今日のMSN産経ニュース(7/28分)(追記・訂正あり)

 ここ数日の産経抄に突っ込み。


産経抄】7月28日
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120728/trd12072803140002-n1.htm

確かにデモ参加者には、普通の主婦やサラリーマン*1ら“一般人”も少なくないが、要所に陣取っているのは過激派の活動家や労組員、政党関係者がほとんどだ。

 産経の主張なので事実かどうか自体怪しいですが、仮にそれが事実だとして何がどうだと言うんでしょうか?
 ウヨのデモについて「要所に陣取ってるのはプロ右翼がほとんど」と言われれば怒り出すくせに。


産経抄】7月30日
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120730/art12073003110002-n1.htm

そんな白皙(はくせき)の青年を見ていると、自分のなかで「日本人の定義」が揺らいでくる。

何だかなあって感じ。別に日本人の定義なんて「国籍」でいいんじゃないですか?。この最後の一文で全体が台無し。
外国人だっていわゆる日本伝統文化に非常に詳しい人なんて、昔からドナルド・キーン氏(最近帰化しましたけど)とかいくらでもいると思いますけどね。


産経抄】8月1日
http://sankei.jp.msn.com/london2012/news/120801/otr12080103340000-n1.htm

日本の女性も力強くなったものよと思うが、実は今に始まったことではない。例えば94年前、大正7年の米騒動のきっかけをつくった富山の女性たちだ。艀(はしけ)に乗り沖の船まで重荷を運ぶお母さんらで、中には米俵を片手で軽々と運ぶ怪力の持ち主もいたという。
 ▼その彼女らが8月3日、町の米屋に押しかけ、「米を安く売れ」と強訴した。米の値が高騰、地方から東京へ流出していたからだ。この事件が全国的「騒乱」に広がり、当時の寺内正毅内閣が倒れるにいたる。力持ちのお母さんらが結果的に政治をも変えたのである。

「重い物(バーベル)を持ち上げる三宅選手と言うパワフルな日本人女性」→「重い物(米俵)を持ち上げる富山のパワフルな日本人女性」という「重い物を持ち上げるパワフルな日本人女性」つながりで、五輪から全く関係ない方向に行くいつも通りの産経抄クオリティも変ですし、「別に力持ちの女性だから、米屋に抗議に行ったわけではない(何か怪力の女性が米屋に脅しに行ったみたいな「ジャイアンリサイタル扱いか」と言いたくなる産経抄の書き方)」のに力持ち云々と書くのもどうかと思います*2がそれはさておき。
ブクマもつけましたけど、これ「米騒動」を快挙と評価してるという理解でよろしいんでしょうか。
 「お母さん」も参加してる脱原発デモが日本中に波及し、「野田内閣を倒閣」に追い込んだら「現代の米騒動」「お母さん達のデモが結果的に政治をも変えたのである」と評価してくれるんでしょうか?。そして「寺内内閣を倒閣に追い込んだ米騒動」を評価する産経にとって「岸内閣を倒閣に追い込んだ」安保闘争はどう評価されるんでしょうか?。そのほかにも「桂内閣が崩壊した日比谷焼き討ち事件」「田中内閣が崩壊した立花隆の金脈報道」「宇野内閣が崩壊した女性スキャンダル報道」「細川内閣が崩壊した佐川急便疑惑」とか過去の様々な内閣崩壊劇についてどう思うのか聞きたいところです。
 また米高騰の一原因となった「シベリア出兵」について産経がどう思うのかも聞きたいですね(ソ連を打倒できず、権益も手に入らなかったため軍事的成果は全くなかったので)。
 それはともかく、この種の民衆運動は評価しないのが産経さんだったのでは?。米騒動は最終的には軍隊まで出動して逮捕者も出てるんですが?(ただし、当初はそこまで過激ではなく、富山の事件もそこまで過激ではない)。社会状況が今とかなり違うとは言え、今の日本で「自衛隊が出動する」そのレベルの抗議運動が起こったら産経さんはなんて言いますか?。まあ「7月28日の産経抄」で平和なデモでさえ過激派がどうとか言ってdisる人たちですから予想つきますけど。

*1:そもそも労組員もサラリーマンだけどね

*2:「政治的に活動的」なのと「腕力がある」のと直接の関係はないでしょうに