新刊紹介:「歴史評論」2月号

歴史評論」2月号(特集『21世紀に歴史学を考える』)の全体の内容については「歴史科学協議会」のサイトを参照ください。

http://wwwsoc.nii.ac.jp/rekihyo/

■「ソ連の社会は資本主義だった」(大谷禎之介)
(内容要約)
 大谷氏は『ソ連国家資本主義論』(大月書店)の訳者なのでそう言う立場なのだろう。「ソ連=国家資本主義」と言うのがどういうものか今ひとつ分からなかったが。


■「歴史の中のアソシエーション」(田畑稔)
(内容要約)
田畑氏は「マルクスとアソシエーション」(新泉社)、「アソシエーション革命へ」(共著、社会評論社)などの著書があるアソシエーション概念に注目しているマルクス研究者と言ったところか。この号で大谷氏と田畑氏は何らかの形でマルクスをテーマとしているわけで編集部は「21世紀に歴史学を考える」と言ったときにマルクスも一つの重要なテーマと考えていると言うことだろう。
参考:田畑氏のサイト
http://association.nomaki.jp/


■「2010年代の憲法問題と内外情勢」(柴山敏雄)
(内容要約)
・2010年代はまだ始まったばかりではあるが、2010年代に起こるであろう憲法問題を想定してと言うことのようだ。ただ2000年には誰も「2003年のブッシュのイラク戦争」(日本の憲法問題に少なからぬ影響を与えた)を予想していなかったし、2010年の憲法問題ならともかく、2010年代は難しいと思うが。
民主党政権改憲派が多いので油断できないが、安倍氏の政治的失脚からリスキーな明文改憲には当面手をつけないというのが筆者の味方。もちろん、菅政権は武器輸出三原則見直しなど言い出しておりハト派では全くないので監視が必要だが(もちろん反主流派たる小沢や鳩山もハト派ではないことは言うまでもない)。