【産経抄】2月15日

日本の探偵小説の父と呼ばれる江戸川乱歩は、本物の探偵になろうと思ったことがある。

本気ではなく、乱歩に注目を集めるための話題作りのネタでは?。岩井側とも打ち合わせした上でのパフォーマンスでは?。岩井側にも宣伝になりますし。

岩井にしてみれば、探偵に必要なのは、推理力より粘り強さだと言いたいところだろう。

ミステリー作家の場合、他人のつくった謎を解いてるのではなく、自分で造った謎を自分で解いてる(ある種の自作自演)のだから、必要とされる力は推理力じゃないでしょう。しかも乱歩は本格推理の人ではない(謎解きがメインの本格推理作品より別の作品の方が多い)のでなおさら推理力関係ないと思いますが。

それにしても、動機がはっきりしない猟奇的な事件が多すぎる。

 多いですか?
 それに今回の事件は犯人の自供で「金目当て」と動機ははっきりしてるでしょう。いろいろ矛盾点(金の要求をせずにいきなり何度も凶器で刺したらしいなど)があるらしいだけで。
 矛盾点があるから動機が本当か怪しいだけで(というか、冤罪の可能性だって現時点ではゼロではないでしょうね)。

「何の動機がなくても、人は殺人のために殺人を犯す」。作品の登場人物にこう語らせた乱歩は、そんな時代を予言していた。

 別に予言したわけではなくて乱歩は猟奇殺人ネタ、快楽殺人鬼ネタで小説を書くのが好きで得意なだけでしょ(私の知ってる作品では「盲獣」、「蜘蛛男」とか)。