9月の日付のエントリで、紹介記事は12月の記事と日付が大幅にずれてますが連続更新の形にしたいので。
■中日新聞『拉致解決「世論で後押しを」 講演会、被害者家族ら訴え』
http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20131202/CK2013120202000014.html
北朝鮮による拉致問題についての講演会が一日、富山市の富山国際会議場であった。
(中略)
講演会は、北朝鮮による人権侵害の啓発週間(十〜十六日)を前に、県などが毎年開催しており、県内の特定失踪者の家族*1ら百二十人が出席した。
政府の拉致問題対策本部の三谷秀史事務局長は「北朝鮮は福田康夫内閣と交渉に応じそうだったが、首相の辞職でだめになった」と明かした。その上で「日朝両国と友好関係のある国を通じ、日本の思いを伝えようとしている」と政府の方針を説明し、モンゴル*2やラオス、ベトナム、ミャンマー、カンボジア*3の名を挙げた。
モンゴルだのラオスだのが「6カ国協議参加国(中国、韓国、ロシア)」と比べて頼りになるのかはなはだ疑問ですが、三谷氏が「今の安倍政権は交渉路線だ」だの「福田首相は交渉路線だったが辞任でぽしゃった」だの公言してそれをローカル新聞とは言えメディアが報じてるのには正直びっくりです。
■朝日新聞『北朝鮮の国防副委員長、失脚か 韓国「権力闘争に敗北」』
http://www.asahi.com/articles/TKY201312030257.html
■産経新聞『金正恩氏の叔父で後見役、張成沢氏失脚か 軍に特異な動きなし』
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131203/kor13120317320004-n1.htm
韓国の情報機関・国家情報院の報告だそうです。
まあ、事実ならビッグニュースですよね。三浦小太郎「守る会」や西岡力「巣くう会」といったウヨ連中は「これで北朝鮮も終わりだ」「俺達の制裁論は正しかったんだ」とか久しぶりにバカみたいに「大はしゃぎ」「ハッスル」するでしょう。ワイドショーも久しぶりに北朝鮮ネタでもやるんでしょうか(もちろんウヨ連中にもワイドショーにもまともな北朝鮮分析など期待していません)。
が、それはともかく。
まあ、何が起こってるのか、それにどう対応すべきかは関係者がまじめに考えないといけないのは当然のことです。
朝日や産経の記事にも書いてありますが張氏は
朝鮮労働党行政部長、国防委員会副委員長など要職を務める
張氏の妻、金敬姫(キム・ギョンヒ)・朝鮮労働党政治局員は故・金正日氏*4の妹
という大物政治家ですからその失脚が事実ならばその影響は決して小さくはないでしょう。『失脚が事実だとして妻・ギョンヒ氏も失脚したのか、はたまた彼女は健在なのか』など、今後の北朝鮮情勢に要注意でしょうね。
■産経新聞『【張成沢氏失脚説】外交・内政で北政権の要 日本と拉致交渉に影響も』
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131203/kor13120321170006-n1.htm
張氏は金総書記時代にも公の場から姿を消し、幾度か失脚説が浮上。それでも「不死鳥」のごとく再登場し、権力の階段を上ってきた。専門家の一人は「側近が粛清されたからといって張氏まで粛清されたとみるのは早計だ。再び公の場に姿を見せることはあり得る」と話している
産経には珍しいことですが「これで北朝鮮も終了か?」などとはしゃがないで「まだ失脚したかどうか不明」としている点はまともな記事かと思います。
■朝日新聞『韓国政府「張成沢氏は生存」 周辺の粛清は継続の見方』
http://www.asahi.com/articles/TKY201312040425.html
この朝日の記事はわかりにくいですね。
韓国政府の認識では、張氏は失脚していないのか、失脚したが死刑などにはならず、「左遷にとどまってる」のか。
■産経新聞『失脚情報の張成沢氏側近が中国逃亡か 亡命を要請と韓国報道』
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131206/kor13120612510003-n1.htm
まあ、真偽不明です。大体この記事では側近とやらの氏名も肩書きもわかりません。
当分はこの種の「真偽不明な情報」が乱れ飛ぶことになるのでしょう。
■東洋経済オンライン『北朝鮮ナンバー2の失脚は自然な流れ?』
http://toyokeizai.net/articles/-/25588
12月3日、韓国の情報機関である国家情報院が国会で「北朝鮮指導部でナンバー2の張成沢が失脚、彼の側近2人が公開処刑された」と暴露した。張成沢は、『故金正日総書記の妹で労働党軽工業部長の金慶喜(キム・ギョンヒ)』の夫であり、金正恩第1書記は甥にあたる。そんな人物が失脚したという。
韓国メディアは翌4日、張成沢の義兄である全英鎮キューバ大使と、甥の張勇哲マレーシア大使が 北朝鮮本国に召還されたと報道。失脚が事実であることの証左とした。しかし、東洋経済の調べでは4日現在、張マレーシア大使は同国の大使館内にいることが確認されている。
そのため現段階では、張成沢の失脚が本当に事実なのか、断定できない。ただ、「ナンバー2でありながらも権力中枢から徐々に外れているような兆候があった」と北朝鮮ウオッチャーは指摘する。
「国防委員会副委員長という中枢の中枢にいながら、北朝鮮メディアなどで報道される際には国家体育委員会委員長の資格で紹介されることが多かった。実際に、金第1書記の現地指導でも、平壌国際サッカー学校といった体育施設にのみ同行することが多く、10月に参議院議員のアントニオ猪木氏が訪朝した際に面会した際も、国家体育委員会委員長という肩書きだった」(韓国・統一省関係者)。
日本のメディアでは「猪木氏が要人と会った」と報道されていたが、この時すでに「事実上、謹慎状態だったのかもしれない」(同)。
張成沢は過去2度の失脚から復活した人物でもある。最初は、北朝鮮の最高学府である金日成総合大学の学生時代、現在の妻である金慶喜と恋愛中に、それをよしとしなかった故・金日成主席によって地方の大学に強制的に転校させられた。次は2003年頃に「分派活動を行った」として失脚したとされている。この時期、彼に関する消息が途絶えたが、2006年に朝鮮中央通信の報道で復権したことが判明している。
そのため、「本当に失脚したのかどうかは、もう少し時間をおく必要がある」(日本政府関係者)。彼の経歴と最高指導者の関係からすれば、しばらくしたら復活する可能性があるというわけだ。
(中略)
12月17日は故・金正日総書記の命日でもあり、何らかの行事が行われると考えられる。この場に、張成沢が出てくるかどうかによって、今回の失脚説の真偽を確認できるかもしれない。
結論から言えば「失脚したのか」「失脚したとして理由は何か」「誰かが失脚劇の中心人物か」「復権の可能性はあるのか」、全てが「いまだよくわからない」ということでしょう。