■気鋭の警察ジャーナリストに何が…黒木昭雄さんの死から見えてくるもの
産経らしくないまともな記事。
日ごろ快活な黒木さんが目に見えて変わっていったのは家族によると、今年7月の参院選の前後だった。
(注:妻の)正子さんによると、黒木さんは「みんなの党」の公募に応じることを決意、何十年ぶりかに卒業した高校に出かけ、卒業証明書を取り寄せた。「国会議員になることで、警察の誤りを正したい、と本人はやる気満々でした」
ところが結果は、なしのつぶて。面識があった鈴木宗男衆院議員率いる新党大地の公募にも応じたが、こちらも結果は知らされずに終わったという。
結果ぐらい知らせろよ、失礼な奴らだなと思う。警察の不正を糺したいのに自分には何も出来ない、周囲も無関心だ、黒木というジャーナリストに存在価値はあるのか、もはや政治家になるしかないかと思って公募に応じたが何の反応もなく無意味だった、というこうした数々の徒労感が黒木氏の心をむしばんでいったのだろう。そして練炭自殺することにあまり恐怖感を持たないところにまで行ってしまったと(まあ、見るからに痛そうな焼身自殺などに比べると練炭自殺は楽に死ねるようではあるが)。私にはとうてい理解できないことだが。
黒木さんは「眠れない」とこぼし、睡眠薬を医師に処方されるほど悩んでいたのだった。
(中略)
(注:遺体が見つかった)車内からは市原市のホームセンターで練炭を買ったことを示すレシートが見つかり、黒木さんのカードが使われていたことも分かった。
当然、誰がそのホームセンターで練炭を買ったか警察も裏付け捜査はしてるだろう(おそらく黒木氏本人という確認が取れたのだろう)。常識的に考えれば自殺以外あり得ないだろう。
「黒木昭雄さんの死から見えてくるもの」でこの記者が言いたいことは、黒木氏を死なせたのは「黒木氏を絶望に追い込んだマスコミ(この記者も含む)や政治家」といったことだろう。黒木氏の話は、自殺をどう予防するかという面からまず論じるべきだろう。
もちろん黒木氏の主張が常に正しいわけではないし、彼に配慮するとは彼の言い分を全て受け入れることではないが何とかならなかったのだろうか。