いつもどおりid:noharra氏に突っ込む(1/13分)(追記・訂正あり)

陰口叩いてると言われないようにidコールしておく。以下の俺の文章にid:noharraがどう応答するか楽しみ。どうせ完全無視だろうが。不誠実な野郎だからな。

ららら らー‏@LaLaLanLanLan
北一輝の電話は、当局に盗聴されて、録音までされてたのか。*1http://www.nhk.or.jp/nihonjin/schedule/0113.html

野原燐‏@noharra
@LaLaLanLanLan 偽電話という結論が出ているはず。TVでやって本も出た。「盗聴記録によると、誰かが北一輝の名を騙って電話をかけている。謀略が進行していた。偽電話をかけたのは戒厳司令部の通信主任の濱田大尉であった*2
http://www.fben.jp/bookcolumn/2007/08/post_1537.htmlid:noharraのツィート)

id:noharra226事件、あるいは北一輝について無知らしいことが分かるナイスツィート。id:noharraのバカが卑怯にもブロックしててツィート返信で反論できないのでここで批判する。
 id:noharraの書き方では北が青年将校に一度も電話をかけなかったようだが、そんなことはない。id:noharraが問題視してる電話(29日に北を名乗る人物が金は大丈夫かと電話した)は中田の講演(http://homepage1.nifty.com/dousou/meeting/2007/lecture.htm)を見る限り電話をかけた時点で北は憲兵隊に身柄拘束されてるし、北も電話の事実を認めていないというので偽電話であろうが。
 俺の持ってる本「226事件」(須崎慎一著、2003年、吉川弘文館*3p238には次のようなことが書いてある。ちなみにこの俺が持ってる本にはid:noharraや中田が注目する『偽電話』については触れられていない。須崎氏は中田やid:noharraと違い、この電話を重要視しなかったようだ。


【須崎氏の指摘】
1)27日、北は首相官邸にいる青年将校に電話をかけ激励している*4。この電話で北は「真崎甚三郎*5大将にすべてを任せるべき」と助言したという(北の取り調べ調書による)。北が真崎への一任を助言したのは真崎が皇道派の重要人物で青年将校にも一定の信頼があることを知っていたからである。青年将校連中は別に北の電話だけが理由ではないだろうが、真崎への一任方向へと動いていく。
2)なお、北は話した相手を栗原安秀陸軍中尉*6としているが、磯部浅一*7の取り調べ調書から、実際に話した相手は磯部だったと思われる。村中孝次*8の調書でも、磯部から「北から電話があった」旨、伝えられたという。

 ちなみにウィキペディア226事件」にも須崎氏の指摘と全く同じ記述があるので紹介しておこう(ウィキペ記述の根拠が「須崎本」なのかそれともほかの書籍なのかは不明。須崎本がウィキペ記述の根拠なら記述内容が須崎本と一致するのは当たり前ではある)。

ウィキペ「226事件
 27日午後2時、陸相官邸で真崎甚三郎・西義一*9・阿部信行*10ら3人の軍事参議官*11が反乱軍将校と会談を行った。この直前、反乱部隊に北一輝から「人無シ。勇将真崎有リ。国家正義軍ノ為ニ号令シ正義軍速カニ一任セヨ」という「霊告」があった旨連絡があり、反乱部隊は事態収拾を真崎に一任するつもりであった。


ということで北が電話を一度もかけなかったかのようなid:noharraの記述は事実に反する。今回、id:noharraが北についても226事件についても無知らしいことが判明したわけである。ま、俺も須崎本くらいしか読んでないから無知だが。

*1:NHKサイトにはそんな指摘はないのでなんでそういう感想が出るのかよくわからない。NHK番組を見た人の感想ツィートによるのかな?。NHKが「中田が偽電話ではないかとしているもの(後述)」を安易に本物として報じたのならそれは問題だろう。

*2:ググったが「であった」と確定的事実であるかのようにid:noharraがいうのは間違ってることがわかった。『盗聴二・二六事件』(2010年、文春文庫)の著者・中田がそう推理してるだけだ。

*3:226事件本は玉石混交で山ほどあるので俺はとても全て読む気にならないが、須崎本は「須崎氏がプロの歴史学者であること(出版当時、神戸大学教授)」「版元・吉川弘文館は日本史専門書の版元として信頼があること」から「大きな間違いはないのではないか」と思い購入してみた。

*4:ただしこの電話が盗聴録音されてるかどうかまでは須崎本にもウィキペにも指摘がないのでわからない。ググってもよくわからなかった。

*5:皇道派のボス。陸軍教育総監だったが対立する統制派のボス・永田鉄山軍務局長の政治工作によって更迭され、後任総監には渡辺錠太郎が就任した。このことに激怒した皇道派側は相沢事件で永田を、226事件で渡辺を暗殺した。真崎は226事件で犯行に加担したとして起訴される。無罪判決を得るものの、政治的に失脚。

*6:226事件で死刑。226以前に埼玉挺身隊事件(たとえばhttp://www.c20.jp/1933/11teisi.html参照)に関与した青年将校中、最も過激な人物。埼玉挺身隊事件で栗原が裁かれなかったことが226の暴走を助長したと俺は考えている。

*7:元陸軍一等主計。士官学校事件(11月事件)で免官。226事件で死刑

*8:元陸軍大尉。士官学校事件(11月事件)で免官。226事件で死刑

*9:226事件後、教育総監に就任したが病気のため予備役編入

*10:226事件後のいわゆる粛軍人事で予備役編入。のちに首相、朝鮮総督

*11:天皇の諮問機関・軍事参議院のメンバーのこと。軍事参議院は軍事問題について天皇の諮問に応じる