今日の北朝鮮・韓国最新ニュース(9/19分)(追記・訂正あり)

■FNN『小泉訪朝から10年 飯島勲氏「進展しそうな時が1回あった」』
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00231672.html
 飯島氏というのは小泉首相秘書官。首相秘書官以前から小泉氏の議員秘書を務めた側近中の側近です。思えば今まで顔を見たことは実は1度もなかったんですが「はげてるのか、ファッションで完全にそり上げてるのか知りませんが」スキンヘッドなんですね。
 飯島氏の発言はかなり対話路線よりです。この間の福田インタビューと言い、10年経って拉致敗戦が誰の目にも明白になって、「交渉路線で何が悪い」と言いやすくなったんでしょうか。でも飯島氏の隣は横田夫妻なんだよな。「横田奥さんがマジギレしかねないことを平気で言える」とはワイルドだなあ、飯島氏。さすが政界の古強者は安倍なんかと精神の図太さが違うな。
 いいぞもっと言え(毒)。
 しかしこの間の福田インタビューが産経*1。ずっと前の衛藤インタビューも産経。飯島インタビューがフジテレビ。しかも全て「交渉しかない」「制裁は失敗だ」という立場の人というのはどういうことなんでしょうね。フジサンケイグループにもまともな人間がいると言うことか。
 いずれにせよ、当時を知る人の証言が出ることはいいことです。そのうち小泉証言も出るんでしょうか?
 そして福田証言、飯島証言と安倍の発言を並べると安倍って完全に訪朝問題の蚊帳の外に置かれてたんだなと言うことがわかります。福田氏曰く「訪朝前から生存拉致被害者がいるという確信があった」、飯島氏曰く「訪朝の4日前に、拉致を認めるつもりだという正式な連絡があった(まあ、本当はもっと早いのかもしれませんし、公式がそうだとしても、非公式には認める意思があることがそれとなくもっと早い段階に示されていたとか『拉致じゃないけど我が国にいたと言うことにしたいと以前言ったけど無理そうだからはっきり拉致だと認める』と言う連絡だったとかかもしれません。そうでなきゃ訪朝を発表しないでしょう。訪朝発表は確か4日前じゃなくてもっと早いですから)」。
 安倍曰く「飛行機に乗るまで何も知らなかった」。

当時、国連の加盟が192カ国。その中で北朝鮮と国交のある国は162カ国あるという現実。

 そういう現実の中で交渉しかないんだと思ったという飯島氏。まあ当たり前です。日本だけですから、北朝鮮を極端に敵視しているのは。

そのとき目を見たりしたら、過去、いろいろと報道される状況とは違い、優しい目をしていたというのが本音ですね。

「優しい目をしてる人が拉致なんかしますか」という安藤アナの発言を平然とスルーする飯島氏に吹いた。
「優しい目をしていたから信じられると思った」ってのはもちろんきれいごとでしょう。飯島氏のような海千山千の人間がそんな甘ちゃんのわけがない。
でもねえ、こういうきれい事が大事。
お世辞なんか言いやがってと思っても「おたくのトップ・金正日さんは本当に優しい目をしていますね」と言われて怒る人はいませんよ。少なくとも悪口を言われるよりはいい。悪口を言うって事は関係が悪化しても構わないと敵視してると言うことですから。

福田総理の時に(中略)3つの約束が取れたと。1つは凍結されている人事の往来、2つ目はチャーター便の許可。そして、3つ目が人道的物資に限って、北朝鮮の船舶の入港の許可。それに対して再調査をやりますとなって、わたしは、外側から見ている立場ですが、福田総理の小泉総理と同じような、小泉時代のことを知ってますから、それで一気に解決すると内心期待してましたね。ところが、当時の民主党から、福田総理に対して問責決議案が出て、9月1日に突然辞職することになっちゃった。あれで、また終わって、さらにまた、制裁、制裁、圧力という状態で来た。
(中略)
福田内閣のあとからきょうまで停止状態。
(中略)
福田総理の時に、一気に進もうとしたのが今、止まっている。あの3項目、福田総理の時の。これは今でも生きてると考えたいですね。

飯島氏の言う3つの約束については「有田芳生の『酔醒漫録』」のエントリ「合意していた『拉致問題の最終的な解決に向けた行動』」(http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2011/10/post_fc2c.html)や外務省サイトの『日朝実務者協議の概要』(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/abd/jitsumu_gai.html)を参照。
要するに「制裁一部解除するから、拉致再調査してくれよ(福田康夫首相)」「うんいいよ(金正日国防委員長)」という話がついたわけです。
で「良かった、良かった」と飯島氏は喜んだと。飯島氏の所にもそういう情報が来てたんでしょうね。
しかし福田が退陣し、後の麻生がその約束を引き継げば良かったが安倍と同レベルのバカ・麻生はそんなことはせずすべてがちゃらになったと。
俺は「福田首相がもっと長く在任すれば拉致問題は解決したかもしれない」「経済制裁は最悪の手段、制裁解除で交渉しかない」という立場なので、飯島氏も俺と似たような立場でうれしいですね。
 「飯島氏(当時、首相秘書官)、福田氏(当時、官房長官)=対話派」、「安倍(当時、官房副長官)=制裁派」ということだったわけです。
 なお、安藤アナが「金正日」のことを「飯島さんの目から見て金正日さんは本気で拉致問題を解決しようとしているというふうな印象を持ちましたか?」というのは少し意外だった。敬称をつけて呼ぶ場合も「氏、さん」ではなくて「国防委員長」とか役職で呼ぶのかなと思っていたので。


■FNN『2002年日朝首脳会談 4日前に北朝鮮から文書「拉致認め謝罪する」』
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00231669.html
飯島氏インタビューの続き。

小泉首相(当時)の元秘書官・飯島勲氏は「2度でも3度でも4度でも、訪朝しなければいけないという覚悟は、小泉総理(当時)にはあったそうです」と話した。

でも2度しか訪朝しなかったのはどういうことかということを家族会はまじめに考えるべきですよ。


■FNN『小泉訪朝から10年 飯島勲氏「問題は日本側にかかっている」』
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00231678.html
飯島氏インタビューの続き。

『わたしは、国際情勢に経験のある*2今度の金正恩さん*3の場合、意外と早く、解決の方向に持っていくんじゃないかなと。問題は日本側にかかっていると。協議のたびに振り出しに戻したり、複雑化するということじゃなくて』
横田夫妻の前で言うのもなんですが、お金じゃないですね。はっきり言って。予算が増えたら解決するなんてとんでもない。それより期待したいのは、福田総理の時に3項目のあれがうまくいきそうになって、問責決議で辞職したんですが、その時の事務協議が斎木さんだったんですね。今度、外務省の人事でその斎木さんが、インド大使から外務省政治担当審議官になった。これはささやかに、わたしは、ある種期待したい。そのへんを冷静に考えてやっていきたい。なんで、何億も必要かどうかというのは、ちょっと理解できないな』

早紀江さん「対話というのは、どうしても必要だと思ってるんです」

でも偽遺骨問題とかあるから圧力かけてるんだと結局は居直る奥さん。たださすがに「安藤アナや木村キャスターが対話派・飯島氏に一定の理解を示してること」もあり、内心は不愉快だったのかもしれないが「小泉首相側近という元大物政治家秘書」飯島氏を「北朝鮮の手先」などと罵倒するような恥ずかしいことはできなかったらしい。
圧力万歳という番組でないことは評価できると思う。ヘギョンさんインタビューもフジだし、意外とフジはまともじゃない人間もいるが「まともな人間もいる」のかもしれない。「小泉訪朝10年後の拉致敗戦」でそうしたフジ社内のまともな人間が動きやすくなり、まともじゃない人間もそれにストップをかけられないと言うことだろう。


動画についても適当に文字おこし。

安藤アナ「北朝鮮側は交渉の態度を示してる、問題は日本にあるという飯島さんのお話でしたが木村さんはどう思いますか」
木村キャスター「私もそう思いますね。今日本と韓国の関係がぎくしゃくして連携が取りにくいと言うことも理由だと思いますが北朝鮮は日本側にかなりいろいろなことを申し出ている。日本側はそれに応じるのか応じないのか。日本の方針が見えなくて北朝鮮が迷ってるという段階じゃないでしょうか」
安藤アナ「政府は、拉致問題に関する情報収集分析に関する予算、2012年度は9億円組んでいる。3年前と比べて4倍以上です。このお金はどうやったら有効に使えると思いますか?」
飯島氏:そもそも金が多ければいいと言う問題じゃない、むしろ福田首相時代、「制裁解除のバーターで拉致再調査約束」がうまくいきそうになったときの外務省交渉担当者の斎木さんがインド大使から外務省本省に戻ってきたのでそれに期待したい、福田時代の彼の手腕を見込んで、拉致交渉をやらせるつもりだと理解したいという趣旨のことを回答(正確な文章は既にフジテレビサイトに文字おこしされています)。


■FNN『日朝首脳会談実現の裏にプーチン大統領シュレーダー首相の存在』
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00231668.html
 飯島氏インタビューの続き。

小泉首相(当時)の元秘書官・飯島勲氏は、会談実現の裏に、当時のロシアのプーチン大統領と、ドイツのシュレーダー首相の存在があったことを明かした。
2002年のサミットについて、飯島氏は「プーチンさんが一番悩んでいたのは、出身地のサンクトペテルブルクの建国*4300年祭。同じ日にちに、フランスでサミットが挙行される。『(ロシア政府が)2日ずらしてくれ』とシラク大統領に言っても、実現できなかった。ということがわかった時に、会場で、小泉(首相)がシラク大統領に『2日ずらせ』と。『誰も反対する人がいないのだから』と」と語った。
すると、シラク大統領は、日程をずらすことを承諾した。
これに恩を感じたプーチン大統領は、のちの首脳会談の場で、「小泉(首相)は信用できる素晴らしい指導者だ。2人で拉致問題を解決することが、あなたの国のためになると必ず伝えてやろう」と、金総書記に伝える約束をしたという。
そして、もう1人のキーマンが、ドイツのシュレーダー首相。
シュレーダー首相は、2002年6月のワールドカップ決勝で自国ドイツを応援するため、滞在先のカナダから日本へ向かった。
その際、日本の政府専用機に乗ることで試合に間に合い、日本の対応に、大変感謝したという。
その結果について、飯島氏は「シュレーダー首相が金正日(総書記)に、『じかに小泉と早く解決しろ』と言ってみると。自発的に。こういう、いろんな支援の輪があるので、(首脳会談が)実った」と語った。

ふと思ったんですがこういう「支援の輪」には「太陽政策金大中韓国大統領(1998〜2003年)」や「中国の江沢民国家主席(1993〜2003年)」なんかもいるかもしれませんね。


■読売新聞『寺越さん一時帰国から10年 花咲くまで、闘う母』
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20120918-OYT8T01336.htm
 まあ一時帰国から10年がたったとはいってもお母さんが訪朝すれば会えるわけですからね。そして一時帰国が難しいのは普通に考えて制裁のせいでしょう。家族会、巣くう会は寺越さんの一時帰国の権利を事実上侵害してるわけです。まあ連中にそういうこと言っても「一時帰国させない北朝鮮が悪い」としか言わないでしょうが。しかしねえ、さんざん「北朝鮮は酷い国」と罵倒してきたのはどこの誰なんですか。そういう酷い国なら制裁なんかやったら一時帰国が難しくなるだろうのくらいのことはわかるでしょうに。にもかかわらず制裁をやったと言うことは事実上、寺越さんを見殺しにしたも同然でしょう。お母さんも内心では腹が立ってるでしょう。しかし今の日本では「横田夫妻=戦前の現人神」並の扱いですからね。「神様の批判」なんかできないわけです。

拉致被害者の家族会に入ることを考えた時期もある。

 ただ実際はともかく、建前では拉致じゃないですからね(実際は拉致かどうかはもちろん当人にしかわかりません。いずれにせよ武志さんご本人が拉致じゃないというならそれを認めるのが人として当然でしょう)。しかもいろいろ制約があるとは言え、お母さんが訪朝して武志さんに会えるし、場合によっては武志さんが一時帰国することもある。あの国で武志さんは家庭ももって「平壌市職業総同盟副委員長」と言う職にも就いてそれなりに幸せにやっている。「下手に北朝鮮を怒らせたら、武志が粛清されるかもしれないし、そこまで行かなくても武志が左遷されたり、武志の一時帰国も私の訪朝も許可されず、武志に会えなくなったりするかもしれない。今の幸せを完全にゼロにする危険は犯せない」と考えて入会は結局しなかったそうです。
 武志さんからも「拉致じゃないんだからそういうことは辞めてくれ、俺の立場がなくなる」と言う趣旨のことを言われたと。まあ「立場がなくなる=平壌市職業総同盟副委員長解任」で済めばいいですけど、「こじつけで罪人扱いし刑務所送り」とかそれ以上の危険もありますしね。
 しなくて正解ですよね。
 今の拉致敗戦を見て寺越さんのお母さんも「あのとき入らなくて良かった」と思ってることでしょう。まあ、こういう事は黙ってるのが一番いい気もしますが。


産経新聞北朝鮮に藤田さん調査要求 国連人権理の部会』
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120919/kor12091914360003-n1.htm
 形式的な調査要求に過ぎないのかそれとも本気なのか。まあ国連は本気ではないと思います。日本政府が認定していないものを認定するなんて無謀なことは普通しないでしょう。北朝鮮だって「拉致じゃない」としか答えようがないでしょうね、実際拉致じゃないでしょうし。


産経新聞『北の欺瞞(下) 進む高齢化「もっと楽しい老後があったろうに」』
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120919/kor12091911130001-n1.htm
 産経は「北朝鮮が拉致しなければ、拉致しても小泉訪朝の時返してれば」「高齢化するご家族、たとえば有本恵子さんのご両親がかわいそうだ」と非難するわけです。おっしゃるとおりなんですが、今更「拉致しなければ」「小泉訪朝の時返してれば」と言っても空しいだけです。どうすれば拉致問題が解決するのかをまじめに考えた方が建設的。でもそんな建設的考えは産経にはありません。北朝鮮叩きがやりたいだけだからです。
 まあ、マジレスすると「有本恵子さんはたぶん生きてない」でしょうね。で、ご両親もそれは内心ではわかってると思います。「北朝鮮が犯人をきちんと処罰する」など一定の後始末をやればご両親も少しは納得するのかもしれません。「恵子を死なせた以上絶対に許さない」と言う可能性もありますが、どっちにしろ金日成金正日氏らトップも了承を与えた国家犯罪でしょうから「犯人処罰」等の可能性はゼロではないにせよ低いでしょうね。
 要するに、ぶっちゃけ有本夫妻にも他の方(増元照明とか)にもあきらめてもらうしかないですね。日朝間の問題は拉致だけじゃなくて、核ミサイル問題なんかもあるわけです。拉致に必要以上にこだわってるわけに行かない。日本の国益が害される。
 数少ない救いの一つは「ヘギョンさんの存在」でしょうか。いい加減横田夫妻や「拓也さん(めぐみさんの弟、つまりヘギョンさんのおじ)」もヘギョンさんに会いに行けばいいと思うんですがね。


聯合ニュース北朝鮮の映画関係者 釜山映画祭に初出席なるか 』
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2012/09/19/0200000000AJP20120919001400882.HTML

 まずは招待を韓国政府が認めるかという問題があります。自由に北朝鮮関係者を招いて無問題という国では韓国はないですから。まずはこれが第一のハードル。このハードルを越えてから、「招待に北朝鮮が応じるか」という第二のハードルが出てきます。出席して南北和解が少しでも進めばいいですがどうなる事やら。


聯合ニュース「金泳三政権 戦争捕虜救出の秘密組織支援=米研究員」
http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2012/09/19/0300000000AJP20120919000400882.HTML
 金大中政権になってから補助はなくなったそうですが、当然でしょう。本当に救出できるか疑問ですから。そういう口実で税金にただたかっていただけという可能性もあるわけです。救出できたとしても失敗の危険性の高さを考えれば辞めるべきでしょうが。


中央日報北朝鮮全域で日本車廃棄 当局の政策で=RFA」
http://japanese.joins.com/article/782/159782.html?servcode=500§code=500
 まあ常識で考えてガセネタでしょうね。記事を読んでも廃車にする理由がさっぱりわからない。走れる車を廃車にしてももったいないだけです。「北朝鮮は日本にいい感情を持ってない」のは確かでょうが、そんなのは、昨日今日始まった話じゃないですし、それなら廃車以前に「購入自粛令」でしょう。そもそも購入しなければ廃車にする必要もない。

*1:安倍インタビューもやってますけど

*2:留学経験があって国際情勢がわかってると言うことだろう

*3:さんと敬称をつけたのが少し意外

*4:原文のまま、サンクトペテルブルグは国ではなく都市なので建都が本当は正しい