【正論】「月刊朝鮮」前編集長・趙甲済、北世襲は悲劇を通り越し喜劇だ(追記・訂正あり)

・要するに韓国ウヨの北朝鮮批判で、大筋正論と思う。まあ、北がそれだけひどいと言うことだ。「金総書記は昨年11月、貨幣改革(デノミネーション)で市場をなくそうとした」(デノミってそう言うものだっけ?)とか首をかしげるところもあるが詳しくないのでスルー。
・大筋正論と思うがこの文章で全てが台無しに。

 韓国はこうした怪物集団(注:北朝鮮のこと)を相手に死活を伴った生存闘争をしつつも、怪物に近づくことはなく、人権を重視する民主主義を発展させた。韓国民主主義の二大建設者である李承晩、朴正煕両元大統領の知恵である賢明な大戦略が成功したわけだ。

 「韓国民主主義の二大建設者である李承晩、朴正煕」っておいおい。むしろ「破壊者」だろ?。特に李について言えば「韓国憲法前文」は「4.19民主理念(注:4月19日の反李デモにより独裁者・李が米国に亡命せざるを得なくなったことを指す)を継承」とまで書いて李を批判してるんだぞ。憲法前文にそう書かれるって事は大多数の韓国人は李をそう評価してるって事だろ?(ウィキペディア「韓国憲法」参照)。
この二人を評価する人間も「独裁者だけど北に対抗するため仕方がなかった」「あの時代、独裁者は彼らだけじゃない(台湾の蒋介石、フィリピンのマルコス、インドネシアスハルトなど)」「経済は発展したから許してやれよ」というのがほとんど。何この歴史捏造。

他に一つだけ突っ込んでみましょう。

日本共産党機関紙、赤旗平壌特派員を経験した萩原遼氏は以前、筆者に、「金正日は本当の共産主義者の敵だ。彼が本当にファシストだからだ」と語り、「金正日は雪だるまだ。暖炉があれば溶けてしまう」と付け加えた。

「雪だるま」とか「暖炉」の意味が分からないので意味不明な文章。

【追記】
スーパーゲームズワークショップエンターテイメント「河信基はこのまま行ったら第2の趙甲済になる」(http://sgwse.dou-jin.com/Entry/223/)の趙甲済評価を参考までに紹介。

 韓国のどーしょーもないジャーナリストに趙甲済という男がおり、日本の右派メディアにも親日派の代表格として度々登場し、日本の拉致問題関係者ともズブズブの関係なので御存知の方も多いでしょう。かつて「月刊朝鮮」の編集長として米国礼賛・日本礼賛・北朝鮮攻撃を繰り返した札付きの男(この男が90年代半ば、日本の細川政権当時に雑誌の対談で小沢一郎と一緒になって「国連の御旗を立てて北朝鮮を爆撃しよう」という暴言を吐いた事を忘れてはいけません。それ以外にもこの男のトンデモ発言は数知れないのでいちいち列挙出来ないほど。「安倍晋三は極右ではなく保守本流*1」だとか…。おまえ日本の政界の事を何も知らないだろ! 
 ちなみに日本の右翼の間で趙甲済は「韓国の良心的保守派」という事になっているそうです。日本の右翼がこの男をこのように褒める意味、分かりますよね?)ですが、信じられない事にこの男は若い時分は民主派の反権力ジャーナリストとして勇名を馳せた記者でした。韓国各地の大企業による公害問題や、労働運動・民主化運動で職を追われて政府から迫害・抹殺された人々に光を当てて取材するなど、若い頃の仕事は素晴らしかった。朴正煕に対して何度も批判記事を書き、その度に新聞社をクビになったほどです。この男の取材した1980年の光州民主化闘争の記事は、後の1988年に韓国国会で光州事件特別委員会や5共時代特別委員会(5共、すなわち第5共和国の略で全斗煥時代を指す)が開かれるきっかけにもなりました。それほどの活躍をしたのです。
 ところが趙は1983年、朴正煕の暗殺事件を取材するようになり、これが変節・転向する最大の転機になりました(日本でも「朴正煕最後の一日」(草思社)という題で出ています)。その過程で趙は朴正煕の事を「日本の一流教育、米国の将校教育を受けた実用的な人物」だったという「真実」に目覚めてしまいました。あたかもネット右翼2ちゃんねるの書き込みを見て社会の「真実」に目覚めたがごとく(笑)。挙句の果てには「自分が朴正煕を批判したのは彼があまりに強く、それに対する若気のいたりの反感だった」とまで述べて「転向宣言」をしました。要するに朴正煕は独裁者だったが、それは全て実利主義的な政策であり、韓国を強国にする為にはやむを得ない措置だった、として朴正煕を擁護するばかりか韓国史上最高の大統領だったとまで美化するようになります。

*1:言うまでもなく保守本流といった場合、田中派、大平派の流れを汲む派閥のことです。安倍の属する派閥は保守傍流です