id:kojitaken氏の記事を読んで感想(追記あり)

というか氏がkojitakenの日記「自民272、民主81、維新49、公明31、みんな18、未来14、共産7、社民2、大地1、新党日本0(朝日)」http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20121206/1354753002で紹介する朝日の選挙予想の感想だが。
俺も氏同様「リベラル派」のつもりなので自民大勝、維新躍進等というのはごめん被るし、少しでも連中の議席が減って欲しいと思う。気の弱い俺は選挙日に「安倍、石原、橋下のドヤ顔」など見たら、その日の食事がのどを通りそうにない。正直、ここはid:kojitaken氏は俺と意見が違うだろうが、「露骨に極右な自民・維新」の議席が減るなら「現与党・民主党」「リベラルぶってる小沢党」の議席が増えてもいいかなと思う。いや小沢のリベラルは偽装だと言うことはわかってるが、「中国、韓国を敵に回しても構わない」レベルの暴言を吐く連中と比べたらまだ野田や小沢の方がマシだろう。ただ以下の状勢分析(というほどでもないが)は朝日の選挙予想をもとに書いてみる。

【追記】
kojitakenの日記「毎日、驚愕の衆院選情勢記事。自公300議席超の圧勝、民主80議席に届かず、未来は10議席以下、社民はわずか1議席か」
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20121210/1355150854
の紹介する毎日記事によれば、選挙予測によるバンドワゴン効果(逆の効果が発生することもあるのだが)で当初予測より民主、未来、社民が惨敗する可能性があるようだ。その分のほとんどは自民が取り、維新、みんなはほぼ当初予測通りのよう。うーむ、「エセとは言え一応リベラルぶってる」未来よりは「露骨に極右な」維新の方につぶれて欲しいのだが。明らかなネオリベのみんなも「リベラルぶってる未来」と比べたら好きではないが維新よりはマシだろう。ま、こうなると維新が伸びなければ、みんなや公明が伸びるのでもでもいい気すらしてきた。
共産は厳しい状況が変わらないということ以外はよくわからん。現有9議席維持できるか微妙というがこれは未来の「10議席以下で、1桁台の危険性あり」と言うのとはどう違うのか?。ま、俺的にはどういう結果であれ頑張ろうというだけだがさんざん共産をバカにしていた小沢信者からすれば「共産以下の議席もあるのか」と気が気じゃないところだろう。なお、id:kojitaken氏の紹介する選挙予測記事によると、菅前首相、亀井元建設相と言った大物の落選すらあり得るとのことで「天国から地獄」という小選挙区の恐ろしさが前回は自民に、今回は民主党や小沢党に襲ってるというところか。


【その1】議席減した場合のミニ政党の動向
もちろん奮起奮闘し、議席キープ、あるいは微増の可能性もあるし、俺としてもそれを希望してるのではあるが(大幅増という可能性のないことまでは高望みしてない)。
まあ、俺の支持する共産の場合、幸か不幸か執行部の交代はないのではないか。どのような敗戦総括をするかを注目したい。
「自民復権と第三極ブームを力不足で打ち破れず、議席も減らして申し訳ない。とにかく党勢の立て直しを図る」といったところか。正直、リベラル派全体(左派に限らず、自民党内の保守リベラルを含む)が退潮気味なので俺個人はあまり共産を批判する気もないが。共産の戦術でどうこうという状況では残念ながらなくなってる。
核兵器保有」だの「尖閣自衛隊常駐」だの「最低賃金法廃止」だの昔だったら左派の批判どころか、リベラル保守の批判もあったであろう暴言ががんがん飛び出してそれでもマスコミが批判報道しない、国民も無関心というのではちょっとお手上げである。すこし考えればそんなので喜ぶのはブラック企業と極右ぐらいで他の人間には大きなデメリットだとわかりそうなものだが。
こういう事は言いたくないが当分は「リベラル冬の時代」を覚悟した方がいいのかもしれない。覚悟したくはないが。
共産はそれなりに組織があると思うし、どこかの政党入りというわけにもいかないからとにかく独立の政党でやっていくしかない。
問題は、その他のミニ政党だ。社民党は場合によったら「民主党入りせよ」いや「未来の党だ」と言う動きが出てくるのではないか。各種保守政党も「自民入り」「民主入り」の動きがあるかもしれない。場合によったら「維新、未来、みんな」という可能性もあるがまあ、目指すとしたら自民か民主だろう。


【その2】自民と公明の関係
 今回の選挙戦でもいつも通り仲良し関係にあるわけだが、自民が大勝した場合、見直しの動きが出るかもしれない。そもそも自公が始まったのは自民が過半数議席をキープできず苦しくなった*1からで過半数キープできるのなら公明の議席は必要ない(あった方がうれしいだろうが)。
また民主党政権交代選挙でわかったように、若干の差ならともかく、大幅な差がついてしまった場合、「小選挙区制の衆院」では公明の協力では追いつかない。それに公明と組めば当然、一定の配慮をせざるを得なくなる。
 一方、公明も谷垣自民ならともかく極右性が露骨な安倍では組みづらい。前回は「小渕政権から続く長年のつきあいがあるから」ということで支持者を説得できたろうし、前回は安倍もここまで極右性を出さずかなり遠慮してたが今回はかなりもろだしだ。
とはいえ、いきなり仲違いというわけにも行かないので、「公明の閣外協力」と言う形でお互い、支持者の反応を見ながら今後の対応を決めていく(支持者の様子で公然と連立するか、閣外協力するか、場合によったら是々非々の態度にするか決める)ということになるのではないか。id:kojitaken氏はきまぐれな日々「日本の右傾化の転換点になる衆院選の投開票日を前にして」http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1281.htmlにおいて最初から自公連立、公明の支持者なんてトップのいいなりと見てるようだがどうだろう?。ま、最初から自公連立なら安倍としても「河野談話撤回」だのの極右的すぎて公明が飲めない代物は封印するしかないわけだがその場合、安倍は極右支持層にどう言い訳するのやら。


【その3】民主の動向
 議席を減らせば、当然、野田退陣になるわけだが、後任が誰になるか、どういう敗戦総括をするかという所だろう。露骨にウヨってて、過去に「永田メール」という凡ミスの経験がある前原だけは個人的には後任にするのは辞めて欲しい。みんなや未来ならまだしも、維新と手を組むというバカなまねはしないと思うがどうだろう?。まあ、維新の方が目先の利益で自民に傾斜すると思うが。基本的に維新一派は「目先の利益第一」で「それが外れたら外れたとき考える」というスタンスだろう。


【その4】維新、みんな、未来の動向
 みんなとしてはなんだかんだいい、前回衆院選参院選、今回衆院選と何とか「大幅な議席減」などもなく乗り切ってきたわけで、それなりに「急いで自民入り、民主入りなどを目指さなくてもいい」「維新や小沢などと手を組まなくても良かった」と自信を深め、最終的には「寄らば大樹の陰」だとしても、しばらくは独立路線(是々非々で他党と連携)ではないか。ま,自民や維新と連携が多い気がするが。
 一方、何がどうなるかわからないのは「ぽっと出政党」の維新と未来だろう。連中も自分の人気が「安倍や麻生が首相就任前にマスコミが宣伝した安倍、麻生人気」のような空虚なものに過ぎないことは自覚してるだろう。安倍や麻生が首相になったら、彼らの愚行を掌返して叩いたような事態が起こる危険性は自覚してるだろう。維新は石原と橋下の個人商店のようなものだ。
 つうことでなんだかんだ言って将来的には維新は自民入り、未来は「小沢のいた民主党入り」を目指す、つまりどちらも「二大政党入り」するのではないか。すぐに目指すと「何が第三極だ」という批判を浴びるし、自民、民主に足元を見られる恐れがあるのでなんだかんだ言って時間をかけながら。いや維新だと「掌返し」「暴言」に躊躇ない石原、橋下がいるので、「自民に足下を見られない」「支持者もマスコミも批判しない」と判断すれば、「与党の中に入って改革」とか詭弁発動して全然時間をかけない可能性すらあるが。ま、その場合、自民も維新に外から「中国、韓国にもっと強硬論で行け」などと変な攻撃される*2より、取り込んでしまった方が願ったりかなったりではないだろうか。俺のような批判派としても維新が自民入りしてくれれば自民と一緒にたたけるのでその方が好都合だと思う。
まあ、ただこれ、安倍政権がそれなりにぼろを出さずに続けば、あるいはぼろをだしてぽしゃってもポスト安倍(石破か石原伸晃か?)が「ポスト森の小泉のようにそれなりに長く続きそうなら」の話だが。
 いくら、「寄らば大樹の陰」とはいえ、自民政権がぼろをだしまくれば、維新だって自民入党は目指さないだろう。自民入党を目指さない場合の世論の維新評価がどうなるのか今の時点ではわからない。維新もぼろを出しまくってくれれば大変ありがたい。
 また、公明が維新の自民入りにどう対応するかという問題もあるが、普通に考えれば「極右を入党させるな」と反対だろうが、意外と「外から変な攻撃されるよりは取り込んだ方がマシ」と容認するのだろうか?。うーん、どうだろう。
 いずれにせよ、維新のような危ない政治勢力は一日も早く潰す必要がある。今回躍進しなければありがたいのではあるが。
 未来についていえば民主入りの可能性は結構高いのではないか(最初は共同会派とか)
 民主もここまで議席が減ると「アンチ小沢」とも言ってられず、少しでも議席を増やしたいと小沢と手を組むのではないか。小沢党もそれなりの議席保有してる(注:当初予測による。後にid:kojitaken氏が紹介した毎日記事によればこの辺りかなり微妙なようだがかえって安心して民主が小沢と手を組んでくれるかもしれない)し、公明、維新、みんなと比べれば「元同志」で手を組みやすい(もちろん小沢を嫌って手を組まない可能性もあるが)。
 一方、小沢からすればいつまでも第三勢力でやってけるとは思ってないだろうし、元いた政党に復党するのだから「自民入りを目指す」維新に比べれば言い訳もしやすい。支持者も容認してくれるのではないか。ということでid:kojitaken氏の予想に反し、良かれ悪しかれ、小沢は一定の勢力を保有し、支持者も健在、今後の動向によれば、過去のように「民主党幹部」として復権する可能性すらゼロではないだろう。そもそも最大野党新進党幹部から自由党というミニ政党幹部に転落した小沢が、最大野党民主党入りし、民主党幹部として復権を遂げたその手腕をなめてはいけないと思う。確かに小沢には金の疑惑があるが、無罪判決も出たし、日本人は「忘れやすい国民性」である。政治状況が違うとは言えリクルート疑惑の宮沢が疑惑のほとぼりが冷めた頃に首相に就任などと「疑惑の高官復活」の例は過去にいくつもある。
 公然と首相を目指すと言ったことは無理でも、幹事長など裏方で動くことは十分考えられるだろう。小沢もその方がむしろ願ったりかなったりかもしれない。id:kojitaken氏は「未来惨敗」としているが小沢的には「最悪の事態は脱したから御の字」といったところではないか。当初は共産、社民以下も予想されていたのだから。


【その5】各種政策がどうなるか
 自民、維新が伸びれば「福祉政策、雇用政策の劣化(たとえば派遣規制などしないどころか緩和するかもしれない)」「消費税増税」「TPP推進」「原発推進」「軍拡路線」「教育の国家主義化」などネオリベ、極右の政策が遂行される恐ろしいことを覚悟せざるを得ないだろう。民主党政権時、期待された「夫婦別姓」「外国人地方参政権」などのある種のリベラル政策の実現は遠のく。その上「高校無償化廃止」*3など、民主政権の成果の転覆が行われかねない。
とはいえ国内政策(福祉政策、雇用政策、消費税、原発など)はともかく国外政策(外交、及び外交と関連する安保など)は一定のストッパーがかからざるを得ないだろうとは思う。
 本気で「首相在任中の靖国参拝」「河野談話撤回」など好き勝手なことをやれば、日中、日韓関係が本当にやばいことになり、「中韓を市場とする日本財界」や「韓国を同盟国とするアメリ*4」から見放される恐れがあるからだ。反面、国内政策はその種のストッパーがないので警戒が必要だろう。
【追記】
 これで朝鮮学校無償化実現が当分難しいのかと思うと日本人として実に恥ずかしい。もはや裁判闘争に打って出るしかないのかもしれない。
 北朝鮮との外交交渉を促進する意味でも無償化実現は急務なのだが(もちろん本筋は子どもの権利だ)。交渉なくして拉致などの諸問題は解決しない。


【その6】外国との関係
 ま、言うまでもなく周辺諸国が「極右政権の誕生」を警戒するのは言うまでもないだろう。中国、韓国、ロシアいずれも日本と領土問題(尖閣竹島北方領土)や歴史認識問題(南京事件慰安婦の認識など)を抱えてるし、北朝鮮とは拉致問題がある。もちろん周辺諸国の利害はそれぞれ違うわけだが、あまり安倍が無茶苦茶なようなら、あえてある種の共同戦線を張る可能性もあるのではないか。


 まあ、選挙結果後の状勢は今からではわからないが。少しでもまともな選挙結果になって欲しいと思うが、最悪の場合でもくじけずに戦う必要がある(と自分に言い聞かせる。)

*1:一方、公明の方も支持者に「自民の苦境を利用して自民にある程度政策を飲ませる」とか連立の言い訳してたと思う。

*2:安倍も支持層の極右に媚びて選挙で相当吹いてるのでそういう攻撃をされると困るだろう。

*3:とはいえ自民支持者には学校経営者もいれば、高校生を持つ親もいるわけで、高校無償化に話を限れば廃止はしないかもしれないが

*4:日本極右は韓国はアメリカの同盟国と言うことを無視するから困る