新刊紹介:「前衛」2月号

「前衛」2月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat167/
 以下は私が読んで面白いと思った部分のみ紹介します。(詳しくは2月号を読んでください)


■「情勢の発展は日本共産党に何を求めているか:ゆきづまり、破綻する「二大政党づくり」」(市田忠義
(内容要約)
民主党政権の支持率が落ち、自民党も支持されていない、今こそ日本共産党の出番である。が、そう話が単純ではないのは、共産党には数々のライバルが存在し、それらに対する比較優位を主張する必要があるからである。
「戦わずして勝利は得られない」ということである。
特に市田氏が警戒を表明しているのは橋下一派であり、その点はid:kojitaken氏に似た認識といえるだろう。



■「国のかたち」を変える民主党政権の安保政策の危険性(上)(山根隆志)
(内容要約)
武器輸出三原則見直し論など右翼的な安保政策を提唱する民主党政権への批判。


参考
赤旗「武器輸出三原則緩和・市田書記局長が談話」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-28/2011122802_01_1.html 


■「社会保障」を口実とした庶民大増税は許されない・富裕層と大企業に応分の負担を(垣内亮)
(内容要約)
過去の消費税増税が「社会保障充実」に使われなかったこと一つとっても、社会保障を口実とした消費税増税はデマも甚だしい。
また、消費税の逆進性を考えれば実施すべきは消費税増税ではなく、金持ち増税である。誤解があるが、日本の富裕層への課税は欧米諸国と比べ決して高いものではない。



日米地位協定の抜本改定を・「公務中」米軍属の起訴を実現した世論と国会論戦(井上哲士
(内容要約)
うまく要約できないときのいつもの手抜き術・「赤旗の記事で代替」をする。

「公務中」の飲酒事故、米兵を訴追可能に、日米合意
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-17/2011121701_03_1.html
 当たり前すぎるほど当たり前の話。飲酒事故でも公務を口実にすれば日本で裁けなかったこと自体が異常である。日米地位協定では公務中の犯罪は米軍が第1次裁判権を有するとしているが「すべての米兵犯罪について日本が裁く」よう地位協定を改正するのが当然である。そしてそのためにも「刑事捜査の可視化」が重要である(刑事捜査の密室性を理由にした地位協定改正交渉拒否を米軍に許さないために)。


■貧困の拡大と生活保護受給促進への課題(布川日佐史)
(内容要約)
貧困者の最後の命綱として生活保護の重要性は高まっている。生活保護受給を充実させることは急務である。現状でもいわゆる「適正化」のような不当な措置をやめさせることはできるであろう。


■「社会保障・税一体改革の経済学」批判:「高齢層」・社会保障受給者と「現役層」の「対立」という構図から、なぜ抜け出せないのか(関野秀明)
(内容要約)
批判対象となっているのは主に鈴木亘である。鈴木については関野氏は以前も批判をしており、それを俺は
「新刊紹介:「経済」10月号」
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20110915/5421309876
で紹介しているので、俺のそのときの紹介文章なり、関野氏の批判文章そのものなり読んでいただけると幸い。
 基本的に鈴木らの主張は「金持ちは立派な人だから応援しなければならず、貧乏人は怠け者だから切り捨てよ」というものであろう。俗論として今の日本では受け入れられやすいのかもしれないが、事実認識として間違ってるし、社会保障や共生という精神が完全に視野に入っていない。
 こうした新自由主義に対する批判はいろいろあるだろうが、俺が知ってるものとしてid:kojitaken氏が関わってる
Nabe Party 〜 再分配を重視する市民の会」
http://nabeparty744.blog111.fc2.com/
を紹介しておこう。


■TPP交渉参加表明は何をもたらすか:アメリカの戦略と新自由主義的構造「改革」(萩原伸次郎)
(内容要約)
萩原氏は今月号の経済でもTPP問題について論文を執筆しているのでそれも読むとよろしいだろう。
内容については赤旗の記事で代替する。

「TPP加盟で自給率下がる、紙議員追及に 戦略相、否定できず、参院予算委」
http://jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-09/2011030901_06_1.html

「主張:TPP交渉参加、なにがなんでも突き進むのか」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-10-12/2011101201_05_1.html

日本共産党「TPPへの暴走を許さない国民的な共同をよびかけます――暮らし・食料・農業・地域経済を守るために力をあわせましょう」
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2011/20111014_tpp_appeal.html


原発再稼働を許さないたたかいを:推進論のごまかしをきる(鈴木剛
(内容要約)
「再稼働しないと電力不足になる(実際にはそのそれはないとみられている)」「再稼働しないと産業空洞化の原因になる(円高を理由にすでに産業空洞化は進展しており、こじつけにもほどがある)」「CO2削減のために再稼働が必要(放射性廃棄物を生み出す技術は環境に優しいとはとうていいえず、別の方法で削減を目指すべき)」などの「推進論」のごまかしを批判し、再稼働を許さない戦いが重要である。


■「北アフリカ革命」―その歴史的意義と試練(高林敏之
(内容要約)
北アフリカ革命」とはいわゆる「アラブの春」のことである。筆者は「アラブの春」という呼び方は「チュニジア、エジプト、リビア」はアフリカの一部であるということを軽視しているとして「北アフリカ革命」と呼んでいる。
筆者はエジプト、チュニジアでの政権崩壊過程には特に問題はないと思うが、リビアについてはNATO軍の軍事介入による政権転覆であり、カダフィ体制を支持する気はないが、手放しで喜べないとしている。
スーパーゲームズワークショップエンタテイメント「今週の週刊金曜日は久しぶりの「大ヒット」 」
http://sgwse.dou-jin.com/Entry/352/
に近い認識といえるだろう。


■声を上げる勇気をひろげた全国青年大集会2011(林竜二郎)
(内容要約)
要約できそうにないのでサイトの紹介で代替する。

「全国青年大集会ブログ」
http://blogs.yahoo.co.jp/seinen_koyou_syukai


vanacoralの日記
「ニューヨークに続け!!全国青年大集会2011 」
http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20111003
「 【反貧困】全国青年大集会に参加しました」
http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20111023


赤旗「全国青年大集会4800人・99%連帯 未来開く」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-10-24/2011102401_01_1.html


志位和夫同志の挨拶(赤旗

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-10-24/2011102404_02_0.html
 みなさん、こんにちは。日本共産党志位和夫です。たたかうみなさんの熱い発言を聞きまして、私も胸がいっぱいになりました。
 2008年秋のリーマン・ショックから、ちょうど3年です。私はまず、この間、人間らしい労働をもとめて、勇気をもって立ち上がった全国のすべての若者と労働者のみなさんに、熱い連帯のメッセージを送りたいと思います。
 今日も発言が続きましたが、大企業による「派遣切り」――パナソニックいすゞ、日産、ホンダなど世界に名だたる巨大企業の横暴に抗して、勇気をもって立ち上がった若者と労働者のたたかい、日本航空(JAL)による不当解雇を許さないたたかい、大震災を口実にしたソニーの不当解雇に反対するたたかい、全国のあらゆるたたかうみなさんに熱い連帯の気持ちをのべるとともに、全国のみなさんがお互いに連帯、支援しあって、人間らしく生きられる新しい日本をつくろうではないかということを心から訴えたいと思います。
 一つひとつのたたかいには、困難もあれば、曲折もあります。しかし、みなさん、不当な抑圧に屈せず、泣き寝入りしないで、それとたたかってこそ、労働者は人間としての誇りを取り戻せるのではないでしょうか。人間らしい労働のルールを築く道が開かれるのではないでしょうか。そういう展望をもって頑張り抜こうではありませんか。私も一緒に最後までたたかう決意を申し上げるものです。
 世界に目を向けますと、ニューヨークのウォール街で始まった貧困と格差に反対する運動が、アメリカ全土、ヨーロッパ、全世界に広がっています。
 私は、この運動と、今回で7回目を数える全国青年大集会の運動とは、二つの点で大きく響き合っていると思います。
 一つは、「1%の大金持ちが支配する社会でいいのか」という問いかけです。これは日本でも同じではないでしょうか。
 世界経済危機のもとで、大企業はため込み金――内部留保をさらに増やして、257兆円もの空前のお金をため込んでいます。大企業の役員の年間報酬はどうなっているか。調べてみました。
 今年の第1位は、日産のカルロス・ゴーン会長の9億8200万円。昨年より9100万円の「賃上げ」ですよ。第2位は、ソニーハワード・ストリンガー会長の8億6300万円。昨年より3850万円の「賃上げ」です。こんなことが許せるでしょうか。
 みなさん。若者と労働者に、賃下げをおしつけ、雇い止めをおこない、リストラをおしつける。そうしておいて、自分たちは空前の富を独り占めにする。働くみなさんの生き血を吸って丸々と肥え太っている。みなさん、こんな社会でいいのか。この声をあげようではないですか。
 労働者派遣法を抜本改正し、有期労働契約の規制強化をかちとり、雇用は正社員が当たり前の日本をつくろうではありませんか。最低賃金を時給1000円以上にひきあげようではありませんか。
 そしてみなさん。大企業の巨額のため込み金を、雇用と復興のために使わせよう――このことを声をあわせて言おうではありませんか。
 もう一つ、響きあっているものがあります。「私たちは99%だ」というスローガンです。これはみなさん、ウォール街から始まったものではないんですよ。全国青年大集会から始まったものなのです。全国青年大集会のスローガンは「社会的連帯で反撃しよう」。これは、みなさんが一貫して掲げているスローガンではないですか。
 みなさん。大震災と原発事故を体験して、多くの若者が政治への見方を大きく変えつつあります。みずからの生き方を真剣に模索しています。これまで「自己責任」ということでバラバラにされてきた若者が、それを乗り越えて、社会的連帯の温かい絆をつくろうとしているのではないでしょうか。
 私は、訴えたい。正社員と非正規社員が連帯しよう。民間労働者と公務労働者が連帯しよう。労働者と学生・高校生が連帯しよう。そしてあのTPP(環太平洋連携協定)の問題は、農業の問題だけではありません。日本の国の形にかかわる大問題です。労働者と農林水産業者が連帯しよう。
 みなさん。「99%」の国民が連帯し、その力で政治を変え、未来を開こうではありませんか。私たちも最後までご一緒に頑張りぬく決意を申し上げて、あいさつといたします。ともに頑張りましょう。


■特集「子どもたちの"学び"と「教育改革」の焦点」
【教育政策の迷走とこれからの教育(浪伊豆生)】
(内容要約)
・前半は日本の教育改革動向、後半は第14回OECDジャパンセミナー「教育の質の向上−PISAから見る、できる国・頑張る国−」でパネリストをつとめたマイケル・バーバー(ブレア政権時代に主席教育顧問)の提唱する「デリヴァロロジー(政策をデリヴァリーするテクノロジー、直訳すれば「中央が決定した政策を下部組織に伝える技術の科学」とでもなるようだ)」が取り上げられている。
 で、これは思い切りはしょった俺の理解だが筆者は日本の教育改革は上意下達方式であり、バーバーのデリヴァロロジーも上意下達方式、そうした教育の場での上意下達方式の蔓延の事実とそれへの懸念の表明をしているということだと思う。ボトムアップも、十分な検証もないまま、上意下達で話をすすめているのではないかという懸念。


育鵬社『公民』教科書とは何か(佐藤広美)】
(内容要約)
 安倍首相ブレーンの一人といわれた極右・八木秀次日本教育再生機構育鵬社教科書の編集元)のトップというだけでがあの教科書がどういう代物かは読まなくてもだいたい予想がつくが、こういう批判文章を読むと改めてそのひどさがわかる。要するに憲法敵視とか人権敵視とかそういうことだ。
しかし

「世界最大級の原子力発電所

という記述を育鵬社がしたら文科省の検定で「世界最大級云々で何が言いたいかわからない」とだめ出し食らったという筆者の記述には吹き出してしまった。文科省に突っ込まれる前に記述のおかしさに気づけよ。


■スポーツはいま社会にどう貢献できるか・山下泰裕東海大副学長・体育学部長)さんに聞く
(内容要約)
 一柔道家としてスポーツによる人間形成のために今後とも努力していきたいとか、いきますとかそういう話。


■座談会「日本のスポーツ百年とこれからの課題:節目にスポーツ基本法制定の意義と展望をみる」(市原則之*1伊藤高*2/佐伯年詩雄*3/広畑成志*4
(内容要約)
2011年に成立したスポーツ基本法の精神を元にスポーツ振興にがんばろうというお話。


■論点
【COP17の結果と今後の課題:一定の成果、存在感失った日本政府(早川光俊)】
(内容要約)
赤旗の記事で代替する。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-24/2011122404_04_1.html
COP17と温暖化対策、日本の孤立と逆行露呈
 12月上旬まで南アフリカ共和国ダーバンで開かれた国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)では、地球温暖化対策に関する新たな合意が成立するもと、日本政府の孤立と逆行ぶりが鮮明になりました。「温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で25%削減する」との民主党政権国際公約した目標を撤回する動きが強まっているのも、政府の逆行ぶりをさらに浮き彫りにするものです。
 温暖化危機の進行を前にCOP17では、会期を2日延長して合意形成の努力が貫かれました。その結果、▽97年採択の京都議定書に関し、来年末に終わる第1約束期間(08〜12年)を受けた第2約束期間を13年に開始する▽同議定書で削減義務を負わない米中両国を含む全加盟国が対象の、温暖化防止の新たな国際協定を15年までに採択し、20年以降に実施する―ことを決めました。
画期的な前進
 地球環境戦略研究機関(IGES)気候変動グループ・ディレクターの明日香壽川・東北大教授は21日に横浜市で開かれたセミナーで、COP17では「米中を含む交渉は画期的に進んだ」と指摘。20年以降の新たな協定については、「各国が約束した自主的活動を見直す」という昨年のCOP16での合意を超え、「何らかの法的拘束力をもった枠組み」を採択・発効させると決まった点が重要だと述べました。
 同セミナーでは京都議定書第2約束期間設定についても、突発的な出来事ではなく、これまでのCOP合意に基づいた自然な決定であることが明らかにされました。
 ところがCOP17について日本では、国内の一部でしか通用しない一面的でゆがんだ見方が流布されています。
 昨年のCOP16では、京都議定書第2約束期間設定が決まらなかったことについて一部の人々は、それに反対する「日本外交の勝利」であるかのような評価や報道をしました。この見方に立てば、COP17で議定書継続が決まったことは「日本外交の敗北」であるはずです。
 しかし、これらの人々は、それには口を閉ざし、「京都議定書体制はすでに空洞化しており、第2約束期間ができてもほぼ有名無実化している」などと主張しています。
国際協定に背
 では、深刻化する温暖化にどう対処するのか。これらの人々は「国連外交以外の場も活用すべきだ」として、2国間クレジット(2国間の排出量取引)などを使えといいます。法的拘束力ある国際協定にあくまで背を向けるのが本音です。
 COP17での日本の国際的孤立は、最終合意をまとめた交渉の場に細野豪志環境相がおらず、すでに帰国の途に就いていた一事で明らかです。日本は最も重要な協議から逃げ出していたのです。
 「日本孤立」との見方に根拠がないとするある論者は、「国際交渉では各国は異なる主張をもって行い、もともと孤立している」との苦し紛れの“解説”をし、日本の孤立を認めています。
 日本環境学会(和田武会長)は22日、COP17について提言を発表し、政府が京都議定書延長に反対して第2約束期間不参加を表明したことを「国際的な対策強化にまったく貢献できず、日本の国際的信頼を低下させた」と批判。第2約束期間への参加、25%削減の法定目標化などを政府に求めました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-13/2011121301_05_1.html
主張
COP17の成果、新枠組みの成功に生かそう
 南アフリカのダーバンで開かれていた国連気候変動枠組み条約の第17回締約国会議(COP17)は、地球温暖化の防止に向けた世界的な対策の議論で重要な成果をあげました。すべての国が参加する新たな枠組みづくりに向けた道筋を示すとともに、新枠組みの発効まで「空白」を生まないよう、京都議定書を継続することも決めました。数年来続いた先進国と新興国との深刻な対立を乗り越えて得られた成果を、新たな枠組みづくりの成功に向けて生かす真剣な努力が各国に求められています。
義務付けに抵抗した米
 「反対は? ないものと認めます」。現地時間の金曜日に終わるはずの会議が閉幕したのは日曜日早朝でした。「決裂」との見方も出たなか、合意にこぎつけたのは、温暖化を強く懸念する島しょ国をはじめとする途上国や欧州連合(EU)、NGOに代表される国際社会の圧力でした。
 新たな枠組みは、米国や中国を含むすべての国が参加する法的文書とされ、2015年に開かれるCOP21で採択し、20年に発効させると決まりました。温暖化対策の包括的な枠組みが初めてつくられることになります。
 合意に至るまでには、世界で2番目の温室効果ガス排出国でありながら、温暖化対策に後ろ向きな米国の姿勢が大きな障害となりました。米国は新枠組みの出発時期を設定することに反対しただけでなく、米国が削減義務を負う法的拘束力のある枠組みづくりそのものにも抵抗し、対策を各国の自主性にまかせようとしました。その姿勢には強い批判があがり、孤立を深めた米国は弁明に追われました。米国が自らの後ろ向き姿勢を正当化するために引き合いに出す中国が、次期枠組みでの削減義務受け入れを示唆したことも、米国への圧力を強めました。
 アフリカ諸国などの強い要求を受け、京都議定書の継続が決まったことも重要です。しかし、日本はロシアやカナダとともに不参加を表明しました。「京都」の名を冠した議定書を日本が投げ捨てた皮肉な事態は、野田佳彦政権の責任放棄の姿勢を世界に示しました。経団連米倉弘昌会長は政府を「高く評価」し、財界の使い走りとしての野田政権の性格を浮き彫りにしています。世界の流れに背を向けた野田政権の姿勢は厳しく批判されなければなりません。
 財界は費用がかかることを理由に、温暖化対策の義務付けに強く反対しています。米倉会長は、13年以降は自主的に対策に取り組むと表明しました。しかし、対策を財界の自主性に任せてきたことこそ、日本が京都議定書の現行目標も達成できないでいる原因です。温暖化の根源には、環境破壊を顧みない大企業の利潤第一主義があり、そこに焦点をあてた対策こそが必要です。
第2約束期間に参加を
 温暖化の進行を示す現象が広がるなか、産業革命以降の気温上昇を「2度以内」に抑えるとの国際目標の実現は困難を増しています。今回の成果を出発点に、難題を乗り越えて実効ある枠組みをつくる必要があります。
 そのためにも、日本は積極的な役割を担うべきです。新枠組みの発足を待つのではなく、京都議定書の第2約束期間に参加することがその第一歩です。


【知る権利と民主主義の危機−秘密保全保護法の危険性(吉田健一)】
(内容要約)
赤旗の記事その他で代替する。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-08-22/2011082202_01_1.html
主張
「秘密保全」法制、知る権利侵害する企てやめよ
 政府の「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」(座長・縣公一郎早稲田大教授)がこのほど、「秘密保全」の法制化を求める報告書を枝野幸男官房長官に提出しました。国民の知る権利を侵害する重大な提言です。
 報告書は「秘密保全」の対象を「国の安全」=軍事分野だけでなく、「外交」や「公共の安全及び秩序の維持」といった分野にまで広げ、罰則も懲役5年や懲役10年とする重罰主義をむきだしにしています。自民党政権が何度も成立をめざした「国家機密法」を先取りするもので、民主党政権の危険性があらわになっています。
何でもかんでも秘密
 報告書は、昨年尖閣諸島沖でおきた中国漁船衝突事件の映像が海上保安庁から流出したことを受けて「秘密保全」の法制化が必要だとする仙谷由人官房長官(当時)の求めに応じたものです。映像を流出させた元海上保安官起訴猶予となりました。にもかかわらず政府が「有識者会議」の作業を続けさせたのは、映像流出問題が単なる口実にすぎなかったことを示しています。
 政府が「秘密保全」の法制化をめざすのは、日米両政府が2007年に結んだ「秘密軍事情報保護協定」(GSOMIA)を根拠にしたアメリカの要求が背景です。日米軍事一体化を強化・拡大するうえで日本に共有させている米軍の軍事情報を法律で保全させるためです。アメリカの要求に応えることで民主党政権の基盤を強める思惑も否定できません。
 防衛省だけでも法令で10万9千件(07年12月現在)の秘密が保全されています。国会でさえその全容を知ることはできません。重大なのは、軍事分野だけでなく、「外交」や「公共の安全及び秩序の維持」に関するものまで「秘密保全」法制の対象にしようとしていることです。外務省も「相手があるから」といって多くを秘密扱いにしています。警察も同じです。
 こうした行政措置による秘密も含めて罰則をつけて保全するのが「秘密保全」法制です。何でもかんでも秘密にし、「秘密保全」法制で国民が政治の内容を知ることのできない状況にするのは、憲法が保障する国民の知る権利の侵害そのものであり、許されません。
 報告書が秘密流出防止の「抑止力」は「法定刑を相当程度重いものとする」とのべているのも大問題です。日米相互防衛援助協定による秘密保護法は懲役10年が上限ですが、これを他の分野にも広げるというのです。国家公務員法の懲役「1年」では「抑止力も十分ではない」といっているのはそのためです。行政機関のもとで秘密情報にかかわる民間企業などの職員も重罰の対象になります。
戦前の誤りくりかえすな
 報告書は報道機関の取材について、「不当に制限するものではない」といいつつ、「刑罰法令に触れる」取材は処罰対象とのべています。政府が勝手に広い範囲で秘密対象を増やし、それを取材すれば、やり方次第で処罰するというのは取材の自由の侵害にあたります。
 戦前、政府・軍部が「軍機保護法」などでメディアや国民の目をふさいだことが侵略戦争につながりました。この戦前の誤りをくりかえさせないためにも、「秘密保全」法制の危険な企てを許さない声を大きくすることが重要です。

http://m.jcptk.jp/?p=3160
みたおさむブログ「秘密保全法に反対:新聞協会が意見書提出」
 11月30日付け徳島新聞31面に標記記事が掲載されています。私もかつては、国家機密法或いは秘密保護法などとのたたかいを展開したことがありましたが、名称は変っても相変わらず言論統制に血道をあげているようです。以下新聞記事から頂きました。 



 社団法人日本新聞協会は29日、政府が来年の通常国会に提出する方針の「秘密保全法案」について、「国民の『知る権利』や取材・報道の自由を阻害しかねない」として、法制化に反対する意見書を藤村修官房長官宛てに送付した。
 同法案は、外交や治安に関する国家機密を公務員が漏えいした場合の罰則強化が柱。防衛など「国の安全」と「外交」、「公共の安全・秩序の維持」の3分野を対象に、国の存立に関わる重要情報を「特別秘密」に指定。公務員が特別秘密を故意に漏えいした場合の罰則を、最高で懲役5年以下または10年以下にする案が検討されている。
 意見書は同法案について「特別秘密の範囲が曖昧」とした上で、「政府・行政機関にとって不都合な情報を恣意的に指定したり、国民に必要な情報まで秘匿したりする手段に使われる恐れがある」と憂慮を表明した。 
 また、情報漏えいへの厳罰化は「公務員らの情報公開に対する姿勢を過度に萎縮させはしないか」とも指摘。さらに、報道機関の取材が特別秘密漏えいの「教唆」と判断される可能性があることから、「運用次第では通常の取材活動も罪に問われかねない」と強調した。(2011/11/29-16:52)


■暮らしの焦点
【職場のメンタルヘルス対策に何が求められているか(天笠崇*5)】
(内容要約)
職場のメンタルヘルス対策の重要性とにもかかわらず対策が進んでいないことの指摘。まず「サービス残業の横行」など、法令がまともに遵守すらされていない状況を変える必要があるだろう。

参考
赤旗「「心の健康不調」増加、「未対策」の事業所32%、労働政策研究機構」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-07-13/2011071305_01_1.html


■文化の話題
【演劇:劇作家吉永仁郎の冒険(関きよし)】
(内容要約)
劇団民芸の「思案橋」(公式サイト:http://www.gekidanmingei.co.jp/2011sianbasi.html)の紹介。


【映画:今井正監督生誕百年に寄せて(児玉由紀恵)】
(内容要約)
 もちろん先軍朝鮮の初代指導者も生誕(以下略)
 ちなみに存命の映画監督・新藤兼人氏も生誕(以下略)
参考
「生誕百年記念 巨匠・今井正の世界」
http://www.cinenouveau.com/sakuhin/imai/imai.html

小津安二郎よりも、溝口健二黒澤明成瀬巳喜男よりも「キネマ旬報ベストテン」で最多22回(注:今井の生涯作品数は全部で48作)の入選を誇る映画監督・今井正。『また逢う日まで』『にごりえ』『真昼の暗黒』『米』『キクとイサム』とキネマ旬報ベストテン第1位が5回、“ベストテン男”の異名を持つ。

さすが俺たちの今井。そこにしびれる、あこがれる。

1946年、戦後第1作で戦時中の財閥の腐敗を描いた『民衆の敵』で第1回毎日映画コンクールの監督賞を受賞。1949年、青春映画『青い山脈』前後篇を監督、同名の主題歌とともに大ヒットし、キネマ旬報ベストテン第2位に選ばれる。1950年、ガラス窓越しのキスシーンが話題になった『また逢う日まで』でキネマ旬報ベストテン第1位に輝く。
1963年、封建社会の残酷さを描く『武士道残酷物語』で、ベルリン映画祭グランプリを受賞。

輝かしい受賞歴の数々。ふむふむ。

にごりえ』(1953年、キネマ旬報ベストテン第1位、2位は小津安二郎の『東京物語』)

さすが俺たちの今井。小津安二郎なんていらなかったんや!(嘘)

1956年には、日本における裁判批判映画の最初の作品『真昼の暗黒』を製作。東映においても社会派映画を次々と発表。
(中略)
1959年の人種差別批判をテーマにした『キクとイサム』も代表作のひとつ。戦争や差別や貧困など社会的テーマを掘り下げ、それに翻弄される弱者の姿を同情を込めて美しく描いた作品を発表し続けた。

さすが山本薩夫と並び称される巨匠党員監督。我が党の誇り。


■メディア時評
【新聞:消費税報道の問題点と国民のたたかい(金光奎)】
(内容要約)
消費税増税をあおる新聞各社への批判。もういやだ、この国。まともな商業ジャーナリズムはこの国にないのか?


【テレビ:「子ども向け番組」はいま(沢木啓三)】
(内容要約)
今や地上波では「おかあさんといっしょ」(NHK)、「おはスタ」(テレ東)などごく一部をのぞき存在しないという「時代劇と同レベルの冬の時代」に突入してしまった「子ども向け教育番組」(「教育」を外しても「子ども向け」といえる番組は少ない)。
「ピンポンパン」「ポンキッキ」「ウゴウゴルーガ」(以上フジ。今時「母と子のフジテレビ」なんて昔のキャッチコピーは若者は知らない)、
ロンパールーム」(日テレ)などの歴史は過去のものとなってしまった。
まあ、衛星なら「beポンキッキーズ」「ガチャピンClub」(以上、BSフジ)とかやってるようだが。「あるべき子ども番組は何か」以前の状態。

参考

子供番組(ウィキペ参照)
 日本では近年、地上波民放で放送される子供番組は減少傾向にある。その理由に生活様式の変化や少子化による視聴者数の減少、各テレビ局では視聴率優先の番組編成が主体になり、時間枠の確保が難しくなった事などの他、内容によって些細な事でも保護者側からクレームを寄せられる傾向があり、制作側にとっても当初予定していた番組が作りづらくデメリットが多いという事情もある。これらの背景によって、地上波に比べて視聴率や編成に左右されないBS放送、スカパー!、ケーブルテレビなどに放送の主体が移りつつもある。
 なお、民放各社は子供番組減少に対して、『天才!志村どうぶつ園』や『どうぶつ奇想天外!』(終了)、『ペット大集合!ポチたま』(終了)のような動物を扱った教養、バラエティ番組も子供番組であるという見解を示している(←ただのこじつけだろ、それ)。


■スポーツ最前線
【女子バスケ選手の不当解雇を提訴(笹山尚人)】
(内容要約)
赤旗の記事で代替する。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-11-05/2011110515_01_1.html
“2年たてば日本国籍”“辞めても生活保障”、シャンソンは約束守って、バスケ部の元中国選手、不当解雇撤回求め提訴
 期限の定めのない雇用契約で不当に解雇されたとして、シャンソン化粧品(本社静岡市)のバスケットボール部に所属していた女性が4日、東京都内で記者会見し、同社に地位確認と賃金の支払いなどを求める訴訟を静岡地裁に起こしたと語りました。訴えたのは元中国選手の川村李沙さん(29、中国名=李莎莎)。19歳のとき、ユース世界選手権で中国代表としてプレーしました。
 女子バスケのトップリーグ出場要件である日本国籍取得について、日本に5年以上居住する必要があるのに、会社からは「来日して2年たてば、日本国籍を取得できる」と誤った情報を与えられ、「将来、バスケット選手を辞めても生活を保障する」との熱心な勧誘を受けて2003年に来日しました。国籍取得まで日本の大学に通い、09年に許可されました。
 昨年9月、世界選手権に日本代表として選ばれるまで実力をつけましたが、大会直前に出場資格がないと判明。2月に突然、構想外だとして解雇を言い渡され、3月末で会社の寮からも退寮させられました。ロンドン五輪を目標にやってきたという川村さんは「シャンソンは約束を守って。選手が安心して活動できる環境をつくってほしい」と訴えました。


■グラビア
【ぼくたちは見た パレスチナ・ガザの子どもたち(古居みずえ)】
(内容要約)
古居氏のサイトを紹介しておく。

おんなたちの歌:古居みずえのホームページ
http://huruim.com/contents.html


ふるいみずえのブログ
http://blog-huruim.sblo.jp/

*1:JOC副会長兼専務理事

*2:新日本スポーツ連盟顧問、武蔵野美術大名誉教授

*3:スポーツ社会学者、筑波大学名誉教授

*4:司会、日本共産党スポーツ委員会責任者

*5:著書『成果主義メンタルヘルス』(2007年、新日本出版社)、『現代の労働とメンタルヘルス対策』(2008年、かもがわ出版