【産経抄】1月29日

 書き出しが「スプートニクショック」なので「科学技術(あるいは宇宙開発)は大事」「にも関わらず民主党事業仕分けなどでそうした科学の芽を潰してる、カムバック自民党政権」という話かと思ったら、中国叩きというもっとトンデモでした。
 アメリカの側も「スプートニクショック」を気に、ソ連に対抗し、国威発揚も目的に、宇宙技術開発に力を入れていきます。

2年半後の「安保闘争」で、日本人の反米意識が強まったのも、このスプートニクの成功と無関係ではあるまい。

・アホか。安保闘争が激化したのは
「当時の首相・岸信介が元A級戦犯容疑者(満州国総務庁次長、東條内閣商工大臣であることを問題視された)でタカ派だから」
「岸が安保改定について強行採決した上、反対派(穏健保守派もいる)を『国際共産主義(注:要するにソ連のこと)に踊らされてる』と侮辱したから*1」だろ?。スプートニクと関係があると思う根拠が分からん。
 俺の持ってる本、五十嵐仁「戦後政治の実像」(小学館)には岸以外の人間(前任者の石橋湛山総理や、岸と総裁選を争った石井光次郎(ポスト石橋の有力候補の一人)*2などは明らかに岸ほどタカ派ではなく岸より国民受けも良かった)が、首相として安保改定したらあそこまで安保闘争は激化しなかったのではないかと書いてあるが多分そうだろうね。
(石橋内閣は岸が外相なので少し微妙な気もするが)
ソ連と、安保闘争が関係あるとしたら、1960年の「U2型機撃墜事件(アメリカのスパイ飛行機がソ連領内で撃墜された)」じゃないの?。
 この事件は人によっては「米ソ戦争とか起こったら怖いなあ、安保改定ってやばくねえか」と言う思いを高めたかもしれんね。

日本もその後、自ら高度経済成長を成しとげることで「ソ連の誘惑」を振り切った。

ソ連の誘惑を振り切る」ってどういう意味だよ?。国民がソ連陣営入りを支持したことなどないし、自民はもちろん社会党共産党だってそんな主張(ソ連陣営入り)はしてないだろ。

しかし今、新たな社会主義大国、中国の誘惑を乗りこえる力があるのだろうか。

 「中国の誘惑」って具体的に何?。抽象的すぎて意味不明。意味不明なので「乗り越える」必要とやらがあるかも疑問。

経済には「疎い」らしい菅直人首相のもとでは何とも心もとない。

・「経済に疎い」なんて首相は言ってませんが?。「疎い」発言は「米格付け会社による日本の長期国債格下げ」についてのマスコミぶら下がりに対する発言で、後に「『疎い』とは今回の格下げの詳しい事情を知らないのですぐにはコメントできないと言うこと。格付け問題自体について疎いというわけではない」と首相は釈明しています(釈明が正しいとしても経済に無関心と誤解ないし曲解されかねない発言をするとは脇が甘いなとは思います。とは言え大騒ぎするほどの失言でもないでしょう)。
 はいはい、お得意のこじつけ乙。
・それと格付け会社も神様ではないですからね。格付けは健康診断のような客観的な数値(コレステロール値、血糖値など)と違って、「フィギュアスケートやシンクロナイズドスイミングの審判」「文学賞の選考」みたいな主観的要素が強いもののようですから、正しい判断とは限らない。いくら下がっても構わないとまでは言いませんが一喜一憂しすぎるのもいかがかと思います。

*1:ちなみにid:noharraは俺の朝鮮学校無償化除外反対論を岸のような言葉(北朝鮮に踊らされてる)で侮辱したと俺は理解してる

*2:第5次吉田内閣で運輸大臣、第1次池田内閣で通産大臣、第1次佐藤内閣・第1次改造内閣法務大臣