今日のMSN産経ニュース(4/2分)(追記・訂正あり)

■【主張】教材にマ証言 バランスのとれた授業を
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120403/edc12040303240000-n1.htm
ブクマもつけたけど全国紙のくせして突っ込みどころしかない。

日本が対米戦争を始めたのは「自衛(安全保障)」のためだったとする連合国軍総司令部(GHQ)最高司令官、マッカーサー元帥の証言が東京都立高校の教材に掲載される

id:scopedog氏などが批判してるがそれデマだから。大体、それが本当だとしてもマッカーサーが発言したからと言ってそれが正しい歴史認識ってわけじゃないし、マッカーサー「日本は12歳」発言はどう思ってるのやら。しかもウヨの場合「自衛戦争発言」と矛盾する「軍部の暴走で戦争に突入した発言」を一緒にしているから頭が痛い。

参考
誰かの妄想「マッカーサーは日本は自衛のために戦った、と言ったのか?」
http://ameblo.jp/scopedog/entry-10023353939.html

資源小国の日本が安全確保の必要に迫られて戦争を起こしたという内容である。

要するに資源がほしいから戦争したって話だが、それが侵略戦争だから。全然自衛戦争発言じゃないじゃん。

証言は、江戸時代から今日まで約400年間の東京の歴史を盛り込んだ「江戸から東京へ」と題する教材に英文で掲載される。

 「東京の歴史」を教えるのに何でマッカーサー証言に触れる必要があるんだか。関係ねえだろ。江戸時代からってのも訳がわからんが。東京が「事実上の首都」になったのは江戸時代以降だが、江戸時代以前には「東京の歴史はなかった」とでも?

多くの教科書も、満州事変から日米戦争までの一連の出来事を日本の「侵略」と捉えた書き方である。

だって侵略じゃん。侵略じゃないとでも?

しかし、東京裁判の判決は必ずしも歴史の真実ではない。

そもそも東京裁判判決を盲信してる学者なんかいないから。シャドーボクシング、わら人形叩き乙。

いわゆる「南京大虐殺」をめぐって、旧日本軍が約20万人の中国軍捕虜や市民を殺害したと認定されたが、その後の実証的な研究により、「20万」が誇大な数字で、「大虐殺」が中国側の反日宣伝だったことも明らかになった。

実証的な研究って誰の研究よ?。20万かどうかはともかく、20万は全然過大じゃないあり得る数字だし、反日宣伝とやらがデマを意味するのならデマじゃないし(むしろ巣くう会辺りの主張する「拉致被害者は100人を超えてる」の方が過大な数字だろ。酷いのになると「いや1000人超えてるんじゃね」、とか言い出すし)。
産経の言い分だと、日本が拉致問題騒ぐのも「反朝宣伝」になるし、領土問題(竹島北方領土)で周辺諸国に抗議するのも「反韓宣伝」「反露宣伝」になるぞ。

東京裁判では、インドのパール判事が日本の無罪を主張し、事後法で裁いた裁判自体を批判した。

・それいったらナチスを裁いたニュルンベルク裁判も事後法なんだけどね。そしてニュルンベルク裁判や東京裁判の価値を全否定したら、ユーゴ戦犯裁判やルワンダ戦犯裁判、ICC国際刑事裁判所)とかも否定せざるを得なくなるだろ。
・自分に都合のいいときは少数意見を平気で無視する癖に、こういう時は「少数意見」でもパルを持ち上げるんだからいい性格してる。
・パルは「チャンドラ・ボースの支持者」というおよそ公平中立な人間とは言えない人間なのだが。

小堀氏らにより、弁護側が提出したものの却下された資料や、未提出に終わった資料が大量に発掘され、刊行されている。

 却下はともかく未提出は弁護側が使えないと思ったから未提出なんだろ。、「却下はともかく未提出」は歴史学的な価値はともかく、産経の言うような意味での価値(被告人の無罪証明に使える)はねえよ。
 却下証拠も普通に考えれば証拠に問題があるから却下されたんだろ(しかし自分の気にくわない人間の提出証拠が却下されると「証拠に問題があるからだ」と平気で言う癖にいい度胸してるよな、産経は)。

憲法の平和主義の理念ばかりを唱えるのではなく、中国の軍拡や北朝鮮の核開発などの脅威に対処できなくなっている憲法の欠陥も、子供たちに分かりやすく教える必要がある。

それ単にウヨの価値観だろ。護憲派はそんな立場に立ってねえから。


【追記】
1)
 もっと休むに似ている「今年度より、コミンテルン陰謀論の授業がスタートします!」(http://gallerytondemo.blog.shinobi.jp/Entry/125/)によると、マッカーサー証言説よりもっと酷い「ハルノートソ連陰謀論」と言うトンデモが都立高校教科書には書いてあるらしい。
 産経がこちらを取り上げなかったのは、あの産経ですらトンデモ認定してると言うことなのか?(まさか「取り上げる必要のない常識」と思ってるわけではないだろう)
 そもそもハルノートの作者であるホワイトがソ連スパイだとしても、採用したのはルーズベルト大統領やハル国務長官である以上、ホワイトの意思など全く関係ない(ホワイトはおそらくせいぜい容共派であって、ソ連スパイではないだろうが)。
 またハルノートは日本がどうしても飲めないような内容でもない。日本はろくに交渉せずに戦争に突入したので、ハルノートからアメリカがどこまで譲歩する気があったかも不明だ(まあ多少の譲歩では日本は戦争する気だったろうし、アメリカの譲歩にも限界があるから結局戦争になったと思うのだが)。
 基本的に当時の日本は「何が何でも蒋介石政権を倒す(もちろんアメリカは蒋介石支持)」「仏印進駐して何が悪い(このせいでアメリカから石油禁輸を食らう)」「俺たちには上り調子のドイツがついてる、アメリカなんか怖くねえ」といういけいけどんどんなトンデモ路線だったのでアメリカがよほど大甘な案を出さない限り戦争になったと思うのだが(そしてそんな大甘な案を出すとも思えない)。
 で、このいけいけどんどん路線は「真珠湾での大勝利」で拍車がかかるわけである。「何だ、弱いな、アメリカ」と。
(もちろん山本五十六などある程度先の見える人はそこまで能天気ではないのだが)

2)
黙然日記『産経「主張」が恥ずかしい。他。』(http://d.hatena.ne.jp/pr3/20120403/1333458534
の、今回ウヨが持ち上げる「マッカーサー自衛戦争発言」とウヨの常日頃の主張「憲法九条はマッカーサーが押しつけた」はどうウヨの頭の中で両立するのかと言う指摘に思わずうなってしまった。確かにそうですね。