■産経新聞『河野談話 日韓で「合作」 要求受け入れ修正、関係者が証言』
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140101/plc14010112380006-n1.htm
・正月ですが特に普段と変わりなくいつも通り産経に突っ込みます。
・どうも産経にとってはこれは「正月を飾るビッグニュース」のようです。どう見てもそんなご大層な代物じゃないですが。
・しかし産経に証言したという政府関係者(匿名)は何者で、何を考えてるんですかね(内容が河野洋平氏*1(以下、河野氏と呼ぶ)批判なのでこの「政府関係者」が河野氏でないことだけは確かでしょうが)。「河野談話撤回」などという産経レベルのバカを考えてるのでなければいいですが。まあ、さすがに安倍も「米国の反発が怖くて」そんなことはできないでしょう。靖国参拝で「失望」声明を発表されたばかりですし。
安倍にとっては産経が慰安婦問題で騒ぐことはもはや、ありがた迷惑でしょう。とはいえ「首相就任直前の2012年11月」に「米国地方紙の河野談話否定広告」に名を連ねるバカが安倍ですから自業自得ですが(安倍の広告への連名については赤旗『日本軍「慰安婦」 強制を否定、安倍首相が賛同、米紙に意見広告 4閣僚*2も、国内外の批判は必至、昨年11月』(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-01-06/2013010601_01_0.html)参照)。普通の人間なら「遅くとも自民党総裁になった時点」でこういう極右言論からは手を引きます。
・それにしても産経の河野談話への敵意はすさまじいですね。
・しかし産経は「何か不正があったかのような物言い」ですが「公表後に韓国の反発を買ってもばからしい」「韓国の反発で訂正したら日本国の名誉が傷つく」わけで事前に「こういう談話でどうでしょう」と調整することの何が問題なんですかね。何の問題もないでしょう。
・阿比留の文章『河野談話の欺瞞性さらに 事実上の日韓「合作」証言』(http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140101/plc14010116300010-n1.htm)を信じれば河野氏は談話発表当時、「事前調整の存在」を否定していたそうですのでそれは「嘘をついた」と言う意味では問題でしょう。でもただそれだけの話です。「事前調整が不当行為だ」なんてことには全くなりません。ましてや「慰安婦は合法かつ正当」で「河野談話、クマラスワミ報告やマクドガル報告、米国下院決議などは間違い」なんてことには全くならない。
・「事前調整を入念にした」ということは「河野談話は政府の見解であり河野氏が勝手にやったことではない」ということです。まあ、当たり前ですけど。
・また
原案では「慰安婦の募集については、軍の意向を受けた業者がこれに当たった」とある部分について、韓国側は「意向」を強制性が明らかな「指示」とするよう要求した。日本側が「軍が指示した根拠がない」として強い期待を表す「要望」がぎりぎりだと投げ返すと、韓国側は「強く請い求め、必要とすること」を意味する「要請」を提案し、最終的にこの表現を採用した。
修正に応じなかった箇所もある。原案が「(慰安婦が)意思に反して集められた事例が数多くあり」とする部分で、韓国側は「事例が数多くあり」の削除を求めた。これでは募集全部に強制性が及ぶことになるため、日本側は修正を拒否した。
なんですから「日本の態度の是非」はともかく「河野談話は韓国のいいなり」であるかのような従来の産経の主張が全くのデマであることが判明したわけですがその当たり産経はわかってるんですかね?
また『募集全部に強制性が及ぶことになるため、日本側は修正を拒否した』と言う部分からは河野談話は「全ての慰安婦がいわゆる狭義の強制連行だ」という主張を認めていない*3わけであり、「狭義の強制連行の有無」を持ち出した産経の河野談話批判は筋違いだと言う事になるんですが、その当たり産経はわかってるんですかね?