今日のMSN産経ニュース(6/5分)(追記あり)

■【産経抄】6月5日
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130605/plc13060504030003-n1.htm

何で尖閣棚上げ論に対する批判に「日露戦争は不可避だったんだ」なんてことを言い出すのかが訳がわからないですね。「棚上げ論はこれこれこういう意味で不適切」というならともかくこじつけで「日露戦争と同じだ」と言われても「はあ?」ですよ。
大体、韓国との関係が微妙な時期に「日露戦争万歳」って「韓国植民地化万歳」してると思われて反日感情を助長しかねないと言う常識がないのが酷い。

ロシアが半島を伝って攻め込んでくる恐怖を持つ日本には、とても受け入れられなかったのだ。

いい加減日本の朝鮮支配を「ロシアからの防衛」と強弁するのは辞めたらどうなのか。
ロシアにそんな日本侵攻計画はないでしょうよ。単に「朝鮮というショバをどっちの縄張りにするか」というヤクザの縄張り争いのような話でしかないわけです。

れっきとした日本領である尖閣を強引に棚上げにすれば、将来の日中、米中の力関係次第では奪えるという計算だろう。

どうやって奪うんですかね?。領土問題ってのは「長期間、実効支配してれば時効取得できる」ってもんではないですが、日本が尖閣を実効支配してるという事実は重いでしょうに。それに武力行使が政治手段として正当化されていた「日露戦争の時代」ならともかく、今時仮に「尖閣が日本によって中国(あるいは台湾)から武力で奪われた土地」であっても、侵略直後に奪い返すのならともかく何年も経ってから「外交でなく武力で取り返す」なんてのは許されることじゃないでしょ。だから日本は北方領土竹島を武力で取り返さないわけですし。かつ産経は人民解放軍の力を過大評価し、自衛隊の力量をあまりにも舐めすぎてるのと違うか。
 現実問題として今の中国が尖閣領有権放棄なんかできないでしょう。台湾が放棄していないのに中国だけ放棄するってのは。
 だったら棚上げしかないでしょうに。実効支配してるのは日本なんだから棚上げされてもデメリットなんかない。

訪問先の北京で中国要人と会談したさい、昭和47年の国交正常化交渉で日中首脳が「尖閣棚上げ」で共通の認識を持ったと、中国側に伝えたという。

まあ、常識で考えてそうでしょう。尖閣問題にこだわったら日中国交回復が出来ませんし。

日本側の外交記録には一切ないという。

あえて記録しなかったのかもしれないし、記録があるのに外務省がないと言ってるのかもしれない。

官房長官自民党幹事長として、国益を守るのに腐心した方ではなかったのか。

むしろ尖閣なんぞにこだわって日中関係を悪化させる方がよほど国益に反しますよ。


【追記】
■【正論】埼玉大学名誉教授・長谷川三千子 戦後処理の「知的欺瞞」はぎ取れ
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130606/plc13060603100002-n1.htm

「勝てば官軍、敗(ま)ければ賊軍」−誰もがおなじみの古い格言ですが、これはいまなお真理である。6月3日付本欄で、櫻田淳氏はそう喝破しておられます。戦いに勝った者は、自分たちの「歴史認識」を掲げる権利をうる。それに不満があるなら次に勝てばよい。櫻田氏の提案は実に明快です。

「次に勝てばいい」
まあ、次に「経済競争その他」で勝ったところで「慰安婦は合法」だの「南京事件はなかった」だのという寝言が通用するわけもないですが。そもそも「勝ちたいのなら、世間から支持されるための道義力(?)を高めるため、自分の非は素直に認めた方がいい。最低限居直ってはいけない」と言う価値観がないのがアウトです。

言うまでもなく、次に勝つための一番の柱となるのは軍事力

げんなりですね。何で「一番の柱となるのは軍事力」なのか?。
戦争でもやる気なのか?。そして現状、日本の軍事力の方が産経が敵視する中国や韓国より上だと思いますが?。そもそも軍事力があれば何でも許されるみたいなアホ発言も大概にして欲しい。世界最大の軍事大国アメリカが「何でも自分の思い通りになってるか」と言ったらそんなことないわけです。つうかこの理屈だと軍拡助長するし。
 「俺は勝つために軍事力を増大するぞ」とみんなが言い出したら収拾がつかなくなるだろうが。

わが国の憲法9条は、まさにそれを妨げるために占領者が与えたもの

 うわー。「太平洋戦争では負けたが次回はもっと軍事力をつけて連合国に復讐してやる」なんて趣旨の発言をする人間(長谷川)が全国紙「産経」のコラムを書く国に誰が軍事力を与えたいと思うんでしょうか?。ご自分の発言が「やはり憲法九条があってよかったな」という国内外の護憲派の思いを強めてると言う理解はないんでしょうか?

これは人類史上の汚点であるばかりではなく、21世紀が引きずってはならぬ前世紀の遺物システムだ、というのが重要な点なのです。

 「これ」ってのは「東京裁判サンフランシスコ平和条約などの戦後処理」です。つまり「あんな戦後処理、あたしは認めないわ、日本は悪くないのよ!」と全国紙で極右が叫ぶというおぞましい風景です。
 道義的是非以前に「日本の戦後処理を全否定して戦前賛美」なんかできると思ってるんでしょうか?