今日のMSN産経ニュース(10/18分)(追記あり)

■【産経抄】10月18日
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131018/plc13101803130002-n1.htm

 まあ、石原元副官房長官も本当に酷い人だなとしか言いようがないですね。産経の尻馬に乗るとは気は確かなんでしょうか。そもそも彼は「宮沢喜一*1内閣の副官房長官」という「河野談話決定」の当事者の一人であり他人事みたいなことが言える立場じゃないんですが。また彼は宮沢内閣後も、細川護煕羽田孜*2村山富市内閣の副官房長官を務めており当然、これらの内閣の「河野談話踏襲」についても彼には一定の責任があると言えるでしょう。
 河野談話を「企業の重要決定」とすれば彼は「その決定に携わった重役の一人」で「その後もその決定を踏襲し続けた重役の一人」です。
 であるにもかかわらず産経の取材に「他人事みたいなこと」が言える。無責任にも程があるでしょう。
 本当に産経の河野談話非難が正しいと思うなら「自分の愚行を悔やんでも悔やみきれない」とか「河野氏の部下である自分の責任は重い。産経さんはともかく自分には河野批判はできない。抗議辞任してでもいさめるべきだった。むしろ河野氏に手をついてわびたい」とか言うもんでしょう。
 一方の産経も産経に調子を合わせてくれるのをいいことに「石原、手前の罪は万死に値する。それ相応の責任を取ったらどうだ」などとつるし上げたりはしない。本来産経の立場では石原氏は糞味噌に罵倒でもしないと筋が通らないんですが。
【追記】
 後で気付いたんですが副官房長官というだけではなく石原氏は、1995年の副長官退任後も「河野談話関係者の一人だから是非協力して欲しい」と依頼され、アジア女性基金理事(1997〜2000年)、副理事長(2000年)を勤めています(内閣としては橋本龍太郎*3小渕恵三*4森喜朗*5内閣時代)。そう言う意味でも無責任な発言が出来る立場じゃない。

石原氏も「時の政権の方針に従ってやるしかない」と語っている。

やれやれですね。「政治家に言われれば嫌でもやるしかなかったんだ」そうです。「本当かよ」と思いますが、本当だとしても随分と主体性のない人間ですね。産経も良くこんな寝言を容認できるもんです。

石原氏といえば、竹下登*6氏から村山富市氏まで7代の首相のもと官房副長官をつとめた実力派官僚だった。「影の総理」と言われたことさえある。なぜ報告書を精査し「殿ご乱心」と、宮沢喜一首相や河野*7氏を押しとどめなかったのか、残念でならない。

 そんなことをしたらそれこそ「副長官御乱心」ですよ。それにやったところで石原氏が更迭されてそれで終わりでしょう。
まあ、石原氏という人が「産経に昔から近い人間で内心は河野談話に不服だったのに面従腹背で従った」のか、「当時は何ら疑問を持たず従ったのに、安倍政権誕生で『安倍に媚びた方が美味しい』と変節した」のか知りませんが、今頃こんなことを言い出すなんて何を考えてるのか。「産経が称える」彼の言い草は全く酷い。
 と同時にこんな事を言う産経は「河野談話さえなければ安倍さんもこれほど撤回に苦労はしなかった」と馬鹿げたことを思ってるんでしょうね。本当は逆で「河野談話がなかったら安倍がその種の談話を自力で出さなければならず」、その方が「河野談話踏襲」というより遙かに安倍にとってハードルが高いでしょうに。
 まあ、安倍がさんざんふざけたことを抜かしたことによって「河野談話踏襲」と言うだけで既に収まらない状況になってると思いますが。

*1:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*2:竹下内閣農水相、宮沢内閣蔵相、細川内閣外相などを経て首相

*3:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、自民党幹事長(宇野総裁)、海部内閣蔵相、村山内閣通産相などを経て首相

*4:竹下内閣官房長官、橋本内閣外相などを経て首相

*5:中曽根内閣文相、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党幹事長(小渕総裁)などを経て首相

*6:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、中曽根内閣蔵相などを経て首相

*7:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長などを歴任