今日のMSN産経ニュース(2/12分)(追記・訂正あり)

日付が思いっきりずれてますが、毎日更新の形にしたいのでこのまま続けます。

司馬遼太郎賞・伊藤之雄さん『昭和天皇伝』 公私両面から実像に迫る
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120216/art12021608000003-n1.htm
 ブクマもつけましたし産経がほめてると言うだけでどんな本か予想はつきますが突っ込む。

作家の司馬遼太郎氏は随筆『風塵抄』で天皇の立場について触れています。「昭和天皇憲法を順守され、政治や行政でいかなる行為もしないという、“空(くう)の場”を貫いてこられた。しかし、一度だけ空の場から出て終戦の決断をされた」と


 「開戦を止めようと努力され、悩まれていたことを考えると、天皇が“空の場”にいたというのは疑問ですが、自ら終戦の決断をなされたのは大きな功績だと思います」

226事件鎮圧方針などを無視して「空の場」とデマ垂れ流す司馬にも困ったものです。
そして「終戦の決断は大きな功績」という伊藤氏も困ったもの。
最高指導者なんだから「決断する」のは当然だし、「開戦の決断」なんて間違いをしなければそんな問題はそもそも発生しないのですが。
「止めようと努力」ってのは、うかつに開戦すると国が滅びかねない(実際アメリカの占領で滅んだも同然だが)んだから当たり前。
しかし「開戦するしかないんだ、三国同盟で何とか引き分けに持ち込めるはずだ(さすがに開戦派もアメリカ相手に勝利は考えていません)」と開戦派に天皇は説得され開戦してしまうわけです。

天皇が一般人に直接話しかけられるスタイルは、戦後の行幸が始まり。国民との距離を縮め、国民とともに歩まれた昭和天皇の大きな功績だったといえます。

功績と言うよりそうしないと天皇制の維持ができないからでしょ。
そして天皇制支持者には功績でしょうが、それ以外にとってはどうでもいいことです。

天皇の役割は?

 「明治天皇がおられなければ、維新やその後の国家運営もうまくいかなかったでしょう。君主の政治的な影響力が薄らいでいくのは世界的な流れなのですが、現在の日本の政治の混迷を見ていると、逆に影響力を持っていただきたいと思います。昭和天皇は、そういうことができた近代の最後の天皇でいらっしゃいました」

明治新政府天皇中心主義で運営されてましたのでね。幕府主導の政治だったら話は違ったでしょう。
・「逆に影響力」ってのは何を考えてるんでしょうか?。現行憲法でそんな事はできる話ではないんですが。
 そして日本以外の国王がいる国は政治的問題がないかのような主張は事実に反するでしょう。
・戦前はともかく戦後の昭和天皇がいつ「政治的影響力」をもっていたんでしょうか?。沖縄メッセージは、憲法の象徴規定に反する、表に出せない話ですが。

昭和天皇は戦後、象徴天皇となられました

 「政治に関わってはならないということですが、首相や閣僚たちが国政の報告を行う『内奏(ないそう)』の際、すれすれのところで天皇が意図されることを非常に婉曲(えんきょく)に伝えられたと思います。戦前戦後を通じてさまざまな経験を持ち、国際感覚もおありだったから、歴代の首相や閣僚を励まし、間接的に戦後の復興、成長につなげられたと思います」

一般的な世間話ならともかく、内奏時に政治的な意見を述べるのはもろに憲法違反だが。増原発言事件を知らないのか?
そしてその種の意見に従う必要はどこにもないし、従ったという証拠も、従っていい結果が出たという証拠もないが?