メモ・「【静かな有事】第4部 少子化を止めろ(1)子ども手当「人口」と無縁」

 いろんな人がいろんな事を言っていてそれだけでも面白い。途中までは、子ども手当を批判するようなことを書いているがそれだけでは記事が続かなくなったのか、途中からはいろんな事が書いてある。ちなみに書いてあることが、皮肉にも赤旗に近いように思う。専門家に話を聞いて記事を書くとよかれ悪しかれ落としどころが同じになると言うことか。「自民党政権では年金など高齢者向け施策が優先されてきたことから、子供*1向け予算の総枠が増えたという意味では評価する専門家も少なくないが」云々など、自民党準機関紙「産経」とは思えない記述も一部に見られる。子ども手当について「兵庫県尼崎市では韓国人男性が「養子」と称する554人分を申請するなど、自治体窓口では混乱もみられる」と言う産経らしい記述も一方であるが。

一応、各氏の少子化克服のための案を紹介してみよう。産経曰く、次回以降本格的にやるそうだが。


・幼保一体化推進論&保育所増加論
「社会の子育て支援が不十分」→「子育てが大変」→「少子化」と言いたいのだろう。後で紹介する「育児休暇取得促進論」も同じ理屈だろう。

http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/100501/wlf1005012313000-n3.htm


第一生命経済研究所松田茂樹主任研究員は「幼保一体化は、長期的課題として進めるべきだ。今はとにかく保育所数を増やすことだ」と指摘する。


・労働時間短縮論
労働時間が長くて疲れてるのに婚活とか子作りとか子育てとか出来るわけがないという意味だろう。

http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/100501/wlf1005012313000-n3.htm


「午後5時に帰宅できることが一番重要。2つ目は無条件に保育所に預けられること。3番目が財政的支援。子ども手当は3番目だ」と指摘するのは、三菱総合研究所小宮山宏理事長だ。


・家族形成支援論
よく意味が分からないのだが、「非婚化・晩婚化」の克服という意味?

http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/100501/wlf1005012313000-n4.htm


「未婚率が高くなると日本では子供が生まれない。婚期が遅れると子供が1人になる可能性も大きい。本当は家族形成支援が大事だ。結婚したカップルを対象とした議論だけで、家族形成をどう支援するかの政策がないと意味がない」との批判だ。「結婚したカップルだけを対象とした政策では少子化は続く」と(佐藤博樹東京大学教授は)警鐘を鳴らす。


・育児休暇取得促進論

http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/100501/wlf1005012313000-n4.htm


 増田雅暢・元上智大教授*2は「例えば男性の育児休業取得率は現在1.23%だが、ビジョン(注:鳩山政権がまとめた政策指針「子ども・子育てビジョン」のこと)は平成29年に10%とした。これは数年前からの目標値で、低すぎる。本気なら5年後に50%にするとか、何が必要かを考えないといけない」と語る。


 一方で「子どもが減って何が悪い」(「少子化は克服不可能、むしろ少子化を前提にシステム作りを考えよ」「幼保一体化の是非などに少子化克服を持ち出すべきではない。それらの是非は少子化問題とは別途議論すべき」という意味らしい)と言う人(赤川学)もいるので難しい問題なわけだが。

*1:子ども手当」など政府の用語では「子ども」と書くが、それ以外では「子供」と書くのが産経の特徴です。他社はそういうことはしていないのですが。

*2:著書「これでいいのか少子化対策」(ミネルヴァ書房)、ホームページ(http://www5f.biglobe.ne.jp/~mmasuda/