今日のMSN産経ニュース(7/22分)(追記・訂正あり)

【正論】防衛大学校教授・村井友秀 尖閣で中国は法的に勝ち目なし
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120723/plc12072303200005-n1.htm

 勝ち目がないかどうかはともかく、前半は「日本の主張にこそ道理があるのだからばたばたしないで、どーんと構えてればいいんだ、実効支配もしているのだし」「中国や台湾*1が明確な形で領土主張し始めたのって1970年代前後からだろ?。それ以前そんな事言ってない、つまり日本の領土主張に反対してないんだから、法律用語の『禁反言の原則』*2が該当するんじゃね?」というまともな主張です。ただそれだと産経の「石原尖閣購入論支持」と矛盾しますが。石原の行為ほど「無様などたばた劇」はないでしょう。
 後半は何故か、完全なトンデモになります。
 なぜ中国は尖閣を領土主張するのか。それは中国が一党独裁で国内に矛盾を抱えており外敵を創る必要があるからだ、と言う珍論です。一党独裁じゃない台湾だって領土主張してるじゃんの一言で崩壊する珍論を記事掲載できるとはさすが産経です。
 なぜ領土主張するかと言ったらあそこで石油の出る可能性があることが最大の理由でしょう。主張し始めたのが1970年前後というのも、その頃初めて石油産出の可能性が指摘されたからです。一党独裁が理由なら、建国と同時に主張していてもおかしくないし、それなら禁反言の原則など、中国に該当することもないわけです。そして今では領有権主張の理由には「石油が出る」それプラス「台湾も尖閣領有を主張しているので先に主張をやめて台湾から、領土権益を日本に売ったと非難される危険性」というのもあるでしょう。

*1:実はこの論文は台湾には触れていませんが、台湾が領土主張し始めたのも中国とほぼ同時期です。

*2:過去の言動に反する言動は意見の変更に正当な理由が認められない限り、法的効力が認められない