【産経抄】12月17日

原作者の司馬遼太郎さんは生前、映像化を許さなかったが、日露戦争を真正面からとらえた演出と役者の熱演とがあいまって「まあまあやな」と泉下でほっとされているのではないか。

映像化を許さなかったのは、作品が右翼のおもちゃにされるのを恐れていたかららしい。抄子がほめてるのを見るとその辺り少し不安になる。

乃木希典役の柄本明さんは、薄っぺらさを「自然な演技」と勘違いした昨今のテレビドラマでは希有(けう)の重厚な名演をみせてくれた。

さすが映画「ジョン・ラーベ(日本未公開)」で松井石根大将(中支那方面軍司令官)を演じた柄本明さんですね(毒)
『薄っぺらさを「自然な演技」と勘違いした昨今のテレビドラマ』ってのは具体的には何のことでしょうか?。そして「重厚な演技」が必要か、「一見薄っぺらく見える演技」が必要かは役にもよると思うんですがね。所謂「偉人」を演じるときは「重厚な演技」が必要でしょうが、平凡人を演じるときは「一見薄っぺらく見える演技」の方がむしろ自然で、必要なときもあるでしょう。俳優としての能力がないので薄っぺらいのではダメですが。

視聴率は10%を少し超える程度(関東地区)と振るわない。無表情な家政婦が主人公のドラマの方がはるかに人気があるんだとか。

仮にNHKドラマ「坂の上の雲」に芸術的価値があるとしても、芸術的価値と「一般大衆にとってのおもしろさ」は全く別物ですから。
ホームドラマと歴史劇という性格の違うものを比較しても仕方がないでしょうに。昔だって「ホームドラマ」の方が「歴史劇」より視聴率は高かったと思いますよ。

長年にわたって映画やテレビ人が積み上げてきた時代劇の伝統を衰えさせてはもったいない。

そんな事を言っても商売にならないのではねえ。時代劇から撤退してるのはTBSだけじゃないし。大河ドラマがあるNHKは別ですが、これで民放では時代劇枠がなくなり、「スペシャル番組で放送される」以外は新作時代劇が見られなくなったわけです。
新たに時代劇枠復活してくれればいいけどどうだか。
もはや「伝統芸能」として国の援助でも必要なのでしょうか?

かの国では、毎日どこかの局で必ず抗日戦を描いたドラマをやっている。もちろん、日本兵は悪役*1だ。韓流ドラマも当時を扱った時代劇は似たり寄ったりだ。

抄子の指摘が事実として、そんなのは日本の時代劇で悪代官や悪徳商人が出てくるのと同じで「お約束」でしょ?。日本の勧善懲悪時代劇とか特撮ヒーロー物に当たるんじゃないんですか、かの国のそう言ったドラマは?
(勧善懲悪時代劇、特撮ヒーロー物の是非や、かの国の抗日ドラマの一部が勧善懲悪時代劇・特撮ヒーロー物化してることの是非はひとまず置く) 
 日本人にとって余り気持ちのいいお約束ではありませんが時代劇を見て「江戸時代ってあんなに悪代官や悪徳商人がいたんだ」とか、特撮物を見て「秘密結社が日本支配を狙ってるんだ!」とか鵜呑みにする日本人が普通いないのと同様、あちらの国の人もさすがに「歴史的事実そのまま」とは思ってないでしょう。
 アメリカのスパイ物映画・ドラマ(昔はソ連が悪役に描かれることがあった)を見て「ソ連に失礼だ」と言ったりするような物でしょう、抄子の主張は。

そんなドラマが日本で頻繁に放送されたらどうなることか。

いや放送されないでしょ。そんなドラマを見たがる日本人が沢山いると思えませんので。

歴史認識をこれ以上曲げられないよう日本の時代劇には踏ん張ってもらいたい。

別に時代劇ってそう言う目的のためにあるわけではないし、産経の言う時代劇って、水戸黄門のような江戸時代がメインでしょ。いわゆる歴史認識問題は関係ないじゃない。しかも言わずもがなではありますが産経の歴史認識の方が「コミンテルン陰謀論」とか、よほどねじ曲がってるんですが。

*1:基本的にアレは日本の侵略ですから「悪役」にしか、しようがないと思いますが?。せいぜい「立派な日本兵もいた」程度の話でしょう?