新刊紹介:「前衛」9月号

「前衛」9月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
 以下は私が読んで面白いと思った部分のみ紹介します。(詳しくは9月号を読んでください)
 
■「スターリン秘史――フランス・スペイン・中国(下)」(不破哲三*1
(内容要約)
・連載の8回目。今回は前回の続きで中国が取り上げられてる。
・いわゆる西安事件(1936年)について、スターリンが事件の実行者である張学良、楊虎城や、事件を第二次国共合作の方向につなげた共産党毛沢東*2周恩来*3ら)に対し、「ソ連に相談もなく勝手なことをやった」と激怒したことが紹介される。スターリンは毛らにあまり期待しておらず、「抗日戦争のため、ソ連に接近してきた蒋介石」に対して、武器援助などをして恩を売ることが自らの権益拡大につながると考え蒋介石支援に前のめりだったのである。
毛沢東に好き勝手させるわけにいかないと考えたスターリンは延安に共産党中央があるにもかかわらず、当時モスクワに「コミンテルン幹部」として滞在していた王明、陳雲*4、康生*5、トウ発を帰国させた(王明がリーダー格)。そして武漢で毛らとは別の活動をさせ、事実上、党中央が分裂するという異常事態を引き起こしたのだった(1937年)。
・ただし1938年、コミンテルン書記長ディミトロフは王稼祥(当時、コミンテルン中国代表)を延安に送り、「中国共産党最高指導部はもちろん延安の毛沢東派だと理解している」という意見を伝えている。
 不破はこのディミトロフの意見が
1)スターリンの同意を得たものか(その場合、スターリンは何故王明を支持しなかったのか?、が問題)
2)それともスターリンの意に反するものであったが、スターリンのやり口があまりに無茶苦茶だったためにディミトロフの行為に何も言えなかったのか
はわからないとしながらも、この混乱は「ソ連内部においてきちんとした対中国方針が立てられていなかったことの表れ」と見ている。

参考

王明(ウィキペディア参照)
 モスクワ中山大学に留学し、中国共産党モスクワ支部を指導し1930年に帰国。当時の最高指導者であった李立三*6を批判し、党の最高指導権を握った。1931年、ソ連からコミンテルン中国代表に指名されたが、毛沢東との権力闘争に敗れ、1935年の遵義会議で完全に党内の影響力を失った。
 1943年春、権力奪還を計画。コミンテルンを通して毛沢東を押さえ込む目的で、密かにソ連行きを画策したが、5月にコミンテルンが解散したため計画は失敗した。
 中華人民共和国建国後は政務院政治法律委員会主任としてさまざまな法律の制定に貢献したが、1956年に「病気治療」の名目でソ連に事実上亡命、死ぬまでソ連にとどまった。


■「「専守防衛」も投げ捨てる自民党:「海外で武力行使をする国」への変貌(山根隆志*7)】
(内容要約)
 安倍政権は「内閣法制局長官タカ派の小松駐フランス大使を任命する」とともに、安倍に近い人間で委員を固めた御用審議会に「集団的自衛権容認」の見解を出させる事によって「解釈改憲強行による集団的自衛権行使」を画策している。
 これは「イラク戦争やアフガン戦争で英国が米国とともに戦闘した」のと同じ事を目指しており、「名実ともに専守防衛を放棄する道」といえる。小泉、安倍、福田、麻生内閣官房副長官補をつとめた元防衛官僚(つまり左派ではない)・柳沢協二氏すら批判する「専守防衛否定の道」は憲法九条の完全な抹殺であり許されるものではない。

参考
赤旗
『まるで“改憲クーデター”、法制局長官の首すげかえ、集団的自衛権容認派を任命』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-09/2013080901_01_1.html
集団的自衛権、日本防衛とは無関係、「類型論」は外見だけ、全面的容認で戦争可能に』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-09/2013080902_02_1.html


■「9条を生かした平和外交:北東アジアの安定へ、ASEANの経験に学ぶ」(中祖寅一)
(内容要約)
 ASEANの現状を過大評価することは出来ないが、日本マスコミは逆にあまりにも過小評価しているように思う。ASEANは現在、「東南アジアの諸問題を平和的に解決する場」として一定の機能を果たしている。ASEAN的な枠組みを北東アジア(日本、中国、南北朝鮮)に築くことが必要である。


■特集「歴史認識の焦点」
【政界における歴史修正主義――そのねらいと特徴(山田朗*8)】
(内容要約)
・山田論文では「河野談話村山談話見直し論(撤回論)」「近隣諸国条項や、その前提となっている宮沢談話の見直し論(撤回論)」など、「政界における歴史修正主義」について、総論的な話がまずされている。慰安婦問題についても一定程度触れているが、慰安婦については林論文についての説明で論じたい。
・なお、こうした「政界における歴史修正主義の動き」を山田氏は「日本の保守が戦前を否定、清算した上で新たなナショナリズムを築く意思も能力もない事の表れ」と見ている。


■【安倍首相・橋下市長の日本軍「慰安婦」発言はどこがまちがっているのか(林博史*9)】
(内容要約)
Q&A方式でオレ流に書いてみる。


「安倍や橋下は『狭義の連行だけが問題だ』『そして狭義の連行はなかった』『そのような命令を記した公文書はない』と言っていますが?」

「何重もの嘘を用いた許し難い暴言です。先ず第一に『狭義の連行』は現実に存在します。特に有名なのがいわゆるスマラン事件でしょう。
 第二に「公文書が存在しない」のはある意味当然でしょう。敗戦直後『戦争責任を問われかねない公文書』の多くは廃棄処分されたことは明白な事実ですし、そもそも「違法行為を公文書化する」と考える根拠は何でしょうか?。口頭での処理は充分考えられることです。そして公文書云々というなら『金正日北朝鮮政府高官が拉致を命令した公文書』など現時点では見つかっていないのですが、安倍らが北朝鮮の言い分『一部の冒険主義者の犯行』を認めず、拉致を北朝鮮政府の組織的犯行呼ばわりする根拠は何でしょうか?。もちろん私も北朝鮮の言い分を信用はしませんが『公文書』云々と言う安倍の立場では『北朝鮮政府の組織的犯行』扱いすることは本来出来ないはずです。
 第三に『狭義の連行でなければ違法な連行でない』というなら「いい仕事がある」と誘われて自ら北朝鮮に行った有本恵子さんは拉致ではないのでしょうか?。横田めぐみさんのような暴力的連行だけが拉致なのでしょうか?。もちろん安倍や橋下が『めぐみさんは拉致だが、有本は自分で進んで北朝鮮に行ったからだまされたとしても拉致じゃない。自業自得だ。有本夫妻はそもそも拉致被害者家族じゃないのに被害者ぶるとは恥を知るべきだ。有本夫妻は家族会を去るべきだ』などと主張している事実はありません。どれほど彼らは恥知らずなのでしょうか。」



ネトウヨが主張する慰安婦高給説についてどう考えるべきですか?」

「これについては慰安婦問題では『ネトウヨ批判に定評のあるはてな民・id:scopedogさん』の以下のエントリが参考になるでしょう*10
誰かの妄想・はてな
従軍慰安婦高収入説は誤り・1(再掲)』(http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20120323/1332519449
・当時のビルマはすさまじいインフレ状態で軍票が紙くず同然だったことがわかりますね。しかも日本の敗戦によって軍票は文字通りの紙くずになってしまうわけです。そもそも『高給もらってれば人権侵害されても文句言うな』という人間理解自体が『1億欲しいのか』と「ワタミの介護」での死亡事故で遺族に言ったというワタミ・オーナー氏並みのゲスさだと思います。金さえ払えばなんでも許されると思ってるんでしょうか?」


Q「橋下は『日本以外の国にも慰安所はあった』と言っています。『日本以外にあったから日本は悪くない』という橋下の主張は『赤信号、みんなで渡れば怖くない』レベルの暴論だと思いますが、そもそも他の国にもあったという橋下の主張は事実なのでしょうか?」
A「日本のような『国家管理の強制管理買春施設』があった国はナチスドイツなど一部に限られると思います。その意味で橋下発言は間違っています。国民の批判もあって、日本のように公然と軍が買春に関与することははばかられたわけです。それはそれで一定の良識があるとは言えるでしょう。
 もちろんだからといって、欧米において兵士の買春が厳重に取り締まられたわけではありません。兵士が買春するのは必要悪という認識の元、『軍施設外部で買春を行うことは事実上黙認する』と言う方策がとられたわけです。もちろんそれはそれで問題があることは事実です。そう言う意味では欧米は無罪ではない。
しかし
1)公然と軍が管理買春していた日本とは違うし、
2)欧米にも問題がある、日本にも問題があるとして買春批判するならともかく、橋下のように『居直りの材料』にするのは論外でしょう」


Q「なぜ日本は欧米その他に、慰安婦問題で批判されるのでしょうか」
A「本来ならば『河野談話』を出したからには批判されるにしても『慰安婦の違法性を全否定する国が日本であるかのように批判されるのはおかしい』といえるでしょう。何故そういうおかしいことが起こるかといえば、安倍首相ら政府与党(自民党)の幹部政治家が『河野談話を否定しよう』という策謀を河野談話発表後、例の「the facts」など、うんざりするほど何度も繰り返したからです。これでは河野談話を出しても何の意味もありません。」
「なお、こうした欧米その他(特に米国)の日本批判の背景を考える上で、参考になるのがはてな民・id:scopedog氏の以下のエントリでしょう。
 誰かの妄想・はてな
『人身売買実態報告2009年版(米国国務省作成)雑感』
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20090617/1245254794
『6月の風物詩』
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20110629/1309357565
自民党右翼議員がアメリカへ物見遊山』
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20120508/1336497755

 要するに
1)米国国務省報告で人身売買大国(勿論、性的人身売買を含む)として毎回非難される輝かしい実績がある国
2)米国国務省高官のハーグ条約締結要請*11に対して、自民党国会議員がアメリカに悪口雑言はき、『子どもの連れ去りに何の問題性も感じてないのか?』とドンビキさせる国、
が日本のわけです。『日本って本当に人権意識低いんだなあ』が欧米の認識でしょう。そういえば最近「日本の刑事捜査はまるで中世」と言われまともに反論できず逆ギレして、「シャラップ」と叫び、恥を世界にさらした日本の外交官もいましたね」
「また近年の『在特会ヘイトスピーチ』やそれを日本社会が事実上黙認してきたことも国際社会の日本批判としては大きいでしょう。在特会的な価値観の持ち主の多くは『河野談話否定派』だからです。」

Q「何故橋下らの慰安婦への暴言が一定程度受け入れられるのでしょうか?」
A「そこには『歪んだナショナリズム』『戦前からの民族差別』『女性への差別意識』と言った要素も勿論ありますが、『生活保護者叩き』に見られるような弱者叩きの要素もあるのではないかと私は思っています。『負け組には成りたくない』『だから勝ち組に乗っかる』と言う意識ですね。」


【日本映画の反戦・平和・反核の積極的な系譜と伝統:学徒出陣70周年の年にあたって(羽渕三良*12)】
(内容要約)
いろいろ書いてらっしゃる訳だが俺的には
映画『ホタル』の鳥濱トメ*13奈良岡朋子)と、石原慎太郎閣下の映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』の鳥濱トメ(岸恵子)の描き方が違うと書いているのが興味深かった(実際のトメがどうなのかは知らないが。また映画は見ていないので小生は映画についての感想は言えない)。
 石原映画においてはトメは「特攻で若者が死んだことについて、名誉の戦死として、何の心の痛みも感じていない」かのように描かれてるそうである。まあ、「あの石原先生」ですから実際そうなんでしょう。
 一方「ホタル」においては「特攻なんて所詮犬死にではないのか、自分はそれに荷担したのではないのか?」というトメの複雑な心情が描かれるそうである。まあ、普通、石原的描き方はできないよな。「外道の戦術」賛美とはキチガイにも程がある。しかし石原映画で「特攻の父・大西瀧治郎」演じた伊武雅刀とかって何考えてるんだろうか?(ただし、デスラー閣下が鬼畜・大西ってのは適役の気もする。何つうか、怖すぎるよな)。
まあ、さすがに「津川雅彦」みたいなガチ右翼ではないだろうが。


■「「原発ゼロ」社会実現へ――風力発電の飛躍的な普及・発展は可能」(松宮ひかる*14
Q&A方式で書いてみる。
Q「福島原発事故後の松宮さんの考えをお聞きしたいのですが」
A「福島原発事故で明らかになったのは『地震大国である日本』では原発稼働など現実的ではないということでしょう。地震国でなければ稼働していいというわけではありませんが、地震国の日本ではなおさら稼働すべきではないのです。」


Q「松宮さんは2012年に『風力発電』と言う本をお書きになっていますが」
A「先ずお断りしておきますが私個人が風力発電を重視していると言うだけであって、風力以外の再生可能エネルギー、つまり地熱、太陽光、潮力などといった風力以外のものを否定しているわけではありません」
「また風力には騒音や低周波と言った問題があり、何の問題もないわけではありません。原発の危険性に比べればずっとましですが、それでも問題は問題です。むやみやたらに風力発電所をつくることはかえって環境破壊になりかねない事を指摘しておきます」


Q「日本において再生可能エネルギーの普及を阻む要因は何でしょう」
A「それは『火力、水力、原発』といった既存の発電に有利に構築されてしまった社会システムでしょう。たとえば原発に国から多額の研究資金が投入されていますが、再生可能エネルギーはそうした状況にありません。」


■「欧州で自然エネルギーはどう活用されているのか:オーストリアとドイツの実践から学ぶ」(吉村文則)
(内容要約)
 全国中小業者団体連絡会(全中連)によるオーストリア・ギュッシング市とドイツ・フライアムト村の視察報告。

参考
再生可能エネルギーで地域を豊かに=全中連・欧州視察1 』
http://www.zenshoren.or.jp/chiiki/machi/130114-01/130114.html


■「スタート20年 Jリーグの夢は実現したか」(大住良之*15
(内容要約)
さまざまな紆余曲折(1998年の横浜フリューゲルス消滅など)はあれども、日本サッカーは「ワールドカップに出場したり、海外有力クラブチームに選手を送り出したりする」など一定のレベルアップに成功しており、それなりの評価が出来るという話。


■論点「基本合意から2年:全国B型肝炎訴訟の現状と課題」(佐藤哲之)
(内容要約)
 筆者は元B型肝炎訴訟弁護団団長で、昨年の9月号(http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20120817/5421309876参照)にも同様の論文を書いている。
 訴訟での和解で一定の成果が得られたが問題は

国が被害者は四十数万人としたにもかかわらず、提訴した被害者は9317人にとどまり、救済されたのはわずかに3769人(赤旗記事による)

ということである。「全被害者の救済」こそが最終目標である。

 赤旗
『全被害者を救済へ、B型肝炎 「基本合意」2周年集会、集会後レセプション 小池晃氏が出席』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-06-29/2013062914_01_1.html


■暮らしの焦点「介護の質高める雇用の改善:「ヘルパーアンケート」で浮き彫りに」(米沢哲)
(内容要約)
全労連の実施したヘルパーアンケートを元に、ヘルパーの世界で不安定雇用、長時間低賃金労働が横行していることを指摘、
1)介護保険制度の充実と
2)雇用の安定が急務としている。

参考
赤旗『介護報酬改定 全労連が介護ヘルパーアンケート、会話もできない 収入減った』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-06/2013030606_02_1.html


■文化の話題
【美術:米国ディア・ビーコンを訪ねて(武居利史)】
(内容要約)
 ニューヨークの現代美術館ディア・ビーコンの紹介。


【映画:命をつなぐことの大切さを長崎の地から:『爆心・長崎の空』(伴毅)】
 映画「爆心・長崎の空」(公式サイト:http://www.bakusin-movie.com/)の紹介。


【写真:「写真のエステ」(関次男)】
(内容要約)
 東京都美術館の企画展「写真のエステ」(http://syabi.com/contents/exhibition/index-1868.html)の紹介。


■スポーツ最前線「高校野球選手の未来を守る“思想”こそ」(和泉民郎)
(内容要約)
・今年の高校野球からいわゆる休養日が設定されたことは選手の健康への配慮という面で一定の評価が出来る。ただこれだけでは十分とは言えない。投手の球数制限の導入などさらなる改革が必要だろう。
・なお、今回の「休養日設定」の直接の原因は今年春の選抜での「済美高校・安楽投手の投球数」について米国メディアなどから「異常な投球数、米国ではあり得ない」などといった批判が出たことだと思われる。

参考
朝日新聞夏の甲子園、準決勝前に休養日 選手負担減らす狙い」
http://www.asahi.com/koshien/news/OSK201304250014.html
毎日新聞インサイド:高校野球最前線/2 休養日の導入」
http://mainichi.jp/feature/news/20130703ddm035050171000c.html
産経新聞「【高校野球】遅すぎた休養日設定 ノーモア連投の悲劇」
http://sankei.jp.msn.com/west/west_sports/news/130425/wsp13042522500014-n1.htm
日本経済新聞
済美・安楽の772球 米国人から見た高校野球(上)」
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO57904680Q3A730C1000000/
済美・安楽の772球 米国人から見た高校野球(下) 」
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO57905650Q3A730C1000000/


 「投手の肩がぶっ壊れても当人がそれでも投げたいと希望するのならいいのでは」と言いたげな日経の記事だけは「ちょっとなあ(絶句)」としか言いようがないが、日本的価値観(神風特攻精神?)だなあと思ったので参考記事に入れてみた。当人が希望しても止めるのが大人ってもんでしょうが。そもそも本当に「肩がぶっ壊れても投げたい」と希望してるかどうか自体が疑わしいが。

【追記】

shigeto2006氏のツィート
もう甲子園なんて止めればいいのに…。残念ながら、死者でも出ない限り何も変わらないのであろう。/甲子園で「熱中症球児」続出の恐れ、高野連の言い分は…(日刊ゲンダイ) - Y!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130718-00000006-nkgendai-ent

結局、休養日って「海外マスコミに安楽の連投はクレージーだと、がんがん批判されたから高野連がヘタレた」だけで『残念ながら、死者でも出ない限り何も変わらない』で、熱中症放置なんですかね。げんなり。


■メディア時評
参院選結果論評とジャーナリズムの役割(金光奎)】
(内容要約)
・読売、産経、日経が露骨に「ねじれ解消万歳」をアピールしている事への批判。まあ、読売、産経、日経は自民党御用マスゴミ以外の何物でもないですから。


【選挙とテレビをめぐる問題(沢木啓三)】
(内容要約)
公職選挙法では「富裕な政党が有利になるから」と言う理由で選挙での放送の活用は「政見放送」「経歴放送」しか認められていない。選挙中の政党CMは「選挙とは関係ない通常の政治活動」と言う建前で容認されているのだ。しかしそうした「建前」が実態とかけ離れていることは言うまでもない。
 公職選挙法の現行規定の趣旨に正当性を認めるのならば、現行の政党CMについて一定の規制が行われてしかるべきだろう。
自民党は選挙期間中、「TBSの取材拒否」を表明したが恫喝以外の何物でもない。TBSの取材に仮に問題があるとしても、それに対する批判はあくまでも訴訟や自民党機関紙での反論といったやり方を取るべきである。
 今後、TBSを含むテレビ側が自民党に対して萎縮した報道をしないか注意していく必要がある。 

*1:著書『スターリン大国主義』(1982年、新日本新書)

*2:新中国建国後は党主席

*3:新中国建国後は首相

*4:新中国建国後は党副主席、副総理などを歴任

*5:文革の中心人物の一人。文革中の1975年膀胱がんで死去(最終ポストは党副主席、全国人民代表大会常務副委員長)。文革終結後、党は彼を「林彪江青反革命集団」の一員だったとして党から除名した。

*6:新中国建国後は労働部長、人民政治協商会議常務委員などを歴任。文革時に走資派と非難されたことで睡眠薬自殺。

*7:著書『イラク戦争の出撃拠点:在日米軍と「思いやり予算」の検証』(共著、2003年、新日本出版社

*8:著書『歴史修正主義の克服:ゆがめられた<戦争論>を問う』(2001年、高文研)

*9:著書『BC級戦犯裁判』(2005年、岩波新書)、『沖縄戦:強制された「集団自決」』(2009年、吉川弘文館)。林氏のサイト(http://www.geocities.jp/hhhirofumi/index.html)も氏の考えを知る上で参考になる。

*10:とはもちろん林先生は言いません。あくまでもネタです。林先生による「慰安婦高給説批判」を説明するに当たって俺ごときが説明するよりも、id:scopedog氏のエントリが有益だったので紹介させていただきました。

*11:幸いなことに結局は締結しましたが

*12:著書『現在映画批評・映画評論』(2011年、光陽出版社)

*13:ただし映画での役名は山本富子

*14:著書『風力発電・挑戦から未来へ:原発事故後のエネルギー』(2012年、東洋書店

*15:著書『新・サッカーへの招待』(1998年、岩波新書)、『ワールドカップの世界地図』(2002年、PHP新書)、『がんばれ!女子サッカー』(共著、2004年、岩波アクティブ新書)