今日のMSN産経ニュース(12/4分)(追記あり)

■【産経抄】12月4日
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131204/plc13120403060002-n1.htm
 産経は新聞の癖に多くのジャーナリストが「報道の自由が侵害される危険性がある」と反対している秘密保護法案に賛成している、という馬鹿話です。
 産経は「政府が法を乱用して情報を隠すことはない」だの「自分にだけは政府は信頼して情報公開してくれる」とでも思ってるんでしょうか?

元タイ大使の岡崎久彦氏は、長く防衛庁の情報担当局長や外務省の情報調査局長をつとめた。ものものしい肩書で、国家の最高機密を全て握っていたのかと思ってしまう。だが実際には「本当の機密はひとつも教えてもらっていない」という。

 まあ、「全てなんてことはない」にしても「かなりの情報を握った」と普通の人は思うでしょうね。
 で岡崎の言うとおりだったら「情報防衛体制がしっかりしている(むしろ、知っているべき岡崎が知らないなんて、しっかりしすぎてるんじゃないか?)」という話であって「秘密保護法はいらない」「むしろ情報公開制度の拡充が必要では?」という話にしかならないと思うのですが何故か岡崎と産経の認識は違うようです。わけがわからない。

岡崎氏自身が『明日への選択』12月号のインタビューで明かしていることだ。役所の文書にはしばしば、「マル秘」や「極秘」の判子を押した。だがどれも漏らしたところで犯罪にはならない情報だった。特定秘密保護法ができても、誰も指定はしない類いだったという。

だったら「マル秘」とか「極秘」とか言うはんこを押すべきじゃないでしょうし、そうした岡崎の言う「たいした秘密じゃない」のに、「極秘」「マル秘」というはんこが押された文書が法成立後(成立すればの話ですが)「ほぼ自動的に特定秘密に指定されない」という保障もないでしょう。はっきり言って岡崎の文章は「特定秘密保護法案の批判文章にはなっても」、支持の根拠にはならないと思うのですが。わけがわかりません。

法案の中身に関係のない石破茂自民党幹事長の「テロ発言」をも足を引っ張る材料にする。

 いや関係あるでしょ。デモをテロ呼ばわりする人間が「テロリストから情報を守る」と言う法案の成立をねらってる。
 つまり「デモ隊をテロリスト扱いしていて彼らには情報を教えたくないって事?、それはおかしいでしょ」と思うのは当然の話です。そういう発言の主が陣笠代議士ならともかく閣僚経験者(小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相)で幹事長なら批判されて当然でしょう。

野党も「極東の範囲」など不毛な議論に明け暮れる。

全然不毛じゃないですけどね。ま、産経は「極東の範囲なんかどうでもいい、世界中で米軍と自衛隊に共同活動してもらいたい」と思ってるからそうなるんでしょうが。


【追記】
黙然日記『産経抄、特定秘密を明らかにする』(http://d.hatena.ne.jp/pr3/20131204/1386199280)の指摘。

 岡崎久彦氏ですが、現役官僚時代は、《本当の機密》にはひとつも触れることがなかったそうです。それでもマル秘の書類をぺたぺたと作成していたというのですから、特定秘密保護法の施行後にどんな情報が特定秘密扱いされるか、わかったものではありません。それを公知にしただけでも、「明日への選択」誌のインタビューとこの「産経抄」は価値があります。

 まあ、岡崎の話はid:pr3さんが指摘するように、「法案に賛成か反対か」という立場の違いに関係なく、「特定秘密保護法案の危険性」の指摘にしか役立たないと思いますが、逆だ(つまり法案の有益性の証明になる)と思ってるらしい岡崎と産経は訳がわかりません。