【産経抄】6月24日(追記・訂正あり)

 今日の産経抄の題材は、「マツダの事件」で民主叩きではありませんでした。
 「マツダの事件」は
「どのような理由があれ、殺人は許されない」
「しかしこのような事件が起こってしまったのは格差社会が一因ではないのか」
格差社会を糺すため、民主は派遣法改正をするとしていたのに何故しなかったのか」(偶然かも知れないが今回の犯人は派遣)
菅内閣が主張するように消費税を増税すれば格差社会は、より深刻化するのではないのか」
「我々はこんな公約違反政党、格差社会に何の問題意識もない政党を支持して良いのか」云々と民主叩きに持って行くことも可能です。
 またトンデモ極まりない産経抄の民主叩きに比べれば私の挙げた例の方がまだマシでしょう。
 まあ、格差社会に危機意識がない点は産経抄子も、抄子が支持する自民も菅内閣と変わりないのでそう言うことは期待していませんが。
 ただ産経と自民の名誉のために断っておくと、全国紙がみんなして「消費税増税すべき」と唱和し、何故か、小泉構造改革の継続を主張する「みんなの党」が高支持率の国ですからね。産経と自民ばかりを責められません。id:kojitaken氏の嘆きには全く同感です。

 どちらも、犯人とまったくかかわりのない人たちの命が奪われた、理不尽としかいいようがない事件だ。

 揚げ足取りになりますが「犯人とまったくかかわりのない人」という表現は何か嫌だなと。「犯人と関わりがあって」、「犯人が被害者を殺すのに同情したくなるようなケース」(イジメ加害者への報復とか介護疲れによる殺人とか)であっても殺人は許される物ではないですから。

 引寺容疑者は、自らが奪った「幸せの重さ」をほんの少しでも感じているのだろうか。

 産経の方こそ、「統一協会合同結婚式広告掲載」、「派遣村」叩きなど、過去のデマ・中傷報道等で自らが奪った「幸せの重さ」をほんの少しでも感じているんですか?。要するに「お前が言うな」と言うことですが。

 「幸せ」といえば、昔は「仕合わせ」と書く人が多かった。
 ▼「幸せ」は、個人でつかむというイメージが強い。一方の「仕合わせ」は、だれかと「し合わせる」ことによって、得られるものだ。歴史家の高木傭太郎さんによれば、日本では1960年代から、「個人的消費の拡大と受験戦争により、『幸せ』が個人化して社会的連帯と分離し始めた」という(『生き方のかたち』かもがわ出版)。
 ▼「勝ち組」「負け組」という言葉が、堂々と語られるようになってからは、他人の「幸せ」を妬む風潮がますます強まっているような気がする。道理に合わない悲惨な事件を根絶するためには、人々が「し合わせる」力を取り戻すしかない。

「「勝ち組」「負け組」という言葉が、堂々と語られるようになってからは、他人の「幸せ」を妬む風潮がますます強まっているような気がする。」

 むしろ「勝ち組」「負け組」という言葉はいわゆる「勝ち組」が「負け組」を差別する言葉のように感じるのですが?
 「負け組のねたみ」(ないとは言いませんが)の方を問題視する、産経には何を考えているんだ?、と思わざるを得ません。


「人々が「し合わせる」力を取り戻すしかない。」

 「し合わせる力」(抄子の言葉)=「社会的連帯」(高木氏の言葉)=「助け合いの精神」=「反ネオリベ」ということでしょうか?
 高木氏や抄子の言うように昔は「助け合いの精神があったかどうか」「それが受験戦争と消費社会化で破壊されたかどうか」はともかく、今の日本には確かに「助け合いの精神」などないかも知れません。自己責任論がはやるご時世ですからね。
 そう言う意味で、おっしゃることは同感なのですが、それならば何故、産経は「「し合わせる」力を取り戻す試み」の一つ、「派遣村」を対案も無しに叩いたのでしょうか?
 それと「し合わせる力」を政治の世界で実現するとそれは産経の大嫌いな「再分配政策」と言うことになると思うのですが?


 それにしても産経がかもがわ出版の本を好意的に取り上げるとは驚きました。かもがわと言えば、あの蓮池透氏の「拉致」を出版したところでどちらかという左寄りですので(少なくとも産経のような極右にはかなり批判的)。

【追記】
「本日の産経SHOWと阿久根政界NOW:幸せになる道には二つある。どちらもぜいたくね。」(http://d.hatena.ne.jp/slapnuts2004/20100624/p1)にコメント。

こんな雇用形態を蔓延させたのはどんな思想だったかということを考えると、参院選でどこに投票すればよいかということがおのずと分かってくるはずです。

 なるほど私の支持政党・共産党に投票すればいいのですね(ちなみに、選挙権を得てから比例は共産にしか入れたことがありません。自社さや自自公のように、反自民と言いながら平気で野合したりする政党があるから、他の政党は信用できないですな)。
 保守系野党(自民、みんな、たちあがれ、舛添新党)+公明は小泉改革批判や派遣法改正を主張してないから論外です。「みんな」の支持率が高いというのは私には訳が分かりません。皆さんそんなにネオリベで利益を得るエリートなんでしょうか?。(もちろん私はエリートではないです、はい)
 それとも小泉に懲りずに、また「痛みに耐えて」云々というのをやりたいんでしょうか?。マゾヒスト?。
 民主、国民新、社民は派遣法改正をする、すると言いながら、ついに今国会に法案提出しませんでしたのでこれまた信用などできません。ある新聞記事には労組関係者の批判の声が掲載されていたと思います。出すと言って出さなかったのは夫婦別姓とか民法772条2項問題とか他にもたくさんありますが。
 派遣法改正すると言うだけ保守系野党+公明よりマシではありますが。