今日の産経ニュース(3/17、18分)(森友疑惑がメイン)(追記・訂正あり)

■【文科省天下り斡旋】新たに30件超の違法事案 省庁間で「天下りポスト」バーター取引の疑念も
http://www.sankei.com/affairs/news/170318/afr1703180043-n1.html
 「森友が常識外れに酷い」のでスポットが当たりづらくなってるこの問題です。「井上陽水風に書けば」文科省的には「ありがとう、ありがとう、感謝しよう(森友に)」「国有地の不正してくれてどうもありがとう、補助金詐欺(及び文書偽造)してくれてどうもありがとう」でしょうか(森友とその関係者への皮肉のつもり)。誤解してる人もいるようですが「文科省に認可権がある岡山の例の大学(今後追及があり得る)」ならともかく森友の場合、「国有地売却は財務省国交省」「幼稚園認可は大阪府」「補助金交付は国交省大阪府」でスキャンダルに文科省は絡んできません。
 なにせ森友は「10億の土地がほとんどただ同然」「偽造文書で補助金詐欺」ですが、この天下り問題はそこまで酷くない。今のところ贈収賄なんて話も出ていない。
 つうか森友と比べたらほとんどの不正は「森友に比べたら大したことじゃねえよ」と思えます。
 が、これはこれで重要な問題ではあるでしょう。


■【森友国会】訪中の萩生田副長官が「首相寄付」発言を批判「なぜあのような発言になるのか? きちんと質して決着つけたい」
http://www.sankei.com/politics/news/170318/plt1703180030-n1.html
 「国有地払い下げが本質だ」と強弁する荻生田です。
 もちろんこれは「国有地払い下げは違法性の疑いが濃いので逃げられない」という意味であるとともに「違法ではない教育勅語などは何とかごまかしたい」という話です。
 ただ「本質は国有地払い下げ」と言いながら「国有地払い下げの担当である財務官僚は参考人招致に応じない」と言うのだから全くデタラメです。


■【森友学園問題】赤旗誤報認め「記事を取り消します」 籠池氏は稲田朋美*1防衛相と「会っていなかったことが分かりました」!!
http://www.sankei.com/premium/news/170318/prm1703180034-n1.html
 まあ「赤旗らしくない」珍しいミスかと思いますが、支持者として今後はこういう事がないようにして欲しいところです。ただし当然ながら、産経が鬼の首とったみたいに書くほどのことでもない。
 産経の虚報、誤報はこんなレベルじゃないし、稲田が籠池と親しい関係にあること、にもかかわらず「関係など全くない」と虚偽答弁したこと(その後、森友の民事裁判で代理人弁護士として出廷したことが裁判記録で判明)は別件で明らかだからです。
 こんなんで「赤旗誤報」と言いつのるのは
1)詭弁で稲田や安倍をかばいたいバカ(自分の言ってることが詭弁だと主観的にも理解している)
2)稲田や安倍のことだと理屈がどっかに行ってしまうバカ(主観では正論だと思い込んでる)
かどっちかでしかない。


■【森友国会】石破茂*2&船田元*3コンビ*4が「自民党分断」工作か?
http://www.sankei.com/politics/news/170318/plt1703180009-n1.html
 森友疑惑はあまりにも酷い話だし、石破も船田も現在、安倍に重用されてるどころかむしろ干されてるので、安倍を擁護する動機もないつうだけの話にすぎません。
 しかも彼らは「本当に清廉潔白なら野党の要求に応じても問題はないはずだ」として「籠池や当時の理財局長らの参考人招致、証人喚問」に賛同してるだけで、別に安倍の首相辞任を求めてるわけでもない。この程度で分断工作とは実にバカバカしい。


■【森友学園問題】妄想の「安倍晋三籠池泰典2.26居酒屋会談」 発信元は民進会派議員と日刊ゲンダイ
http://www.sankei.com/premium/news/170318/prm1703180017-n1.html
 「籠池との居酒屋会談」があったかなかったかわからないのでそれについてはコメントしません。
 問題は「妄想だ」と産経が書きながらその根拠を「当事者が否定してるから」以外に何ら根拠を上げられないことです。
 そんなんで「妄想」と言っていいなら「当事者が否定している」、例えば「ロシアの米国大統領選挙介入疑惑」、「北朝鮮金正男暗殺疑惑」、「産経が騒いでた蓮舫*5二重国籍疑惑(まあこれは確かに妄想ですが)」なども「当事者が否定してるから妄想」で終わってしまいます。
 産経記事はばかばかしいことこの上ない。
 それにこの居酒屋会談に「八木秀次日本教育再生機構理事長」が出席したことは産経は認めています。「違法じゃない」「日本教育再生機構や八木には不当な便宜供与はしてない」と言う気でしょうが八木みたいな非常識極右と、現役の首相が居酒屋で飲んで疑問を感じない点で産経も安倍も完全に気が狂っています。


■【月刊正論3月号】沖縄・翁長雄志*6知事が李克強*7首相にした驚きの媚中発言 朝鮮半島問題研究家*8・元通産省技官*9 安部南牛*10
http://www.sankei.com/premium/news/170318/prm1703180024-n1.html

 翁長雄志知事は日本国際貿易促進協会(会長・河野洋平*11衆議院議長)訪中団の「団顧問」として北京に飛んでいた。同協会は、日本が中国との国交正常化以前に創立されて以来60年の間、日中経済関係に尽力してきた団体である。そして協会訪中団は中共*12首脳である汪洋*13・副首相との会談に臨んでいた。
 その席上で、翁長雄志知事は「沖縄は600年前から日本・中国・アジアの架け橋として、特に福建省との貿易を中心に交易時代を謳歌した。アジアをつなぐ国際物流拠点、世界水準の観光リゾート地として、アジアをターゲットに大きく発展している」と語っている。それは汪洋副首相に対し、あたかも沖縄は独立した存在であるかのように響かせる発言であり沖縄が日本の一地方に過ぎないことを失念した発言でもあった。  
 そして、さらに「昨年4月の訪中以降、福建省とは“福建・沖縄ウィーク”の開催など、経済交流が活発化しつつある。経済特区間では連携し共に発展するために、沖縄県産・日本産食品を輸出する際の福建省自由貿易試験区における通関・検疫の簡素化、迅速化について、中国政府のご理解をいただきたい」と述べて、沖縄県が中国の版図に入っているかのような雰囲気を匂わせた。

 まあ「デマ記事常習・産経」なので予想通りですが驚くことは何もない。中国に媚びてるわけでもない。いやまあリップサービスではありますが「中国との交易や観光」を重視する自治体の長として常識の範囲内でしょう。この程度の発言は他の自治体の首長でもするでしょう。
 「媚びてる」と非難されるような話じゃない。安部某氏の馬鹿さが露呈されてるだけです。
 しかし「字は違うとは言え」、そして「偶然にすぎない」とはいえ「産経文化人の安部南牛(本名:安部桂司)氏」「ダライ盲従分子・阿部治平氏」「極右の現首相・安倍晋三」とまったく「バカなアベ」ばかりですね。

 李克強首相は協会訪中団を前に「70年前にファシスト*14が発動した中国への戦争*15を含む世界規模の戦争*16は中国人民に多大な災難をもたらした」と述べ、一方では「この70年間は世界規模の戦争は発生しなかった」と言い切った。自国の軍隊が行ったこの70年間の幾多の戦争、北は旧ソ連に西はインド、南のベトナムに東の朝鮮半島へと、軍隊を進めて砲火を交えた過去はどこへやら、である。

 まあ「米ソがバックにいた朝鮮戦争」を除けば「中国の参戦した戦争」なんて局地紛争でどれ一つとして世界規模じゃないですよねえ。まあ、その朝鮮戦争だって戦場は朝鮮半島限定で「第二次大戦ほどの大戦争ではない」し、こういうのは「言葉の綾」でしょう。
 「第二次大戦は酷い戦争だった、それに比べたら戦後はマシになった」つうのが話の本筋であってそこで「朝鮮戦争は世界規模だった」とか言っても揚げ足取りでしかない。ましてや中ソ国境紛争中印国境紛争中越国境紛争なんて明らかに世界規模じゃない。

「日本の技術と中国の市場がしっかりと結びつけば、非常に大きなエネルギーを引き出すことができると思う」と、李克強首相は日本の技術へのこだわりをみせる。この場合の技術の第一は「鉄」の質を向上させる技術であろう。

 言ってることがマジで意味不明です。もちろん「鉄鋼技術」だって重要でしょう。製鉄は何処の国でも重要産業ですから。とはいえ「造船」「電気機械」など他の産業を優越して「製鉄が(中国あるいは、中国に限らない世界各国において)何より重要です」と見なす根拠を何一つ、安部氏は提出できません。
 もしかして「造船でも電気機械でも、どんな産業でも通常、鉄は使うから」というんでしょうか?。いずれにせよ「鉄鋼技術の供与」について言えば「日本の国益」「日本企業の企業利益」になるなら提供するという普通の話でしかないのですが。
 まあ、最新技術はさすがに提供しないでしょうがある程度は提供するんでしょう。一方中国だって最新技術が全部もらえると思うほど能天気でもないでしょう。

 この後、李克強首相はAIIB(アジアインフラ投資銀行)について、「国際金融危機が勃発して以来、既存の国際金融システムに欠陥が現れた。中国はG20*17及び他国と努力して、既存の国際金融システムを改革し、それを更に完全なものにし、公平、合理的でバランスの取れる方向で発展させていきたい」と説明する。  
 ある意味で、李克強首相の説明は正直である。すでに、AIIBが中共政権下で余剰に生産されている鉄(粗鋼)を、インフラ整備の支援をお題目にしてバラまく為に設立された、という見方は広がっているからだ。

 おいおいですね。もしかしたらAIIBにはそうした面もあるのかも知れない(素人なのでわかりませんが)。
 ただ正直、AIIBの目的はそんな小さな話ではないでしょう。それにそう言う見方を安部がするのは安部の勝手ですがそこで李首相の発言を引用する意味がわからない。李首相は「既存の金融機関(世界銀行アジア開発銀行など)ではできない役割をAIIBで果たしたい」と言ってるだけで「鉄」云々なんて一言も言っていませんが。

 李克強首相の言動は徹頭徹尾、価値判断の基準は漢族の中共政権にありとするものであり、歴史的な冊封体制的価値観そのもの*18だ。

 冊封体制などという言葉を使わなくても安部氏の言ってることは「中国第一主義」などの言葉を使えば十分説明できる話です。そもそも冊封体制は前近代中国の政治体制についての言葉であり、現代中国に持ってくるのは明らかに不適切でしょう。
 私見では、今の中国を「冊封体制」と表現するのは例えば、今の安部の政治を「有司専制」と表現するくらい馬鹿げている。「有司専制」つうのは平たく言えば「特定政治家(有司)の独裁的政治手法(専制)」ですが、まあ明治時代の大久保利通(あるいは大久保一派とされる木戸孝允*19岩倉具視*20など)くらいしか普通使いません。

参考

■有司専制(ウィキペ参照)
 明治政府の政治が、大久保利通*21ら政府内の特定藩閥政治家数名で行われていると批判した言葉。学問的には1873年明治6年)に起こった征韓論政変(参議である西郷隆盛*22板垣退助*23後藤象二郎*24江藤新平*25副島種臣*26らが下野)後の、大久保の主導権が確立された時期から、大日本帝国憲法成立までの時期を指す。

 今の中共は、マルクス・レーニン主義教典を使って漢族の共産党の支配地域を「中華」とし、共産主義世界の拡大を図ろうとしている。 

 本気で今の中国が「共産主義世界の拡大」を狙ってると思っていたらただのバカです。中国は「自国の経済権益を最大化したい」とは思ってるでしょうが、それは「共産主義世界の拡大」ではない。
 まあ、安部氏もそれほどのバカではないでしょうから故意の虚言でしょう。もちろん「こんな酷いデマを吐く」と言うのもある意味でバカですが。

 AIIBの説明に次いで李克強首相は、日中の戦略的互恵関係の種は民間にありと述べて「昨年、中国は海外からの観光者が1億人を突破した」と強調した。それを受けて、協会訪中団の河野洋平団長は「中国の観光客をもっと受け入れたいと沖縄は考えている。同県の知事が参加しており、一言発言をお願いする」と、翁長雄志沖縄県知事の発言を促した。
 翁長雄志知事は、李克強首相と会えたことに感激の「言葉」を口にして「沖縄はかつて琉球王国として中国をはじめ広くアジア諸国との交流の中で栄えてきた歴史がある。中国とは冊封制度をしてきた」と、冊封体制に言及した。  

 まあ安部氏はバカバカしいですね。ここでの「冊封制度」言及は単なる事実の指摘にすぎず、「今の沖縄と中国の間に冊封制度を築きたい」と言う話では全くない。

 明王朝の火薬製造が九州南端の火山島に依拠していることに気付いた薩摩の島津家久徳川家康の許可を得て、薩摩武士団を沖縄へ派遣*27する。その際に奄美5島を割譲させ、与論島以北を琉球王朝から引き離して島津氏の直接支配地域とした。硫黄の産地を琉球王朝から引き離したのであった。

 何か「明の武器製造の重要拠点を薩摩が潰した」みたいな話にこじつけてますが、薩摩が狙ったのはあくまでも「琉球から可能な限り土地を奪って自国領(薩摩藩領)にする」「琉球朝貢貿易の利益を吸い上げること」でしょう。基本的に欧米のアジア・アフリカ植民地化と大して変わらないでしょう。
 仮に結果的にそうなったとしても、別に「硫黄の産地」云々なんてことは薩摩にとってある意味どうでもいいことです。

【追記】
 さて安部は「硫黄の産地を琉球王朝から引き離した」と書きましたがコメ欄で

産出地である硫黄鳥島は薩摩に割譲された歴史はない。

という指摘を頂きました。
 ウィキペディア硫黄鳥島」にも

硫黄鳥島は古くから硫黄の産地として知られ、明への貿易重要品目の一つであった。
・1609年に琉球へ侵略した薩摩藩は、与論島以北の島々を領地としたが、中国との進貢貿易を存続させるため、硫黄鳥島琉球王府の管轄のままにした。

と書いているので安部の記述は全くのデタラメの訳です。
【追記終わり】

 硫黄を産出しない琉球など清はお呼びでなかったが、島津藩の命令で琉球は清の冊封体制に入る。

 お呼びでないなら清は琉球朝貢貿易なんかしないでしょう。何でこういうとんちんかんな理解になるのか。
 大体この安部理解では朝貢貿易で利益を得ていたのは清朝(中国)と薩摩藩だけ、琉球は薩摩から一方的に搾取されて酷い目にあわされてたと言う話になるんですがそれで産経的にいいのか。
 「翁長は朝貢貿易を美化してるが大したモンじゃない」と言いたいのでしょうがその結果、薩摩を「沖縄を搾取収奪するだけの、やらずぼったくりのゲス集団」と描き出す結果になっています。

 次の翁長雄志知事の発言が気掛かりとなる。
「福建からは500名、600名が琉球に渡ってきて帰化し、たくさんの技術と文化を伝えた。福州市*28内には志半ばで亡くなった琉球人の墓がある。それを地元の人々が今日までずっと管理している。当時、琉球人が宿舎に使用していた建物も残っている」

 単に「沖縄と中国の交流で経済発展したい」と言う前提の元に「昔から交流があるんですよ」と言っただけの話です。何がどう問題なのか。

 何で李克強首相の前で、日本人と言わずに琉球人と表現したのだろう。その発言からも翁長雄志知事の日本の近代を受け入れない認識がうかがえる。

 沖縄と中国の交流の話なんだから日本人と言ったら意味がないでしょう。
 琉球人、沖縄人などと言わないと意味がない。まあ、「沖縄人」と言わなかったのは、江戸時代からの流れで「琉球の民=琉球人」と言ってるだけでしょう(江戸時代は琉球王国なので)。「日本の近代を受け入れない認識」なんて話ではない。

 さらに、「科挙制度のために全国各地から集まって来た人のために“国子監”が北京にはある。琉球人の先祖もオブザーバーとして学んだ。彼らは帰国後、大臣になったり、大きな力を発揮して頑張った」と述べているが、それは何時の時代なのか?。少なくとも清ではない。

 いつの話かというのはこういう話で重要な話じゃないでしょう。別に歴史学の細かい話をしてるわけではなく単に「昔から中国と沖縄には交流があった。これからも交流を深めていきたい」つうだけの話ですから。

 なにしろ翁長雄志知事は徳川幕藩体制下の「琉球」意識は全くなく、琉球は「小さな国であったが、アジアとの交流を通じて栄え、独自の文化を作り上げた。今日、アジア経済の著しい成長が沖縄を覆うようになった」と述べて「今までは日本の辺境、アジアのはずれといわれていた沖縄が大きな活力を持つようになった」と、中共政権下の経済発展が沖縄を日本の辺境からアジアの中心にしているとする認識を披露する。沖縄独自の文化が薩摩・島津氏の影響の下で育まれた史実も消去している。

 「安部は文脈を考えろ」つう話です。「中国と沖縄の昔からの交流」つう話をしてるときにいちいち「でも薩摩侵攻以降は琉球は薩摩支配を受けました」とか言う必要は何処にもないし、そう言うコトを言わないからといって、「翁長は沖縄独立論だ」だの「翁長は沖縄に対する薩摩の影響を否定している」だの、つう話でもない。

 中共政権は沖縄県に何を求めているのだろう。注目すべきなのは中共政権支配海域ではメタンハイドレートの存在が確認されていないことだ。
 水深600〜800メートルよりも深い海域に埋蔵しているメタンハイドレートは、尖閣さらには沖縄を版図に入れれば開発が可能になる、中国にとってはノドから手が出るほど欲しいエネルギー資源である。
(中略)
 中共にとって沖縄は日本の辺境ではなく、大陸の縁辺であり、メタンハイドレート開発の拠点を築く予定地なのである。

 ばかばかしいですね。安部発言の何がバカバカしいか。それは「メタンハイドレートは実用化されてない」ということです。少なくとも現時点では石油や天然ガスの方がメタンハイドレートよりずっと安く産出できる。こうした状況は当面変わらない(石油や天然ガスは採掘技術の向上*29や自動車等の燃費性能の向上*30などもあって当面枯渇しない)と見られています。また「天然ガスや石油が枯渇しても」それでも「メタンハイドレートを資源化するのにかかるコストを考えたら」、トウモロコシなどからエタノール燃料をつくるなど、メタンハイドレート以外の手法の方が安上がりだという指摘もあります。
 つまり「沖縄の深海のメタンハイドレートを開発する動機」など中国にはあり得ない*31
 そもそもそんなに沖縄のメタンハイドレートが有望なら日本企業が沖縄での開発にとっくに着手してるでしょう。
 もしそれらのことが安部にわからないのなら安部はバカだし、分かっていて故意に虚言を吐いてるのなら「嘘つきのクズ」です。

 李克強首相との会談の前に開催された「中日企業協力の展望」と題されたシンポジウムにおいて、沖縄県アジア経済戦略構想策定委員会の富川盛武*32会長は「沖縄は日本の辺境ではなく、アジアの中心である。人口減少に転じた日本経済は、国内市場に依存していては縮小していく。それゆえに成長が著しいアジアに市場を求めて展開せざるを得ない状況にある」と発言している。この策定委員会なるものは、翁長雄志知事が掲げる「沖縄県の自立」へ向けての構想を作っている組織だ。
 富川会長はさらに、「明の時代より琉球は中国と友好関係を構築し、福建省などから官僚や技術者が琉球を訪れ、琉球王朝を支えたと言われている。沖縄は“万国の津梁”として、アジアの橋頭堡として位置づけられ、日中の友好と発展に大きく貢献できる」と発言した。

 富川氏や翁長氏が目指してるモノの是非に関係なく、彼らの主張通り、「沖縄と中国の経済交流」は有益かつ必要なことでしょう。反中国極右・安部氏や産経のように中国敵視しても何の利益にもならない。

 『週刊朝日』誌には、翁長雄志知事の「いまや米軍基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因」という言葉が紹介されていたが、本当にそうなのだろうか。自由や民主主義を価値観の基礎に置く米軍が沖縄にいることが、中共政権の進出を抑えているのが実情ではないのか。

 おいおいですね。米軍基地がなくても中国が沖縄に武力進出*33してくることなんかないし、沖縄に米軍基地があるのは「世界各地に米軍が出撃するための基地」であってそもそも沖縄防衛が目的ではない。
 「米軍基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因」というのは全くその通りでしょう。米軍がいなくなった跡地をうまく再開発すれば経済発展が期待できる。
 もちろんあくまでも「うまく再開発すれば」ですが、基地は経済振興の阻害要因にしかなり得ないことだけは確かでしょう。
 基地なんて「米軍相手の商売」以外に雇用を創出しないからです。そこにはどうしても限界がある。

 翁長雄志知事は2年前「思いがけず、李克強総理とお会いできたことを嬉しく思う」と述べたが、それは思いも掛けずではなく、工作し、包摂する為に会ったのだ。

 もちろん「思いがけず」つうのは言葉の綾でしょうね。「翁長県政」「中国政府」双方がお互い水面下で交渉をしていたであろう事は間違いないでしょう。

 李克強首相へ翁長雄志知事は「福建省自由貿易区ができると聞いている。沖縄にも様々な特区がある。ぜひ、交流を促進していきたい。福建省との定期便が就航することを願っている」と陳情した。これに李克強首相は「両国の地方政府の交流を支持している。福建省自由貿易試験区は沖縄を含め日本にも開放している」と応じた。ここで李克強首相は沖縄県の名前をまず挙げて、次に「日本にも」と付け加えた。

 そりゃ相手が沖縄県知事だから「沖縄がまず最初に来ただけ」であってそれ以上でもそれ以下でもありません。相手が例えば埼玉県知事なら埼玉が、群馬県知事なら群馬が最初に来るでしょう。

参考文献
▽新里恵二『沖縄県の歴史*34』(山川出版社、1972年刊)

 2017年の今、参考文献が「1972年(つまり約45年前)刊行の書籍」と堂々と書ける神経には呆れます。
 「沖縄、歴史、アマゾン」、「琉球薩摩藩、歴史、アマゾン」などでググるだけでも

・赤嶺守『琉球王国』(2004年、講談社選書メチエ)
・上里隆史『海の王国・琉球』(2012年、洋泉社歴史新書y)
紙屋敦之琉球と日本・中国』(2003年、山川出版社日本史リブレット)、『東アジアのなかの琉球薩摩藩』(2013年、校倉書房
・黒嶋敏*35琉球王国戦国大名:島津侵入までの半世紀』(2016年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)
・高良倉吉*36琉球王国』(1993年、岩波新書)、『アジアのなかの琉球王国』(1998年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『琉球の時代』(2012年、ちくま学芸文庫)
外間守善*37『沖縄の歴史と文化』(1986年、中公新書)

など、もっと新しい本はあるんですけどね。


■【心斎橋通り魔】「裁判員裁判を軽視している」最高検に遺族が上告要請 一審の死刑から無期減刑
http://www.sankei.com/west/news/170317/wst1703170094-n1.html
 「遺族&代理人弁護士」なので大目に見ますが言ってる事は勿論馬鹿げています。ただし「犯罪被害者支援弁護士フォーラム」については大目に見る気はありません。


■日中合作映画、製作協定締結を加速 萩生田官房副長官北京市内で中国政府幹部と合意
http://www.sankei.com/politics/news/170317/plt1703170050-n1.html
 反中国・産経が何を言おうが、日本政財官界にとって中国映画市場は魅力的なわけです。

*1:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)を経て第三次安倍内閣防衛相

*2:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*3:宮沢内閣で経済企画庁長官

*4:石破と船田は連携してるわけではないのでコンビ扱いは不適切です。

*5:菅、野田内閣行政刷新担当相、民主党代表代行(岡田代表時代)などを経て民進党代表

*6:那覇市議、沖縄県議、那覇市長を経て沖縄県知事。著書『戦う民意』(2015年、角川書店

*7:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相

*8:このネトウヨ駄文で俺的には「こいつの朝鮮半島研究って使えるのか?」ですね。

*9:安部のネトウヨ暴論は経産省(旧通産省)に迷惑なのでこういう肩書きは使うべきではないでしょう。

*10:ググったところやはり「南牛」は通称で本名は「桂司」のようです。著書『戦後日朝関係の研究』(共著、2008年、知泉書館

*11:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任。著書『日本外交への直言:回想と提言』(2015年、岩波書店

*12:今時「中共」です(呆)

*13:重慶市党委員会書記、広東省党委員会書記などを経て副首相

*14:勿論、戦前の日本、ナチスドイツ、ファシズムイタリア

*15:日中戦争のこと

*16:第二次世界大戦のこと

*17:G7諸国(米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、日本)及びEU欧州連合)、ロシア、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、オーストラリア、韓国、インドネシアサウジアラビア、トルコ、アルゼンチン

*18:少なくとも安部桂司が紹介している李首相の言動は「安部がそう曲解しているだけ」の代物でしかありませんが。

*19:参議、内務卿、文部卿など歴任

*20:外務卿、右大臣など歴任

*21:参議、大蔵卿、内務卿など歴任。紀尾井坂の変で暗殺される。

*22:征韓論政変当時、陸軍大将、近衛都督。西南戦争で戦死

*23:伊藤、松方、大隈内閣で内務相

*24:黒田、山県、松方内閣逓信相、伊藤内閣農商務相を歴任

*25:征韓論政変当時、司法卿。佐賀の乱を起こして処刑される。

*26:征韓論政変当時、外務卿。松方内閣で内務相。

*27:「軍事侵攻」を「派遣」と表現する辺り安部は本当にふざけています。今後は中国も「チベット人民解放軍を派遣した」と書いても何の問題もないでしょう。あるいはロシアも「クリル諸島北方領土)にソ連軍を派遣した」と書いてもいいんじゃないか(皮肉のつもり)。少なくとも安部や産経にそれを批判する資格はありません。

*28:福建省省都

*29:今まで予想されたよりも多くの石油や天然ガスが産出できる

*30:石油や天然ガスの使用量が減ると言う事です。

*31:まあ合法的なメタンハイドレート開発なら中国は安部ら反中国極右に非難されるいわれはないですが(ただし何度も言うように「コストがかかる割に実用化のめどが立ってない」ので、メタンハイドレート開発の可能性はほぼ皆無です)。

*32:沖縄国際大学長、県政策参与などを経て現在、県副知事

*33:経済進出は話が別ですが、米軍があったってどうなるもんでもないし、経済進出に問題などないでしょう。

*34:と言っても安部がもっぱら参照してるのは「薩摩藩琉球侵攻」の所のようですが。

*35:著書『海の武士団:水軍と海賊のあいだ』(2013年、講談社選書メチエ)、『天下統一:秀吉から家康へ』(2015年、講談社現代新書

*36:琉球大学名誉教授。仲井眞県知事のもとで副知事を務めた。著書『沖縄問題』(2017年、中公新書)など

*37:著書『沖縄の言葉と歴史』(2000年、中公文庫)、『沖縄学への道』(2002年、岩波現代文庫)、『私の沖縄戦記:前田高地・六十年目の証言』(2012年、角川ソフィア文庫)など