今日の北朝鮮・韓国最新ニュース(10/14分)(追記・訂正あり)

産経新聞「【再び、拉致を追う】「外交史上初めて、日本のペースで主張した外交だった」安倍氏
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121015/plc12101522130010-n1.htm
 この記事でわかることは一時帰国論の田中均氏が外務省を去り、安倍とともに一時帰国反対論を唱えた谷内正太郎氏が外務事務次官まで出世したと言うことですね。谷地氏が安倍に与した理由が出世主義かどうか、谷地氏の出世理由の一つが安倍への協力かどうかはともかく、出世第一主義に立てば「北朝鮮強硬論の方がおいしいんじゃないか、谷地氏まで偉くなれなくてもそこそこ偉くなれるんじゃないか。それに引きかえ鳩派路線だと田中氏みたいに外務省ではうだつが上がらなくなるかもしれない」と思う人間が外務省にでたとしても不思議ではないでしょう。まあ、それが拉致敗戦の始まりだったわけですが。一時帰国反対論はまあ結果的に良かったとしても問題はそこには何の戦略もなかったと言うことでしょう。ただのアンチ北朝鮮でしかなかった。それは最終的には無意味な経済制裁論にいきつきます。
 それはともかく

「外交史上初めて、日本のペースで主張した外交だった」

と言ってしまう安倍はすごい。過去、重要な戦後外交交渉は「吉田内閣のサンフランシスコ平和条約締結(吉田が外相兼任)」「鳩山一郎内閣の日ソ国交回復、国連加盟(重光葵*1外相)」「佐藤内閣の日韓国交正常化、沖縄返還(日韓国交正常化は椎名悦三郎外相、沖縄返還福田赳夫外相*2)」「田中内閣の日中国交回復(大平正芳外相*3)」等があると思いますがそれらは安倍にとって「自分の拉致問題での働きに比べたらしょぼい」とでも思ってるんでしょうか?
 いや記事を読む限り安倍は「戦後と限ってない」から「桂内閣(小村寿太郎外相)の不平等条約改正成功」など、戦前と比べても「俺様がナンバーワンだ」と言いたいのかもしれません。すごい自信だな。


産経新聞経済制裁で日本と北朝鮮の貿易ゼロ 中国と北朝鮮は急増で効果は疑問」
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/121015/biz12101521240021-n1.htm
 記事内容には異論ありませんが「制裁強化を唱え続けてきた」産経はこの記事で何が言いたいんでしょうか?。「中国の支援で制裁が効かないんじゃないか」なんてことは10年前から交渉派(制裁反対派)によって指摘されていました。最近わかったことでは全然ない。制裁が効かないという理解だったからこそ、たとえば衛藤氏は訪朝を計画したわけです。
 しかもこの記事によれば「欧州からのアパレル生産委託も増えてる」んだからなおさら制裁なんか効いてない。もちろんできれば制裁を解除して欲しいでしょうが、そのために「日本の主張を全てハイで飲む」ほど追い詰められてるわけでは全然ないわけです。


スポーツニッポン北朝鮮 うその証言指示 帰国10年で蓮池さん公表」
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/10/15/kiji/K20121015004336720.html
 正直蓮池薫さんがこういう事を言う理由が俺にはわかりませんね。記事によれば蓮池さんいわく「北朝鮮バッシングに悪用されたくなかったから今まで黙っていた*4」んだそうです。なるほどね。で、今はこの発言が北朝鮮バッシングに悪用されない保障があるんでしょうか。まあ、ないですよね。
 巣くう会が「北朝鮮は嘘つきだから、小泉訪朝後も拉致してるかもしれない、俺たちが訪朝後の失踪者を拉致認定して何が悪い」「寺越さんも拉致に違いないから認定しろ(実際そうだとしても認定しても寺越母子が迷惑なだけです)」等と悪用することは目に見えてると思うんですが。頭が足りない人なのかと首をかしげますね。これ、俺に限らず交渉派(衛藤衆院副議長、アントニオ猪木氏など)で「よく言った」と思ってる人はいないでしょう。むしろ巣くう会が喜ぶんじゃないか。もちろん発言の自由は誰にでもありますけど、政治音痴にも程があるでしょうよ。
 かつこの蓮池発言は証明のしようがないですからね。他の拉致被害者が「その通り」と言うか知りませんが仮に言ったところで北朝鮮との間で水掛け論にしかならないでしょう。
 結局、小泉訪朝時、北朝鮮は拉致を認めたわけで、蓮池さんの発言が事実でも「拉致じゃないと発言させるシナリオ」は発動されなかったわけで、北朝鮮に「嘘をつくな」と言われたら泥仕合にしかならないわけです。まさかこの発言前に北朝鮮の了解を得たわけでもないでしょう。

*1:東條、小磯、東久邇宮内閣で外相

*2:後に首相

*3:後に首相

*4:お子さんが帰国する前はそれプラスお子さんへの危害の危険性でしょう