今日のMSN産経ニュース(6/20分)(追記あり)

■【産経抄】6月20日
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130620/art13062003390001-n1.htm
 最近の産経抄はわりとまともだったのですがひさしぶりにトンデモの極地です。id:pr3さんも突っ込むとは思いますが、小生も突っ込みたいと思います。
 ここで産経が書いているのは「1982年の教科書問題での誤報」です。ただ知ってる人は知ってるでしょうがこの誤報は「江沢民死亡」「ミンダナオ島に旧日本兵」といった産経の誤報と違い全くのデマというわけではありません。
 「日本の侵略」を出来る限り小さく見せるような形の書き直し自体はあった。ただ俺の記憶だと当初「華北(中国北部)侵略を侵攻と書き直させた」と報道していたのが「華北ではなく別の場所だった」と言うだけの話です。
 誤報していいとは言いませんが話の本筋には全く影響しないわけで、だからこそ中韓の抗議に対し政府・自民党宮沢喜一*1官房長官談話を出さざるをえなかった。当時産経が「誤報だ」と騒いだのか、分が悪いと思って何も言わなかったのか、宮沢談話やその結果生まれた近隣諸国条項についてなんといったのかは知りませんが、とにかく産経が「教科書問題で自民党タカ派を擁護できなかった」のは事実です。できるわけもないでしょう。かつその後の教科書問題というのは「1982年当時にはほとんど注目されてなかった慰安婦問題」などがありますから「1982年の教科書問題」で教科書問題の全てを語ろうとする産経は無茶苦茶としか言いようがありません。
 なお、産経がこの文章で「自分も誤報したこと」を認め「朝日ガー」と言わなくなったことは興味深いですね。以前から「産経は朝日ガー、朝日ガーいってんじゃねえよ、お前も含めて朝日以外も誤報してるだろ」「朝日ガー自体が誤報じゃねえか」と産経ウオッチャーに批判されていましたがついに言わなくなったわけです。


【追記】
1)id:pr3さんの突っ込みについては『産経新聞の80年。』(http://d.hatena.ne.jp/pr3/20130620/1371741077)を参照してください。id:pr3さんは「1982年に4段出だしで詫びたっていうけど産経にとって都合がいいからだろう。ほかの誤報で4段見出しで詫びたことがあるのか」という趣旨の批判をしていますが全く同感です。
俺は「侵略→侵攻」だと勘違いしてましたが「進出」だったようです。
 「侵略」、「侵攻」がほぼ戦争にしか使われずどちらもいい意味ではないこと(侵略のほうがよりネガティブイメージは強いでしょう)、「進出」は「ユニクロの東南アジア進出」「日本サッカー代表のWカップベスト16進出」のように戦争以外にも使われ、別に悪い意味ではないことを考えれば批判されるのも当然でしょう。

*1:河野談話の時の首相だったこともありウヨから極度に憎悪されている