今日のMSN産経ニュース(2/13分)

■【話の肖像画マグナム・フォト東京支社代表 久保田博二(74)(4)

http://sankei.jp.msn.com/life/news/140213/art14021303200000-n1.htm
 中国は、最初の打ち合わせで偉い人たちがずらっと並んでて。何がやりたいって聞かれたから「全部撮りたい」。桂林で山水画のような景色が見られる時期をその場で聞いて、わかりました、じゃあ4月から桂林、新疆(しんきょう)、上海の順で1カ月ずつ行きたいって。「そんなに長く滞在するのか?」って聞かれたけれど「うん、仕事遅いから」って(笑)。結局94日間のビザをくれました。
 それから7年間で45回行って、1985年までに全省を撮影した。中国は少数民族がたくさんいるところですから、隅から隅まで見たかった。滞在日数は1050日。当時、中国はアクセスしにくかったから、いろいろな雑誌が掲載してくれた。写真集も7カ国版がでました。
北朝鮮にもこれまでに13回渡航。長期取材を続けている〉
 キャプション(説明文)は必ずつけますが、褒めたたえることはしません。けなすこともしません。ただ聞いたことを「という話だ」と書く。どこの国でもプロパガンダのようなものはありますよ。アメリカでも日本でも。国の宣伝をするのは大事なことですから。北朝鮮は特異なやり方をしているだけ。
 マスゲームの写真をニューヨークにある高級ブランド店が広告に使ってくれたことがあった。壁面に大きく伸ばしてね。見にいって「僕が撮った」っていうと、マネジャーが出てきてくれた。「どこで撮ったか知ってるか?」って聞いたけど「知らない」。北朝鮮だって教えたけど「関係ない。ファッショナブルだから使ってる」って。たしかに人を酔わせるところがある。圧倒的な景色です。
 一発屋でパッと撮ってくる、そういうアプローチもあると思います。だけど、相手と信頼関係をつくることは、妥協じゃない、相手の旗持ちをすることにはならない。時間をかけないと、どうしてもわからないことがある。いや、時間をかけてもわからないということが、世の中はほとんどだと思います。(聞き手 篠原知存)

 
 要するに風景カメラマンなんでしょう。政治には興味ない、とにかく美しい風景がとりたいんだと。
 だから北朝鮮にも13回も行ってくる。そのためには現地の案内人(監視員)と信頼関係をつくるわけです。あの国では案内人(監視員)なしで好き勝手できないのは言うまでもないでしょう。
 が「褒めたたえることはしません、だから信頼関係をつくっても相手の旗持ちをすることにはならないと思ってる」「マスゲーム*1はファッショナブルだと思うから撮った」とはっきり言う。
 そういうのも徹底すれば一つのイデオロギーというか、格好いいというか。しかしこういう人は「アンチ北朝鮮」産経は忌み嫌ってるかと思いましたが「文化面担当記者(篠原氏)」だとそうでもないんですかね。この記事が朝日あたりに乗ったらウヨが悪口雑言するんじゃないですかね。
 ちなみにググったところ、久保田氏には以下の著書(写真集)があるようです。

【中国関係】
黄山*2仙境』(1985年、岩波書店)、『悠久の大地 中国:5000年の歴史を行く』(1985年、教育社)、『中国万華』(1986年、阪急コミュニケーションズ)、『桂林夢幻』(1991年、岩波書店
北朝鮮関係】
『朝鮮名峰 白頭山金剛山』(1988年、岩波書店)、『朝鮮・三十八度線の北』(1988年、教育社)、『いちばん遠い国・北朝鮮案内』(1994年、宝島社)


■【編集日誌】「慰安婦」の何を記念?
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140213/plc14021308010005-n1.htm
 「原爆投下の日」とか「東京大空襲の日」とか戦争被害を記念することは何ら珍しくない。産経は被爆者にも「原爆投下の何を記念?」とか言うんでしょうか。
 「慰安婦の記憶遺産登録申請」に因縁つけてますが産経は「特攻隊員遺書の記憶遺産申請した鹿児島の自治体」にも「特攻隊の何を記念?」「尋常ではない」とか言うんでしょうか。
 もちろんこういうのを記念するのは
1)「2度とこういう事を起こしてはいけないと言う決意」
2)「戦争被害者への同情の思いの表明」でしょうね。で、日本も河野談話を出してるのだから、建前の上では「慰安婦記念日」に反対する理由は何もないんですが。ま、産経が「河野談話を否定したがってること」はよくわかりますが、河野談話否定の立場に立たない限り「慰安婦記念日それ自体」には問題など何もないわけです。


■【主張】中台会談 台湾は民意映した戦略を
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140213/chn14021303260002-n1.htm

 中国と台湾が1949年の分断後初めて、中台関係を担当する閣僚による直接会談を行った。
 朝鮮半島とともに「東アジアの火薬庫」ともいわれてきた台湾海峡で、対話による緊張緩和が進むことは歓迎したい。

 どこまで本気かはなはだ疑問ですが、「反中国メディア」産経ですら「建前では」中台対話を歓迎していることは興味深い。

台湾・行政院大陸委員会が昨年末に公表した住民の世論調査では(中略)84・6%が中台関係の「現状維持」を望むとし、台湾のケーブルテレビが昨秋に「独立か統一か」の二者択一*3で回答を求めたら、71%が統一を拒否する姿勢を示している。台湾の民意の所在は明らかだ。
(中略)
 日米の国益は、台湾の民意と同じ中台関係の「現状維持」にある、といっていい。

・「台湾の民意は現状維持だからそれで進むべき」は正論ですが、別に「平和統一」なら日本の国益上、何の問題もないと思うんですけどね。武力統一だとさすがに問題ですが(ま、武力統一は考えてないでしょうが)。
・しかし「現状維持が日本の国益」ねえ。反中国文筆家使って「台湾独立を応援しよう」という「現状打破」の論調を煽ってきた新聞が良く言う。

*1:言うまでもなくアンチ北朝鮮界隈ではマスゲームは「全体主義チック」と大変評判が悪いです。

*2:中国・安徽省にある景勝地。伝説の仙境(仙人が住む世界)を彷彿とさせる独特の景観から、古代から「黄山を見ずして、山を見たというなかれ」と言われ、数多くの文人が訪れた。黄山の名は伝説上の王、黄帝がこの山で不老不死の霊薬を飲み、仙人になったという言い伝えに基づいている(ウィキペ「黄山」参照)。

*3:二者択一であって、「現状維持」を入れた「三者択一」でないというあたりこのテレビ局は独立派なんでしょう。「現状維持派なのでどちらともいえない」回答が相当多かったんじゃないか。