黒いオオサカ王

 現時点で、美味しんぼで最もげすなキャラといったら極亜テレビ社長の金上だろうが、久しぶりに美味しんぼの金上登場の回「黒いマスコミ王(1)〜(6)」を読んで「黒いオオサカ王」橋下のパロディかと思ってしまった。
 それくらい橋下はゲスい。特に「黒いマスコミ王(4)」など「能楽」を「文楽」にかえれば金上の言ってることはまんま橋下と同じだろう。
 金上は「能楽」に対して時代遅れだの古くさいだの悪口雑言はいている。
 雁屋氏はあくまで「ゲスキャラ」「お笑いネタキャラ」として金上に能楽その他に対し悪口雑言はかせてるわけだが、まさか、その約10数年後に金上と同レベルの男が大阪府知事を経て大阪市長になり国政進出まで放言する、そしてそれをマスコミがまともに批判しないなどとは思っても見なかったろう。俺も思ってなかったが。
 「黒いマスコミ王(4)」に限らず、登場時の金上や山岡らの台詞も

金上「私もあの男*1が気にくわない。何が何でも倒してやらなければ気が済まない。*2」(黒いマスコミ王(2)(第50巻収録))


金上「こういう瞬間がたまらないのだ!。痛めつけた相手*3が苦しめば苦しむほど、楽しみは大きい!。」
栗田ゆう子「邪悪そのものだわ!」(黒いマスコミ王(5)(第50巻収録))


山岡「お前*4は『最低』と言う言葉にも値しない男だよ。お前になら、どんなに残酷なことをしても良心が痛まずに済むだろうよ。」(黒いマスコミ王(5)(第50巻収録))


金上「日本という国は本当に民主的ないい国だ。社長と社員が同じレストランで食事ができるんだからな」(金上の罠(上)(第51巻収録))


海原雄山「今日のこの一件*5は直ちに日本中に知れ渡ることになるだろう。これでお前*6もおしまいだ*7」(究極のメニュー対金上(4)(第52巻収録))


金上「ほう韓国人か、くわばら、くわばら。また謝罪しろなどと言い出されたらたまらん。全く身の程知らずの連中だ*8」(韓国と日本(後編)(第55巻収録))

など橋下を彷彿とさせる。もしかしたら橋下信者は金上が大好きで、山岡らにやり込められるたびに「金上さんがかわいそう」とか思ってるのか?

参考
美味しんぼ塾 ストーリーブログ」
http://oishimbo.jp/
美味しんぼ −名言集−」
http://www.page.sannet.ne.jp/d-rigel/oisinbomatome2.htm

http://oishimbo.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=10500104
黒いマスコミ王(4)(第50巻収録)
 雄山の親しくする能楽家・朝斗氏の還暦を祝う会があり、雄山も出席した。そこへ、日亜銀行の篠山頭取に連れられて来たのが極亜テレビの金上社長だった。しかし、雄山を「『美食倶楽部』という料亭のおやじ」*9と言い、朝斗氏に「もっと宣伝し、ビジネスとして成功するよう我々テレビ局が力を貸そう」と放言する。これを聞いた雄山は、「無礼者!」と金上を一喝。「俗悪で低劣な番組を作っている極亜テレビが、人間性の一番高いところを目指している朝斗先生に向かって何をたわけたことを言うのか」と怒鳴る。これに金上は、「これからの世の中は低劣で俗悪でも、大衆の望む物だけが残る*10」と応じる。金上は続けて「『至高のメニュー』もとんだお笑い草で、雄山は味のわからない者たちに囲まれて悦に入っている裸の王様だ」と罵る。鋭敏な感性を保つために自分のようなみずみずしい感性が必要だという。そこに出てきたのが、「落としハモ」「ハモ造り」「ハモの照り焼き」。運ばれてきたハモ三種を見て、うんざりだと悪態をつく金上。雄山は篠山頭取に、金上共々退散するよう願う*11。これを聞いた金上は、雄山にハモの勝負を挑む。以前から自分の方が雄山より上だと思っていたので、今日は証明したい、という*12。仕方なく相手をする雄山。金上が出してきたハモ三種は、「ハモの真蒸*13」「ハモの八幡巻き*14」「ハモと松茸の椀」。一方雄山が出したのは、最初に出てきたハモ三種と全く同じハモ三種。これを見て金上は「ふざけるな」と激怒するが、雄山はいたって冷静に応える。確かに金上の料理は見事だが、料理で一番大切なことは材料の持つ全てを引き出すこと、それを見落としたのをみると、やはりただの素人だ、と。金上は今使ったハモはどこの海で捕れたものか、との問いに答えられない。雄山は、今日のハモは、瀬戸内海産の最高のハモと見抜いていた。滅多に手に入らない材料なら、良心的な料理人ほど、なるべく手を加えないよう気を使うという。金上の料理は手の加え過ぎでせっかくの材料を台無しにしている。素材の味を損なうことは、料理人の一番慎むことだ、と鋭く迫る雄山に金上は言葉もなかった*15。雄山は料理こそ、人の心の深奥を突くものだと語る。この話を聞いた雄山に、栗田は金上の人間としての重大な弱点は何かと聞く。金上の弱点を掴み、早速、社に戻ったゆう子だが、みんなの態度がおかしい。聞けば、東西新聞社は金上のものになってしまったという。

 ちなみに金上の弱点とは「反権威・権力ぶって、雄山や朝斗氏にかみついたが実は権威・権力に弱い」と言うことでありまさに「最初は反原発ぶった癖に大飯再稼働を容認した」橋下に一致する。

*1:海原雄山のこと

*2:「だから手を組もう」とアンチ雄山の山岡にすり寄る金上だが「お前みたいなゲスとは手は組まない」と言う趣旨のことを言われ山岡を恨むようになる

*3:金上が乗っ取ろうとしてる東西新聞社のこと

*4:金上のこと

*5:金上が不正な手段で山岡ら東西新聞を罠にはめようとした

*6:金上のこと

*7:しかし産経が何度デマ記事書いてもおしまいにならないように金上が東西新聞社攻撃から手を引くだけで終わるのだが

*8:この暴言からして「極亜テレビ」のモデルってフジサンケイグループなんだろうと思う。「視聴率1位の極亜テレビ」と言う言葉も出てくるし(金上が美味しんぼに登場する1990年代はフジの天下だった)

*9:この発言に周囲は「海原先生の本業は陶芸だ!」と激高する

*10:まさに橋下を彷彿とさせる。これに対し雄山は「お前は確信犯で文化破壊をしているのか?」と言う趣旨の言葉で応じる

*11:別に雄山でなくても能楽家の還暦の祝いの席で「能楽って古くさいよな」とか「何このひどい料理」とか喧嘩売る金上のようなバカには「帰れ」というだろう

*12:そして「俺の相手をしたくないから帰れというのか(お前が朝斗氏に暴言はくからだろ?)。逃げるのか」「所詮海原雄山などその程度か」と居直る金上。まさに論理のめちゃくちゃぶりが橋下そっくりだ。大体、能楽家の還暦の席でそんな事をやろうといきなり言い出すこと自体常軌を逸してる。

*13:ハモをすりつぶしたものを蒸したり、揚げたりしたもの

*14:ゴボウをハモで巻いたもの

*15:橋下だとここで醜いいいわけが始まるところだ。「俺のほうがうまいはず」とか。