非常識な連中には中国に限らず政治について何一つ語ってほしくないですね。浅井基文氏が嘆くように「安倍批判派を名乗る彼ら」の不当な中国非難は明らかに安倍改憲論をアシストしています。
 なお、「掲載拒否でしょうが」上の文は、田畑記事コメント欄に投稿しました。


■日経『中国「一帯一路」に誤算 親中政権の敗北相次ぐ』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36227760W8A001C1EA1000/

 親中派政権が倒れても「一帯一路」が頓挫するとは限らない。パキスタンでは7月の総選挙で与党が敗北したが、新政権も中国との関係を維持する。アジア各国はインフラ整備の資金需要が旺盛だ。

 そりゃ当たり前でしょう。汚職が理由で政権交代したマレーシアが典型ですが、何も政権交代は必ずしも一帯一路批判が理由ではありません。
 マスコミ報道によれば「一帯一路プロジェクトの中に採算がとれないものがある」との批判で政権交代したというモルジブにしても「中国との友好関係」を考えればそうそう簡単に「プロジェクトはやめます」ですむ話ではないでしょう。
 それにしても「反中国極右」産経じゃあるまいし、「経済紙」日経が一帯一路に否定的であるかのようなこういう記事を書く理由がさっぱりわかりません。


桜井よしこ「中国が世界各地で仕掛ける「債務の罠」 「第二のスリランカ」阻止への正念場だ」
https://yoshiko-sakurai.jp/2018/10/06/7672

 インド洋に浮かぶリゾートの島国、モルディブで9月23日、大統領選挙が行われ、親中派のアブドラ・ヤミーン氏が敗北した。野党統一候補のイブラヒム・モハメド・ソリ氏が58%の得票で勝利したことで、これまでの親中路線が修正される可能性が生まれた。それ自体、歓迎すべきことだが、多くの困難が待ち受けているだろう。
 前政権のヤミーン氏は2013年の大統領就任以降、いち早く一帯一路構想に賛同し、積極的に中国マネーを導入した。無謀なインフラ工事を進め、ヤミーン氏自身も腐敗の極みにあり、現時点で中国に対するモルディブの債務は20億ドルに上る。IMF国際通貨基金)の統計では同国のGDP(国内総生産)は四五億ドルで、対中債務はGDPの実に45%を占めている。
 モルディブが、「債務の罠」にはまったのは明らかで、モルディブ国民が今回の選挙で親中派を排除した最大の理由である。

 まあヤミーン前大統領と中国が進めたプロジェクトに「採算上問題があるもの」があるのならばそれは中止なり修正なりが当然されるべきでしょう。しかしおそらくそれ以上のこと、よしこらウヨが期待するような「反中国路線の採用」はないでしょう。経済大国中国と必要以上に対立することはモルジブにとって何らメリットがないからです。一方で中国としても政権交代した以上「採算がとれないから中止する(あるいは計画の修正を求める)」つうモルジブの要求を頭ごなしに蹴飛ばしたりはしないでしょう。落ち着くところに落ち着くでしょうね。

 スリランカでも、親中派政権が巨額の中国マネーを導入し、ハンバントタ港の大規模整備を進めた。国民は膨れ上がる債務と6.8%の高金利のもたらす悲劇を直感し、親中派を退けた。

 仮によしこの言うとおりだとしてそれは「採算がとれないプロジェクトが政権交代で中止の方向にある」という意味では確かに喜ばしいことですがそれ以上のことではないでしょう。スリランカがよしこが期待するような反中国路線を採用することはないでしょう。

 ダーウィン港は米海軍が定期的に寄港する軍港である。そこに隣接する広大な土地の99年間のリース権を、オーストラリアはなんと中国に許してしまったのだ。15年、中国が支払ったのはわずか約460億円である。

 何が「わずか460億円」なんでしょうか?。
 わずかというには「ダーウィン港を99年リースで借りるには本来ならこれだけの金額がかかる」つうことを示さない限り言える話ではありません。よしこはそうしたデータを何一つ提示していません。

 オーストラリア政府はこの取引を阻止せず、アメリカのオバマ政権(当時)は事後になるまでこの件について知らされていなかった。

 よしこが騒ぎ立てるような安保上の問題は存在しないとオーストラリア政府が思えば阻止もしないし、米国に知らせたりもしないでしょう。それだけの話です。

 独占的権利を得た中国は、米海軍が拠点とするこの軍港の大規模拡張計画を発表済みだ。

 誤読させる気満々のよしこですが、まあ、「港の大規模拡張計画」はともかく「軍港の拡張」はしないでしょうね。勝手に軍事施設を中国が増強するようなことはしないでしょう。そもそもこうなると本当に「ダーウィン港が米海軍が拠点とする軍港なのか」ということ自体に疑問を感じます。よしこが勝手に軍港と言ってるだけではないのか。あるいは軍港部分があるにせよ、さすがに「民間港部分だけ」がリースされたのではないのか。

 ジブチに対しても中国はすでに債務の罠を仕込んでいる。同国のGDPは20億ドルとされるが、そこに中国はアフリカ最大規模の自由貿易区を、35億ドルかけて建設したのだ。ジブチの辿るであろう運命はすでに明らかだ。

 よしこには「やれやれ」ですね。自由貿易地区ということはそこで商売がされるのでしょうにねえ。
 「債務の罠」呼ばわりするには「このジブチの計画は失敗することが今から確実」といえなければなりませんが、よしこはそんなことを証明できるんでしょうか?


■ボイス『石平&福島香織が進言 安倍総理、これはいっちゃダメ』
https://shuchi.php.co.jp/voice/detail/5613?
 石平などと対談して恥じないところまで劣化した福島です。産経を辞めない方がよかったと思います。それとも「こういうことをしたいから」産経を辞めたのか。


 対米外交や一帯一路の失敗を挽回するために、習近平はいま日本に泣きついています。

 という描き出し方がデマであることは言うまでもないでしょう。
 「中国だけでなく」日本にとっても一帯一路はビッグビジネスであり、だからこそ「安倍は5月に李首相を歓迎」しました。一帯一路がすべてバラ色と言ったら嘘ですが、「一帯一路は失敗している」などというのももちろん嘘です。
 「中国の対米外交」にしても何もトランプが無茶苦茶な敵対的行為をとってるのは中国だけではない。EU諸国やカナダ、日本相手にすら報復関税を発動してるわけです。他にも「エルドアン*10大統領が独裁的だと言ってトルコ制裁」「核開発問題でイラン制裁」などいろいろありますが。


 1989年の六・四天安門事件で中国が国際社会から孤立したとき、江沢民*11政権は天皇陛下の訪中を取り付け、各国の信頼を回復する突破口を見出しました。

 という描き方が極めて一面的であることは言うまでもないでしょう。日本も中国ビジネスで儲けたかったし、欧米諸国も中国ビジネスで儲けたかったわけです。


 そうやって国際社会との関係が改善すると、反日的姿勢に傾倒したのです。

 もちろん大嘘です。「中曽根*12、小泉*13、安倍首相の靖国参拝」「野田*14首相の尖閣国有化」など批判する理由がなければ中国は日本をもちろん批判しません。
 そもそも「天皇訪中」は宮沢内閣での出来事ですが、宮沢内閣なり、宮沢直後の細川内閣なりで一体どんな「反日的出来事」があったというのか。


 日本政府として「一帯一路を支持する」などということは、くれぐれも口にすべきではありません。
 もし日本が一帯一路に関わってしまうと、中国の片棒を担いだ存在として欧州やアジア諸国から批判の対象になってしまう。
 これは米中貿易戦争の当事者であるアメリカに対する裏切りにもつながり、日米同盟そのものを揺るがしかねない。

 と石が言ったところですでに安倍は一帯一路支持を表明しています。もはやそれは変わらないでしょう。そもそも多くの国(例:スリランカパキスタンなど)が一帯一路に参加してるのによくもまあ与太が飛ばせるもんです。
 例えば

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25464480Z00C18A1FF1000/
■日経『中仏首脳会談、一帯一路で協力、原子力分野も 』
 中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とフランスのマクロン*15大統領は9日、北京の人民大会堂で会談した。習主席が推進する巨大経済圏構想「一帯一路」に対してマクロン氏がフランスの参加を表明した。首脳会談にあわせて欧州航空機大手エアバスが中国工場の組み立て能力を増強するほか、核燃料サイクルなど原子力分野での協力でも合意した。
 マクロン氏の大統領としての訪中は昨年5月の就任後初めて。首脳会談では、包括的な戦略的パートナーシップの発展で合意。習氏が「一帯一路」での協力を呼びかけてマクロン氏が積極的に参加する考えを示した。マクロン氏は北京に先立って、一帯一路の拠点である陝西省西安市*16を8日に訪問し、一帯一路に積極的に参加する姿勢をアピールした。
 マクロン氏は企業経営者50人以上を連れて訪中。貿易赤字削減のために、中国企業エアバスの航空機を大量購入するとの見方も出たが、エアバスの中国工場の能力拡大にとどまった。中国ネット通販大手の京東集団は2年間で20億ユーロ(約2700億円)の仏製品を購入する計画を公表した。
 原子力分野では中国原発大手の中国広核集団と仏側が次世代技術や核燃料サイクル分野の連携強化で合意した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-05/PG3W156S972C01
ブルームバーグ『イタリア政府、中国の「一帯一路」構想に参加か−前政権から方針転換』
 経済発展省のジェラーチ次官はローマのオフィスで取材に応じ、イタリアが鉄道や航空・宇宙、文化などの分野で中国が提唱する広域経済圏構想「一帯一路」に参加することを盛り込んだ覚書の策定を両国が進めていることを明らかにした。
 ジェラーチ氏は「われわれの中国に対する姿勢は前政権とは極めて異なる。これまでのように同国を無視しようとはしていない」と述べた。

なんて記事を石や福島はどう理解するのか。「フランスやイタリアが参加を表明した構想」に日本が参加すると何で「アメリカに対する裏切り」になるのか。
 石や福島はこれらの記事がデマだとでも言うのか。はたまた「フランスとイタリアは米国を裏切った」というのか。まあ一番ありそうなのは、これらの記事を無視してだんまりでしょうが。

福島 
 すでにビジネスモデルとして破綻している一帯一路に対して、日本政府がどこまで本気で関与するのかは不透明な部分があり、気になるところです。
 現在、日本の一帯一路へのコミットの可能性として挙がっているのは、1つが日中の企業が共同参画するタイの鉄道計画、もう1つが日本政府とJICA(国際協力機構)が共同で取り組んでいる西アフリカ「成長の環」広域開発に中国も参加しようという計画です。

 「ビジネスモデルとして破綻してる」とはよくもデマが飛ばせるもんです。破綻してないからこそ日本が参加するんでしょうに。破綻してないからこそ「アフリカでの一帯一路をテーマにしたサミット(中国政府が北京で開催)」に大挙してアフリカの首脳がやってきたわけです。

福島
 安倍政権が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」は、明らかに一帯一路のカウンターパートであり、米国やオーストラリア、インドと連携して対中包囲網を築く試みです。
 これらの対中封じ込め策を講じながら、一帯一路において中国と協調する政権の意図はわかりかねます。これはたんなる中国を安心させるためのリップサービスなのか、それとも何か別の思惑があるのかを見極める必要があります。

 もちろん話は簡単です。安倍の思惑にオーストラリアやインドは応じず、「自民党の一大スポンサー」日本財界も「安倍先生、一帯一路で金儲けがしたいです!(スラムダンク風に)」ということで安倍が一帯一路支持にシフトチェンジしたに過ぎません。絶対に石や福島は認めたくないのでしょうが。
 しかし二階氏の訪中時点では彼に悪口していたくせに安倍が相手だとこれです(苦笑)。


 たしかに、安倍政権がいま何を考えているかは大事なポイントですが、中国に恩を売って日本のためになることはありません。中国は昔に受けた恩で将来の政策を決めるようなことは絶対にないからです。
福島
 いままで日本は、中国に何度も恩を売って失敗していますからね。

 おいおいですね。「中曽根、小泉、安倍首相の靖国参拝」「野田首相尖閣国有化」などといった「日本による中国挑発行為」をよくもなかったことにできるもんです。

福島
 習近平は2019年6月末に開かれるG20サミット首脳会議周辺の日程で訪日し、新しい陛下が即位されてから初めての国賓になりたいと考えているのではないか。

 意味がさっぱりわかりません。「2019年6月(もちろん新天皇即位後)」にG20サミットが日本であるとは無知なので知りませんでした。しかしそうしたサミットが日本であれば「中国に限らず」普通に考えてどこの国も国家元首(大統領など)や首相級を送り込んでくるでしょう。つうかサミットなのに国家元首や首相級が送り込まれなかったら開催国・日本のメンツが丸つぶれです。
 「新天皇の即位」など関係なく中国が「G20サミットに習主席を送り込むこと」はむしろ自然だし、日本にとって何ら悪いことではない。


■産経【正論】対中「幻滅」が世界で加速する 東洋学園大学教授・櫻田淳*17
https://www.sankei.com/column/news/181005/clm1810050004-n1.html
 というのはもちろんデマでしかありません。
 それは5月に訪日した李克強首相を安倍が歓待したこと一つとっても明白です。そして桜田も産経も故意にデマを垂れ流してることは明白です。


■産経『福田康夫元首相、南京事件「数の問題ではない」 群馬で講演』
https://www.sankei.com/politics/news/181005/plt1810050026-n1.html
 言ってることは当たり前のことです。例えば原爆投下や東京大空襲で死傷者数のことなど普通、云々しないわけですから。しかし、南京事件否定論に内心では共感してるデマ極右が現首相・安倍ですので、皮肉にも福田発言が光ってしまうわけです。


■産経『ダライ・ラマ、11月20日に国会内で講演 2年ぶり来日』
https://www.sankei.com/politics/news/181004/plt1810040019-n1.html

 安倍晋三首相は自民党が野党だった平成24年11月、議員有志が国会内で開いたダライ・ラマの講演会で党総裁としてあいさつし、チベットでの人権弾圧に関し「現状を変えていくため全力を尽くす」と訴えていた。
 首相就任後は、ダライ・ラマを招いた会合への出席を見合わせている。

 安倍のでたらめさがよくわかる一文です。こういうことをわざわざ書く産経も安倍に含むところがあるのでしょう。そしておそらく今回も安倍はダライに会わないでしょうね。まあ日中関係を考えたら会うべきではないですが。


■石平ツイート

石平がリツイート
・有本香
 日本ウイグル友好議連の最高顧問は安倍晋三。2008年来日した胡錦濤主席に中国で拘束されていた在日ウイグル人学者の解放を直談判したのも安倍氏

 「で、今、安倍はウイグルのために何かやってるんですか?。何もしてないですよね?」てことですよねえ(苦笑)。ちなみに直談判云々は、M谷N子女史やid:noharraも絶賛だったので「首相辞めたから無責任に放言してるだけじゃん?」といったらご両人とも、まあ大激怒でしたね。
 つうか有本や石はそんな昔のことより今安倍がウイグル関係でやってることをあげてみろと。たぶんないのでしょうが。
 ちなみにこの直談判の件についてはid:Bill_McCrearyさんも
安倍晋三が口先だけの男でなければ、首相だった時に胡錦濤に同じことを言っている
https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/cc419a0ee6f60979f2e29de949b3a81c
■ね、首相に復活したら安倍は動いてはくれないだろ(今後に期待?)
https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/c7fc57b318e56872b390dedcbcf5c0baという俺とほぼ同意見(安倍なんか信用に値するわけがない)の記事を書いています。まあ、一部のウヨ連中はともかく有本も石平も安倍について本気でこんなことを言ってるわけではないでしょうが。

石平太郎
 石平最新刊の「中国を「地獄」へ導く習近平の狂気」は昨日から発売。

・『中国の崩壊が始まった!』(共著、2008年、ワック文庫)なんて本を10年前から出してる男が又「中国崩壊するする詐欺」です。まともな人間にはまねできない行為です。つうか石の本を買う人間って何考えてるんですかね?。「だまされたがってる」のか。つうか本当に「中国批判なり中国敵視なりしたいなら*18」、現実を直視しなければ意味ないでしょうに。つまりは石も含めて「中国崩壊論を唱える詐欺師」はもはや
1)故意に嘘をついて金をだまし取る詐欺師か
2)現実を無視して気持ちよくオナニーしたいバカか
どっちかでしょう。どっちにしろ馬鹿げていますが。

石平太郎
‏ リテラが安倍改造内閣のことを「ほぼ全員ネトウヨ内閣」という。つまりネットで発信してもしなくても、左翼と主義主張が違うだけで「ネトウヨ」のレッテルを貼られる。

 もちろんそんなことはありません。「南京事件否定論」「河野談話否定論」「日本核武装論」「LGBT差別」「人種差別や民族差別」など「ネトウヨ的言動をするから」ネトウヨ内閣と呼ばれるわけです。
 単なる保守を誰もネトウヨとは呼ばない。
 過去の自民党政権、たとえば大平*19、三木*20、海部*21、宮沢*22、橋本*23、小渕*24などといった内閣はネトウヨ(あるいは極右)内閣呼ばわりされたか。そんな事実はないわけです。むしろ安倍批判派に「左翼」のレッテルを貼る石平の方こそデマです。
 安倍批判派のうち、例えば河野洋平*25枝野幸男*26などは左翼ではありませんのでね(例は河野氏や枝野氏でなくてもいいですが)。

 沖縄知事選で反基地派候補の当選以来、日本中の左翼はほとんど狂喜乱舞*27の状況である。安倍政権の6年間は彼らにとっての挫折感と悔しさの連続であって、成功体験によほど飢えているのであろう。しかしこれで左翼*28が日本全国で天下を取れるわけでもない。立憲民主党の支持率を見れば一目瞭然である。

 いやいや安倍を未だ下野させてないという意味では確かに挫折感や悔しさはありますが、野党共闘による成果は「沖縄県知事選での翁長候補勝利(もちろん不幸にも彼はがん死し、今回の選挙になったわけですが)」「新潟県知事選勝利(その後、性スキャンダルで知事が辞任し、後継が自民になるという悲劇はありましたが)」とかいろいろありますのでねえ。野党共闘に全く成果がないかのような石平の主張こそデマでしょう。
 つうか「沖縄県知事選勝利に限らず、誰だって勝てばうれしいし、負ければ悲しい」というだけの話で「沖縄で野党が勝ったことなんかたいしたことじゃない」といわずにはいられない石平らの方こそ「その屈辱感は相当のもん」でしょうね。
 つうかなんで自称「中国民主活動家」が「日本国内に広く支持者を広げること」ではなく「安倍自民のみを支持者にする(当然ながら「中国批判=安倍支持」ではありません)」というヘンテコなことをするかと言えば「中国に対する恨み辛みを晴らしたい&日本ウヨにこびて金儲けしたい」だけの話でしょうね。昔はともかく*29、今の石の脳内には中国民主化だの人権問題だのはかけらもないでしょう。そんなもんがあったらモリカケ疑惑なんか容認できるわけがない。

石平太郎がリツイート
・吉村洋文(大阪市長
 危機感がなければ、今後、世界各地に慰安婦像は広がるだろう。

 石のような「日本ウヨのオナペット」には心底呆れますね。中国民主化河野談話否定とどうつながるのか。まあ石のような輩が「民主活動家を詐称すること」は中国にとって非常にありがたいですよね。
 なお、慰安婦銅像が広がったのは「安倍政権誕生後」です。これが何を意味するかは言わずもがなでしょう。

 「日本は世界の恥」と仰る韓国出身の方*30はおられるが、中国出身の私の意見は正反対だ。ノーベル科学賞受賞者にしても韓国は0人、中国は1人、日本は22人、日本は世界に誇るべき素晴らしい国だ!

 いやだからな、「日本が恥ずかしい」つう時に話題にしてるのはそういうことじゃなくて

「崔順実疑惑で朴槿恵を失脚させた韓国がうらやましい、モリカケの安倍が居座ってる日本って一体何?」
「一帯一路とかAIIBとか仕掛けて成功させてる中国外交がうらやましい。それに比べてプーチンにこけにされる日本外交の現状が恥ずかしい」
「科学研究にふんだんに金使ってる中国がうらやましい(■NHK『科学技術強国・中国の躍進と日本の厳しい現実』https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0913.html参照)。それに比べて日本の現状が恥ずかしい」
南京事件否定論河野談話否定論に好意的な男が首相で恥ずかしい」

とかそういう話だろうが。
 科学技術がすごいから素晴らしいのならソ連だって素晴らしい国になるぞ?。お前だってそのくらいのことはわかってるだろうに。
 大体、日本は戦前(1945年以前)からの科学研究の蓄積があるから中韓と単純比較できないし。中韓は戦前は「中国=列強の侵略でそれどころじゃない」「韓国=日本が植民地支配」じゃん。
 むしろ「戦前=列強の侵略」「戦後=文革終了、改革開放開始まで政治混乱が続く(日本に比べ研究環境が悪い)」て状況でノーベル賞受賞者を出す中国は相当すごいと思うぞ。
 「ノーベル賞がー」ていったってそれ過去の遺産じゃん。無意味とは言わんが「科学技術に金かける中国、かけない日本」では今のままなら、いずれノーベル賞などの科学分野でも中国に抜かれると思うよ。


■日経『韓国の若者「日流」ブーム :日本の小説首位』
https://id.nikkei.com/lounge/auth/password/proxy/post_response.seam?cid=3890057

 東野圭吾氏の小説は韓国で人気が高く、大きな書店なら平積みで置かれている。この書店の場合は小説部門の上位15冊のうち同氏の小説が2冊を占める。だが、人気の日本人作家は1人ではない。9月1日時点で韓国人作家を含めてトップに立ったのは薬丸岳氏の著書「誓約」。小説以外を含めた全部門でも1位だ。他にも複数の日本の小説がランクインしている。
 人気なのは日本の小説だけではない。日本政府観光局によると、17年の韓国人の訪日観光客は714万人。前年より4割増え、国別で首位の中国(735万人)に迫った。

 すぐ下にも書きましたが「日本政治と日本文化は別もん」ですからねえ。むしろある意味、当然の話です。
 例えば「韓国人海外旅行先首位の中国」について「中国政治を手放しで韓国民が評価してるか」といったらそんなことはないでしょう。

 映画など日本の大衆文化は1998年まで国内公開が禁じられていた。

 正確には「公式には禁じられていた」です。実際には海賊版が横行し、禁止措置は有名無実になっていたと言います。
 ちなみに1998年に正式公開に踏み切ったのが金大中政権であり、このこと一つとってもウヨの金氏への反日呼ばわりは言いがかりです。

 文化レベルで双方を理解する動きがさらに広がれば、悪化しがちな外交関係にも好影響を及ぼすと期待される。

 「日本政治と日本文化は別もん」ですからねえ。文化交流は悪いことではないが、そんなわけにいかないでしょう。まずは「内心は河野談話否定論であることがモロバレ」「靖国参拝玉串料奉納を実施する」など「日韓関係悪化の最大の元凶」安倍を下野させること、それが大事なことです。政権交代で枝野首相ならもちろんのこと、石破や岸田が首相ならまだ今よりはましでしょう。


■日経『「政府」と「人」区別する中国人』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36096940T01C18A0FFJ000/
 まあ民主国家においては「国民の一定の支持がないと政権運営できない」ので全くの別物とまでは言えませんが「日本人皆が安倍支持ではない」「米国人皆がトランプ支持ではない」わけです。
 まあ、中国人に限らずまともな人間は「政府と人(あるいは文化や工業製品など)」は区別するでしょう。
 たとえば「トランプが嫌いであること、評価しないこと」は「ジャズやディズニー映画などの米国文化の好き嫌い」とは別だし、「安倍が嫌いであること、評価しないこと」は「ドラえもんAKB48といった日本文化(?)の好き嫌い」とは別の訳です。大体我々日本人だって「中国共産党をどう評価するにせよ」中国には100円ショップなどでお世話になってるわけです。餃子やチャーハン、麻雀やカンフー映画など日本に定着した中国文化(?)もたくさんある。
 id:Bill_McCrearyさんが

https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/6fd3697339158aa0d9a779362a31bfcc
 ある国の政府や政策に批判的であることと、その国の工業製品を使用したり、文化(映画、絵画、文学、音楽、アニメーションのような創作物、建物、自然、歴史、食品その他いろいろありますわな)に親しんだりすることは、話の次元が違います。ベトナム戦争の時代だって、米国のベトナム撤退を叫ぶ学生だって、サリンジャーなどの米国文学を読むし、コカコーラは飲むし、米国のロックやフォークを聞いたし、米国映画も見たし、あるいはヒッピー文化にあこがれたわけです。ある国に批判的である=その国のあらゆるものを否定してその国の工業製品も使わない、なんて話ではない。
 別に話は米国に限りません。英国やフランスを私は、その歴史において民主主義に関して果たした役割を大いに評価しますし、この2国は大好きです。しかしそれは、これらの国々の植民地での行状を批判しないというものではないし、また核兵器保有などを支持するわけではない。私は英文学もフランス文学も大好きだし、ブリティッシュロックやフランスのシャンソンも好きだし、英国映画もフランス映画も大好きです。しかしそれは、たとえばフランスのアルジェリア戦争を支持するわけではない。当たり前ですが、アルジェリア戦争を推し進めた政治家や支持した人より、それに反対したフランス人のほうを支持します。
 これは米国だって同じです。ベトナム戦争を推し進めた米国人より、それに反対する米国人を支持するし、米国で差別をしている人よりは、それに反対する公民権活動家のほうが支持できます。そう考えれば、トランプやクルーズやルビオよりは、ヒラリー・クリントン*31バーニー・サンダースのほうが支持するに値すると私には考えられるわけです。日本だって、産経よりは、その他の日本人を韓国人だって支持するし、韓国の慰安婦のために動いてくれている日本人を「日本人だから」というので批判したら、それは話が違うだろうと考えて、私としてはその批判する人を批判することになるわけです。

と書いているとおりです。


東京新聞『中国とバチカン 誰のための歩み寄りか』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018100202000137.html
 東京新聞ですらこんな記事かとがっかりです。誰のためって、中国国内のカトリック信者のために決まってるでしょうよ。

 イスラム教徒が大半を占める少数民族ウイグル族や、中国が「分裂主義者」と批判するダライ・ラマ十四世を敬慕するチベット族への人権侵害や迫害も続く。

 そんなもんぶっちゃけカトリックにとってはどうでもいいことでしょう。カトリックは「何でもかなえてくれる正義の味方」じゃない。


■中国とバチカン接近であおりを食う台湾:中台双方と正式な“国交”樹立に期待の声も(福島香織https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/100200177/?P=1
 中台双方と福島が言うのはもはや「中国との国交樹立が不可避」と見てるからでしょう。

 かりにカトリック地下教会に対してだけ迫害を緩和しても、ウイグルムスリムチベット仏教に対する迫害、あるいはその他の民族や宗教に対する迫害、差別が継続することを黙認してよいのか。

 おいおいですね。なんでカトリックがそんなもんにまで責任を求められないといけないのか。特にイスラムなんてもんはそれこそ「イラン、イラク、サウジ、トルコなど中東のイスラム国」にでも責任を求めるべきでしょう。

 バチカンが、もし中台双方と正式な“国交”をもつ最初の国として存在できれば、それこそバチカンにしかできない突破口を開いたといえるはずだ。

 そんなことは現実問題無理でしょう。そして仮にそうなったとして欧米や日本などが同じことをするわけもない。


■産経【主張】バチカンと中国 強権との妥協を懸念する
https://www.sankei.com/column/news/181002/clm1810020002-n1.html
 まあ産経がそんなこと言ったところでバチカンは中国と和解する方向に進むでしょう。
 理由は簡単で「中国といつまでも対立してたら」、かえってカトリック信者の立場が悪くなるからです。
 「地下教会」とやらを「地上に引き上げるため」にはどうしても和解するほかないでしょう。バチカンにとっては、従って「地下教会を引き上げることが難しければ」和解はできないでしょうね。信者への手前、それが最低条件でしょう。

 カトリックの●品梅(きょう・ひんばい)枢機卿は、中国共産党に抗(あらが)う「反革命集団」の首謀者として、約30年も投獄された。

 ウィキペディアによれば彼は1950年生まれ。投獄された期間は「1955〜1985年(なお、毛沢東が死去し四人組の逮捕で文革が終了したのが1976年です)」。彼が枢機卿に任命されたのが投獄中の1979年(当時のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世)。
 1985年に釈放され、軟禁状態に置かれ、1988年には「心臓病治療」を理由に米国に事実上、亡命。
 1991年に正式にローマ教皇(法王)から枢機卿任命の儀式(ビレッタ帽子なる帽子を授与するそうです)を受け、2000年に死去しました。
 俺的に重要なところは1985年の釈放と、1988年の亡命ですね。中国とて「不十分なところが大いになる」とはいえ、ずーっと投獄し続けるほど乱暴でもないわけです。

 中国が過去の対立に蓋をして、バチカンとの歩み寄りを図ったのは、国家でもあるバチカンと外交関係を結んできた台湾を国際的孤立に追い込む狙いもある。
 蔡英文政権の発足後、台湾は中国の圧力ですでに5カ国*32と断交に追い込まれた。
 苦境にある台湾との関係を断って、強権と手を結ぶのだろうか。バチカンには、自らの振る舞いが国際情勢にも大きく影響することを自覚してもらいたい。

 結局のところ人権なんて産経にとってはどうでもいいわけです。バチカンが中国と和解すれば「台湾との断交、中国との国交樹立」に拍車がかかることを恐れてるわけです。ただ「バチカンとの和解」に影響がないとは言いませんが、もはや台湾と国交がある国は、バチカン以外では

オセアニア
 キリバスソロモン諸島、ツバル、パラオマーシャル諸島ナウル
・アフリカ:
 スワジランド
ラテンアメリカ
 グアテマラ、セントクリストファー・ネービス、セントビンセントおよびグレナディーン諸島ニカラグア、ハイチ、パラグアイベリーズホンジュラスセントルシア

だけですからね。正直、大きな流れはすでに決まってしまったわけです。


西日本新聞『ある中国研究者の憂い』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/reading_oblique/article/453735/

 中国に関する書籍をネットで買おうと検索していて気付いたことがある。タイトルに中国の「崩壊」をうたった本が、やたらと多いのだ。題名だけ目で追っていけば、まるで中国の経済や社会は明日にでも崩壊しそうな気がしてくる。
 しかし、発行された年をチェックすると、10年前とか5年前とかに出版された本が結構あるではないか。おいおい、それから随分たってるけど、崩壊してないぞ! ノストラダムスの大予言かい!とパソコン画面に突っ込みたくなる。
 ただ、現在も書店にこの種の「中国崩壊本」が並んでいるところをみれば「崩壊本」には一定の需要があるようだ。その辺の事情を中国研究者で拓殖大学教授の富坂聰*33さんに聞いた。
■記者
 中国経済、崩壊しますか?
■富坂
 私も2012年までは中国がかなり大変な状況にあるとの見立てをしていました。しかし現在は、たとえ中国経済が2〜3年停滞するような事態が起きたとしても、崩壊はしないとみています。ハイテク化の中、中国が世界で一定のポジションを取っていくことができれば、中国の成長はかなり長く続くでしょう。
■記者
 なぜこんなに「中国の崩壊」をうたった本が出ているのでしょうか。
■富坂
 一言で表現すれば、日本人の願望ですね。自分たちが中国より(ボーガス注:経済力などで)上、という意識があるため、現実の中国の台頭を認めたくない。(ボーガス注:中国が日本より経済力などで上かもしれないという)嫌な現実を受け入れるより、ファンタジーとしての中国崩壊論を読んでいたい*34、という心理ではないでしょうか。中国は広い国なので、ありとあらゆる材料がある。その材料をうまく使えば、中国が崩壊するという本も、10年後に中国が世界一になるという本も、すぐに書くことができます。
 実は私も二つの出版社から『中国が今すぐ崩壊するという本を書いてくれ』と頼まれたことがあります。『むしろ逆ですよ』というと引かれましたけど。
 富坂さんは、中国やアジア諸国に対する日本人のこうした負の感情が、政府の外交方針にまで影響を与えるのではないか−と憂慮している。
 「外交が大衆の熱狂にさらされると政府が引きずられる。外交が大衆化すると判断が単純化し、イエスかノーかになってしまう」
 「感情で国際情勢を分析してはいけない。『いいか悪いか』ではなく『わが国にとって得になるか損になるか』で判断する。政治家は、どちらに転んでも大けがをしない、という外交を追求すべきなのです」
 これから日本が中国と共存共栄を目指すにしろ、ライバルとして競うにしろ、その強さと弱さをトータルに分析することが戦略の前提となる。強みから目をそらし、弱点だけを繰り返し読んで喜んでいるようでは判断を誤りかねない。
 富坂さんはこうした問題意識から今年5月、「感情的になる前に知らないと恥ずかしい中国・韓国・北朝鮮Q&A」*35という初心者向けの解説書を出した。先日、近所の書店に行ったら「崩壊本」に挟まれるように並べてあった。「健闘を祈る」と書棚に声をかけた。

 まあ、河添恵子、石平、福島香織三橋貴明宮崎正弘など「日本ウヨの中国崩壊論」に対する批判ですね。
 「中国崩壊」でググる

■宇田川敬介
・『2014年、中国は崩壊する』(2012年、扶桑社新書)
■川島博之*36
・『データで読み解く中国経済:やがて中国の失速がはじまる』(2012年、東洋経済新報社
・『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』(2017年、講談社プラスアルファ新書)
河添恵子
・『中国崩壊カウントダウン』(2013年、明成社
■渋谷司
・『中国高官が祖国を捨てる日:中国が崩壊する時、世界は震撼する』(2013年、経済界新書)
・『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(2017年、電波社)
■石平
・『中国の崩壊が始まった!』(共著、2008年、ワック文庫)
・『中国のメディアが語る中国経済崩壊の現場』(2009年、海竜社)
・『中国崩壊カウントダウン』(2014年、宝島社)
・『世界征服を夢見る嫌われ者国家 中国の狂気:習近平体制崩壊前夜』(2014年、ビジネス社)
・『日本に敗れ世界から排除される中国』(黄文雄*37との共著、2014年、徳間書店
・『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』(2015年、徳間書店
・『「死に体」中国の宿命』(2015年、宝島SUGOI文庫)
・『これから始まる中国の本当の悪夢:習近平に迫る経済壊滅、政権分裂、国内大乱』(黄文雄との共著、2015年、徳間書店
・『日本・インドの戦略包囲網で憤死する中国』(ペマ・ギャルポ*38との共著、2016年、徳間書店
・『中国バブル崩壊の全内幕:2017年、習近平は失脚する』(宮崎正弘福島香織との共著、2016年、宝島社)
・『習近平の終身独裁で始まる中国の大暗黒時代』(2017年、徳間書店
・『アメリカの本気を見誤り、中国を「地獄」へ導く習近平の狂気』(2018年、ビジネス社)
長谷川慶太郎
・『中国大分裂:改革開放路線の終焉と反動』(2012年、実業之日本社
・『破綻する中国、繁栄する日本』(2014年、実業之日本社
・『中国崩壊前夜:北朝鮮は韓国に統合される』(2014年、東洋経済新報社
福島香織
・『赤い帝国・中国が滅びる日』(2016年、ベストセラーズ
・『「中国の悪夢」を習近平が準備する』(2017年、徳間書店
三橋貴明
・『中国崩壊後の世界』(2015年、小学館新書)
宮崎正弘
・『中国大分裂:日本を襲う恐怖の衝撃波』(1995年、ネスコ)
・『人民元大崩壊:中国発「世界連鎖恐慌」の衝撃』(1998年、徳間書店
・『瀕死の中国』(2005年、阪急コミュニケーションズ*39
・『中国瓦解:こうして中国は自滅する』(2006年、阪急コミュニケーションズ)
・『中国から日本企業は撤退せよ』(2006年、阪急コミュニケーションズ)
・『中国は猛毒を撒きちらして自滅する:全世界バブル崩壊の引き金を引くのも中国』(2007年、徳間書店
・『崩壊する中国逃げ遅れる日本:北京五輪後に始まる戦慄のシナリオ』(2008年、KKベストセラーズ
・『北京五輪後、中国はどうなる?:中国崩壊これだけの理由』(2008年、並木書房)
・『上海バブルは崩壊する:ゆがんだ中国資本主義の正体』(2010年、清流出版)
・『中東民主化ドミノは中国に飛び火する』(2011年、双葉新書)
・『中国が世界経済を破綻させる』(2012年、清流出版)
・『中国バブル崩壊が始まった』(2013年、海竜社)
・『「中国の時代」は終わった』(2014年、海竜社)
・『中国壊死:百年変わらない腐敗の末路』(宮脇淳子との共著、2015年、ビジネス社)
・『「アジアインフラ投資銀行」の凄惨な末路』(2015年、PHP研究所
・『「中国の終わり」にいよいよ備え始めた世界』(2015年、徳間書店
・『中国崩壊で日本はこうなる』(共著、2015年、李白社)
・『暴走する中国が世界を終わらせる』(福島香織との共著、2016年、ビジネス社)
・『中国経済はどこまで死んだか:中国バブル崩壊後の真実』(田村秀男*40らとの共著、2016年、産経新聞出版
・『習近平の独裁強化で世界から徹底的に排除され始めた中国』(2017年、徳間書店
・『米国混乱の隙に覇権を狙う中国は必ず滅ぼされる』(2017年、徳間書店
・『米中貿易戦争で始まった中国の破滅』(2018年、徳間書店
・『習近平の死角:独裁皇帝は間違いなく中国を自滅させる』(2018年、扶桑社)

などという中国崩壊本が過去に出てることがわかるわけです。特に酷いのが宮崎で「20年前(1998年)からずっと中国崩壊本」ですからねえ。「お前絶対に嘘だとわかってやってるだろ」ですね。
 正直、馬鹿馬鹿しい気もしますが「富坂でなくても誰でもいいですが」誰かが「中国崩壊なんて嘘だ」という批判をしていく必要があるのでしょう。
 富坂は中国に敵対的なウヨではあるものの一定の常識があるので石平や宮崎らほど酷いデマ「中国崩壊論」を飛ばさないわけです。つうか、富坂も言っていますが、「中国と対決したい」ならそれこそ、「中国の台頭」という現実を直視する必要があるわけですが(もちろん敵対だけでなく、友好関係を築くにせよ何にせよ中国と付き合うには実態を把握する必要があります。これは中国に限らず他の外国も同じですが)。
 なお、こうした日本人の「中国への差別意識」については浅井基文氏もご自分のブログ(http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/index.html)で指摘しているところです。


■産経『インドで完成間近、独立功労者の巨大像 世界一の高さ実現も…工事を中国企業が担当、野党が批判』
https://www.sankei.com/world/news/180930/wor1809300008-n1.html

・インド西部グジャラート州で来月、高さ182メートルの世界最大の像が完成する。インド独立の功労者の像で、モディ*41首相自らが建築を提唱した。
・像はインド初代内相、サルダル・パテルのもの。パテルは、マハトマ・ガンジーの右腕として活躍し、英領からの独立時に各地の藩王国が見せた分離独立の動きを収束させた。その手腕から「インドのビスマルク」とも称される。
 パテルを敬愛するモディ氏が州首相時代に像の建造を計画し、2013年10月に工事が開始。総工費約300億ルピー(約470億円)が投じられ、今年10月末に除幕式が行われる予定だ。
 だが、英字紙インディアン・エクスプレスなどによると、工事を請け負ったインド企業が、銅で表面を覆う作業などを中国の業者に外注。中国人労働者が建設作業に従事している。
 野党・国民会議派ラフル・ガンジー総裁は27日、「像は中国製であり、パテルへの侮辱だ」と発言。与党・インド人民党(BJP)は、パテルが国民会議派所属だったことを指摘し、「世界一のパテルの像が建つことを誇りに思うべきだ」と反発。舌戦は今後も続きそうだ。

 まあ産経記事が事実なら国民会議派には呆れてものが言えませんね。中国企業銅像造りに関与すると何で「パテルへの侮辱」になるのか?
 馬鹿げた反中国の扇動も大概にしてほしいですね。どうせモディ政権を批判するのなら「300億ルピーもかけて高さ182メートルの銅像を造るよりもっとやるべきことがあるはずだ。生活困窮者の支援とか」とでも言ってほしいもんです。正直俺がインド国民なら、特に「貧乏なインド国民なら」、『そんなもんに金を使うな!。ふざけんな!』てマジギレですよ。
 ちなみに反北朝鮮ウヨの皆さんが「無駄にでかい」「金の無駄遣い」という金日成銅像の高さはネットによれば「たった*4221メートル」。
 モディ政権が立てる予定の銅像は高さが182メートルで「金日成銅像(高さ約21メートル)」の約9倍あるわけで相当のビッグサイズです。
 ちなみにネットで調べたら、鎌倉の大仏が高さ約13メートル、奈良の大仏が高さ約15メートル、米国・自由の女神像が高さ約93メートル、観光目的でつくられた茨城県牛久の大仏が高さ約120メートルだそうです。
 「今年10月末除幕式」ですから9月末の現在、ほぼ完成してるわけです。
 やはり北朝鮮に「金日成銅像なんて無駄にでかいもの立てるな。金の無駄だ」といった方々はモディ政権にも「無駄なもん立てるな、300億ルピーも使ってんじゃねえよ」と批判するんでしょうか?。
 はたまた「北朝鮮は独裁だけどインドは民主主義だからオーケー。日本で『明治150年だから』といってそんな西郷隆盛のビッグサイズ銅像を建てるとか政府が言い出したら『金の無駄遣いだ』と批判するけど、インド国民が納得してるならいいんじゃね?」とか言い出すのか。


■人民日報『在日本中国大使館が東京で国慶*43レセプション』
http://j.people.com.cn/n3/2018/0928/c94473-9504663.html

・在日本中国大使館は東京のホテルニューオータニで27日、中華人民共和国成立69周年及び中日平和友好条約締結40周年を祝う国慶節レセプションを開いた。同レセプションには、在日本中国大使館の程永華*44大使、林芳正*45文部科学大臣中根一幸*46外務副大臣福田康夫*47元首相など、各界の代表者らが出席した。
日中友好議員連盟会長、文部科学大臣林芳正氏は挨拶で、「昨年の同レセプションには安倍*48首相が出席し、今後の日中関係における大きな方針を打ち出したことで、両国間の関係に春の兆しが見え始めた。私は今年、栗戦書*49全人代常務委員会委員長と会見を行い、ハルビン*50で行われた日中韓文化大臣会合にも出席した。中国を訪れるたびに、様々な分野での交流が熱を帯び、幅広く行われていることを実感している。今や日中だけの友好関係を築く時代ではない。アジア・世界諸国の繁栄のため、互いにリーダーとしての責任を果たし、日中関係を良くしていく必要がある。それがアジア太平洋全体にとっての公共財にもなる。程大使が述べたように、日中関係には春が訪れてきている。これからは、春から夏に向かって、日中関係が熱くなっていくことを願っている」とした。
中根一幸外務副大臣は挨拶で、「40年前、当時の福田赳夫*51首相、トウ小平*52副総理が日中平和友好条約の批准書を交換した。この歳月の中で、日中関係は飛躍的な発展を遂げた。40年前に年間4万人だった両国間の人の往来は、現在ではわずか2日間で4万人を超えるようになった。また、日中貿易総額はその間、60倍にも増大した。日中両国は今や世界の第2、第3の経済大国であり、世界の平和と繁栄に欠くことのできない大きな責任を共有しており、日中間の緊密でハイレベルな意思疎通がますます重要になってきている。昨今、日中関係の発展の勢いが増してきており、李克強*53総理の日本公式訪問で、日中関係は正常な軌道に戻った。ウラジオストクでは安倍首相と習近平*54国家主席の間で、日中関係をさらに前進させるという決意が共有された。これを日中関係のさらなる前進のための好機としたい。その後、習近平国家主席を日本にお招きしたいと考えている」と述べた。
・最後に、福田康夫元首相が乾杯の音頭を取り、国慶節の到来を祝い、日中関係のますますの発展を祈った。

 ということで産経らウヨ連中の希望とは逆に動く安倍政権です。


■浅井基文*55ブログ『中国の対台湾政策:高林俊之氏の批判に答える』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1065.html

 知り合いの方から、高林俊之氏の浅井批判の文章が同氏のブログに載っているという紹介とそのURLを教えていただきました。私は高林氏を存じ上げないのですが、私のコラムの文章「当代随一のならず者国家アメリカ」と中国・エルサルバドル国交樹立」(8月25日、http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1054.html)を読まれて、中国の対台湾政策に関する私の評価は「中国共産党体制の外交や国際問題認識に対する批判的見識が乏しい、というより、いささか同調し過ぎる」という批判を行われていることを知りました。

 できれば高林氏ブログのURLを記載してほしかったところです。とはいえ「要約ではなく」、正確な引用をされているらしいところは「引用もせずに要約だけで浅井氏批判を行った阿部治平」よりはずっとましです。
 とはいえ「高林記事について浅井氏が不当な省略やねつ造(正当な理由のない加筆訂正)をしていない」ということを簡単に証明するためにも、やはりURLは記載してほしかったとは思います。なお、小生は「高林俊之」でググりましたがヒットしませんでした。以下、浅井氏の高林記事引用が正確だという前提で話をします。

 浅井基文氏はたいへん見識と良識のある元外交官であり学識者で、氏の著述からは学ぶところが非常に多い。特にDPRK外交や同国を取り巻く情勢に対する非常に客観的な見方は、今の日本において大いに必要とされるものだと思っている

 浅井氏引用のこの高林文章からは彼が「ウヨではないらしい」ことがわかります。
 ウヨから「北朝鮮擁護」と時に非難される浅井氏の文章を評価する人はウヨではないでしょう。
 さて以下は高林記事の引用はせずに浅井氏の反論の主要部分のみ掲載します。高林記事が読みたい方が浅井氏の記事に全文引用されてるようなので、確かめてください。なお俺個人は浅井氏に概ね同感であり、高林氏には同意しません。

 高林氏は、私が「公営メディアの論調を引用されることが非常に多い」ということ(それはその通りです)を「欠点」として見ておられます。その一方で高林氏は、私の「DPRK(朝鮮)外交や同国を取り巻く情勢に対する非常に客観的な見方」については高く評価してくださっています。 しかし、指摘しておく必要があるのは、私の朝鮮に関する「客観的な見方」と高林氏が高く評価してくださる分析も、朝鮮中央通信の報道(日本語)を丹念にフォローすることに基づくものなのです(私は広島時代に朝鮮語を習得したいと一念発起したのですが、数回にわたる憩室炎による入院で挫折)。
 私が外務省時代に習得した最大の確信は、中国の公開された様々な文章を丹念に読み込むことを通じて中国の実像を、その内面から理解し、把握することができるし、また、そうしなければならない(つまり他者感覚を駆使して理解することに努める)ということです。私はその確信(他者感覚)に基づいて朝鮮についてもコツコツとフォローしてきました。私は朝鮮問題の専門家ではありませんが、朝鮮中央通信(日本語)というまったく限られた情報源でも、これを時系列的にフォローすることで浮かび上がってくる傾向・変化を「眼光紙背に徹する」意気込みを持続することによって読み解くことを通じて、1990年代以後の朝鮮外交をかなり正確に捉えてきたという自負があります。中国と朝鮮の公式報道に等しく拠りながら、一方(朝鮮)については客観的な見方をしており、他方(中国)については「中国共産党体制の外交や国際問題認識に対する批判的見識が乏しい、というより、いささか同調し過ぎる」という評価になるというのは、私からすれば理解できないことです。

 確かに「小生にも理解しがたいこと」です。
 これを理解しようとするならば
1)高林氏が北朝鮮びいきでアンチ中国
2)中国の公式情報は自画自賛だが、北朝鮮の公式情報は客観中立
のどちらかでしょう。普通に考えれば1)ですが。

 まず事実関係として指摘しなければならないことは、「民進党政権は(台湾世論の大勢が「中華民国在台湾」の現状維持を支持していることを承けて)少なくとも公式には「チャイニーズ・タイペイ」として国際的なフォーラムや競技会に参加する現状の変更を求めていない」という高林氏の指摘には巧みな表現による重要な事実への言及回避があるということです。つまり、「少なくとも公式には‥現状の変更を求めていない」という言い回しです。すなわち、そういう表現をとることによって、中台関係のあり方に関する蔡英文の核心的主張については立ち入っていないのです。蔡英文の主張について詳しく立ち入って紹介する余裕はここではありません(トランプ政権になってから、特に今年に入ってからの事実関係については、高林氏の批判に触発されて、これまでの中国政府および主要論調を整理する作業を進めていますので、近い将来に紹介するつもりです)が、ここではとりあえず、Wikipedia(ボーガス注:「九二共識」)の記述を紹介することで代えます。Wikipediaの記述は時に不正確ですが、次の叙述部分は、大筋の事実関係において間違っていません。つまり、蔡英文の中台関係のあり方に関する主張は、「一つの中国」原則(の代名詞である「九二共識」)を認めないことに最大の問題があるということです。高林氏はその点を巧みに回避しているのです。しかし、まさにその点において、中国は蔡英文政権に対して強い警戒感を持たざるを得ないという根本的な問題があります。

ウィキペディア「九二共識」
 1980年代後半に中台間の民間交流が一部解禁されたのに伴い、1991年に中台双方が民間の形式で窓口機関を設立(中国側:海峡両岸関係協会、台湾側:海峡交流基金会)、当局間の実務交渉が始まった。当初、中国側は「一つの中国」原則を協議事項に入れるよう強く要求したが、台湾側は「中国とは中華民国である」とする立場を譲らず拒否した。しかし、1992年の香港協議を通じて「一つの中国」原則を堅持しつつ、その解釈権を中台双方が留保する(いわゆる一中各表)という内容で口頭の合意が成立したという。これが九二共識といわれるものである。(中略)
 「九二共識」肯定派の連戦*56国民党主席が2005年4月29日、胡錦涛*57共産党総書記との国共トップ会談を行い、両党の合意事項として初めて「九二共識」の文言が明記された(ただし「一中各表」は盛り込まれなかった)。民進党政権下の行政院大陸委員会は、「九二共識」は存在しないとの公式見解を発表したが、国民党は当時の双方のやりとりの中に合意が存在したことがうかがえる資料が存在するなどと主張して「九二共識」を党の政治綱領に盛り込んだ。
 さらに、2008年総統選を経て政権を奪回した国民党の馬英九総統が「九二共識」を基礎に中台関係を促進すると方針を決定した。 (中略)
 2012年総統選に出馬した民主進歩党主席・蔡英文は、「九二共識」の存在を認めないとする従来の党見解を継承し、これに代わる「台湾コンセンサス」(台湾共識)の国内法制化を目指すと表明した。馬英九は「台湾コンセンサスの中身が明らかでない」「九二共識を基礎としてきた協議は進められなくなり、両岸関係は再び不安定になる」などと批判している。蔡は2016年総統選の選挙戦で「九二共識」は唯一の選択肢ではないと主張、当選を果たしている。

 蔡英文が「河野談話堅持を一応口にしながら実際には否定したがってることが見え透いてる安倍」同様、「独立宣言しないと言いながら実際には独立宣言したがってる疑いが濃厚」なことを無視し、建前論で「蔡英文は独立宣言しないと言ってるのに中国が過剰に攻撃している」という高林氏は蔡英文の実態をゆがめていると批判する浅井氏です。
 なお、92年コンセンサス(九二共識)の扱いは日本の「尖閣棚上げ合意」に似ています。
 「そういう合意があることは間違いない」のに「口頭合意にとどめ明確な文書化しなかったこと」を口実にそれを反故にしたい連中(安倍や蔡英文)が「そんなもんはない。あるなら文書があるはずだ」と強弁し、「お互いのことを考えて文書化しなかっただけだろうが!。ふざけんな!」と中国を憤激させ、中国との関係を悪くするというパターンです。

 蔡英文政権が「一つの中国」原則を守ると公に約束さえすれば、中国は蔡英文政権に対する「いじめ」をやめることを私は確言できます。
 高林氏は「蔡英文政権が発足して以後、中国の台湾に対する圧迫はいささか常軌を逸していると言わざるを得ない」と主張されますが、中国のこのような「圧迫」(高林氏)とも映る行動は、蔡英文の政治主張+特に今年に入ってからのトランプ政権の国際法・ルール破りによる「一つの中国」原則に対する公然とした挑戦に直面して余儀なくされた、「一つの中国」原則を防衛するための防戦的対応であるというのが事実です。
 以上が私の高林氏の批判に対する回答です。

 馬英九*58前政権時には「圧迫などなかったこと」を軽視する高林氏を批判する浅井氏です。蔡英文の外交失政(中国への挑発的行為)こそがこうした事態を招いてるのであり、中国を一方的に非難するのは浅井氏が言うように明らかに不当でしょう。

 私が外務省派遣の語学留学で1963年に行ったのが台湾でしたが、台湾の中にある「親日」感情は、実は台湾解放時に渡ってきた国民党軍があまりにひどかったので、「植民地時代の方がマシだった」という受け止めの裏返しに過ぎないことを、私は知ったのでした。

 「浅井氏以外からも指摘されることですが」まあ、そうなんでしょうね。
 なお、今の台湾の「親日」はそうした反感だけでなく「中国と対決して台湾についてくれるのは今や日本では反中国極右しかない」「反中国極右を気持ちよくするためには親日アピールが大事」つうことでしょう。

*1:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相などを経て首相

*2:劉少奇の妻

*3:劉少奇の長男。鄭州市副市長、河南省副省長、中国人民解放軍軍事科学院政治委員、中国人民解放軍総後勤部政治委員など歴任

*4:文脈から見て、国民党と日本軍の戦いのことか?

*5:著書『中国を知る』(1990年、岩波ジュニア新書)、『トウ小平の遺産』(1995年、岩波新書)など

*6:中国共産党主席

*7:副首相、中国共産党副主席、人民解放軍総参謀長などを経て国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*8:電子工業大臣、上海市長・党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*9:共青団中央書記処第一書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*10:イスタンブル市長、首相を経て大統領

*11:電子工業大臣、上海市長・党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*12:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官を経て首相

*13:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*14:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)を歴任

*15:オランド政権経済相を経て大統領

*16:陝西省省都

*17:著書『国家の役割とは何か』(2004年、ちくま新書)、『「常識」としての保守主義』(2012年、新潮新書)など

*18:まあ中国批判、中国敵視でなく、中国との友好関係構築だって何だって同じですが

*19:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*20:片山内閣逓信相、鳩山内閣運輸相、岸内閣科学技術庁長官(経済企画庁長官兼務)、池田内閣科学技術庁長官、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官などを経て首相

*21:福田、中曽根内閣文相を経て首相

*22:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*23:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相

*24:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相を経て首相

*25:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*26:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)を経て立憲民主党代表

*27:喜んではいるでしょうが狂喜乱舞というほどか。むしろそういうことを言わずにはいられない石の方が「ショックは大きい」のでしょう。

*28:そもそも反安倍や反基地は必ずしも左翼ではない。翁長氏(自民出身)やデニー氏(自由党出身)は左翼ではないし、デニー氏の得票から今回「自民支持層の一部が彼に票を投じたこと」は間違いないでしょう。また、立憲民主党リベラル保守ではあっても到底左翼とは呼べないでしょう。代表の枝野氏は日本新党出身ですし、ご本人、「大平正芳が理想」だそうですから。つうか「少なくともモリカケ疑惑発覚以降」はもはや安倍批判は「左翼だ右翼だ」ではなく「不正を容認するか批判するか」という話ですが。

*29:昔も今も石は同じ(つまり民主活動家だったというのは最初から嘘)かもしれませんが

*30:具体的に誰?

*31:オバマ政権で国務長官

*32:サントメプリンシペ、ブルキナファソパナマドミニカ共和国エルサルバドルのこと

*33:著書『中国の地下経済』(2010年、文春新書)、『中国人民解放軍の内幕』(2012年、文春新書)、『習近平と中国の終焉』(2012年、角川SSC新書)、『中国という大難』(2013年、新潮文庫)、『中国の論点』(2014年、角川oneテーマ21)、『平成海防論:膨張する中国に直面する日本』(2014年、文春文庫)、『習近平の闘い』(2015年、角川新書)、『中国 無秩序の末路』(2015年、角川oneテーマ21)、『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(2015年、PHP新書)、『風水師が食い尽くす中国共産党』(2016年、角川新書)、『中国がいつまでたっても崩壊しない7つの理由』(2017年、ビジネス社)など

*34:とはいえ本当に中国経済が崩壊したら、中国と商売している日本の経済も確実に崩壊しますが。

*35:2018年、講談社

*36:東京大学大学院農学生命科学研究科准教授

*37:著書『それでも中国は崩壊する』(2004年、ワック文庫)、『世界中に嫌われる国・中国 崩壊のシナリオ』(2012年、ワック文庫)など

*38:著書『北京五輪後のバブル崩壊』(2008年、あうん)、『最終目標は天皇の処刑:中国「日本解放工作」の恐るべき全貌』(2012年、飛鳥新社)など

*39:過去に存在した日本の出版社。阪急阪神東宝グループに属し阪急阪神ホールディングス連結子会社であった。阪急電鉄沿線の観光ガイド本・グルメ本や宝塚歌劇団の雑誌『歌劇』、『宝塚GRAPH』、『宝塚おとめ』等を発売する阪急電鉄創遊事業本部コミュニケーション事業部を母体とし、2003年7月に『ニューズウィーク日本版』、『フィガロジャポン』、『Pen』などを発行していたTBSブリタニカの事業(英国ブリタニカ社の日本法人ブリタニカ・ジャパンに譲渡された百科事典事業を除く)を統合して発足した。2014年10月に事業再編を行い、宝塚歌劇関連事業を宝塚クリエイティブアーツに、フリーペーパー事業と阪急電鉄関連出版事業を阪急アドエージェンシーに、残った出版事業をCCCメディアハウス(カルチュア・コンビニエンス・クラブの子会社)に譲渡、法人としての阪急コミュニケーションズは清算することとなった(ウィキペ「阪急コミュニケーションズ」参照)

*40:著書『人民元の正体:中国主導「アジアインフラ投資銀行」の行末』(2015年、マガジンランド)など

*41:グジャラート州首相を経てインド首相

*42:もちろん「たった」はモディ政権への皮肉の意味で書いてます

*43:1949年9月に中国人民政治協商会議において10月1日を国慶節と定めたことに由来する。これは、1949年10月1日に天安門広場にて中華人民共和国の建国式典が行われ、毛沢東により中華人民共和国の成立が宣言されたことにちなむ(ウィキペディア国慶節」参照)。

*44:駐マレーシア大使、駐韓国大使などを経て駐日大使

*45:福田内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第二次、第三次安倍内閣農水相を経て現在、第4次安倍内閣文科相

*46:第2次、第3次安倍内閣外務大臣政務官を経て現在、第4次安倍内閣外務副大臣

*47:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*48:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*49:黒竜江省長、貴州省党委員会書記、党中央弁公庁主任などを経て全人代常務委員長(党中央政治局常務委員兼務)

*50:黒竜江省省都

*51:岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*52:中国共産党副主席、副首相、人民解放軍総参謀長などを経て国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*53:共青団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*54:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*55:元外務省中国課長。退官後、日本大学教授、明治学院大学教授、広島市立大学広島平和研究所所長を歴任。著書『外交官』(1991年、講談社現代新書)、『新しい世界秩序と国連』(1991年、岩波セミナーブックス)、『私の平和外交論』(1992年、新日本出版社)、『PKOと日本の進路』(1992年、ささら書房)、『「国際貢献」と日本』(1992年、岩波ジュニア新書)、『「国連中心主義」と日本国憲法』(1993年、岩波ブックレット)、『茶の間で語りあう新ガイドライン』(1997年、かもがわブックレット)、『新ガイドラインQ&A』(1997年、青木書店)、『平和大国か軍事大国か』(1997年、近代文芸社)、『中国をどう見るか?』(2000年、高文研)、『集団的自衛権日本国憲法』(2002年、集英社新書)、『戦争する国しない国』(2004年、青木書店)、『13歳からの平和教室』(2010年、かもがわ出版)、『ヒロシマと広島』、『広島に聞く 広島を聞く』(2011年、かもがわ出版)、『すっきりわかる! 集団的自衛権』(2014年、大月書店)など

*56:行政院長(首相)、副総統、国民党主席などを経て、現在は国民党名誉主席

*57:共青団中央書記処第一書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*58:連戦内閣法相、台北市長などを経て総統

今日の中国関係ニュースほか(9/7分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■人民日報『池田大作氏に「中日友好貢献賞」 北京市で授与式』
http://j.people.com.cn/n3/2018/0927/c94473-9504076.html
 この時期の受賞は安倍訪中とリンクした政治的思惑がおそらくあるでしょうがそれはさておき。
 興味深いのは授与式に出席したのが「創価学会原田稔会長」であって池田氏の動向が部外者にはまったくわからないことです。ここから出てくるのがいわゆる「池田重病説」ですが、実際のところどうですかね。


東洋経済オンライン『沖縄が台湾人の「日帰り観光」を喜べない現状:買い物に近いから人気?』
https://toyokeizai.net/articles/-/239907
 沖縄において中国、台湾を中心に外国人の観光客、観光収入が伸びてることがわかります。
 問題はこの記事によれば沖縄観光の目的が「ショッピング」で、しかも「沖縄特産物のショッピングではない」ということでしょう。
 つまり「沖縄が近くて交通費がかからないから来ている、交通費を考えなければ沖縄でなくてもいい」面が大きく「必ずしも沖縄の魅力できているわけではない」。そして「ショッピング目的」だから宿泊して長期滞在しないで日帰りになる。
 これでは「宿泊しないから落とす金額も少ない」し「沖縄自体の魅力でない」のでリピート率も必ずしも高くないわけです。


ニューズウィーク日本版『モルディブ大統領選挙での親中派現職の敗北:それでも中国の「楽園」進出は止まらない』六辻彰二*1
https://www.newsweekjapan.jp/mutsuji/2018/09/post-42_1.php

 中国が支援していた政府が選挙で敗れることは、これまでにもあったことだ。その場合でも中国が進出を諦めることはほとんどなく、(中略)時間をかけて懐柔を目指すこともある。その象徴的な事例が、アフリカのザンビアである。
 ザンビアでは2011年の大統領選挙で、当時のバンダ大統領と中国の癒着を批判し、「中国企業を追い出す」と息巻いた野党のサタ候補が勝利。
(中略)
 結局サタ大統領のもとで中国企業が追い出されることはなかった。
(中略)
 親中派政権を批判した勢力が権力を握っても、中国の隠然とした影響力が残りやすいことは、進出先の国の側にも理由がある。その単純な、そして最大の理由は、中国への反感があったとしても、他のパートナー候補のなかに中国に匹敵する額の資金協力をできる国はほとんどないことだ。
 ザンビアの場合、サタ政権発足後も、中国からの資金協力は旧宗主国イギリスなど西側からの援助額を上回った。
(中略)
 これはモルディブに関しても同じとみられる。
 ウィリアム・アンド・メアリー大学の統計によると、2000年から2014年までに中国がモルディブで行った資金協力は8億5185万ドルを上回る。これは旧宗主国のイギリス(537万ドル)やアメリカ(264万ドル)、日本(1億5127万ドル)をしのぐ(世界銀行のデータ)。
 そのため、(ボーガス注:モルジブ大統領選で当選した野党候補)ソリ氏はインドや欧米諸国との関係改善を強調しながらも、選挙期間中から中国をあからさまに批判することを控え、「他のリーダーが中国ほど大きなポケットをもっていないのだから」中国をシャットアウトすることはほとんどの国にとって選択肢にならないと述べてきた。外交辞令といえばそれまでだが、中国以上に資金を提供する国がない以上、ソリ政権にとって中国と必要以上に対立するのが得策でないことは確かだ。
 つまり、親中派「独裁者」が退場したからといって、それだけではモルディブが中国との関係を制限することも、この国で中国企業の存在感が西側のそれより小さくなることも想定できないのである。

 そりゃそうでしょう。無責任に「中国企業は出て行け」といいだしたら「中国の穴を埋める何か」がない限り、かえって経済が混乱します。


■夫が肝がんと診断され 大法のお蔭で奇跡が現れる
http://jp.minghui.org/2018/09/24/60253.html
 信心で肝臓がんが治れば誰も苦労しません。さすが法輪功、「医療ネグレクトを助長してる」と非難される邪教だけのことはあります。
 「中国政府の具体的な法輪功処罰が適切かどうか。ダーティハリー西部警察並みの無法(犯罪者に人権なんてねえ!。奴らを潰すためには何でも許される!)でないかどうか」はともかく「法輪功は中国のオウム真理教」という中国政府の主張は全く正しく、「処罰それ自体は当然」といえるでしょう。


■朝日『アジアの親中政権、連敗続きなぜ 「一帯一路」の沿線国』
https://www.asahi.com/articles/ASL9S4PQHL9SUHBI00J.html
■産経『モルディブ以外もマレーシア、スリランカ…親中政権、敗北続く』
https://www.sankei.com/world/news/180925/wor1809250036-n1.html
 マレーシアが一番わかりやすいですが、マレーシアでの直接の政権交代理由は「汚職批判」であって一帯一路はあまり関係ないでしょう。
 まあマハティール首相になってから「鉄道計画が撤回されましたが」、マハティールは一方で「中国との友好関係は変わらない」とも言ってるわけです。
 モルジブスリランカも果たしてどこまで「親中国」とやらが関係してるかは疑問です。そもそも政権交代しようが「経済大国中国と敵対する愚かさ」を考えれば、「多少の政策転換(前政権批判)や中国批判」はありえても反中国になるわけもないでしょう。
 しかし産経がこういう反中国与太飛ばすのは何ら不思議ではないですが「朝日もかよ!」とげんなりします。


桜井よしこ『アリババ集団マー会長退任の背後に金持ち排除を進める習近平*2主席の影』
https://yoshiko-sakurai.jp/2018/09/22/7647
 よしこらしいですが「アリババ創業者マーの突然の引退表明」が「マーを快く思わない中国政府の辞任要求圧力によるもん」つうよしこの主張には何の具体的根拠もありません。
 「その辺の噂話」をそのまんま持ってきたのでしょう。仮に「結果的に正しかった」としてもおよそ「ジャーナリスト」を名乗る人間がやるべき行為ではありません。完全に反中国右翼活動家です。


産経
■中国、バチカンと司教任命で暫定合意
http://www.sankei.com/world/news/180922/wor1809220012-n1.html
■台湾「外交関係に影響せず」 中国との暫定協定、バチカンから説明と発表
https://www.sankei.com/world/news/180922/wor1809220017-n1.html
バチカン 中国に大きく譲歩か 宗教弾圧続く中「悪いメッセージ」の懸念
https://www.sankei.com/world/news/180923/wor1809230003-n1.html
 ついにバチカンが台湾と断交し中国と国交を結ぶ日が来たのでしょうか?。バチカンの釈明を信用すれば「台湾との外交関係に変更はない」そうですが。
 まあ、「いつまでも中国と妥協しない→中国国内カトリック隠れキリシタン的扱い(?)」的な状況*3を改善したいと言うことですかね?


NHK『科学技術強国・中国の躍進と日本の厳しい現実』
https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0913.html

 いま、中国の科学技術が急速に成長している。「科学技術強国」の建設を掲げてばく大な資金を研究につぎ込み、超大国アメリカに迫ろうとしているのだ。これと対照的に、国際的な地位低下が指摘されている日本の科学技術。「科学技術立国」を標ぼうしながら、何がこの差を招いたのか。躍進を続ける中国の現実から目を背けてはならない。(科学文化部記者 横川浩士)
■中国躍進の象徴、スパコン
 中国・上海から高速鉄道で1時間余り、江蘇省無錫市にある「国立スーパーコンピューターセンター」。ここに、中国が世界に誇る「神威・太湖之光」がある。
 アメリカなどの専門家がまとめている計算能力の世界ランキングで、ことし6月までの4期2年、1位の座を保ってきたスーパーコンピューターだ。
 高度な計算を伴う研究に欠かせず、各国が開発競争にしのぎを削っているスーパーコンピューター。最新のランキングでは、中国は上位500台のうち200台余りを占め、2位のアメリカを大きく引き離している。
(中国:206台、アメリカ:124台、日本:36台)
■右肩上がりの研究開発予算
「科学技術力をたゆまず増強させれば、中国経済はもっと発展できる」
 中国の習近平国家主席が繰り返し強調している言葉だ。
 いま、中国は国を挙げて科学技術力の強化に取り組んでいる。
 文部科学省の科学技術・学術政策研究所によると、2016年の中国の研究開発費は45兆円余りと、10年で3倍以上に増えている。その額は日本の倍を超え、1位のアメリカに迫る勢いだ。
(日本:18.4兆円、アメリカ:51.1兆円)
 その成果は着実に形となって現れている。
 中国の研究論文の引用数は、2006年までの3年間の平均では世界で5位だったが、2016年までの3年間では2位に上昇。同じ時期に4位から9位に下がった日本とは対照的だ。
■中国が誇る“量子通信の父”
 世界をリードする研究分野も出てきている。
 その代表格が「量子通信」だ。
 「よくいらっしゃいました」
 研究室を訪ねた私たちを和やかな笑顔で受け入れたのは、中国科学技術大学の潘建偉教授。量子通信の研究の世界的権威で、去年、イギリスの科学雑誌ネイチャーが選ぶ「今年の科学者10人」に選ばれ「量子通信の父」とも評されている。
 量子通信は、光子と呼ばれる光の粒子に情報を載せる新たな技術だ。
 潘教授の研究グループは、2016年、開発費100億円とも言われる人工衛星を打ち上げ、世界で初めて人工衛星と地上との間、およそ1200キロの距離で量子通信に成功して世界を驚かせた。
 こうした成果には国の支援が欠かせなかったと話す潘教授。数年以内に新たな人工衛星を打ち上げる。
■世界の英知を集める「千人計画」
 躍進を続ける中国の科学技術。その担い手の確保にも抜かりはない。それが「千人計画」だ。
「中国の研究環境はどんどん良くなっています。研究に使う機器はアメリカと同等か、私が使っていたものよりも最新のものがそろっています」
 こう話すのは、上海科技大学で免疫とガンの研究に取り組む王こう鵬さん。
 もともとアメリカの大学で研究を行っていたが、「千人計画」に応募し、2015年に中国に戻ってきた。
 「千人計画」は、海外の研究者を破格の待遇で呼び寄せる中国政府のプログラムだ。
 一定の移住資金が支給され、高い給与も約束されるほか、条件によってはそれまでの研究機関との兼任も可能となっている。
 当初は海外で実績を挙げた中国人や中国出身の研究者が対象だったが、いまでは外国人も対象となり、この10年間に7000人以上の研究者を集めたと言われている。
■中国に移る日本人研究者も
 恵まれた環境は、外国人研究者にとって大きな魅力だ。
 中国の名門、復旦大学の服部素之教授(36)は、日本やアメリカでタンパク質の構造などを研究していたが、3年前、「千人計画」に応募して中国にやってきた。
 大学からは、教授職と、5年間で1億円以上の研究費を提供され、10人の研究員や学生を率いて研究を続けている。
「日本だと、私の同僚で私より業績がある人でも、研究室をまだ持てないという人がたくさんいます。日本だとほぼ不可能な環境なので、非常に感謝しています」
 服部さんが指摘する中国の恵まれた研究環境。その1つが、高額な実験装置を大学側が学内の研究者向けの共有の機器として購入する点だ。
 日本ではそれぞれの研究室が予算を捻出しなければならないケースが多いが、大学側で購入してもらえれば、自分の研究費を学生の経済支援や消耗品代などに充てることができる。
 さらに、中国の大学では一般に、大学院生に給与が支給される点も大きいという。その分、大学院生は経済的な心配をせずに進学し、研究に専念できるのだ。
「中国では、博士課程での研究経験はとても評価され、給料も高くなります。ですから、みんな積極的に博士課程に進みますし、研究成果を出したいという熱意を持っています。復旦大学の学生は、東京大学の学生とまったく遜色ないどころか、むしろ上ぐらいに私は思っています」(服部さん)
■中国の科学とどう向き合えばいいのか?
 積極的な研究開発費の投入。優れた研究者の招へい。中国の科学政策の立案に関わる専門家は、科学を重視する方針は今後も変わらないと断言する。
■地方大学が陥る深刻な事態
 一方、日本の科学技術研究はどうなっているのか。現場を歩くと、躍進を続ける中国と対照的に悲痛な声が相次いでいた。
「こちらが、共同利用機器が置かれた施設です」
 静岡大学農学部の本橋令子教授に案内され、レーザー顕微鏡や遺伝子解析装置など高額の装置が配備された施設を訪れた。
 研究者が共同で使えるよう実験装置を少しずつ買い足してきたが、いま、次々と使えなくなってきていると言う。
「こちらの機械は、ふたつ合わせて5000万円くらいになります。一般の研究者には高額すぎて、個別に購入できる方は地方大学にはいないと思います」
 本橋教授が指し示したのは、細胞の数やDNAの量を調べる装置。
 利用記録をみると、最後に使われたのは4年前。修理費が工面できず、故障したままになっているのだ。
 さらに、研究者の数も減り、農学部の教授室の1つは、空室になっていた。定年で退官する教授2人につき、新規で採用する教員を1人に絞っているからだ。
■削られ続ける運営交付金
 使えなくなる機械。減っていく研究者。いずれも背景にあるのは大学の資金不足だ。
 国は10年余り前から、競争力があると見込まれる分野に研究予算を選択的に投入。その一方で大学の運営費は減り続けている。
 静岡大学の場合、この13年で13億円削られた。
(H16年度:108億円、H29年度:95億円)
 少しでも研究費を得るため、本橋教授は毎週のように外部資金の申請書を書いているが、競争は激しい。地方大学が置かれている深刻な状況に、危機感を募らせている。
「末期的な感じです。やれる実験・研究が限られてきています。そうすると限られた研究成果しか出なくなり、国際的な競争に勝てるようなレベルには、もう到達できないんじゃないかと思います。一定の予算をつけるような形にしてもらわないと、日本の研究のすそ野はどんどんせまくなってしまいます」
■『中国に抜かされている』トップランナーの嘆き
 危機感を募らせているのは地方大学だけではない。
「ここ数年、『先に論文を出された』と思って調べると、たいていは中国人なんです。ネイチャーやサイエンスなどの科学誌に論文を出しても、必ずっていうほど中国人に負けるんですね」
 こう話すのは、東京大学大学院理学系研究科の濡木理教授。
 タンパク質の構造を調べる構造生物学の世界的権威だ。
 濡木教授は、近年、中国の急成長を肌で感じている。
 その背景にあるのが豊富な資金力だという。
 たとえば、「クライオ電子顕微鏡」という最新鋭の装置。定価は1台10億円で、東京大学でも配備されたばかり。国内でも5台しかないが、中国ではすでに数十台も稼働しているのだ。
「研究者の数と研究費、それはすなわち設備になるわけですが、それらが大量に投入されると、どうしても負けてしまうという状況ですね。もうわれわれも抜かされていますね」
 もう1つ濡木教授が危惧しているのが、日本の将来を担う若い研究者の海外流出だ。
 実は、「千人計画」で復旦大学に移った服部素之教授は、かつての濡木教授の教え子。
 服部さんの研究室の映像を見た濡木教授は、こうつぶやいた。
「これではみんな、中国に行ってしまいますよ。こういう環境は、日本はさせてくれない。彼は中国に行ってよかったのでしょう。日本のことを考えると残念ですけど」
 国内の大学のポストが減り、頭脳の海外流出が続く現実。海外で実績をあげた若手の研究者を呼び戻すことができなければ、日本の科学の大きな損失につながると考えている。
「若手研究者がいないということは、日本のサイエンスがもう伸びないということです。海外から若手を呼び戻せなければ、サイエンスが途切れてしまう。日本全体の社会問題だ」
■日本の科学の未来に向けて
 中国の科学政策に詳しい笹川平和財団海洋政策研究所の角南篤所長は、中国に学ぶべき点があると話す。
「中国の科学技術が伸びた背景には、世界のトップレベルの知とつながっていることがあげられます。世界のトップレベルの科学者と中国の科学者が常に一緒に研究しており、国際共同の論文数は日本よりもかなり伸びているのです。日本の科学も、中国を含めて、もっともっと世界とつながっていくということが必要になってくる」

 id:Bill_McCrearyさんの記事
■基本的に、理数系の学問振興と政治体制・民主主義の程度は関係ないと思う
https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/22346c83316572e990e53822bba215d4
のコメ欄にもこのNHK記事について投稿しましたが、「阿部治平&阿部の類友連中(例:リベラル21)』には「このNHK記事を読ませた上で」『ねえ、今、どんな気持ち?』と問い詰めたくなります。
 あるいは金がかかってもイージスアショアが必要だとかほざいてる黒井文太郎のような阿呆ウヨを「そんなもんに金つぎ込んでたらかえって中国に(科学技術分野で)惨敗するわ」と問い詰めたくなる。
 記事に名前が出てくる服部氏ですが、ググって調べたところ、彼の前職は「東大助教」ですからねえ。「助教→講師→准教授→教授」であるところ、「いきなり教授にしてくれた上に潤沢な研究費」なら当然中国に行くでしょう。
 なお、この記事についた、はてなブックマーク

http://b.hatena.ne.jp/entry/s/www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0913.html
・blackshadow
 中国は2000年前後に大枚はたいて各地の大学を近代的なキャンパスと設備に一新し、欧米留学して第一線で研究していた30~40代の研究者に組織Topのポストと予算を用意して招聘した。そりゃ躍進するよ。
mbr
 個人的には学会でよく名前を見かける服部さんと濡木さんが出て来て語った事で、本当に沈んだ気持ちになった。自分の直接の知り合いも徐々に海外に出て行ってるし、もう本当に終わりなんだよなあ。
・memoryalpha
 習近平が盤石な体制を固めてからの経済発展・技術躍進が世界史に残るレベルだと思う。
・hat_24ckg
 財政緊縮で大学や研究者への予算を削った結果だろう。数少ないポストを手に入れた優秀な人も雑務ばかり多く研究する時間がない。政治家と官僚が悪い。
・goldhead
 サイエンスのことはさっぱりわからんけれども、ここまで(ボーガス注:中国優位で日中の)経済力に差がついてしまっては同じ土俵でどうこうできないのでは。
・Dragoonriders
 頭脳を集める方策が合理的すぎて、競争にすらならない。思えば、NHKが(ボーガス注:1991年に)「電子立国日本の自叙伝」なんつー、視野狭窄した番組作ってたのが懐かしいわ。
・estragon
 良い記事だと思う。(ボーガス注:専門家の間では)今まで何年も言われてきたことの繰り返しだが、こういうまとめ記事が出ることは良いことだと思うので、もっと増やしてほしいところ。総予算の問題もあると思うが、使い方の問題も大きい。
・hobo_king
 なるべくしてなった、抜かれるべくして抜かれた、落ちるべくして落ちた、以上に言えることが何もない
・plenao
 日本は加計学園に二百億以上投じてるから安心ダナ(ボーガス注:もちろん皮肉)。お金を出す先がおかしいんじゃないの。
・ludwig125
 大学で准教授をしている先生が知り合いにいるけど、他に人がいないという理由で複数人の先生が数日かけて物置き部屋を整理することになったと聞いて、これはもう駄目かもと思った。
・miyakeyuki
 ひたすら無駄なことに税金使って、逆に必要なことを無駄と切り捨ててるんだから当然。この分野の人間で(ボーガス注:復旦大教授になった服部氏のように)日本を見限ってる人も少なくないと思うよ
・Cunliffe
 というわけで、これからは中国語を勉強すべきなんだろう
・aneet
 おかしい。(ボーガス注:石平など反中国ウヨを信じれば)中国はとっくに崩壊して群雄割拠の軍閥時代になってるはずなのに!(ボーガス注:もちろん皮肉)/結局20○○年中国崩壊ネタは政治より「あの中国に負けるなんて!」という心理的な面から出てたんだな。
・katsuren
 10年前にこういう記事があると嘘もたいがいにしろと出てくる人が多かったのだろうけど、今は素直に認める人が多くて時代は流れたよなと感じる
・teruroom
 中国はなんやかんや言っても発展していってる。素直にすごい。反対に日本はどんどんダメになってる。この事実から目を背けちゃあいけないんだと思う。
・hyperlexia539
 日本はもう科学技術立国なんて言えるはずがない。中国の研究資金や技術の凄さは最近よく聞くね
・shironeko_t
 資源もないのに人に投資をしなかった国の末路として後の世の教科書に載るだろうさ
・throwS
『日本は科学技術力が高い』っていうのは、この記事を作成している方世代(ワスも含む)の思い込みで、現在のヤングは既に、日本に対するそういう思い込みすら無くなっているんじゃないか…とすら
・shinonomen
 習近平国家主席は(ボーガス注:理系の名門・清華大学)化学工程学部卒だし胡錦濤*4前主席は(ボーガス注:同じく清華大学)水力エンジニア学部卒。日本の政治家は理系が少なすぎる
・domimimisoso
 中国は政府中枢に理工系の博士持ちがいっぱいいるからね
・kumanomiii
 80年代の電子技術立国として勢いのあった頃を覚えているだけに、どうしてこんなことになったのかと朝から悲しい気分になった。
・xlc
 日本はまず自国の状況を正しく認識するところから始めないと。いつまでも仲間内で「日本スゲー」と言ってるときではない。
・kuroi122
 もうずっと繰り返されている警鐘。見直される日なんてこないんじゃないかと思ってしまうな
・reijikan
 この数年危機感を伝える報道が多くなった。それでも政治は全く動かない。今の政治家は科学に関心がないということを示している。その政治家に投票する有権者も。
・oguratesu
 大学院生にもしっかり給料払う中国とポスドクにして使い潰す日本。どちらの科学が伸びるかわかるわな。
・uchya_x
 中国が本気で科学技術立国を目指している、なんて今更の話。あの国の本当の脅威は軍事力じゃない。
・itotto
 お金をかけるべきところにかけてる国とかけてないくせになんとかなるだろうと思っている国の差だよね
・mcgomez
 正直もう追いつかないだろうし、これから突き放される一方だろう。
・coldsleepfailed
 最近は日本製よりも中国製の方が品質がいい場合が多い気がする。
・kiyoamikiyoami
 中国人は頭数だけでも日本の十倍いて、研究環境も上回ってきたとなれば逆転するのも当然だよ。
・p_shirokuma
 国として、国民として、未来への投資を軽んじているのだから、当然の成り行き。
・zakkie
 科学に興味がない人物*5が絶対権力をふるっているからな。
・my1experience
 教育に金を出さないのに軍拡軍拡騒いでる連中が政治の中心にいるから当然のこと。
・rxh
 もう個人ではどうにもならない。本気の研究がやりたい人にはアメリカか中国にアプローチするようアドバイスしていくよ。
・buu
「躍進を続ける中国の現実から目を背けてはならない」と書いておきながら本質から目を逸らしている。科学は金で、(ボーガス注:科学研究に金を投じる気がない)安倍晋三を支持している限り、改善はない
・aoi-sora
「(ボーガス注:院生に一般に給与が支給されない日本と違い)中国の大学では一般に、大学院生に給与が支給される」これでは競争にすらならない。
・h5dhn9k
 元々、中国は儒教が下地の徳治志向≒実学軽視だったんだけど、清が列強と日本に食い物にされたのがトラウマになってて、今、超実学志向なのよね。失敗から学ぶってのは人でも国でも強いよね
・michinao
 大学院生に給料ぐらい出せよ。こんな当たり前のことすらできないのが日本。みんな日本を捨てて、中国で研究しよう!
theatrical
 そのうちインドと、インドネシアにも負けるから安心しろよ。
・dAbruzzo
 もりもり成果出したい研究者は中国に行けってことか.研究者として日本にいる理由はない
・nyankotsu
 今は東大よりアメリカの大学の流れが出てきてるけど、数年後には東大より中国の大学に進学したいという学生が増えるんだろうなぁ
・dollarss
 これ、真面目な話、ことロケット開発なんかじゃ北朝鮮のほうがずっと良い環境だったりしそう
・piltdownman
 一般向けに噛み砕いたネイチャーダイジェストを購読しているが、記事の中で中国人研究者の名前をよく見かける。ああ、これが今の中国の科学力なんだなと思い知らされる
・tomo31415926563
 ものすごい額の金を科学の発展に使ってくれる国があるのは人類としてとても安心できる。
・Dolphin7473
 学術雑誌の新着論文眺めてても本当に中国人が著者のもの多い.しかもそれが欧米の一流大学の博士課程の学生だったりすることも多いし,存在感増し続けるのも当然と思う
・arvardan1984
 日本人研究者でも海外で良いポストを得られる、という意味では夢のあるニュース。これからの世代は大リーグよろしく海外進出を目標に研究するようになるかもね。
・joint1
 日露で勝って奢って大戦で負けた日本の歴史を繰り返すのか
・honkon17
 これから中国との差はもっと開くよ。現実を直視すべき
・xevra
 日本が過去最高の軍事費でホルホルしてる間に盛大に追い抜かれた。これがバカ殿を熱狂的に支持したバカどもの末路だよ嘆かわしい。

【追記】
 阿部記事のコメント欄に

http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-3531.html
NHK『科学技術強国・中国の躍進と日本の厳しい現実』
https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0913.html
 いま、中国の科学技術が急速に成長している。「科学技術強国」の建設を掲げてばく大な資金を研究につぎ込み、超大国アメリカに迫ろうとしているのだ。これと対照的に、国際的な地位低下が指摘されている日本の科学技術。「科学技術立国」を標ぼうしながら、何がこの差を招いたのか。躍進を続ける中国の現実から目を背けてはならない。(科学文化部記者 横川浩士)
(引用終わり)


>科学・技術の分野でもこれでは定説を越えた新学説が生れにくい。
とこの記事でコメントなさっていましたが、事実は全く逆のようですねえ、阿部治平さん(苦笑)。

とコメントしてみました。多分「狭量な阿部は」掲載拒否でしょうが、まあ俺なりの「阿部&リベラル21」への皮肉、嫌みですね。まあいずれにせよNHKの横川記者には相当の危機感があるのでしょう。
 しかし「日本すごい番組」ばかり流す「あほな民放」とはやはりNHKは違うと思いますね。


産経
モルディブ政権交代へ 野党候補が勝利、親中の現職敗れる
https://www.sankei.com/world/news/180924/wor1809240007-n1.html
■「中国とのすべての合意を再検討」 親中派破ってのモルディブ大統領選勝利で野党党首発言
https://www.sankei.com/world/news/180925/wor1809250033-n1.html
 もちろん政策に一定の修正はかかるでしょうが、産経が期待するほどの反中国路線はさすがに採用されないでしょう。経済大国中国をそこまで敵視することは現実的ではないからです。


■日経『中国、モルディブ新政権の取り込み急ぐ』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3569480024092018FF8000/
 まあ「どこまで本気かはともかく」今回勝利したという野党はマスコミ報道によれば「一帯一路からの撤退」も視野に入れてるかごとき口ぶりでしたからねえ。当然、中国としては急ぎ、友好関係維持に努めることになるでしょう。


■日経『モルディブ大統領選、23日投票へ 現職再選なら親中化に拍車も』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3558338020092018FF1000/
■毎日『モルディブ大統領選、対中依存が争点 接戦見通し』
https://mainichi.jp/articles/20180917/k00/00m/030/076000c
■産経『大国が注視「南海の楽園」の選択 モルディブ大統領選23日投票』
http://www.sankei.com/world/news/180914/wor1809140033-n1.html

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3558338020092018FF1000/
 インド洋の島国モルディブで23日、5年に一度の大統領選が実施される。優勢とされるヤミーン現大統領が再選を果たせば、経済・安全保障面で中国への接近に拍車がかかる見通しで、モルディブを自国の影響圏とみなしてきたインドは警戒感を強めている。公正な選挙が実施されるかどうかも焦点となる。
 大統領選は与党モルディブ進歩党(PPM)を率いる現職アブドラ・ヤミーン氏と、最大野党モルディブ民主党(MDP)のベテラン政治家で野党連合の統一候補、イブラヒム・モハメド・ソリ氏の一騎打ちだ。
 ヤミーン氏の政権公約の柱は、橋梁建設などのインフラ整備だ。過去5年間に中国の投融資で橋や住宅を建設し、昨年12月には中国と自由貿易協定(FTA)も結んだ。総工費2億ドル(約220億円)の過半を中国が融資し、中国企業が施工した首都マレと空港島を結ぶ「中国モルディブ友好大橋」の完成式も8月30日と選挙直前に設定し、中国依存のインフラ整備の成果を強調する。
 MDPなど野党連合は約1千ページに及ぶ対中FTAを野党議員を議場入りさせずに十数分で可決するなど、ヤミーン氏の強権政治を批判する。反テロ罪で有罪判決を受けていたMDP総裁のナシード元大統領に、最高裁が2月、無罪判決を言い渡すと、ヤミーン氏は非常事態を宣言して判事らを逮捕した。その後ナシード氏がインドに軍事介入を求める*6と、ヤミーン氏は中国に特使を送るなど、中印の「代理戦争」の様相も呈した。
 一方、今回の大統領選は公平性に欠けるとの批判が相次いでいる。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは19日、野党や独立系の監視員に個別の投票用紙を検証させずに開票されるおそれがあると指摘、「大統領を選ぶ国民の権利が侵害される」と警鐘を鳴らした。

https://mainichi.jp/articles/20180917/k00/00m/030/076000c
 政権への攻勢を強める野党連合だが一枚岩ではない。世俗的なナシード氏とは意見が異なるサウジアラビアに近いとされるイスラム主義政党も、1978年から30年間独裁体制を敷いたガユーム元大統領も加わっているからだ。
 地元ジャーナリストによると、野党連合は都市部を中心に勢いを増し、接戦の見通し。野党連合は「政府はおそらく不正をする」と指摘しており、展開次第で政情が再び混乱する可能性もありそうだ。

http://www.sankei.com/world/news/180914/wor1809140033-n1.html
「もし野党が勝てば、モルディブは外国の侵攻を受け、独立が脅かされることになるだろう」
 ヤミーン氏は7日の演説で、聴衆に支持を呼びかけた。経済政策での成果を強調した上で、「国外の脅しを気にしてはならない」と発言。外国が選挙を「妨害している」とも批判した。
 「脅し」とは、米国の懸念を指すとみられる。米国務省のナウアート報道官は6日、モルディブについて「民主主義の行方を懸念している」と指摘した。ヤミーン氏を念頭に「法の支配や公正な選挙を邪魔する個人に対し、適切な措置を取る」とも明言している。
 ヤミーン氏は2月に非常事態を宣言すると、野党側の要人や、自分に不利な判断を下した最高裁判事らを次々と拘束し、権力基盤を強固にした。

 中国の経済力のすごさは改めて実感します。


■どうなる? 「中国人の楽園」と化したアイランドリゾート(山田順)
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamadajun/20180911-00096389/

 モルディブには、年間約130万人が訪れる。ダントツの第1位が中国人で、30〜40万人が中国本土からやってくる。つまり、少なくとも観光客の4人に1人が中国人である。
 これがどんなことかというと、首都マレの空港に着くと、そこは中国からのツアー客だらけ、中国語が飛び交う。マレの街を歩けば、目に着くのは簡体字の看板で、どの人間も必ず「ニーハオ」と声をかけてくる。

 まあ全体の論調は完全に反中国ウヨの駄文です。山田順『日本人の誰もが知っておきたい日本が2度勝っていた「大東亜・太平洋戦争」』(2014年、ヒカルランド)なんて与太本を出す馬鹿に常識があるわけもないですが。
 いずれにせよ「中国の経済力のすごさ」は改めて実感できます。

 正直、いまの中国人観光客ほどリゾートにふさわしくない人々はいない。

 筒井康隆『農協月へいく』(角川文庫)みたいな感じなんでしょうか。まあ、「笑いをとるための大幅な誇張がある」とはいえ筒井小説でもわかるように、昔の日本だって似たようなもんでしょう。正直、海外旅行が普通になれば「今の日本同様に」中国人観光客の「問題行為」も減っていくでしょう。

 モルディブの「悪夢」は、2013年にアブドゥラ・ヤミーン大統領が誕生して始まった。

 中国ビジネスで金を儲けてるのに「悪夢」呼ばわりですか?(苦笑)

・ヤミーン大統領は、中国に大接近し、インフラの整備を始めたのである。2014年に就任した習近平主席は、「一帯一路」構想を掲げ、モルディブを訪問。この訪問と前後して、3つの巨大プロジェクトが立ち上がった。
 首都マレと空港島を結ぶ全長2キロの橋。これは「中国モルディブ友誼大橋」と名付けられた。空港島の北側にある人工のフルマーレ島では、7000戸の住宅団地の造成。これは中国商工銀行が融資した。さらに、アッドゥ環礁の雑木林を伐採し、260戸の集合住宅が造成されることになった。
 こうして中国から大勢の労働者と観光客がやってきた。マレの街には中華料理店や中国人向けの宿泊施設が雨後の筍のように増えた。
 中国人観光客はノービザでモルディブに入り、首都マレで中国人向けのホテルに一泊して、翌朝、目的のリゾート島に向かう。これが、定番コースになった。
・この8月30日、「中国モルディブ友誼大橋」が開通し、その開通式が行われた。挨拶に立ったヤミーン大統領は、「海を渡る橋を持つというモルディブ国民の100年の夢を実現させてくれた中国に心から感謝する。モルディブは中国とともに、『一帯一路』の建設に尽力し、発展や繁栄をシェアしたい」と述べた。

 改めて中国の経済力のすごさを実感します。

 中国から借金してインフラ整備を行うとどうなるかは、先例がある。借金漬けにされたうえ、金利が払えないと、インフラを取り上げられてしまうのだ。

 まあ、それが資本主義経済ってもんですから。中国が一方的に非難される話でもない。

 まさに、スリランカは、これで港湾施設を失い、いま、国際空港まで取られようとしている。
 スリランカは2015年まで10年間続いたラージャパクサ政権が、中国マネーでハンバントタ港とラージャパクサ国際空港をつくった。いずれも、ラージャパクサ大統領の地元だった。しかし、ハンバントタ港は債務返済の目処がたたず、中国企業に99年間貸し出されることになった。借金のカタに取られたのである。
 また、ラージャパクサ国際空港は第2国際空港としてオープンしたが、乗り入れた航空会社がすべて撤退し、いまでは国際便が1便も飛んでいない世界唯一の国際空港になった。当然、債務が返済できるわけがない。こちらもいずれ、中国のものになるのは確実だ。

 で、空港と港の運営権が中国にレンタルされたら何がどうだと言うんでしょうか?


■ダイヤモンドオンライン『中国企業がEVの先頭ランナー、2年遅れでVWが追い、日本勢はその後』
CATL日本法人 多田直純社長インタビュー
https://diamond.jp/articles/-/178709
 よしこの中国誹謗連載を続けながら

 中国が製造強国世界一の地位を確固たるものにする中で、日本の製造業が進む道はどこにあるのか。『週刊ダイヤモンド9月1号』の第1特集は、「自動車・電機・IT 40年で完成した日中逆転の全経緯」です。特集では、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進している中国の車載電池メーカー、寧徳時代新能源科技(CATL)を紹介。創業7年目にして、日本のパナソニックを抜き去り世界首位に躍り出た注目の企業です。今回、そんなCATLの日本法人、コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジーズ・ジャパン(CATJ)の多田直純社長のインタビューを特別に掲載します。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」副編集長 浅島亮子)

という週刊ダイヤモンドの態度は明らかに矛盾しています(苦笑)。


■日刊スポーツ『木村翔V3戦を後押し、中国企業2社がスポンサー』
https://www.nikkansports.com/battle/news/201809200000098.html

 ボクシングWBO世界フライ級王者・木村翔(29=青木)を中国マネーが後押しする。有吉将之会長が中国企業2社と契約したと明かした。世界三大蒸留酒*7の1つ「貴州茅台酒(きしゅうまおたいしゅ)」と北京ダックの老舗チェーン「全聚徳(ぜんしゅとく)」。中国が世界に誇る企業で、日本で販売戦略拡大の一環として契約が実現した。
 木村は昨年に五輪連続金の鄒市明から王座奪取し、中国で人気者になった。前回も中国でV2を果たして人気は増すばかり。「一緒に練習したい」と現在もジム会員の中国人も20人近い。日本駐在ビジネスマンも多く、今回はその紹介で中国企業との異例のスポンサー契約がまとまった。
 今や世界最大のアルコール飲料メーカーの貴州茅台酒は、中国の国酒として政治外交の宴席の乾杯で用いられる。全聚徳の北京本店には世界各国の首脳も訪れ、日本などに海外進出している。今回は2社の名をトランクスのベルトと前面やガウンの背中に入れる。

 まあスポンサーになってくれさえすれば国籍なんか関係ないですからねえ。


■現代ビジネス『中国人が熱狂する日本人ボクサー・木村翔「14億人市場への挑戦」:今日、大陸で世界タイトル防衛戦』森合正範記者
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56677

 7月1日、横浜市内の公民館。WBO世界フライ級チャンピオンの木村翔(青木ジム)は「どん底からの頂点」と題した、自らの半生を語る講演を行った。その冒頭で聴衆の560人に問い掛ける。
 「僕のこと知っている人、試合を見たことある人はいらっしゃいますか。もしいたら手を挙げてください?」
 会場を見渡すと、挙手している人はほとんど見当たらない。10人もいなかっただろう。木村は「まあ仕方ないか」という思いと落胆が入り交じる複雑な表情を浮かべた。そして続ける。
 「ここはちょっとアウェーですね…。僕、中国ではすごく人気があるんですけどね」
 日本で声をかけられることはほとんどない。それが中国に渡れば、ファンに囲まれ、写真撮影やサインをねだられる。スーパースターとまでは言えなくとも、最も有名な日本人ボクサーであることは間違いない。卓球の福原愛フィギュアスケート羽生結弦*8、サッカーの本田圭佑香川真司に次ぐ、知名度の高いスポーツ選手…なんて声も聞こえてくる。何より、多くの中国人が木村に感情移入しているらしい。
 日本と中国でのギャップ。確かに木村が所属する青木ジムには爆買いツアーの合間に駆けつける中国人ファンが後を絶たない。王者となった昨年7月以降、木村は中国、香港、台湾、シンガポールからボクシングの興行やイベントのゲストとして、幾度となく招待されている。
 転機はちょうど1年前の2017年7月28日。北京、ロンドン五輪の2大会連続金メダリストで中国の国民的英雄、WBO世界フライ級王者の鄒市明(ゾウ・シミン)の挑戦者として上海のリングに上がった。
 当時を振り返り、木村は「オレは噛ませ犬だった」とはっきり言う。インターネットでは「木村が100パーセント負ける」という書き込みも目に留まった。いわば中国の英雄の引き立て役。会場はゾウの勝利を信じて疑わない1万5000人の観客で埋め尽くされ、試合は中国の国営放送で中継された。
 結果は歴史に残る番狂わせが起こり、木村の11ラウンドTKO勝ち。地元の英雄を倒したヒール(悪役)となっても不思議ではない。
 では、なぜ、木村は中国人から愛されたのだろうか。
 ゾウと木村のタイトルマッチ。最初に中国人の感情を揺さぶったのは流血だ。木村は3ラウンドに右まぶたをカット。6ラウンドにドクターチェックが入っても、「大丈夫、大丈夫」と首を振り、試合続行を望んだ。
 木村のファイトスタイルは自ら「昭和のボクシング」と言うように、細かいパンチを食らっても、とにかく前へ出て、「これでもか!」とパンチを放つ。気持ちを前面に出すスタイルだ。傷口がぱっくりと割れ、血を垂らしながら、愚直に前へ出続け、ゾウに向かっていった。
 これまで何度も中国へ足を運び、当日も視察していた日本ボクシングコミッションJBC)の安河内剛事務局長が観客の反応を分析する。
「中国人の観客は流血にあまり慣れてない。ボクシングで傷を負って闘うことに対して、『勇敢な選手だ』とすごく評価します。流血しながら、あれだけ劣勢になっても必死に闘う姿に心が動かされた。しかも、逆転KOした。地元の英雄が負けても、その相手が日本人であってもそんなことは関係ない。木村は勇敢な選手だ、と認められた。高く評価されたということです」
 11ラウンド。木村がダウンを奪い、レフェリーは試合を止めた。ここでもう一つ、ある行動が中国人の関心を呼ぶ。
 木村はリング上で大の字になり、体全体で喜びを表した。所属の有吉将之会長も重なる。すると、木村は何かを思い出したかのように突然ムクッと立ち上がり、「ゾウ!ゾウ!」と対戦相手の名前を叫びながら、コーナーでうなだれるゾウに駆け寄った。
 ひざまずいて挨拶をして、健闘を称える。5秒ほど語りかける。だが、ゾウは下を向いたまま何も答えない。感謝の意を示した新王者と(ボーガス注:予想外の敗戦によるショックのあまり、すぐには新王者を)祝福できなかった前王者。この瞬間、ベルトだけでなく、何か世論のようなものもゾウから木村へと移動していった。
 たかが5秒。されど5秒。この場面はしっかり国営放送で中継されていた。安河内氏が言う。
「あのシーンのことは試合後、複数の中国人から聞きました。ああいう、細かい場面でも見逃しません。これは中国人の特性ですよ。この男は器が大きいか、小さいか。そういうところをきちんと見る。木村は器の大きな男と判断された。中国人の感情は間違いなく動いた。あれは木村にとって大きかったのではないでしょうか」
 ここから物語は急展開を告げる。国民的英雄を倒した男に興味を持った中国人は、木村のここまでの歩みを調べ始めた。彼らが驚いたのは、木村が現地メディアのインタビューで、アルバイトで生計を立てていることを明かしたことだ。中国人が思い描く「プロスポーツ選手」とは大きな隔たりがあり、その苦労人ぶりがまた彼らの心をくすぐった。
 ボクシングの報道について、日本と中国で明らかな違いがあるという。安河内氏が説明する。
「僕ら日本人はあのワンツーがとか、あの右が、あの場面でのテクニックは……と語りたがる。でも、中国でそこまでボクシング文化は根づいていないので、そんな話をしても何の意味もない。そこでフォーカスするのは生い立ちなんです。木村は何者か。どんな生まれで、どんな生活をしているのか。ここまでどういう道を歩んできたのか。彼らはそういうストーリーが大好きなようです」
 木村のサイドストーリーは事欠かない。当時の家賃は5万円で、木村いわく「ボロアパート」の5畳ワンルーム。朝7時から午後3時まで運送会社のアルバイトで20キロ以上あるビールタンクやビールケースを運ぶ。汗水垂らして働き、その後、ジムへ向かう。
 デビュー戦で敗れても諦めず、ずっと世界チャンピオンを夢見てきた。アルバイト生活に耐え続け、一般庶民が中国という異国の地でエリートボクサーを破り、世界チャンピオンへと駆け上がったのだ。
 流血、逆転、試合後の振る舞い、質素、アルバイト生活、夢……。次々と出てくるキーワードが中国人に刻まれ、次第に感情移入していく。そして、心の琴線に触れた。もう、ゾウを倒した男ではない。「雑草」「運搬工王者」「労働王者」と称えられる庶民の王者だ。かくして、木村は中国人から愛されるスターとなったのである。
 今度のタイトルマッチ、中国では国営放送で生中継される。午後7時から9時までのゴールデンタイムで、木村には1時間の放送時間が割り当てられている。一方、日本ではテレビ中継もインターネット放送もない。この温度差はいまだ変わらない。
 1年前の「噛ませ犬」から「庶民の王者」へと180度変わった。アルバイトを辞め、高層マンションで暮らすようになった木村を中国人はどう迎えるのだろう。それ以前に、木村の人気は、本当に福原愛本田圭佑らに次ぐものなのか。中国のボクシング市場に未来は? 
 さまざまなことが頭を駆け巡る。

 なかなか面白い記事だと思うので紹介しておきます。なお、このタイトルマッチは7月に行われすでに木村が勝利しています。9月24日に三度目のタイトルマッチが行われるようです。


大紀元『第三章(上)共産邪霊の手段:殺戮』
https://www.epochtimes.jp/2018/09/34799.html

 地との闘いとは、山や川を改造するという名目で自然破壊、環境破壊を進めている。これは無神論の「何に対しても畏敬の念を抱かない」という考えの具現化である。

 でたらめも大概にしてほしいですね。もちろん無神論とは「科学技術万能主義」ではない。
 「自然に畏敬の念をもつかどうか」と「神の実在を信じるか」とは全然関係ない話です。

法輪功への迫害と、その後の臓器狩り
・残酷なのは法輪功学習者の臓器を生きたままで摘出することである。

 迫害はともかく「臓器狩り」は法輪功が勝手に言ってることで信頼性があまりにもなさすぎるので、「中国批判派」であってもまともな人間はこんな与太は相手にしていません。

いわゆる唯物論無神論と進化論の教育を通して学生に対して系統的な洗脳を行い

 「進化論」とためらいなくかけるあたり、さすが「進化論否定の邪教」・法輪功です。
 唯物論無神論は「価値観の問題」でしょうが進化論は「科学の問題」「事実認識の問題」であって否定する方がおかしい。そもそも進化論なんて別に共産党支持者に限らず、すべての「まともな」学者が支持してるわけですし。


大紀元『第二章 赤魔の陰謀:人類を壊滅させる(下)』
https://www.epochtimes.jp/2018/09/36134.html

 (ボーガス注:法輪功邪教、カルトとして中国政府が弾圧するための)自作自演の(ボーガス注:法輪功信者(?)の)「天安門焼身自殺」があった。

 と強弁する法輪功ですが、さすがにこんな与太は中国批判派ですら多くの人間は完全無視です。

 三十年前、孔子廟が壊滅的な被害を受け、伝統文化は一掃された。数十年後、孔子廟が修復された。それは孔子のネームバリューを利用して観光資源として金儲けできるからである。これは伝統文化に対する冒涜(ぼうとく)にほかならない。

 「孔子廟が壊滅的な被害」というと文革のことでしょうか。ただ文革は1970年代で「40年前」であって数字が合わないし、とはいえ「30年前(1980年代)」に孔子廟破壊なんてないと思うんですが?
 それはともかく、第一に修復は「観光による金儲け」だけが理由ではないでしょう。孔子再評価という要素も当然あるでしょうね。
 第二にこうした「観光目当ての名所旧跡整備」は古今東西、大なり小なりどこの国でもやってることです。日本や欧米だってやってる。

 三十数年発展してきたが、世界で名を馳(は)せるブランドを作り出していない。

 もちろんそんなことはないでしょう。小生の知ってる中国企業では

「家電メーカーのハイアール」
「パソコンメーカーのレノボ
スマホメーカーのファーウェイやシャオミ」
「ビールの青島ビール

なんかは日本進出していて日本でもある程度知名度があります。

共産主義の悪魔が意図的に人類に注ぎ込んだ各種の思想は、気づかれないうちに全世界で氾濫している。
・共産邪霊の陰謀は成功寸前まで進んできた。
・共産邪霊は喜々として勝利を祝っている

 要するに「共産主義の成功」とは、「共産主義でも何でもないもの」に共産主義のレッテル貼って言いがかりつけてるつうだけの話です。何せ大紀元法輪功)にはLGBT運動を共産主義の陰謀呼ばわりした前科がありますし。


大紀元共産主義の最終目的』序文
https://www.epochtimes.jp/2018/09/31773.html

 1989年、ベルリンの壁の崩壊を皮切りに、旧ソ連と東ヨーロッパ諸国の共産党政権が相次ぎ滅びた。誰もが、冷戦の終結共産主義イデオロギーの衰退を信じて疑わなかった。生き延びた共産国家でさえ、身に迫る危機を感じるほどだった。しかし、実際はどうであろうか。共産主義はその後、従来の主張のほか、看板を塗り替えて多くの主義主張を提唱してきた。

 「看板を塗り替えて」つうのは要するに「共産主義でも何でもないもの」に共産主義のレッテル貼って言いがかりつけてるつうだけの話です。何せ大紀元法輪功)にはLGBT運動を共産主義の陰謀呼ばわりした前科がありますし。


ニューズウィーク日本版『アメリカ離れ、対中接近へ:『文明の衝突』の罠に陥る日本』(楊海英*9
https://www.newsweekjapan.jp/youkaiei/2018/09/post-24.php
 確かに安倍は「一帯一路参加」を表明したので一応「対中接近」とは言えるでしょうが、何が「アメリカ離れ」なんでしょうか?

 6月7日にホワイトハウスで日米首脳会談が行われた際に、冒頭でトランプ大統領が「私は真珠湾を忘れない」と安倍晋三首相に不満を示したという。対日貿易赤字を抱えるアメリカが日本の経済政策を批判したもの、と同紙は解説している。

 これが「アメリカ離れ」ならトランプがカナダやEU諸国に報復関税を仕掛けてることも「アメリカ離れ」になるでしょう。いずれにせよ問題は無茶苦茶な報復関税をするトランプの側にあります。
 なお、さすがに楊はこの件で産経のように「これは安倍批判ではない」と強弁する気はないようです。

 「精神的なぬくもりを感じさせない」冷酷な宗教である儒教は個人よりも集団に重きを置き、権威と階級などを重視する。独裁体制を支えてきたイデオロギーでもあるので、中国も北朝鮮儒教を放棄しない。

 儒教をそのように認識することが適切かどうかは議論の余地があるでしょう。そもそもその理屈では「過去はともかく、今は一応、民主国である」日本や韓国において「儒教が長年、大きな影響力を持ってきたこと(昔ほどではないが今も一定の影響力があること)」を楊はどのように理解するのか。
 あるいは「共産主義を含む中国の過去の政治運動」において、儒教が「封建的」と批判されてきたことは楊においてどう理解されるのか?。
 結局いつもの「結論ありき(今回は儒教たたきという結論)」であってまともに相手するだけ馬鹿馬鹿しいでしょう。楊も全く落ちぶれたもんです。
 しかし中国、北朝鮮非難のネタとして共産主義を持ち出すならまだわかりますが、儒教を持ち出すというのは訳がわかりませんね。今の日本ウヨにとってはなぜか儒教は敵視のネタのようです。いわゆる元号も多くの場合、出展は儒教文献なんですけどね。

 89年に中国が天安門広場民主化を求める市民と学生を弾圧した後、自由主義陣営が対中制裁を科した。だが92年、冷戦崩壊の隙を突くかのように日本は天皇を訪中させ、欧米の結束を崩壊させた。日本には西洋文明に対する「裏切りの前科」がある。

 実際には「欧米諸国も中国ビジネスでもうけたかった」ので日本の行為をこれ幸いと制裁解除に動いただけの話です。
 本当に欧米諸国が「中国への制裁」で意見が一致してれば「日本が名誉白人の称号をもらってアパルトヘイト南アとのビジネスを続けようと、欧米が南ア制裁を続けた」ようなことにしかならなかったでしょう。

 日中両国の業界団体は8月28日に北京で覚書に調印し、電気自動車(EV)向け急速充電器を共同開発すると発表した。

 と楊がぼやいたところで何がどうなるわけでもありません。「日本の自動車業界に霞を食えとは言えない」のです、ねえ、id:Mukkeさん(もちろん皮肉、嫌みのつもり)。


■浅井基文ブログ『米中貿易戦争に対する中国の立場』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1063.html
1)中国の安い商品が入ってこなくなることはむしろ米国にとってデメリット
2)中国以外のEU諸国や日本にも報復関税してるので、それらの国と共闘できる
3)北朝鮮問題での中国への協力要請のことを考えればトランプもあまり無茶はできない
4)中国の経済力ならば、「安易に妥協しなくても」当面なんとか耐えられる
などの判断から中国は安易に米国に妥協せず「長期戦に持ち込む構え」とみる浅井氏です。


■産経【寄稿】国連「持続的開発」目標、台湾にも扉を開けよ 台湾・外交部長 呉●(=刊の干を金に)燮(ご・しょうしょう)
https://www.sankei.com/world/news/180917/wor1809170011-n1.html
 反中国産経らしい寄稿記事です。

「SDGs」は2015年の国連総会で採択され、持続可能な世界に向けた大胆な目標を設定した。だが、台湾の2300万人は、この取り組みから除外されている。
 国連が全ての人々とつながるためにも(ボーガス注:中国の)圧力に屈することなく、台湾に扉を開くべきだ。

 何のことかと言えば「国連の会議に台湾代表として出席させてつかあさい(仁義なき戦い風に)」つうだけの話です。
 別に出席できない国連会議は「SDGs関係の会議に限らない」のですがまあ、「SDGsをネタにすると説得力が増す」つう認識なんでしょう(その認識の是非はひとまず起きます)。
 しかし産経なんぞを舞台に「安西先生!、国連の会議に出席したいです!(スラムダンク風に)」といってなんか意味があるのか。産経のウヨ読者は「その通りだ」と思うかもしれない。しかしそれでなんか意味があるのか。
 世間的には

「そんなこと言ったってそれ『一つの中国』に反するから無理でしょう、大体1970年代に国連から追放されたのがあんたら台湾じゃん。終わり」
「つうかさあ、本当に会議出席したいなら、中国をどう説得するかつう話であって産経紙面で『中国は狭量』『そんな中国に従う国連は卑屈』云々て、中国に悪口雑言て、方向性逆じゃねえの?。あんた本当に会議出席したいの?。それネタに中国に悪口したいだけと違うの?。それともまさかとは思うけど中国の警告無視して、独立目指してるの?」

で終わる話です。


■産経『日中が第三国でのインフラ整備へ初会合 中国の「一帯一路」念頭に』
https://www.sankei.com/world/news/180925/wor1809250037-n1.html
 産経的には絶対に認めたくないでしょうが、「昔はともかく」、あきらかに今の安倍は産経のような一帯一路否定論ではありません。


■産経【主張】首相10月訪中 「一帯一路」に一線を引け
https://www.sankei.com/column/news/180917/clm1809170002-n1.html

 中国が勢力圏拡大を目指す巨大経済圏構想「一帯一路」も順風満帆とはいかない。

 もちろん一帯一路は「すべてがバラ色」ではないですが、一方で産経が描き出すような「失敗と挫折の連続」でもないでしょう。
 「いいことばかりじゃないけど悪いことばかりじゃない」わけです。その中で日本が一定の利益を確保できるし、確保すべきだという理解の元に一帯一路参加が決定されたわけです。

 会談では「一帯一路」を念頭に第三国での経済協力で合意した。だが、中国と組めば、覇権主義を後押ししかねず、日本が過去の経済支援で培った途上国の信用も損なわれる恐れがある。一線を引いておくべきだろう。

 「一線を引く」という表現が興味深いですね。もはや「一切参加するな」とは言えないわけです。かつ「どう一線を引くのか」具体的なことは何も書いていません。


■産経『新疆に強制的な教育施設 中国治安当局、存在認める』
https://www.sankei.com/world/news/180916/wor1809160004-n1.html
 常岡がツイートしてたので気づいた記事です。
 この産経記事も読んでてわけがわからない「悪い意味で産経らしい」ひどい記事です。正直、これにツイートできる常岡は変だと思います。
 何がひどいかというと「当局者とやらが何者なのかわからない」上に、この当局者がどういう立場で、そしてどういうシチュエーションでこう語ったのか、さっぱりわからない。
 一瞬、「公式な記者会見で公式発表として語ったのか(でも中国外務省が否定したことをどのレベルの当局者であれ、認めるなんてことがあるか?。おかしくね?)」と思ったんですが、本文を読むとそのあたりがまるでわからない。
 「産経新聞の取材に対し、匿名を条件に(内部告発的な意味で?)語った(産経の独自取材?)」とも理解できそうな文章です。
 しかし「公式な記者会見で公式発表として語った」のと「産経新聞の取材に対し、匿名を条件に(内部告発的な意味で?)語った(産経の独自取材?)」では発言の意味合いが違う。
 前者なら「公的な記者会見である以上、その発表内容(中国政府に不利な内容)は真実扱いして問題ない」でしょう。後で「あれは事実じゃなかった」というならそれを明確に証明する責任は中国政府側にあります。
 一方、後者の場合、「匿名の内部告発である以上」、前者と違って、そうそう簡単に真実扱いすることはできません。
 まともなメディアならそのあたり明確に書くと思うんですけどねえ。


■人民日報『中国代表「イラン核合意の維持は多国間主義堅持のあるべき筋道」』
http://j.people.com.cn/n3/2018/0914/c94474-9500581.html
 中国には中国の思惑があるわけで単純な善意ではありません。
■産経『ガス田権益、中国に移行 イラン、仏大手からと報道』
https://www.sankei.com/economy/news/180812/ecn1808120005-n1.html
といった「イラン石油利権の確保」といった思惑は大きいでしょうが「イラン核合意の維持を今後も続けるべき」と考える俺的には中国の態度は大いに評価せざるを得ません。
 中国のような政治大国、経済大国の動きは「イラン核合意での合意継続努力であれ、トランプの合意破棄方針容認であれ」、中国の思惑に関係なく大きな影響力を持たざるを得ませんので。
 ここで「トランプの破棄方針容認」でなかったことについては感謝せざるをえません。
 そして■浅井基文*10ブログ『中国をどう見るか』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1045.htmlが主張するように「中国外交=脱パワーポリティクス」と見るべきかどうかはともかく「米国の無茶苦茶なパワーポリティクス(イラン核合意破棄)」にノーを表明した中国を「事情はどうあれ、米国流パワーポリティクスに批判表明した」ということで浅井先生同様、俺も「米国の無法を是正する政治勢力のワンオブゼム」として当面は一定の期待をせざるを得ません。少なくとも阿部治平*11とリベラル21一味のように中国にただ悪口しかしないのは違うだろうと思います。


■産経『中国バチカン、月内合意か 司教任命問題で米紙報道』
https://www.sankei.com/world/news/180915/wor1809150003-n1.html
 もちろんどうなるかはわかりません。報じたWSJは右寄り、アンチ中国なので「こうした報道でバチカンや中国を牽制したいので、あえてあやふやな情報で飛ばし記事」つう可能性も当然あるでしょう。


■産経『台湾・大阪処長が自殺』
https://www.sankei.com/world/news/180914/wor1809140019-n1.html
 普通に考えれば「台風対応の不手際への批判を苦にして」つうことでしょうが、台湾政府が正式発表しない以上なんとも言えません。
 なお「このようなことがないように台湾政府は職員のメンタルヘルスに注意すべき」とはいえるでしょう。
 ただし「批判してはだめだ」つうわけにはいかないでしょう。正当な批判はされて当然だからです。まともでない批判はもちろん許されませんが、それは「自殺するかどうか」とは関係ない話です。


東洋経済オンライン『大阪駐在の台湾外交官はなぜ死を選んだのか』
https://toyokeizai.net/articles/-/238262

 東京外国語大学の小笠原欣幸准教授は「モンスター選挙民」の存在と「民主主義の自傷行為」が一連の事態の根底にあったと分析する。

 「何だかなあ?」ですね。もちろん個々の政府批判が果たして適切だったかは大いに議論すべきでしょう。
 ただし「自殺理由を政府批判だと見なす確実な根拠」がない限り、こういうことは言うべきではないでしょう。「人命を利用して政府批判を潰そうとしてる」と疑われても文句は言えないでしょう。


■日経『ベネズエラ、中国と経済協力で合意 首脳会談で』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35426430V10C18A9000000/
 マスコミ報道によれば原油安もあってベネズエラ経済は相当に危機的な状況なのでここで中国が貸しを作ることはそれなりに合理的選択です。
 ただし中国にとって、問題は「危機が深刻すぎて」中国の支援でなんとかなるか不安というところではあります。


■AFP『「欧州は欧州人のもの」 ダライ・ラマ法話移民問題に言及』
http://www.afpbb.com/articles/-/3189523

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(83)は12日、スウェーデン南部マルメ(Malmo)で法話を行い、「欧州は欧州人のもの」であり、難民は帰郷して母国再建に尽くすべきだという見方を示した。
 スウェーデンは2015年、亡命希望者数を人口で割った比率が欧州で最高となった。法話が行われた同国第3の都市マルメにも、大勢の移民が暮らしている。
 ダライ・ラマは、欧州には「現に命の危険にさらされている難民」を支援する「道義上の責任」があるとして、「受け入れ、助け、教育しなさい」と促す*12一方、難民らは「最終的には母国を発展させなければならない」と説いた。
 さらに、「欧州は欧州人のものだと思う」と述べたダライ・ラマは、欧州人は難民に対し、いずれは母国を再建しなければならないと明言すべきだ*13という見方を示した。
 スウェーデンでは今月9日に行われた総選挙で、反移民を掲げる極右のスウェーデン民主党(SD)が躍進。ステファン・ロベーン(Stefan Lofven)首相率いる左派の与党・社会民主労働党(SAP)と、中道右派の野党・穏健党(Moderates)に続く第3党につけた。

 以前もダライがこうした「難民差別」の暴言を吐いたというニュースが報じられ小生も批判しましたが、また同じ暴言だそうです。こういうのをid:Mukke、I浜女史*14、阿部治平ら「ダライ盲従分子の馬鹿ども」はどう考えてるんですかね?
 俺だったら

・だったら自称「チベット難民」の手前らがインドのダラムサラを出ていいってチベット自治区に帰れよ!。インドはインド人のもんだよなあ?。「チベット自治区の発展」頑張って!
・ああ?。中国の迫害があるから帰れない?。だったらほかの難民だって一緒だろうがよ!。なめてんのか!、手前らチベットのカス野郎どもは!。何がチベット仏教最高指導者だ、難民差別のくそ野郎が。くたばれよ、外道。ノーベル賞も「ダライのご主人様」CIAの政治工作による受賞なんだろうが、今からでも賞を剥奪すべきじゃねえの?。腐ってるな、ノーベル平和賞選考委員会。マンデラ金大中とかまともな受賞者もいるけど。
・まさか「ほかの難民は帰国しても迫害されない。でもチベット難民だけは違う」なんて根拠レスで言い出さないだろうな、ダライ!
・手前、最近は欧州でウヨ政党が躍進し、スウェーデンもその例外じゃないからトランプのような反移民のウヨ政治家にこびてるだけだろ。インドから「頼むからインドからダライ集団は出てってください、中国との友好関係が大事なんです」といわれなきゃいいな(毒)
・さすがためらいなく安倍晋三にこびる馬鹿はやることが違うな!

とダライ一味を罵倒しますね。
 まあ、もちろん「AFPの誤報」なら話は別ですが、たぶんid:Mukkeらは「AFPに問い合わせて真相追究」などしないでしょう。もちろん「AFPが抗議に応じるとも思えない」ので「誤報だ」などと抗議もしない。「おそらく間違いなくダライ発言であること」が確定し、かえってid:Mukkeらダライ盲従分子にとってやぶ蛇になるので「ダライ猊下の不祥事は見て見ぬふりしようぜ」になるのでしょう。しかしダライも政治センスも良心も常識もなにもない「論外のゲス野郎」ですね。
 こんなことを言っていわゆる「欧米のリベラル派がダライを支持してくれる」のか。「リベラル派の支持などいらない」つうならそれまでですが、こんなことで欧州の排外主義極右がダライを積極支持してくれるとはとても思えません。


■石平のツイート

石平
 プーチン*15が日露首脳会談で変な発言すると、国内の反安倍派は大喜びして「アベの失敗、アベが駄目だ!」と興奮する。

  興奮するも何も安倍*16がろくにプーチンに抗議もせず「日露外交は失敗してない」と強弁するから批判されてるだけですが。民主党政権なら屈辱外交とたたいてるであろう連中が「安倍は悪くない、悪いのはプーチンだ」「悪いのは安倍総理でなく外務省だ」「安倍総理以前の歴代自民党総理だって領土を取り戻せてない」「安倍総理でなく石破*17、石原*18や岸田*19、あるいは立民の枝野*20なら取り返せるのか」「とにかく我々は安倍総理を支えるべき。安倍批判しても喜ぶのはプーチンだ」などと強弁する姿は実に滑稽です。


■ニューズウイーク日本版『中国の大学ではびこる密告制度』ラージャオ(中国人風刺漫画家)/唐辛子(コラムニスト)
https://www.newsweekjapan.jp/satire/2018/09/post-38.php

 北京建築大学の教員は、授業中ずっと携帯をいじっている学生たちの態度に怒り、日本人学生の勤勉さを例に挙げて、「あなたたちも頑張らないと日本に負けて劣等民族になるよ!」と叱ったのが「人種差別」「日本にこびを売る売国言論」として学生に匿名告発され、処罰された。

 吹き出しました。少なくともそれは密告という話ではないでしょう。「劣等民族」云々などという差別発言はペナルティを受けて当然ですし、とはいえ「匿名の内部告発」以外に学生がこの場合、教師に対抗するすべもないでしょう。
 「処罰」がどの程度の物かにもよりますが少なくともこの件に限れば「匿名告発」も「処罰(適切なレベルであれば、ですが。さすがに免職だとやり過ぎかとは思います)」も何ら問題はないでしょう。

*1:著書『世界の独裁者』(2011年、幻冬舎新書)など

*2:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*3:どういう扱いをされてるか無知なので知りませんが、和解してない現状ではあまり好意的な扱いでもないのでしょう。

*4:共青団中央書記処第一書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*5:もちろん安倍のこと。

*6:さすがのインドもそんなことはしないわけですが。

*7:ググったところ他の二つはウイスキーとブランデー

*8:ソチ、平昌五輪男子フィギュア金メダル

*9:著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)、『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店)、『最後の馬賊:「帝国」の将軍・李守信』(2018年、講談社)、『モンゴル人の中国革命』(2018年、ちくま新書)など

*10:元外務省中国課長。日本大学教授、明治学院大学教授、広島市立大学広島平和研究所所長など歴任。著書『新ガイドラインQ&A』(1997年、青木書店)、『平和大国か軍事大国か』(1997年、近代文芸社)、『中国をどう見るか?』(2000年、高文研)、『集団的自衛権日本国憲法』(2002年、集英社新書)、『戦争する国しない国』(2004年、青木書店)、『13歳からの平和教室』(2010年、かもがわ出版)、『ヒロシマと広島』、『広島に聞く 広島を聞く』(2011年、かもがわ出版)、『すっきりわかる! 集団的自衛権』(2014年、大月書店)など

*11:著書『もうひとつのチベット現代史:プンツォク=ワンギェルの夢と革命の生涯』(2006年、明石書店)、『チベット高原の片隅で』(2012年、連合出版)など

*12:もちろんこんなんは「最終的には母国に帰れ」を正当化するためにお為ごかしに過ぎません。焼身自殺を美化しながら「心が痛む」とぬかしたのと同じでダライの下劣さ、卑怯さの証でしかありません。とりあえずチベット仏教がまともな人格形成に何一つ役立たない「だめ宗教」であることはよくわかりました。最高指導者ダライがこのレベルの馬鹿なんですから。

*13:そんなことを明言しないのは1)明言しなくても帰れる状況になれば普通帰るから、2)そんなことをいえば「とっとと帰れ」という排外主義を助長しかねないからです。ダライも本当に論外の馬鹿ですね。

*14:著書『チベット仏教世界の歴史的研究』(2001年、東方書店)、『世界を魅了するチベット』(2010年、三和書籍)、『清朝チベット仏教』(2011年、早稲田大学出版部)、『ダライ・ラマと転生』(2016年、扶桑社新書)など

*15:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*16:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*17:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*18:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相など歴任

*19:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長

*20:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)などを経て立憲民主党代表

今日の中国関係ニュースほか(9/4分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■日経『日本と中国、なぜいま改善? 3つのポイント』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3526529012092018000000/
 詳しくはリンク先を見ればいいですが「3つのポイント」の答えは
1)なぜ中国は関係改善に乗り気か:中国企業が儲かるから
2)なぜ日本は関係改善に乗り気か:日本企業が儲かるから
3)関係改善の上で問題点はないのか:安倍の極右性
ということですね。
 まあ言わずもがな、当たり前の話ですが、俺的には2)を強調したいですね。というのも2)は産経ら反中国ウヨが徹底的に無視しようとする話だからです。


■石平のツイート

石平
 尖閣諸島が日本の施政下であることを強くアピールすべき。自衛隊は堂々と上陸し駐在すべき。尖閣は日本の領土だから自衛隊の上陸や駐在は問題ない

 イヤー安倍ですらそんなことはしないでしょうね。そんなことをしたら日中関係が悪くなる、つう意味でも、そんなことをしたら「竹島北方領土に軍が駐留しても批判しづらい」つう意味でも。

石平
 安倍総理リップサービス*1でも一帯一路の賛成は百害あって一利なし。欧米から裏切り者扱いされるしアジア諸国から不信感を抱かれるし、トランプ大統領も不信感を抱くので日米同盟にも隙間が出来る。ヤクザのサラ金に肩入れするようなもの。日中関係改善は良いが一帯一路は口にしないほうがいい。

石平
 (ボーガス注:中西経団連会長)『(ボーガス注:一帯一路は)我々にとって大きなチャンス』
 経団連会長は大馬鹿。一帯一路は世界中で袋叩きにされて、日本に協力してもらう、習近平の為に火中の栗を拾ってもらう。それを財界のトップが、罠にはまることをチャンスだと。

 石ですら「日中関係改善はいいが」と舌先三寸でも言うところが面白いですが、それはさておき。
 石が「一帯一路支持なんか安倍はするな!、経団連会長はするな!。中国の罠にはまるな!。罠にはまるなんて大馬鹿だ!」と今更言っても何もどうにもならないでしょう。安倍も中西経団連会長(日立製作所会長)も一帯一路参加発言を撤回したりしない。
 それにしても「欧米から裏切り者扱い」には吹き出しました。米国はともかく、「カナダ、英国、フランス、イタリア、ドイツ」はAIIBに加入してるし、一帯一路にはむしろ好意的立場でしょう。
 むしろ裏切り者云々つうなら中国よりも「安倍とロシア(プーチン)の付き合い」でしょう。
 クリミア併合問題や「リトビネンコ暗殺疑惑」などで欧米はロシアに制裁をかけてるからです。
 もちろん石は単に「中国に悪口したいだけ」なので、ロシアと安倍の付き合いについては何も言いません(なお、以上の指摘は「ただの事実」であって、「だから安倍は欧米のような態度をロシアにとるべきだ」とはいっていません。正直「北方領土の返還を目指す」のならば「安倍の対ロシア外交の是非」はともかく欧米のような態度はロシアにはとれないでしょう)。
 「アジア諸国から不信感」つうのも酷い話で、ほとんどのアジア諸国は一帯一路に参加してますし、一帯一路に距離を置いてるインドですらAIIBの融資は受けています。
 そして石以外の櫻井よしこだの島田洋一だの「日本ウヨの多く」は「安倍や中西経団連会長の一帯一路参加発言」は「見て見ぬふり」し続けるわけです。


■朝日『台湾「原発ゼロ」本格化 電力確保綱渡り、産業界は懸念』
https://www.asahi.com/articles/ASL804GW2L80UHBI00P.html
 蔡を「中国と戦う闘士」として持ち上げたいがために「原発推進派」産経が故意に無視してるのが「彼女が脱原発を掲げる政治家だ」ということです。
 蔡が「産経好みの反中国」でない限り産経は彼女を「非現実的な脱原発を放言する無能で無責任な政治家」とたたいていたでしょう。
 一方最近産経が「中国シンパだ」などと非難する最大野党・国民党は原発推進派です。


■リベラル21『暑苦しかったスポーツ界の夏』阿部治平
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4493.html
 たった3日前に
■リベラル21『ある中国論:なんとも奇奇怪怪!』阿部治平
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4490.html
なる文章を書いたばかりの「自称中国ウオッチャー」阿部がまた別の文章です。
 しかもその内容は「レスリングのパワハラ問題」「日大アメフト危険タックル」「ボクシング協会の不正(会長の利権あさりなど)」「居合道協会で金銭買収によるインチキ審査が発覚」「体操協会での体罰(宮川紗江選手の元コーチ)やパワハラ(塚原夫妻)」「アジア大会での日本代表バスケ選手の買春」など「今年に入ってから、スポーツ界で不正、不祥事が続いて残念だった。綱紀粛正に努めてほしい」という

「そんなことはスポーツライターとかスポーツ評論家とか専門家に書かせろよ。阿部はその問題の専門家と違うじゃん」
「書いてる内容も素人の俺でもかけるレベルだし。そもそも阿部も素人だしな」
「どんだけお前らリベラル21は阿部を特別扱いしてるんだよ!。もっとほかの人間に書かせろよ!。あほか!」

とあきれる代物です。


■リベラル21『ある中国論:なんとも奇奇怪怪!』阿部治平*2
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4490.html

 7月26日付朝日新聞朝刊に、元中国総局長藤原秀人氏の「"礎"失い、迷走続く日中*3」と題する論評が掲載された。中国の大国主義を指摘し、民主化の課題と日中関係改善の困難を論じたものである。私は、この主旨におおむね納得した。

 「読者無視」という「悪い意味で」阿部治平とリベラル21らしいですね。
 普通の人間なら藤原コラムの引用をした上で論評するなり、せめて読者の便宜を考えてリンクを張るなり(リンクする記事があればですが)するでしょうが、ただ「俺は藤原に賛成した」だそうです。
 「バカか、手前?」「手前らは『私たちは藤原に賛成です』といえば『天下のリベラル21様と阿部治平様が褒めてるから間違いない』と思ってもらえると、思い上がってるのか?。調子のってんじゃねえよ」と説教したくなります。

 ところが、浅井基文氏*4が自身のブログで、藤原秀人氏の見方を厳しく批判し、習近平政権に対する絶大な支持を表明した。

 俺の理解では浅井氏は「隣国で経済大国でもある中国とは仲良くやっていくしかない。敵視なんかできない。習指導部も日本の反中国分子(例:阿部治平)が罵倒するほど話のわからない連中ではないと思う。人権面で中国に問題があるのは確かだが、そうした国は「軍事政権のタイやエジプト」など中国だけではないし、日本や欧米の反中国分子(例:リベラル21)がそうした『中国以外の人権に問題がある国』を軒並み批判してるわけでもない。大体一気に民主化なんて無理だ、漸進的民主化が現実的だ」などといっているだけで「絶大な支持」など表明してないのですが、それはさておき。
 この阿部記事の何が酷い、って浅井批判をしながら、浅井氏の記事を紹介しないのがすごすぎます。記事文章の引用もないし、リンクも張ってない。
 「記事名を書いた藤原氏と違い」ブログ記事題名すら書かないのだから、読者には浅井氏の主張が「阿部氏が要約して紹介し、批判するようなものなのか」どうか確認することが「浅井ブログ記事を何らかの形で探し出さない限り」不可能です。
 疑えば、要約に当たって阿部氏が「浅井主張を産経のようにデマ中傷してる」かもしれませんし、そこまで酷くなくても「誤読の可能性」は否定できません。
 もし「俺は誤読なんか常にしないし、読者もそんな俺を信用してるはずだ。だからこれでいいんだ」と阿部氏が思ってるなら思い上がりも甚だしい。
 それとも、まさか『「浅井基文、藤原秀人」などで読者が検索しろ』とでも言う気でしょうか?。冗談ではありません。
 確かにそれで検索すれば、幸いにも
■浅井基文ブログ『中国をどう見るか』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1045.html
という浅井コラムがヒットしますが、「阿部氏が浅井記事の題名を書けばすむこと」でなんでそんな手間のかかることを読者がしないといけないのか。
 こういうのがまともな批判だと思えるのが阿部氏とリベラル21のようです。もはやなんと言っていいのか言葉もありません。阿部氏はともかくなぜリベラル21は、彼に「読者が確認できるようにせめて浅井記事の題名くらい書いてください。あなた藤原記事は題名を書いてるじゃないですか?」と彼に原稿を突っ返さないのか。
 そういうことが言えないほど「阿部大先生には逆らえない」や「阿部さんは友達だから批判的なことが言えない」なんて上下関係やゆがんだ「なれあい、もたれあい、かばいあい関係」なのか。
 それともリベラル21は原稿をまともにチェックしてないのか。
 これと同じこと(記事題名の紹介も論文引用もされずに勝手に要約した文章で非難する)をされてリベラル21や阿部氏は納得できるのか。納得できるというならそれまでの話ですが、たぶん「結果的に批判が正しくても」、

『なぜ私の記事を読者が確認できるようにしないのか、なぜあなたは読者が公平に判断できるようにしないのか』
『確認されて「阿部さんの方、リベラル21の方ががあんたより正しいじゃん」といわれたくないからではないのか』
『仮に「俺にとって明らかに間違ってる阿部の文章など紹介したくない」とあなたが思ってるのだとしてもそんな感情論で批判対象を読者が確認できないようにするのは、読者や批判対象に対して不誠実だ。故意に曲解してたたいた上でそれがばれないようにしていると疑われても仕方がないのではないか』

などと批判してるんじゃないですかね。
 まあ、これで終わらせてもいいのですが、この後も阿部批判は続けます。
 なお、この、「浅井記事について引用も記事題名紹介もしないで批判するなんておかしい」という部分「だけ」は阿部記事のコメント欄に投稿しておきます(追記:阿部氏の批判した浅井コラムが■浅井基文ブログ『中国に関する私の見方:疑問・批判へのお返事』http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1050.htmlだというとんちんかんな誤解をしていたので書き直しました。実際は■浅井基文ブログ『中国をどう見るか』(http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1045.html)が阿部批判が対象とする浅井コラムです。なお、その誤解については後で阿部記事のコメント欄に『誤解なので訂正しておきます』と投稿しておきます)。阿部氏がこの俺のコメントを掲載するか、掲載しないまでも「浅井記事をきちんと紹介するか」楽しみにしたいと思います。この「記事題名紹介しないのはおかしい」はこの後、俺がする予定の「浅井氏の中国認識の方が阿部氏の認識より正しいと思う」という価値観の問題とは違い「浅井氏でなくむしろ阿部氏の中国認識に賛同する人間も含めて」まともな人間なら「ほとんど誰もが賛同する阿部批判」かと思います。
 阿部氏の浅井批判のやり口は明らかに不誠実で不自然で異常ですから。論争態度として明らかにまともではない。
 そうしたものを投稿すれば阿部氏も「掲載拒否はしづらい」でしょうし、こうした俺の批判を阿部氏が受け入れて、浅井記事を紹介すればそれは意義のあることだと思います。
 とはいえ、正直なところ、たぶん、阿部氏は俺のコメントも掲載しなければ、俺の指摘を受けても「浅井記事を全く紹介しないだろう」つうことが現時点で「2万%(橋下風に)」確実に予想できますが。
 何せ「藤原記事の題名は紹介しながら浅井記事の題名は紹介しない」つうのは誰が考えても不自然で異常です。阿部氏をこの記事題名をまねれば「なんとも奇奇怪怪!」です。
 浅井記事の題名紹介など手間がかかることでも何でもない。正直、「こうした批判」は俺がせずとも、阿部氏がまともな人間なら当然に予想します。予想できないなら感覚が狂ってる。
 そしてそういう予想をした上で「あえて浅井記事の題名紹介をしなかった、批判があっても無視するつもりだった」のだとしたらこれまた感覚が狂ってます。
 「俺は浅井の文章など紹介したくない。あいつは異常な中国びいきだからだ」なんて理由が記事題名すら紹介しない理由だとしてもそんな感情論でこんな無礼なことを浅井氏にするなど全く常識外れです。論評するときに「論評相手の主張内容が読者に確認できるようにする」なんて当たり前の話です。その「当たり前のこと」を阿部氏が、浅井氏相手にしないことを正当化できうる理由はどこにもないでしょう。何せ藤原氏については記事題名を紹介しているわけですし。
 阿部氏と言い、id:Mukkeと言い、I濱女史と言い「一部のチベット支持者」は本当に「悪い意味で」常識外れで人間性を疑います。とはいえ正直な話、阿部氏やリベラル21がここまで「だめな人間」とは思ってもみませんでした。
 まあ、「それなりの著名人である浅井氏相手」にこんな無礼な態度をとるのだから、過去に阿部氏が俺のコメントを平然と掲載拒否したのも「有る意味当然」なのでしょう。
 さて阿部氏の論争態度への批判はこれくらいにして「彼の浅井記事論評」について話を進めます。なお、ここまで「氏」と敬称をつけましたが、俺は彼のことを人間として信用も評価も尊敬もしてないので以下は「阿部」と呼び捨てにします。

私はあまり浅井氏を知らないが、一時期は中国問題の専門家として泰斗と称えられたかたである。

 本当に「あまり知らない」のか、「浅井氏の中国認識に『中国びいきが酷すぎる』と憤激して故意に小物扱いしようとしてるのか*5」知りませんが、「あまり知らない」と公言するあたりがすごいですね。
 これが「浅井氏と個人的交際がない」レベルならまだしも、護憲派を自称する阿部が「浅井氏の本を全然読んだことがない」つうなら一寸呆れますね。正直、まともな人間なら恥ずかしくてこういうことはあまり書かないんじゃないか。
 それにしても「一時期は中国問題の専門家として泰斗と称えられたかた」て。今は違うとでも言うんでしょうか?。「こんな悪口を書く必要はどこにもない」のに阿部も全く失礼な男です。
 俺なら

 一時期は、なんてのは『今は違う』といってるようで失礼ですね。そうした見方は必ずしも一般的見解じゃないでしょう。一方、彼は専門家であっても泰斗(日本を代表する専門家、いわゆる大御所)かどうかは意見が分かれるでしょう。ここは『私はあまり浅井氏を知らないが、中国問題の専門家として知られる方である』くらいに無難に書けませんか?。そもそも「一時期」とか「泰斗」とかこの話の本論に関係ないでしょう?

といいますがそういう忠告はリベラル21からなかったんですかね。まあ、そういう忠告しても阿部は聞きそうにありませんが。
 一方で

 一時期はノーベル平和賞受賞者として世界から注目を集めたダライ・ラマ

なんて誰かが書けば「一時期とは何だ!。ダライ猊下は今でも世界が注目してる!」とマジギレするのが「ダライ盲従分子」阿部でしょう。なんともでたらめな野郎です。

 浅井氏は、習近平外交の本質は、その最大のポイントが脱パワー・ポリティックスを目指すことにある。

 これについては
■浅井基文ブログ『中国をどう見るか』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1045.htmlでは、

 私はすでに7月8日のコラムで、習近平外交の本質について、その最大のポイントが脱パワー・ポリティックスを目指すことにあることを指摘しました。

と書かれていますので、7月8日付けコラム
■浅井基文ブログ『脱パワー・ポリティックスを志向する習近平外交』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1050.html
を紹介しておきます。
 『脱パワー・ポリティックスを志向する習近平外交』といっていいかはともかく阿部や藤原氏のように「中国の脅威」ばかりを云々するのは浅井氏が言うように適切ではないでしょう。
 たとえば一帯一路は「一定の協調関係が必要」であり単純なパワーポリティクス(政治力、経済力、軍事力などをバックにした中国のごり押し)でどうにかなるもんじゃないからです。そもそも「中国に限らず」単純なパワーポリティクスが押し通せる国などあえていえば「超大国アメリカ」くらいでしょう。
 そしてNATOなどの軍事同盟の存在を考えれば、欧米諸国も大なり小なりパワーポリティクスです。
 個人的には浅井氏のいう『脱パワー・ポリティックスを志向する習近平外交』とは『脱パワーポリティクス』というよりは

NATOやG7を中心とする欧米型パワーポリティクス(欧米型軍事外交)に、一帯一路など非軍事的手法(経済的手法)*6で対抗する中国

とでも理解すると適切なのかなと思います。
 欧米型パワーポリティクスを手放しで支持するのでない限り、また「中国以外にこれこれこうした欧米型パワーポリティクスへの現実的対抗がある(だから中国の一帯一路などに何ら期待しなくていい)」と理解しない限り、俺個人は浅井主張にある程度共感、同意せざるを得ないと思います。つうか俺個人は「手放しの賛同ではない」にせよある程度浅井氏に同意、共感しますね。
 ふと思ったのですが、浅井氏は「中国が脱パワーポリティクスだ」と本心思ってると言うよりは「中国をパワーポリティクス、大国主義と非難する人間(例えば藤原氏や阿部、リベラル21)に聞きたいが、ならば米国をリーダーとするNATOやG7はパワーポリティクス、大国主義ではないのか。米国主導の大国主義、パワーポリティクスはいい大国主義だなどというのは米国側に立つことを日本の国益に資するとする立場によるものに過ぎないのではないか。そんな人間に中国を大国主義などと批判する資格などない」という皮肉なのかもしれません。

 この8月20日中国を公式訪問したマレーシアのマハティール首相は、李克強首相に前政権が中国政府系企業と契約した「東海岸鉄道」の工事の中止を通告した。そのうえで首脳会談後の共同記者会見で、「われわれは新たな植民地主義が生じる状況を望んでいない」と発言したのである。

 なぜか阿部やリベラル21は軽視してるようですがマハティールが「われわれ(中国&マレーシア)」としている点が重要ですね。マハティールは「鉄道契約をごり押ししたらそれは新植民地主義ではないか」と中国を牽制したわけですが、その牽制において「建前に過ぎない」としてもマハティールは「中国は新植民地主義に反対の立場のはずだ」と主張したわけです。これは阿部の主張とは違いむしろ「中国は脱パワーポリティクスを目指してる(少なくとも建前上は)」という浅井主張を裏付ける事実ではないのか。

 旧聞かもしれないが、2017年中国はスリランカのハンバントタ港を租借地とした。

 別記事でも書きましたがハンバントタにおいて中国がリースを受けたのは「港の運営権」です。
 つまり「是非はともかく」、「中国企業が港を運営し、その上がりを収益としていただく」という話にすぎません。
 その地区一帯の行政権限など握っていないのだから「香港(英国統治)やマカオポルトガル統治)」「返還前の沖縄(米国統治)」などと違い、全然租借地ではない。
 それが租借地なら例えば、翁長県政下においても「返還後の沖縄米軍基地」なんかも租借地になるでしょう(米軍基地での米軍の振る舞いのひどさはひとまずおきます)。
 従ってこの駄文以降の

 インドの手前、中国は軍事利用はしないとされているが、程度の差こそあれ租借国は租借地の管理統治権をもつのが通例である。
 「99年租借」は、1898年イギリスが弱体化しつつあった清朝を脅して香港北部の九龍半島を租借したのと同じ長さである。帝国主義にやられたことを「大国主義」でないはずの大国中国がやっているのだが、浅井氏はどうお考えか。

は端的に言って間違いです。そもそも租借地ではありませんので。浅井氏もこれを読んだら「阿部やリベラル21のバカさ」に呆れるんじゃないか。
 事実認識がここまで間違ってるつうのも酷い話です。阿部の個人ブログならまだいい。
 これを「リベラル21サイトに掲載したリベラル21運営者は何を考えてるのか」つう話です。
 「阿部の原稿をまるきりチェックしていない」のか。はたまた「港の運営権リース」と「租借地」の区別もつかない「法律や政治に無知な」バカが原稿をチェックしてるのがリベラル21なのか。
 「阿部先生の原稿にはどんな形であれ口出しなんかできない。我々にとってあまりにも偉大なお方だから」という阿部治平真理教、阿部治平崇拝、阿部治平盲従がリベラル21なのか。
 いずれにしろ馬鹿げた話です。
 何が

http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4490.html
 私たちは護憲・軍縮・共生を掲げてネット上に市民のメディア、リベラル21を創った

か、笑わせるな、租借地云々とデマ垂れ流す「産経レベルの反中国」は黙ってろって話です。

 朝日の藤原氏は、王毅*7外相の「日本側がこの現実を率直に受けとめないと、中日関係を発展させるのは難しい」ということばを引いているが、この意味するところは「日本は中国の目下の位置にあることを認識せよ」ということである。

 そんなことは言ってないでしょう。どこの世界に「お前は俺より格下だ」なんて公言する人間がいるのか。
 王氏の言ってること「この現実」とは「日中両国はもはや密接な経済関係があり日本が中国を敵視できる関係ではない」「また日中国交正常化当時(1970年代)はともかく中国は今や経済大国、政治大国であり、日本に一方的に目下の存在として見下される存在ではもはやない」「もちろん安倍自民を支持する極右層(例:産経)の南京事件否定論や首相靖国参拝支持など論外だ」つうことです。
 つまりは「対等な立場での日中友好以外に日中関係の発展はあり得ない(王外相)」つうある意味当たり前の話です。中国に限らず、どこの世界に「うちの国を敵視してもかまいません、見下してもかまいません」なんて国があるのか。

「中国は鋭意絶対的貧困の解消に取り組んできたが、今日なお5500万人の絶対的貧困層を2020年までに貧困から抜け出させることを国策として取り組んでいる現実もある。このような国にあって、個々人の政治的市民的権利の無条件な実現を要求することには無理があることを認める必要がある」というのである。

 まあ小生もそう思いますね。そうした事実(今の中国において民主主義面で問題がある)を是とは思いません。浅井氏も是とは思ってないでしょう。しかし現実的でない主張「今すぐ中国民主化」を主張しても意味がないわけです。浅井氏もそうでしょうが、小生も「それで中国に甘いだの中国シンパだの阿部や阿部のお仲間(リベラル21)が言いたいなら勝手に言ってくれ」つう立場ですね。

 中国より貧困なモンゴルなどいくつかの旧ソ連圏国家、インドやネパール、ギリシャなどをご覧なさい。完全ではないにしても、「欧米的モノサシ」でいうところの政治的市民的権利と普通選挙が実現しているじゃないか。

 で本当にそれらの国は「政治的市民的権利」が実現してるんでしょうか?。阿部やリベラル21には「カースト制って知ってますか?。インドの身分差別制度なんですが?」と聞きたくなります。
 そして「中国よりこれらの国が貧困であるらしいこと」は阿部的には「どうでもいいこと」なんでしょうか?
 あげく、中国が豊かになったことを

 改革開放以来すでに40年近い。どんな国だって毛沢東流のでたらめな政権でなければ、40年もたてば民衆の生活は多少は向上するものだ。

というのだから恐れ入ります。
 「なるほど、ということは中国より貧乏らしいモンゴルやインド、ネパール、ギリシャは過去40年間、よほどでたらめな政権なんですね?」「それとも大嫌いな中国は『中国が豊かになったことはたいしたことじゃない。40年もたてば成長するのは当然だ。一方で民主主義が不十分だ』と小馬鹿にするくせに、モンゴルやインドなどは『中国より貧乏でも民主国家だ、すばらしい』と言い出すご都合主義があなたですか?」と聞かれたら阿部はどう答えるんでしょうか?
 やはり逆ギレでしょうか?

 浅井氏は、自分のことについては「正直言って、私のような者は中国社会では生きていけないだろう。なぜならば、私のような発想・考え方のものが中国社会で自らを貫ける自信はないからだ」という。
 えっ、なぜだ?。実に奇奇怪怪!
 この疑問への浅井氏の回答は、「今日の日本を前提とするとき、市民的政治的権利も経済的社会的文化的人権もすべての国民に保障されるべきであると確信するものであり、したがって、(浅井氏は)中国における『体制批判』者と同列・同質であるから、中国社会では生きていけない、という判断を述べたものです」というものだ。
 精一杯善意に解釈しようとしたが、私にはどうしてもこの理屈がわからなかった。

 え、なんで理解できないの?ですね。浅井氏は「中国が今すぐ民主化するとは思ってない、それは非現実的だと思う。残念ながら長い目で見ないといけないと思う」が、だからといってそれを積極的に是と肯定はしていない(やむを得ない現実として受け入れている)からこそ「リベラルを自認し、政治的民主化を日本で目標とする自分が中国で、自分らしく生きられるとは思えない」と誠実に回答しただけでしょうに。
 むしろ「積極的に是と思ってない」のに「中国に住んでも自分らしく生きられると思う」という方がよほど「理解できませんが」。
 そして「ただただ中国に悪口するだけ」で「日中友好関係を築く気もなければ」、現実的な「中国の政治改革を目指す気もないらしい」、阿部とリベラル21の方にむしろ呆れます。
 「ホニャララ(例:中国の民主化)が理想だ!」ですべてが解決するなら誰も苦労しません。現実世界は勧善懲悪ではない。「理想が常にすべてかなう」わけではない。
 中国についての言説も「理想と現実をどう折り合いをつけるか」が大事です。もちろんそうした考えは往々にしてただの現実追認になりやすい。
 また「浅井氏の態度が100パー正しい」とまでは「浅井氏を支持する」俺もさすがにいいません。批判は当然あっていい。
 しかし阿部やリベラル21のような「現実無視の空想的理想論」に何の意味があるんでしょうか?

 日本人には自由権社会権も保証されてしかるべきだが、中国人にはそのようなものは必要ないといいたいようだ。

 「社会権って日本語知ってるの?」と阿部には言いたいですね。
 浅井氏は「まずは中国では豊かになること(つまり社会権の充実)が必要だと思う」としているのだから、「社会権は必要ない」などとは言ってないでしょうに。自由権にしても浅井氏は「必要ない」としてるのではなく「残念だが中国での政治改革は漸進的にすすめるしかない」としているだけです。

 浅井氏の議論が中国の医療制度の向上、貧困人口の著しい減少などを高く評価したくだりに至って、私にもようやくわかった。氏は中国民衆の現実生活をまるで知らないまま、民主だとか人権について発言しているのだ。改革開放以来すでに40年近い。どんな国だって毛沢東流のでたらめな政権でなければ、40年もたてば民衆の生活は多少は向上するものだ。

 「中国の現実生活を浅井氏なりに理解してる」からこそ「今すぐの民主主義は無理だ」「一方で経済や福祉の面は昔に比べれば大分良くなった(もちろん北欧の福祉国家などと比べればまだまだですが)」と判断してるんじゃないですかね?。
 そして

中国の医療制度の向上、貧困人口の著しい減少などを高く評価

することが何か問題なのか。「40年たてば多少は向上する」などと言い出す阿部の方こそ「反中国共産党の立場」による現実無視でしょう。
 そして繰り返しますがその「中国共産党をおとしめる屁理屈」だと阿部は「貧乏な発展途上国」は軒並み「毛沢東流のでたらめな政権だ」とでもいう気でしょうか?。まあ多分そこまでの度胸は阿部にもなく、単に中国の経済発展を不当におとしめたいだけでしょうが。

 浅井氏の議論の仕方には遠い昔の記憶があった。50年前文化大革命を熱狂的に支持した日本文化人、マスメディアの論理である。曰く、盲従。浅井氏は私よりも数年若いらしいが、こういうかたがまだいるのだ。

 馬鹿馬鹿しい。浅井氏の中国認識を「中国に不当に甘い」と阿部や阿部のお仲間「リベラル21」が考えるのは彼らの勝手です(俺個人はむしろ浅井氏に共感しますが)。
 浅井氏の主張をどう理解すれば「文革支持の論理」「中国盲従」になるのか。
 阿部の馬鹿野郎に対しては「手前の方こそダライラマ盲従だろうが。一度でも『オウム麻原からの多額の金銭受領』『日本ウヨとの醜い野合』とかダライの不祥事を批判したのか、手前!」と怒鳴りつけたくなります。
 そもそも「浅井氏の主張」を仮に「中国共産党全面支持」「一党独裁支持」と認識*8したところで当然ながら「中国共産党イコール文革」でも「独裁イコール文革」でもありません。そもそも「トウ小平の改革開放」を評価する浅井氏のどこが「文革の論理」なのか。
 「文革を否定したトウ小平」を受け継ぐ今の中国政府のどこが「文革の論理」なのか。
 つうか、こういうことを抜かす阿部やリベラル21は「安倍自民党政権が日本財界の要望に応えて、ついに一帯一路参加を表明する」など、事情はともかく中国に今すり寄ってる事実をどう思うんでしょうか?
 むしろ「中国を極端に敵視する」阿部やリベラル21の主張こそ「冷戦下の反共右翼の論理」でしょう。これが「自称リベラル」だというのだから呆れて二の句が継げません。
 まあこう書くと阿部は「団塊ジュニアだというボーガス氏は私よりももちろん何10年も若いらしいが、こういうかたがまだいるのだ。」とか悪口してくれるんでしょうが。


■産経【野口裕之の軍事情勢】「神対応」が「死に神対応」へと豹変する中国の途上国援助 対中債務一斉繰り延べで世界は平和になる
https://www.sankei.com/premium/news/180910/prm1809100006-n1.html

 クロをシロと堂々と言える「中国人になりたい」と、たまに危ない妄想をし、慌てて我に返る。

 産経も野口も「南京事件は中国のでっち上げ」など、「黒を白と堂々と言ってる」と思うのですがねえ(呆)。

 件の女性報道官は、米トランプ政権が追加関税を課す22兆円相当の中国製品リストを公表後の7月11日、定例記者会見でニコリともせず言い切った。
 「典型的な貿易覇権主義だ。中国は正当で合法的な権益を断固守る。一国主義と多国間主義、保護主義自由貿易、強権とルールの戦いだ。中国は国際社会と共に歴史の正しい側に立ち、多角的貿易体制とルールを守る」
 「各国経済が相互依存し、盛衰を共にしている。時代遅れの『ゼロサムゲーム思考』を固守し、貿易戦争を仕掛けるのなら勝者はいない」

 これに対し「お前が言うな」で片付ける野口です。日本も「米国の保護貿易主義の被害者」であることを考えれば「他の件はともかく」むしろこの件では中国と共闘すべきでしょうに。

 現代版シルクロード=巨大経済圏構想《一帯一路》は、もっとおっかない。途上国や貧困国を相手に、最初は「大型インフラの整備をお手伝いしましょう」と「互恵」を看板に仕立てて、篤志家の如き神々しさをもって近づく。
 だが、設計・工事発注先や機器・機材購入先は中国企業限定。労働者は中国から引き連れ、援助額の10倍から十数倍もの収益を自国へと環流させている。

 と悪口したところで世界各国が一帯一路を受け入れてるわけです(なお、こうした野口の悪口がどれほど正しいのかは俺は無知なためわかりません)。安倍政権も「一帯一路参加」を表明しました。

 スリランカが中国資本を借りて建設した港は経営に行き詰まり中国は昨年、借入金とバーターで99年間の運営権を取得。

 「対等な交渉」によるスリランカと中国の合意に基づく行為なら外部がぐちゃぐちゃ言う話では全くありません。借金を棒引きしない限り何らかの形で返してもらうほかないわけです。

 港は、今後1世紀の長きにわたり「中国の飛び地」と化す。

 「港の運営権のみ」が貸与されるのであって別に港が治外法権になるわけではありません。そういう意味ではこの件は香港やマカオの租借とは全然違います。

 英国は香港を99年租借した後、条約通りに返還したが、中国が契約を守るかは「?」。

 普通に考えて守るでしょうねえ。まあ「期間延長」の可能性もゼロではないでしょうが、対等な交渉による延長なら外部がどうこう言うことでもない。

インド洋の島国モルディブも1600億〜2200億円もの大金を借りたが返済が滞り、2019年中に中国への領土割譲が待ち受ける。パキスタンギリシャも「債務のワナ」にはまり、港湾の運営権を奪われた。

 どんな返済計画になるかはともかく、もちろん今時「領土割譲」なんかできるわけもない。
 それにしても「返せるかどうか甘い判断で貸した」らしい「貸す側(中国)に問題がない」とはいいませんが、「貸す側が中国と言うだけ」で、「安易な返済計画で借りる側(スリランカモルジブパキスタン)を100パー免罪し、中国の取り立て(?)を悪口する産経」にも困ったもんです。

麻生太郎*9副総理兼財務相も昨年、麻生節を炸裂させた。
 「(悪徳)サラ金にやられたようなもの」

 「安倍10月訪中」が予定される今、麻生が今もこういうバカを言うのか気になるところです。

 中国の“対外援助”は世界第4位の日本(168億ドル)に匹敵する。経済・軍事・政治といった、あらゆる正面で米国に取って代わろうとする野望への「投資」戦略なのは間違いない。

 中国もさすがに「遠い将来(50年後など)はともかく」近未来(5年、10年のスパン)においては「米国に取って代わろう」などとは思ってないでしょう。

 アフリカ53カ国の首脳が集結した3〜4日の《中国アフリカ協力フォーラム》で、習国家主席は、今後3年間をメドに6兆6千億円の援助をすると発表した。しかも、今年末までに償還期限を迎えながら返済不能の無利息借款に債務免除を認めた。

 「取り立てがきつい」というぼやきにある程度配慮したというわけです。とはいえさすがに全額棒引きはしないわけですが。

 欧州列強の植民地だったアフリカ諸国は覚醒し、中華帝国による「植民地支配」に抵抗すべきだ。筆者は「債務解放闘争」を提案する。中国による借金地獄に苦しむアフリカはじめ全当該国が一斉に債務繰り延べに走れば、中国で進む「財政破綻」に拍車が掛かる。すなわち侵略性を濃厚にする中国の超異常な軍事膨張を鈍化させ、世界平和に資する一大効果を生み出す。世界経済への連鎖を危惧する専門家も多いが、経済は立て直せる。

 正気じゃないですね。そんなバカなことをしてアフリカ諸国が中国を憤激させても意味はない。
 欧米各国も「中国経済がやばくなっても困る」つう意味でも「欧米の債務もむやみやたらに繰り延べされても困る」つう意味でもそうした動きを認めたりはしないでしょう。しかし「中国経済が衰退すれば、世界が平和になる」とか「日本が中国経済で儲けてること」を無視して良くも寝言が言えたもんです。


■産経【主張】アフリカ支援 「中国の罠」に警戒強めよ
https://www.sankei.com/column/news/180909/clm1809090003-n1.html
 産経らしい実にくだらない反中国記事です。

 天然資源に恵まれ、潜在的な巨大市場でもあるアフリカを、巨額のインフラ投資をテコに囲い込もうという戦略である。

 「中国に限らず」、基本、欧米や日本の経済支援も「アフリカ支援に限らず」そういう要素は「大なり小なり」あるでしょう。全くないわけもない。

 警戒すべきは、債務返済に窮した国々が中国の政治、軍事的要求をのまされる事態である。

 「そういう事態が生じてから言え」つう話です。

 支援の背後には勢力圏拡大や拠点構築の狙いがあるのではないか。

 「勢力圏」「拠点」の定義がわからないので「はあ?」です。
 まあ「非常に広い意味」でなら「中国に限らず」、こうした支援は「何らかの勢力圏や拠点の構築」ではあるでしょう。別にそれは悪いことでもない。
 一方、もっと狭い定義、例えば「アフリカへの軍事基地構築」などなら話は別ですが、そのあたり、繰り返しますが産経の定義が不明なのでなんとも議論に困ります。

インド洋の島国、スリランカの事例を教訓とすべきだろう。中国の支援で港湾施設を建設しながら債務返済に窮し、99年間の運営権貸与を余儀なくされた。

 こんなん基本的にはスリランカと中国の二国間問題でしょう。スリランカから「中国に港の運営権貸与したくない。日本が借金肩代わりしてくれないか。その見返りとして日本に港の運営権貸与をしてもいい」とか言う話でもない限り「日本がどうこう言う話ではない」。

 国内の人権侵害が国際的に問題視されたとき、中国はこれを無視するように接近した。

 人権無視してアパルトヘイト南アと付き合い名誉白人の称号までもらった国のマスコミ(もちろん産経はそのとき日本政府批判などせず)がこんなこと言っても説得力皆無です。現在だって日本の支援が人権重視と言えるかは甚だ疑問でしょう。

 日本が目指す支援は、中国とは違い、質が高く、透明性が確保され、持続的な成長に寄与する。

 そのように産経が主張する根拠は何でしょうか?。ただの願望?


櫻井よしこ『人権は軽視されるのか改善に向かうのか 目が離せない中国共産党内の権力闘争』
https://yoshiko-sakurai.jp/2018/09/08/7620

産経新聞」外信部次長の矢板明夫氏が、ノーベル平和賞受賞者で中国政府に弾圧され、昨年7月に事実上獄死した劉暁波*10について『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた』(ビジネス社)で書いている。
(中略)
 劉氏も親戚中からおカネを掻き集めて200元もする高級時計を村長に贈ったというので、あの劉氏も賄賂を使ったのかと、私は意外の感に打たれた。ところが、許可をもらい、全ての荷物を馬車に積み込み、出発する段になって、劉氏は村長の家に取って返し、斧を手に村長に迫った。
「あなたには3つの選択肢がある。1つ目はこの斧で私を殺す。2つ目は私がこの斧であなたを殺す。3つ目は時計を返せ」(『世界で一番幸せ』)
 感動した。この烈しさ、芯の強さ。劉氏のかもし出すおだやかな人物像とはまた別の姿がある。

 「賄賂を使わないと戻れない」のなら使うでしょうね。「下放時代の劉」と「天安門事件後の劉」とでは、「当人の価値観」も「当人の置かれた環境」も違うから、別に俺的には意外じゃない。
 むしろ斧の話は「ホンマかいな?」ですね。おそらく「時計を返した」という落ちなのでしょうが、マジギレした村長やその取り巻きが「手前ふざけんな!」と逆襲してきたら、本当の殺し合いになってしまいます。
 事実だとしてもあまり賢明な態度とも思えません。「それで取り返したところで」賄賂を渡したという事実がチャラになるわけでもないし、「200元ははした金ではない」にせよ命かけるほどの話なのか。
 「斧を手に持ち村長を恫喝する姿に感動した!(小泉元首相風に)」というよしこの発言が本心かどうかはともかく俺は感動しませんね。つうかこれ劉だからこう持ち上げてるだけで、他の人間なら「野蛮」とか罵倒してるのがよしこじゃないか。

 天安門事件後、厳しく弾圧され始めた一群の民主化リーダーの中で劉氏が突出して人々の支持を得ている理由は、単に彼がノーベル平和賞を受けたからではない。彼は決して中国から逃げ出さず、現場で闘ったからだ。

 突出して支持を得てるんですかねえ?。「結局釈放されずムショで病死した」のに。
 そもそもよしこがここまで劉を持ち上げるのって「単に彼がノーベル平和賞を受けたから」でしょうし。

 劉氏にも海外に逃避する機会は幾度もあった。中国当局はむしろ、劉氏を海外に追い払いたいと考えた時期もあった。だが、劉氏は拒否し続けた。矢板氏はあるときなぜ逃げないのか、尋ねたそうだ。
 「子供たちが殺されたのに、ヒゲの生えたやつが生き残っているのは理不尽だ」と、劉氏は答えたという。

 まあ事実だとしても「あえて言えば」くだらない感情論ですね。「それがあなたのいいところ(山口智子の昔のCM風に)」かもしれませんが、政治的には賢明な態度とは言いがたいでしょう。結局、ムショで病死したわけですから。

 長い獄中生活で癌を患う中、劉氏はそれまで拒絶していた海外行きを当局に訴えるようになる。それはずっと自宅で軟禁されている妻の劉霞さんを自由にするためだった。

 という要素がないとは言いませんが「戦争責任問題について死ぬ直前にぼやいた昭和天皇」同様「精神的に弱っていた」のでしょう。がん病死が間近でこのままムショにいても政治的展望がない、ただ病死するだけというのであれば、「死ぬ前に家族と会いたい。ムショから出たい。海外に行けというなら行ってもいい」と思うのは人間として当然の感情です。

 暁波氏の死から約1年、今年の7月、劉霞さんは突如、出国を許されドイツに渡った。両親は亡くなっているが、弟の劉暉氏は北京にとどめられ逮捕された。劉霞さんの出国で、人質にされたのはほぼ間違いない。
 矢板氏は言う。
「いま、中国は米国との貿易戦争の真っ只中です。以前から人権問題に強い関心を示していたドイツに譲歩し、関係を深めることで、対米関係を有利に進めたいという思惑でしょう。加えて習主席の力が少し弱まり、李首相の立場が少し強まっています。つまり、中国共産党の内部の権力争いが劉霞さんへの出国許可の背景にあるのです」
 習氏が勢力を盛り返せば、人権は軽視される。李氏が力を手にすれば、中国の人権状況も少しは改善される。この意味からも中国共産党内の権力闘争から目が離せない。

 少なくとも「習氏云々」、「李氏云々」の部分は「習氏罵倒のネタに過ぎず」ろくな根拠はないでしょう。単に「国外で政治運動を組織できるほどのタマじゃない」と劉霞の能力を中国政府が見切ってるだけの話でしょうね。今のところそうした中国政府の読みは裏切られてないようです。まあ、国外で政治活動する「権利はあっても義務はない」以上、彼女が政治活動する「必要はない」わけですが。


■産経『パキスタンと中国、経済とテロ対策で協力合意』
https://www.sankei.com/world/news/180909/wor1809090005-n1.html
■日経『中国とミャンマー、経済回廊建設へ覚書署名』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35225820R10C18A9FF2000/
 パキスタンのテロ対策はともかく経済は一帯一路ですね。
 ミャンマーの「中国・ミャンマー経済回廊」ももちろん一帯一路です。
 一帯一路はもちろん「すべてがバラ色ではない」ものの、「先日のアフリカ首脳訪中」でわかるように、失敗しているとの福島香織櫻井よしこらの主張は明らかなデマです。


■浅井基文ブログ『「大国」中国の自己認識・自己規定のあり方』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1061.html

 9月3日から4日にかけて、中国・アフリカ協力フォーラムが開催されました。2006年、2015年に次いで第3回目ですが、今回はアフリカのほとんどの国が参加(半数近くは首脳級です)し、習近平が自ら主催する点で最大規模のものです。中国は改革開放以前からアフリカ諸国との経済協力に注力してきましたが、本格的にとり組み始めたのは改革開放政策が軌道に乗った今世紀に入ってからであり、これまでの実績を踏まえ、今後はさらにきめの細かい経済協力を推進することを目指すのが今回のフォーラムの目的であると言っても良いでしょう。また、一帯一路を掲げる習近平外交の新たな出発を内外に明らかにするものであるとも思います。
 日本を含む西側メディアは、中国のやることについては、何事につけてもケチをつけ、あら探しをすることに余念がありません。すなわち、中国のアフリカ諸国に対する経済協力について「新植民地主義」というレッテルを貼るとか、受け入れ国に膨大な債務負担を押しつける結果になっているとかの、マイナス・イメージを植え付けることです。これはつまるところ、「No.2の経済大国として世界的に台頭する中国」がこれまでの西側主導の国際関係に関する既成概念からするとどうしても素直に受け入れられず、したがって、中国のやることなすことの何事につけても否定的評価を下すことによって、西側諸国の優越性という今や急速に瓦解しつつあるイメージを守ろうとするあがきと言っても良いでしょう。

 浅井氏の主張には概ね同感ですね。
 もちろん中国に人権問題において問題がないわけではない。
 もちろん一帯一路がバラ色で問題がないわけではない。
 しかしそれでも欧米の中国批判に説得力がないのはまず第一に「彼らがエジプトやタイの軍政など別の人権問題の多くは容認してるから」でしょう。
 第二に一帯一路を全否定するのは非現実的である。 
 第三に「欧米のODAなどアジアアフリカ途上国に対する経済支援、経済進出がバラ色だったわけではない」。そもそもは「新植民地主義」「覇権主義」とは「中国ではなく」欧米のアジアアフリカ途上国への経済支援、経済進出に対し、批判的な立場からなされた批判です。
 にもかかわらず中国に対し「人権問題」だの「一帯一路に問題ガー、新植民地主義ガー」だのいうのは浅井氏が言うように「大国として成長する中国への不安と警戒」、つまりは1980年代の「いわゆるジャパンバッシング(日本たたき)」と同類の自分勝手なものにすぎないのではないか。
 しかし先日のアフリカ首脳の訪中にはびっくりしましたねえ。「高度経済成長時代のニッポンってこんな感じだったんだろうな」感が半端ない。


■日経『日中友好ムード、経済・技術交流うたう中国の本音』(広州=中村裕
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3501569005092018FFE000/

 米中貿易摩擦エスカレートし始めた6月から中国株は下落。指標となる上海総合指数は節目の3000を大きく割り込み、足元では2700台で推移する。個人投資家が多い中国では今、「国民に最も恨まれている人物は、証券当局トップの劉士余主席」との声も挙がるほど、穏やかな状況ではない。習氏の人気にも陰りを感じる庶民は少なくない。
 そんな折り、関係の悪かった日本との間で、不自然なほど急に友好ムードがつくられ始めた。米中摩擦が白熱する最中の5月には、李克強*11(リー・クォーチャン)首相が日本を訪問。歓迎レセプションで自ら乾杯を呼びかけ、日中の友好関係と経済交流の重要性を訴えて見せるのに躍起となった。中国側の不自然な積極性に違和感を覚えたので周囲の中国人ビジネスマンにも理由を聞いてみた。
「今の日中友好ムードに違和感を感じますが、本物でしょうか?」。
 多くの中国人の答えもノー。
「貿易問題で、今は中国が大変な状況だから、技術がある日本を抱き込み、利用したいのでしょう」。
 何とも現実的な答えが相次いだ。
 友好ムードをなんとか演出し、日本との経済、技術交流でこの難局面を、少しでも乗り越えたい中国側の思惑が見え隠れする。
 過去にも中国は厳しい局面を迎えるたび、日本側に技術交流を持ちかけ、日中の友好ムードは不自然につくられて来た。だが、危機を乗り越えたのち、その後、いとも簡単に友好ムードが消えていったことは、もう忘れるべきではない。

 日経とは思えない産経テイストあふれる反中国記事です。何も、昔も今も「日中友好」は「中国が一方的に日本にすがりついてる」なんて関係ではなく「日本財界も中国ビジネスで儲けたい」つう関係なのですが。日本財界もそんなに「善意の塊」でも「中国にいいようにあしらわれるバカ」でもない。
 大体「いとも簡単に」て友好ムードが阻害されたのは「小泉*12靖国参拝」「野田*13内閣尖閣国有化」「安倍*14靖国参拝」などちゃんとした理由があるわけですが。中国も意味もなく日本批判なんかしない。


■人民中国『稲山嘉寛氏*15と鉄鋼協定』 (筆者は林連徳、元中国対外貿易部地区政策局副局長、元駐日中国大使館商務参事官。)
http://www.peoplechina.com.cn/maindoc/html/35year/caihong/ch-02.html

・1958年早春、私は広東省深せんの羅湖橋のたもとへ「日本鉄鋼代表団」を出迎えに行った。
・この代表団のリーダーが(ボーガス注:後に八幡製鉄社長、新日鉄社長となり?)「鉄鋼界の天皇」と称された、八幡製鉄常務取締役(当時)の稲山嘉寛氏(1904〜87年)であった。
・この年の春節旧正月)休暇には、北京飯店中楼会議室で昼夜を分かたず中日双方の鉄鋼取引が行われた。しかし一週間がたっても、取引価格を互いに譲らない膠着状態が続いていた。日本側が断念の色をにじませ、商談はもはや決裂寸前といった様相だった。
 この時、稲山氏が私に話しかけた。「周恩来総理にあてた高碕達之助氏(東洋製罐社長、後に岸内閣通産相)の推薦状を持参している。商談もどうやらまとまりそうにないので、周総理をお訪ねしたいのだが……」という。高碕氏と周総理は55年のバンドン会議インドネシアの都市バンドンで開かれたアジア・アフリカ会議)で知り合っていた。
 私は驚き、急いで指導部に報告した。取引の指揮をとった廖承志氏(周総理のもとで対日政策担当、後に中日友好協会会長、全人代副委員長)はそれを聞くとすぐにホテルにやって来て、日本側に政府の意向を伝えた。温厚な廖氏の人柄もあってかそれまでの険悪なムードが一変し、穏やかな雰囲気となった。そして迅速な手配により、全員が中南海の紫光閣で周総理と会見することができたのである。
 周総理との会見は長時間にわたって行われ、これにより期限を五年とする長期鉄鋼協定がついに落着した。中国は砂鉄と石炭(原炭)を日本の鋼材とバーターする。輸出総額は双方ともに一億英ポンド。一行は破格の扱いを受けて早朝、中南海での協定調印式に臨んだ(『中日鉄鋼長期バーター協定』締結)。稲山氏一行はその後すぐに空港へ向かい、空路広州へと旅立った。インドでの商談に出席するためだった。同協定締結の電撃的なニュースは、日米の各メディアに大々的に報道された。
・72年の中日国交正常化後、彼は日中経済協会会長に就任。またすぐ後に「財界総理」と称される経済団体連合会経団連)会長の任に就き、ほとんど毎年のように日本財界名士の訪中団を組織した。
 長年の交渉と熟考を経てついに七八年、中国の石油と石炭を日本のプラント、建設機材と交換する大規模な『中日長期貿易協定』が調印された。それは中国の改革開放や外資導入、共同開発、経済協力の拡大を促す第一歩となっている。
・稲山氏に最後に会ったのは86年、『中日長期貿易協定』のための定期会合の折だった。私は中国中日長期貿易協議委員会の劉希文主任らを伴って、彼と昼食を共にした。同席したのは、斎藤英四郎(新日本製鉄会長)、平岩外四東京電力会長)、河合良一*16(日中経済協会会長)諸氏だ(斎藤、平岩両氏はその後、稲山氏の後任としてそれぞれ「財界総理」のポストに就いた)。

 国交のない時代(1958年)ですらこうして日本財界人(この場合、稲村氏ら鉄鋼業界関係者)は中国との友好関係構築に努めていたわけです。


■山岡淳一郎*17『気骨:経営者 土光敏夫の闘い』(2013年、平凡社)』から:『中ソ訪問で起きた経団連襲撃事件』
http://webheibon.jp/dokotoshio/2012/09/post-13.html

・政治で国交回復の「井戸を掘った人」は田中角栄*18元首相だが、経済界で真っ先に中国の扉を叩いたのは土光敏夫*19であった。 
・土光は、中国の経済発展の役に立ちたいと願い、まずは石油や石炭など中国の天然資源を日本に輸入し、それに見合うプラントを中国に立ち上げて、産業の近代化を図ろうと考えた。その方向で関連大企業の首脳に参加を呼びかける。訪中団は随員を含めて総勢50人ちかくに膨らんだ。
・日中の経済界に新たなパイプを通した土光は、翌76年8月、こんどはソ連へと足を向け、したたかな近隣外交を展開した。
・モスクワでソ連商工会議所会頭らと科学技術や原発関連の協力について話し合った後、避暑地のヤルタに滞在中のブレジネフ書記長に会いに行った。
・エネルギー資源をめぐる経済協力の重要性を語り、日本の経済界は前向きだと伝えた。
・土光とブレジネフがくつろいだ雰囲気で談笑している写真が新聞に掲載された。
・帰国した土光を待っていたのは非難の嵐だった。「経済優先のために、北方領土をないがしろにするのは許せない」と糾弾されたのだ。横浜市鶴見の土光の自宅に2日間にわたって右翼グループが押しかけた。
・そして1977年3月3日、事件は起こった。
 午後4時、東京・大手町の経団連ビルに散弾銃や日本刀を持った背広姿の4人の男が押し入った。「新右翼」といわれる民族派右翼のメンバーたちだった。
・だが、土光は自らの信念を曲げはしなかった。経団連襲撃事件からひと月も経たないうちに、またも経団連訪中団を組織して中国を訪れた。新日鉄会長の稲山嘉寛ら8人の副会長も同行している。中国の工業化を懸命にサポートした。そうした流れから、1977年12月、上海に国策の製鉄所「宝山鋼鉄」が設立され、新日鉄が全面的に支援をする形が生まれていく。
 かくして歴史の紆余曲折を経て、日中の経済パイプはつくられたのだった。

 いわゆる「土光臨調」「めざしの土光*20」で知られる土光敏夫を描いた山岡氏の著書『気骨:経営者 土光敏夫の闘い』(2013年、平凡社)の一部が本の広報宣伝として平凡社サイトに掲載されたのを紹介しました。
 「国交正常化後」真っ先にたたいたのは土光かどうかはひとまずおきます(なお、この記事の筆者・山岡氏はそうした土光をもちろん日中友好に貢献したと褒めてるわけです)。
 まあ財界なんてのは昔からこんなもんです。ソ連だろうが中国だろうが金儲けになるなら付き合うわけです。「櫻井よしこのような右翼とは違う」わけです。まあよほどの極右でもない限り、大物財界人・土光を「中国の飼い犬呼ばわり」はできないでしょうけど。よしこも多分そこまで乱暴じゃないでしょう。


櫻井よしこ*21『「中国は世界一」の幻想を脱した二人』
https://yoshiko-sakurai.jp/2018/09/06/7605
 本当に石平*22矢板明夫*23が子どもの頃そんなことを考えていたのかは知りません。
 しかし「中国は世界一を脱した」というこの二人は今やプロ右翼活動家となって「日本は世界一だ。だから日本を非難する奴は間違ってる。南京事件なんか中国のでっち上げだ」などとデマ飛ばしてるのだから話になりません。まあそういうデマを飛ばしてるのは櫻井よしことよしこが理事長の右翼団体・国基研もそうですが。

 習近平*24国家主席の甘い罠に誘われ、前のめりになっている日本の政治家や経営者全員に読んでほしい警告の書が、『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた』(石平、矢板明夫著、ビジネス社)である。

 「甘い罠って一帯一路のことですか?。前のめりになってる日本の政治家って安倍自民党ですか?。経営者って日本経団連とか経済同友会とかの大企業ですか?」と聞きたくなります。おそらくその通りなのでしょうが、「安倍自民万歳」のためそうはっきり書けないよしこも哀れです。つうかウヨの中国悪口本なんか読んでも誰も考えなんか変えません。よしこですらそんなことはわかってるでしょう。

 毛沢東の死で文革が終わり訒小平の時代になると、公開処刑は一旦中止された。だが矢板氏はそれが習政権下で復活していると指摘する。

 「中国、公開処刑」でググってもいい記事がヒットしないので「中国が現在、公開処刑してるのか」「公開処刑してるとしてそれは習政権になってから復活されたのか」はなんとも評価できません。何かいい情報がある方はご教示いただければ幸いです。もちろん小生は公開処刑など支持しません。小生はそもそも「死刑えん罪の観点などから」死刑反対の立場ですが、死刑支持の立場でも公開処刑を支持する人はまずいないでしょう。
 「マフィア犯罪が蔓延して犯罪撲滅に手段を選んでられない」的なアナーキーな状況でもない限り公開処刑なんか支持はできません。
 よしこらの指摘が事実ならその限りにおいて中国政府を批判しますが、それと一帯一路参加はまた別問題でしょう。
 大体「日本が経済、文化交流のある国は公開処刑してる国は中国以外全然ありません」なんてこともないでしょうし。

 矢板氏は幼い頃から国際政治に興味があったという。1979年のイランの米大使館人質事件、その翌年のイラン・イラク戦争、80年のジョン・レノン射殺事件などを、氏は中国で見ている。中国当局の色メガネを通しているため、中国共産党と同じ見方になる。
 それは「どんどん中国が強大化する一方で、米国が駄目になっていく」という感覚だったという。

 「どんどん日本が立派になっていく一方で中国はだめになっていく」というデマを「石らお仲間ウヨ」と一緒に垂れ流してる奴がよくもいったもんです。
 なお、レノンの死はともかく「イランでの出来事」は「米国がだめになっていく」かはともかく中東での米国に対する「イスラム思想に立脚した大規模な異議申し立て」ではあったわけです。

 フィリピンの訴えを仲裁裁判所が全面的に支持し、中国の領有権を否定したとき、判決を「紙クズ」だと斬り捨てた。

 といったところで実際には「紙くずだ」ですむ話でもないので

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180428/mcb1804280500015-n1.htm
・ドゥテルテ*25大統領が就任した16年、中国からの対フィリピン直接投資は約20倍の水準に膨れ上がった。
・フィリピン財務省によれば、中国は今、マニラの橋2本のプロジェクトを含む、さまざまなインフラ事業向けに73億4000万ドルの融資・援助を約束している。

などでわかるように中国はドゥテルテ大統領を懐柔するために多額の経済支援を行ったわけです。
 「紙くず」呼ばわりしていい訳ではありませんが、あれは「ある種の虚勢、強がり」であって本当は「紙くずですまないこと」位は中国も理解しています。ドゥテルテ大統領の側もそれを理解して判決を利用して中国から経済支援を引き出したわけです。
 判決を振り回しても中国に憎まれるだけなので、『判決は塩漬けにするからその代わりに経済支援してください。そうすれば判決を理由に中国に悪口するようなフィリピン人も大多数は支援を喜んで、中国への悪口は辞めるでしょう。支援を機にフィリピンに進出すれば中国も金儲けができるしマイナスではないはずです』とうまく中国から金を引っ張ってきたわけです。まあドゥテルテという人間も「人間性はともかく」その政治手腕はなかなか侮れません。
 なお、フィリピン判決では「人が住めないような島*26国際法上の島に当たらない。それは島と違い法的権利の発生しない岩礁(岩)でしかない」という論理が展開されてますので矢吹晋*27横浜市立大学名誉教授(中国近現代史)が
■21世紀中国総研『南シナ海におけるフィリピンと中国との仲裁裁判所「仲裁判断」の功罪:内閣機密費に酔い痴れる新聞記者たちの判決誤解』
http://www.21ccs.jp/china_watching/DirectorsWatching_YABUKI/Directors_watching_89.html
■ちきゅう座『南シナ海判決と沖ノ鳥島の運命』
http://chikyuza.net/archives/69262
などで指摘するように、「少なくとも日本にとっては」この判決は手放しで喜べる判決ではありません。
 日本は「人が住めない島・沖ノ鳥島*28」を理由に「領海や排他的経済水域」を主張し、一方、中国、台湾、韓国などは「沖ノ鳥島なんか国際法上の島じゃない、だからあんなもんで日本の領海や敗退的経済水域は広がらない」としているからです。
 論理上は矢吹氏が指摘するように「フィリピン判決を認めるなら沖ノ鳥島は島ではない」し、「沖ノ鳥島が島だと日本がいうなら、『紙くず呼ばわりはできない』にしても、中国のように何らかの形でフィリピン判決を批判せざるを得ない」。矢吹氏は「フィリピン判決をすべて認めた上で沖ノ鳥島は島というのは無理だろう。どちらかを否定せざるを得ない」としていますが俺も同感です。
 そして、「反中国だけで話を進め、この件で中国非難しかしない安倍政権とそれにおつきあいするマスコミには呆れる、沖ノ鳥島とフィリピン判決の関係についてどう考えてるのか?」という矢吹氏には全く同感です。よしこも含めウヨ連中も「沖ノ鳥島とフィリピン判決の関係についてどう考えるのか」まともな主張は結局しません。今のところ「沖ノ鳥島は訴訟に至っていません」が、だからといって今のようにすっとぼけていい話ではないでしょう。

 昨年秋の共産党大会では、世界に君臨するのは中国だと事実上宣言した。

 そんなことはさすがに言ってないと思いますが。よしこが具体的発言を引用できない上「事実上の宣言」としてる点が実に怪しいですね。

 中国経済が確実に悪化し、一帯一路に代表される大戦略もほころび始めた

 安倍が「5月の李首相訪日」で一帯一路支持を表明し、先日は大挙して訪中したアフリカ諸国首脳が一帯一路支持を表明したのに良くもデマが飛ばせるもんです。

 経済回復が不可能なら、民族主義が次なる求心力にならざるを得ない。それは自ずと対外拡張路線につながる。石氏は、習氏が「国内矛盾を克服するためにも、戦争を仕掛ける可能性がある」と指摘し、矢板氏は、台湾がターゲットだと断言する。台湾奪取のシナリオのために、習氏は、専門家をロシアに派遣し、2014年にロシアが如何にしてクリミア半島を奪ったか、詳細に研究中だと明かす。

 ばかばかしい。ウクライナ、ロシア関係と中台関係と全然違うでしょう。そもそも「台湾侵攻など欧米の批判を浴びて政治的に無理(それ以前に軍事的に可能かも微妙)」つう理解から、中国は「台湾とブルキナファソなどとの断交作戦」など非軍事的手法で台湾を締め付けてるわけです。

 台湾の後には沖縄が狙われる。中国の沖縄に対する目論見は日本からの独立だ。沖縄を中国の朝貢外交に組み入れ、日本を牽制するためだと矢板氏は説明する。

 完全なデマですね。矢板もさすがに本気じゃないでしょう。これが外報部次長だというのだから産経も呆れた会社です。

 沖縄独立論を唱えるのは少数の日本人だ。彼らと中国側の連携で、中国や国連で「琉球独立」に関するシンポジウムや会見が行われていることを、本欄で私も報じてきた。

 「沖縄独立論者は中国の手先」だそうです。なるほど「沖縄独立論を唱えた」id:Mukkeさんは中国の手先だったわけです(よしこ、産経・矢板ら「反中国右翼」およびMukkeへの皮肉のつもり)。
 まあチベット問題で中国批判する彼が中国の手先の訳もないですが。
 つうか沖縄に限らず「独立論の是非や支持者の多い少ない」はともかく「チベットウイグルの独立論(中国)」「スコットランド独立論(英国)」「カタルーニャバスク独立論(スペイン)」「ケベック独立論(カナダ)」などと世界中に独立論はあるでしょうにねえ。よしこなんぞもチベット独立支持みたいなこと言ってるわけですがやはりそれは「中国への嫌がらせ」であり、だからこそ「沖縄独立論は中国ガー」ということでしょうか。
 いずれにせよあまりバカなことを言ってるとよしこらは沖縄独立論者や中国政府から名誉毀損で訴えられてもおかしくないでしょうね。
 大体、沖縄独立論の背景にあるのは基地問題ですからそれを解決すればいいのですが、まあよしこらウヨは「米軍が沖縄から撤退すると中国が攻めてくる」と言い出すのでしょうねえ。まあI濱Y子女史も以前そんなバカなことを言っていたことはid:Bill_McCrearyさん記事『I濱Y子*29のブログ記事がひどい』
https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/934d9337690a36ae6111198cb3bc3ad2
を見ればわかりますが。

沖縄独立論者がごく少数派だからと言って過小評価していてはとんでもないことになる。

 もちろん「少数派」である以上、「日本からの独立」などという「とんでもないこと」には「遠い将来はともかく」当面は全然なりません。かつよしこの言うような「クリミアケース」なんか起きようもないし。
 「クリミア独立派(親ロシア派)にロシアが軍事支援して、独立宣言させて最終的にロシアのクリミア併合ガー、沖縄でも中国によって同じ路線ガー」なんて、よしこらの放言は「よしこですら信じてない」悪質なデマに過ぎません。大体どうやって沖縄住民に中国が軍事支援なんかするのか。ロシアにおけるクリミアと違って、中国と沖縄は地続きでもないのに。

 両氏は、中国にとっての日本を北京ダックにたとえている。皮は餅皮に包み少しタレをつけて、肉は炒めて、骨はスープにして食べ尽くす。三度満喫できる。その心は、第一に中国共産党は日本と国民党を戦わせて政権をとった。第二に改革開放で日本の資金と技術で中国の経済成長を支えさせた。最後に愛国反日教育を徹底して国民を束ねた。骨までしゃぶられてきたこと、現在も危うい情勢であることに、好い加減気づくべきだろう。

 ばかばかしい。第一について言えば別に「戦わせた」わけではありません。中国共産党の意思に関係なく「中国完全植民地化」を目指す日本が「蒋介石国民党完全打倒」を目的に戦争したに過ぎません。
 それが結果として「中国共産党を利した」としてもそれは結果論です。国交回復後の日中貿易にしても日本も大いに儲けたわけで「骨までしゃぶられてきた」なんて話ではない。
 例えばNHKテレビドラマ「大地の子」に出てくる「中国進出した製鉄企業の社長」のモデルは新日鉄の稲山嘉寛社長だというのは有名な話ですが、もちろん新日鉄だって「贖罪意識や日中友好意識はゼロではない」かもしれないがやはり結局は「金儲け」のわけです。
 反日教育にしてもよしこらが勝手に言ってることです。それが事実なら中国人観光客の爆買いだの、中国のドラえもん人気などあるわけがない。

 両氏の対話は米中の究極のディールにも及ぶ。米中間で台湾と北朝鮮の交換、即ち北朝鮮の核とICBMをやめさせる代わり、中国の台湾侵攻に米国は介入しないというものだ。

 もちろん「台湾侵攻」を米国が認めることは絶対にないでしょう。その前に「核とICBM」を中国が圧力をかければ北朝鮮がすぐ辞めるつう理解も間違いでしょう。ということでよしこの紹介を信じる限り読む必要のないクズ本ですね。


■産経『公明党山口那津男*30代表が中国訪問、習近平国家主席ら要人と会談へ』
https://www.sankei.com/politics/news/180905/plt1809050005-n1.html
■産経『公明・山口那津男代表、中国序列4位と会談 安倍晋三首相の親書手渡す』
https://www.sankei.com/world/news/180906/wor1809060023-n1.html
東京新聞『日中、9月下旬に初会合へ 「一帯一路」協力具体化』
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018083001001976.html

https://www.sankei.com/politics/news/180905/plt1809050005-n1.html
 公明党山口那津男代表は5日午前、中国を訪問するため羽田空港を出発した。9日まで滞在し、習近平国家主席ら要人と会談し、習氏に宛てた安倍晋三首相の親書を手渡す。
 山口氏は出発に先立ち、「日中関係を万代の友好につながるよう固めたい。首相から関係改善の意気込みを親書にしたためたと聞いている。習氏にお会いして、直接、届けたい」と述べた。

https://www.sankei.com/world/news/180906/wor1809060023-n1.html
 中国を訪れている公明党山口那津男代表は6日、中国共産党序列4位の汪洋*31(おう・よう)人民政治協商会議主席と北京で会談し、習近平国家主席にあてた安倍晋三首相の親書を手渡した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018083001001976.html
 日中両政府は、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を巡る協力について話し合う官民合同委員会の初会合を9月の最終週に北京で開く方向で調整に入った。両国企業が共に参入できる第三国でのインフラ整備案件の具体化を目指す。10月23日前後を見込む安倍晋三首相の訪中に向けた地ならしの一環。日中関係筋が30日、明らかにした。
 日本は習近平国家主席主導の一帯一路に協力する姿勢を示し、来年6月を想定する習氏来日へ日中関係改善の流れを加速させる。

 まあどう産経らウヨが強弁しようとも、明らかに安倍は「経済的利益(財界の要望)」からでしょうが、日中友好に舵を切っているわけです。


■産経『マレー半島高速鉄道、建設延期発表 日中の入札も取りやめ』
https://www.sankei.com/world/news/180905/wor1809050043-n1.html
 結局マレーシアの鉄道の話は「日本の入札もしません」ですから「一帯一路がどうこう」というのとは少し話がずれるわけです。結局「鉄道がペイしないからやりません」つう話の訳ですから。


■産経『陳水扁元総統の本紙インタビュー 台湾政界に波紋』
https://www.sankei.com/world/news/180905/wor1809050041-n1.html
 そりゃ刑期満了したわけではなく、病気治療を理由に仮釈放された奴がこんなことをやれば「病気じゃないじゃないか!。収監したらどうなんや!」つう声が「特に陳に批判的な国民党方面」からでるのは当たり前の話です。
 産経だって「お友達」陳だから大目に見てるだけで産経の気にくわない政治家がこんなことをやれば、「病気じゃないじゃないか!。収監したらどうなんや!」と言い出すでしょうね。


■中国「一帯一路」覇権街道の「いま」(下):タイ、マレーシア、ミャンマー、そして日本(樋泉克夫*32
https://www.jiji.com/jc/v4?id=foresight_00239_201809050001

 2017年にカンボジアに投じられた外資の53%は、中国資本が占める。「一帯一路」を掲げて嵩にかかってカンボジアに進出する中国からは、過去2年の間に官民合わせて30億ドル近い資金が投入されたとも伝えられる。カンボジア最大のシハヌークビル港の再開発のために2016年から今年3月にかけて投じられた13億ドルのうち、11億ドルは中国資金だ。
 フン・セン政権はシハヌークビル港周辺の広大な土地(バチカンの20倍に相当)で、2020年完成を期して経済特区の建設を進めている。さしずめ「カンボジア深圳」といったところだろうか。ここに中国から300余の製造業者が進出し、1万人余の雇用機会を創出するという。すでに100余の企業が進出し、一帯一路に沿ってカンボジアと周辺国、さらにヨーロッパ市場との中継基地化を狙っている。
 目下のところ中国が絡んだと伝えられているインフラ建設は、プノンペン*33シハヌークビル港間の幹線道路、発電所建設、海洋石油探査など総計42億ドル規模に達する。

 樋泉某は反中国右翼なので、「覇権」「嵩にかかって」などと全体の論調は中国への敵意むき出しですが、客観的記述は「中国の経済力を示すもの」としてそれなりに勉強になります。

*1:実際に日本企業が参加するでしょうからもちろんリップサービスではないわけです。

*2:著書『もうひとつのチベット現代史:プンツォク=ワンギェルの夢と革命の生涯』(2006年、明石書店)、『チベット高原の片隅で』(2012年、連合出版)など

*3:欧米やロシア、韓国、インドなど「他の国の対中関係」はさておき日中が迷走するのは「現首相・安倍が歴史修正主義極右だから」です。だからこそ日中だけでなく日韓も迷走していますが、そうした「日本人としての反省の心」は阿部治平にも藤原氏にもどうやらなさそうです。「民主化した韓国」と日本との関係がギクシャクしてることでもわかるように当然ながら「民主化云々」と日中関係は全く関係ありません。

*4:元外務省中国課長。日本大学教授、明治学院大学教授、広島市立大学広島平和研究所所長など歴任。著書『新ガイドラインQ&A』(1997年、青木書店)、『平和大国か軍事大国か』(1997年、近代文芸社)、『中国をどう見るか?』(2000年、高文研)、『集団的自衛権日本国憲法』(2002年、集英社新書)、『戦争する国しない国』(2004年、青木書店)、『13歳からの平和教室』(2010年、かもがわ出版)、『ヒロシマと広島』、『広島に聞く 広島を聞く』(2011年、かもがわ出版)、『すっきりわかる! 集団的自衛権』(2014年、大月書店)など

*5:もしそうなら阿部治平という男も本当に狭量なバカ男です。いや俺は以前から阿部がまともな人間だとはかけらも思ってませんが。

*6:もちろんそこには中国が欧米相手に軍事的に対抗しがたいという面もあるでしょうが。

*7:駐日大使、中国共産党中央台湾工作弁公室主任(国務院台湾事務弁公室主任兼務)などを経て国務委員(外交担当)兼外相

*8:俺はそうは認識しませんが

*9:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二〜四次安倍内閣副総理・財務相

*10:著書『天安門事件から「08憲章」へ』(2009年、藤原書店)、『最後の審判を生き延びて』(2011年、岩波書店)、『「私には敵はいない」の思想』(2011年、藤原書店)など

*11:共青団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*12:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*13:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)を歴任

*14:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*15:八幡製鉄社長、新日鉄社長、会長、経団連会長など歴任

*16:小松製作所(現コマツ)社長

*17:著書『医療のこと、もっと知ってほしい』(2009年、岩波ジュニア新書)、『国民皆保険が危ない』(2011年、平凡社新書)、『原発と権力』(2011年、ちくま新書)、『気骨:経営者 土光敏夫の闘い』(2013年、平凡社)、『インフラの呪縛:公共事業はなぜ迷走するのか』(2014年、ちくま新書)、『後藤新平:日本の羅針盤となった男』(2014年、草思社文庫)、『開成高校野球部の「弱くても勝つ」方法:限られた条件で最大の効果を出す非常識な考え方』(2014年、SB新書) 、『逆境を越えて:宅急便の父・小倉昌男伝』(2015年、KADOKAWA)、『長生きしても報われない社会:在宅医療・介護の真実』(2016年、ちくま新書)、『日本はなぜ原発を拒めないのか』(2017年、青灯社)など

*18:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*19:石川島播磨重工業社長、東芝社長、会長、経団連会長など歴任

*20:やはりあれはやらせのようですが。

*21:著書『GHQ作成の情報操作書「真相箱」の呪縛を解く:戦後日本人の歴史観はこうして歪められた』(2002年、小学館文庫)、『異形の大国 中国』(2010年、新潮文庫)、『中国に立ち向かう覚悟』(2012年、小学館)など

*22:著書『「日中友好」は日本を滅ぼす!』(2005年、講談社プラスアルファ新書)、『なぜ、日本人は日本をおとしめ中国に媚びるのか』(2009年、ワック文庫)、『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(2013年、PHP新書)、『中国崩壊カウントダウン』(2014年、宝島社)、『「全身病巣」国家・中国の死に方』(2014年、宝島SUGOI文庫)、『世界征服を夢見る嫌われ者国家 中国の狂気』(2014年、ビジネス社)、『なぜ中国人にはもう1%も未来がないのか』(2014年、徳間書店)、『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』(2015年、徳間書店)、『狂気の沙汰の習近平体制』(2016年、ビジネス社)、『冗談か悪夢のような中国という災厄』(2017年、ビジネス社)、『習近平の終身独裁で始まる中国の大暗黒時代』(2017年、徳間書店)、『教えて石平さん。日本はもうすでに中国にのっとられているって本当ですか?』(2017年、SB新書) などトンデモ右翼本多数。

*23:著書『習近平』(2014年、文春文庫)、『習近平の悲劇』(2017年、産経新聞出版)など

*24:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*25:ダバオ市長を経て大統領

*26:この場合の「住めない」は単に「スペース的に狭すぎて住めない」という意味ではなく「自給自足できない」という意味のようです。従って「人が住んでいても外部から無理矢理補給してるだけで、自給自足してない」と認識されれば「住んでない」と評価されるわけです。その意味では竹島も「そもそも国際法上の島ではない」認定される可能性があるかと思います。

*27:著書『尖閣問題の核心』(2013年、花伝社)、『南シナ海領土紛争と日本』(2016年、花伝社)、『習近平の夢』(2017年、花伝社)、『中国の夢』(2018年、花伝社)など

*28:そもそもスペース的に狭すぎて、住もうとしても住めなかったかと思います。「何せ護岸工事しないと、波の浸食で島が水没する(日本の領海と排他的経済水域が小さくなる)」として日本がコンクリ工事したような島ですから。そんな小さな島に人が住めるわけもない。一方南シナ海で中国が領土だと主張する「島」は沖ノ鳥島より広い「島」もあります。

*29:伏せ字にしました。

*30:公明党参院国対委員長公明党政調会長などを経て代表

*31:重慶市党委員会書記、広東省党委員会書記、副首相などを経て人民政治協商会議主席(党中央政治局常務委員兼務)

*32:著書『華僑コネクション』(1993年、新潮選書)、『京劇と中国人』(1995年、新潮選書)など

*33:カンボジアの首都