【産経抄】10月28日

 今日の抄子はTPP絶賛論。農業などに悪影響を及ぼす疑いがあり参加すべきではないのではないか、参加する場合でもそれなりの政策措置が必要ではないかという主張に対してとにかく参加しろの一点張りです。懸念に対しては「そうした懸念は杞憂」などといったものはまるでなし。「農家は努力しろ、それでダメならお前が悪い」「何とかなるさ」と言いたげです。
 私がマスコミが嫌なのはこういう「自分に甘く他人に厳しい」所です。誰しも「自分に甘く他人に厳しい」ものですが日本のマスコミは酷すぎます(特に産経は酷いと思います)。たぶんマスコミ業界はTPPの対象外なんでしょうね。TPP対象ならおんぼろとは言え一応全国紙の産経を外資が買収しかねませんから対象だったら、「我が社の危機」と猛反対するでしょう。建前は「メディアの危機」と言って(毒)
 他人には痛みに耐えろと言う癖に自分に痛みが来ると反対するのが日本のマスコミです。新聞再販制廃止論や記者クラブ廃止論などといった新聞業界に痛い話を業界上げて潰してきた癖に何を言うのか。
 ホリエモンに買収されそうになったときに醜い泣き言を言っていたのはどこの新聞でしょう?。産経の場合、過去に外資系ファンドによるテレビ朝日株買収に対する朝日グループの態度に株主民主主義に反するとか言ってたくせに、産経の親会社である自社グループ企業・ニッポン放送の株がホリエモンに買収されたらやったことは似たり寄ったりですからね。
 産経の場合、朝日と違い裁判所にだめ出し食らってるからなお悪い(朝日の場合は是非はともかく違法ではないと判断された)。
 ホリエモンのような怪しい人間に買われなかったことは良かったという人もいるかも知れませんがそれは結果論にすぎません。産経の立場なら「悔しいがこれが資本主義の掟」と言わないとおかしいのです。それに怪しいというならテレビ朝日株を買った連中もメディア経営に興味があるか怪しい連中でした。また産経の場合、ホリエモンが怪しいから反対したと言うより経営陣の保身でしょう。まともな人間が買収したとしても同じように反対したでしょう(朝日も同じかも知れませんが)
 「TPP反対派には反執行部が多い」ってそんなことをいうなら産経が支持する「中国人船長釈放批判派」にも「反執行部が多い」んですが。どれだけご都合主義か。