【産経抄】6月28日

 先週、各地で開かれた株主総会や公開された有価証券報告書によって、1億円以上の役員報酬を得ている企業トップの名前が次々に明らかになった。「そんなにもらっちゃ悪い」と突き返す人はいなかったのか。もちろん、高額報酬と縁がない小欄からの、単なる言いがかりである。

 ここで赤旗なら、「企業トップばかりがそんなにもらって良いのだろうか」「従業員や下請け、地域社会等に還元せよ」「そうすればワーキングプアなどないだろうに」「そんなに儲けている癖に法人税所得税が高い、安くしろ等と自分勝手な事ばかりを言って恥ずかしくないのか」などと書くところでしょう。
 産経抄には期待していませんが。
 なお、法人税所得税の件についてはたとえば以下のエントリをご参照ください。


シートン俗物記「法人税減税とか云っているヤツはブタのエサ」(http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20100627/1277600158
紙屋研究所「消費税の逆進性と所得課税の非累進性」(http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20100620/1277051091


 しかし高額報酬に縁がないのに、何故法人税所得税増税に反対するんでしょうか?。一般記者はともかく、抄子は本当は高額報酬をもらってるんでしょ?。産経抄は一応看板コラムですし。

暮らしぶりこそ質素だったものの、荷風は大変なお金持ちだった。印税収入のほか、投資家としてもすご腕だったらしい。

暮らしぶりが質素で、印税収入もあったのに投資で儲けていたというのはどういう事なんでしょう?。小説が書けなくなったときに備えて蓄えていたのか、それともお金儲け(マネーゲーム?)それ自体が好きな人なんでしょうか?

 いつも持ち歩くボストンバッグに入っている預金通帳には、約2000万円の記入があった。今の物価で換算すると、1億円を超える額だ。

 我々の時代の貨幣価値だといくらなんでしょうか。抄子が言うように最低でも1億を超えるだろう事はわかりますが(当時と今の物価を比べたら5倍ではすまないでしょうから)。
 しかし不用心な人ですな。ボストンバッグが強盗にあったらとは思わないのでしょうか?。私なら怖くて通帳など持ち歩かず、家の金庫なり銀行の貸金庫なりに入れて、必要額しか持ち歩きませんが。

荷風がそのバッグを電車の網棚に置いて盗まれ、ニュースになって世間に知られてしまった。幸い米兵が駅で拾い、中身もそのまま返ってきたものの、それからが大変だった。
 ▼金を無心する手紙が、全国から自宅に殺到したのだ。「私のところは銀行じゃありません」。荷風がうんざり顔で語る、古い新聞記事も残っている。

金を無心する手紙を荷風に送った人の気が知れません。知人や友人ならともかくアカの他人に金を渡す人がいるわけはないでしょう。

 高額報酬を公表された方々にも、苦労があるのかもしれない。なんだか気の毒になってきた。

 そりゃ我々貧乏人にはない苦労もあるでしょうが我々貧乏人にはない喜びもあるわけでしょうから。同情する必要などないでしょう。
 むしろ「貧乏人が何言ってるんだ」と思われるのがオチでしょう。