【産経抄】11月21日

世界中で大ブームを巻き起こした『ハリー・ポッター』は、英国北部の町エディンバラの小さなカフェで生まれた。作者のJ・K・ローリングさんは、生後数カ月の娘を連れて通い詰め完成させた。生活苦から一時は自殺を考えた、シングルマザーのローリングさんを支えたのが、生活保護だ。

その話は「前衛」(共産党機関誌)で読んだので俺も知っています。
ちなみに「前衛」は「日本で同じ事をしようとしたら確実に『あのおばさん働かないで、喫茶店で趣味の小説書いてる、不正行為じゃないか』と行政に通報が入って生活保護は打ち切られるだろう(その前に生活保護をもらいながら小説を書こうという「勇敢」な日本人はほとんどいないだろうが)」「何というイギリスの懐の深さよ」と書いてた記憶がありますが抄子はどう思われますか?
断っておきますがローリング氏が喫茶店で小説を書いていたときは売れる保障はどこにもありませんよ。

▼「最後のセーフティーネット」と呼ばれる制度の危機的な状況は、小紙大阪版の連載を基にした『生活保護が危ない』(扶桑社新書)を読むとよくわかる。取材班は、メディアにも問題があると指摘した。
▼切羽詰まって受給を求める人に、対応が冷たい行政をたたくか、あるいは、制度を悪用して保護費を不当に受け取る人を糾弾するか。確かに、どちらかの記事が大部分を占める。

抄子の紹介を信じるならば産経には珍しく「そこそこまともそうな本」です。産経は「大阪産経は東京産経に比べると割とまとも」と言う俗説は真実なのでしょうか?(そして今日の産経抄担当者もいつもに比べればかなりまともです)。
濱口先生もこの本について一定の評価をしています。

参考
hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)「生活保護が危ない」
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post_ea5a.html


まあ、記事の書き方が、先入観丸出しで決まり切った文章に落とすというのは確かに問題だと思います(忙しいので深い取材をする時間的余裕がないというのもあるのでしょうが)。
しかし、『生活保護が危ない』取材班に罪はないかも知れませんが、「産経にそんな事言われたくない」と言う同業他社は多いでしょう。
産経の場合、先入観や決まり切った文章どころか故意の捏造も珍しくないですから。