今日のMSN産経ニュース(2/12分)(追記・訂正あり)

■朝鮮学園側、補助金二重取り認める 福岡県と北九州市が制度見直し検討 
 朝鮮学校(ただしこの話は福岡限定ですが)であれ、どこであれ、補助金申請に何か問題があればそれは是正されて当然の話。しかし、それは当然のことながらレイシスト共の朝鮮学校差別を正当化しません。


■小沢氏「二・二六事件は政治の責任」
・ブクマもつけましたが、産経記事が事実ならいろんな意味で呆れざるを得ない暴言。小沢一郎に対する怒りがわいてきた。
・テロを容認してるとしか思えませんがそう言う理解でいいんですか?。小沢さんには「三島由紀夫事件」など戦後の極右テロについてどう思うか、また「三菱重工ビル爆破」など極左テロについてどう思うかお聞きしたいところです。
・小沢さんは「生活苦に同情して決起した」みたいなことを言っているようです。それは決起理由の一つですが全てではありません。全てであるかのように言う小沢さんは無知か嘘つきかどちらかなのでしょう。北一輝の「日本改造法案大綱」の問題もどっか行っちゃってるし(北は黒幕ではなく*1青年将校全てが北を支持していたわけですらなかったのですが、青年将校に何らかの思想的影響はあったと思います。)
・ちなみに青年将校らは「生活苦」に同情しながら、「財政が苦しいこと」「景気回復の予算を組まねばならないこと(いわゆる高橋財政ですね)」を理由に軍事予算を削減した高橋是清蔵相を非難し、ついには二・二六事件で暗殺します。軍人だから仕方がないのでしょうが随分と頭の悪いことだと思います。
・決起理由には次のようなものもありました。1)はともかく、2)や3)は手段どころか目的すら、今の日本において正当化できるようなものではありません。
 要するに彼らの決起目的には極右的なものもあったということです。小沢さんは極右を支持するんですか?

1)小沢さんのような腐敗政治屋及び政治屋とつるむ財界を抹殺する
(小沢さんは減税真理教、ゼネコン政治屋の分際で「国民の生活が第一」ですか?。笑わせるな)
2)ハト派外交を打倒し、タカ派外交を樹立する(「外侮外患(中国の反日・抗日運動のこと)日を逐うて激化す」、これは今の政治家や官僚が悪いからだという文が決起趣意書には出て来ます。)
3)天皇機関説の抹殺(「倫敦軍縮条約、並に教育総監更迭に於ける統帥権干犯」は許せないとか「学匪」(天皇機関説を唱える美濃部達吉のこと)とか言う文が決起趣意書には出て来ます。なお更迭された陸軍教育総監は彼らに近かった真崎甚三郎で、後任が事件で暗殺された渡辺錠太郎です。渡辺暗殺は「生活苦に同情」「政治家が悪い」で説明できるものではないでしょう。)
・それに彼らの直接の決起理由は「彼らが属する第一師団の満州派遣」でした。
 これを彼らは「自分たちの運動への弾圧」「満州へ行ったら生きて帰れるか分からない」と理解し決起します(そう言う理解が正しかったのか、それとも通常の人事異動に過ぎなかったのかどうかは今のところ不明です)。
・彼らの決起理由として(彼らは認めたがらないでしょうが)、「五・一五事件」など過去の事件での処罰が割と甘く、世論も好意的だった(ある種のポピュリズム)ということや、陸軍内部に彼らに好意的な人間(典型的には真崎)がいたので彼らがかばってくれるのでは?(実際には保身から真崎は青年将校を見捨てる)、というのもあるでしょう。
 実際には決起将校の多くは銃殺されるわけですが、死刑判決が出ると思ったら決起したでしょうか。
青年将校の多くは(腐敗政治の存在もあって)議会政治にはそもそも否定的で、彼らに好意的だった陸軍大将・真崎甚三郎(注:ただし真崎が事件の黒幕だったわけではない)を首相とした軍部独裁政権を望んでいました*2(真崎も首相になれるならばと、青年将校の意に沿った動きをしますが、信頼していた重臣を殺された昭和天皇の激怒を知り結局、彼らを見捨てます)。

【追記】
書き忘れましたが、気づいたので追記。
二・二六事件の首謀者の一人「村中孝次」は士官学校事件(村中らが計画したとされるクーデター未遂事件だが、事件は村中らを軍から追放するためのでっちあげで冤罪というのが通説)で陸軍を首になりますが、この時彼は、エリートコース「陸軍大学校」の生徒でした。
(ウィキペ「村中孝次」は士官学校事件当時、村中は陸大を中退していたと書きますがこれは間違いです)
 士官学校事件がなければ村中は陸大卒のエリートとして陸軍幹部の一員になったでしょうし、彼らはテロ一本槍の集団ではなかったと言うことです。
 なお、士官学校事件をでっちあげ、村中らの軍追放を計画したとされる人間の内、永田鉄山(軍務局長)は後に相沢中佐に斬殺され、片倉衷は、村中とともに軍を追放された二・二六事件の首謀者「磯部浅一」に、二・二六事件の時に狙撃され負傷しています。要するに青年将校たちの決起には私怨的要素もあったと言うことです。

*1:黒幕として裁いたのは、陸軍を守るための「政治的国策捜査」でしょう

*2:彼らが殺したあるいは殺そうとした人間はもちろん反真崎でした