【ネタ】とてつもない人たち

石川康宏「現代を探求する経済学」(新日本出版社)から、「竹中平蔵」批判を引用(なお、長いので一部省略)】

p74
「債務、設備、そして雇用という、この三つの過剰を切り捨てる作業が、成長を取り戻すためにはどうしても必要なのです」(竹中「竹中教授のみんなの経済学」(幻冬舎)p37−38)

 「債務の過剰の切り捨て=厳しい債務の取り立て」、「雇用の過剰の切り捨て=首切り」だからな。余計景気が悪化すると思うが。

p87
「私は人頭税というのが理想の税だと思うんですね」(佐藤雅彦・竹中「経済ってそういうことだったのか会議」(日本経済新聞社)p77−78)

 よくもまあ、「累進課税の否定」という貧乏人イジメを平然と公言できるな。

p90
「今の社会システムの問題点は(中略)『所得再配分』という言葉を使って、制度として人の物を強奪することを正当化するシステムです。」(中谷巌・竹中「ITパワー」(PHP研究所)p64−65)

 著者の石川氏も呆れているが、「所得再配分」と言う概念をここまで中傷するとはな。頭がおかしいんじゃないの。
 それに石川氏も批判しているが、ヨーロッパなどと比べると強奪云々と言うほど、日本の所得再配分機能(地方交付税(都市から地方へ)、社会保障(金持ちから貧乏人へ)など)は立派ではない。

p96
「格差はいつの時代のどんな社会にもあった。問題なのは格差があることではなく、格差が固定化し、敗者復活や再挑戦を許さない社会のシステムである。」「私が言いたいのは、格差がどんなに開いていても、機会は平等でなければならないと言うことである」(船橋洋一・竹中編「IT革命」(朝日新聞社)p28)

 格差がどんなにあっても、機会平等があればOKという考えも問題だが、それ以前に機会平等じゃないだろ!


【五十嵐仁「労働再規制」(ちくま新書)からの引用(なお、長いので一部省略)】

p109
 麻生さんは、著書のなかで「今は豊かで、親がいれば食うには困らない」とか、「今の世の中、餓死する程の貧しさが存在するわけではない」(麻生太郎とてつもない日本」44頁、46頁)などと書いています。

 麻生氏はこういう「世間とずれてる」人だから失言を平気でしていたのだろう。
 五十嵐氏も本の中で指摘しているが悪名高い「北九州方式」の北九州市は麻生氏の地元・福岡(選挙区ではなかったかも知れないが)で、北九州市では生活保護が受けられずに餓死した人もでているのだが。

p114
「『残業代を払いたくないから、導入しようとしている』(中略)という誤解があるが、そんな意図は全くない。(中略)制度を導入する利点は,個々の労働者が多様なニーズに合わせて、自立的に働けるようになることだ。家庭の事情(私注:幼い子どもがいるとか要介護老人が要るとか?)によっては、週3日の在宅勤務も可能になる。(後略)」

 ホワイトカラー・エグゼンプションの導入を提唱した日本経団連の紀陸孝専務理事は、「朝日新聞」06年7月3日付でこのように述べています。(中略)
 また(中略)経済財政諮問会議で、丹羽宇一郎さん(私注:諮問会議議員、伊藤忠商事会長)は(中略)次のように発言しています。

「(前略)土日でも残業代は要らないから出社したいという人がたくさんいる。しかし、経営者がしてもらっては困ると言っている。なぜなら出社されると残業代を全部払わなければいけない。(中略)これを何とかしてあげたい。」

 日本経団連自体が「ホワイトカラー・エグゼンプション」について「労働者のためになる」「労働者も喜ぶ」等と安倍首相に嘘を吹き込んだことがよく分かる文章。だから安倍氏は失言してしまったのだろう。
 信じる安倍氏もどうかしていると思うが。