今日のMSN産経ニュース(2/16分)

■【書評】『昭和二十五年 最後の戦死者』城内康伸著
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140216/bks14021614000008-n1.htm
 俺の大嫌いな朝鮮学校差別者・城内の新刊です。問題はどういう意味合いで城内がこの本を出したかですが、ウヨの城内じゃ「こうした違法行為が今後は特定秘密保護法によって情報を秘密にした上で実行されるかも知れないのです」「集団的自衛権を認めたらこうした悲劇がまた起こるだろう、起こしてはならない」などという批判じゃなくて、「今こそ集団的自衛権を容認してこうした戦死者が出たら日本政府が公的に支援しよう」「こういう行為への無用な批判を避けるためにも特定秘密保護法が必要だ」などというトンデモなんだろうな。産経が好意的書評だし(後で読むかも知れない)。
 ま、城内の主張部分はともかく「事実部分」は「日本戦後史の闇(朝鮮戦争での米軍支援という明らかな違憲行為)」の理解として使えるかも知れませんが。


■【国際情勢分析 吉村剛史の目】「台湾統一」を目論む中国 馬政権の微妙なかじ取りの行方は?
 まあ、産経にしてはまともな記事だと思います。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/140216/chn14021612000000-n1.htm
「もはや両岸関係は後戻りはできない。政権奪還を狙う民進党も中国との対話は重視せざるをえない」と台湾の与党・中国国民党の幹部は指摘する。事実、民進党では台湾独立を掲げる党綱領をはじめ、対中政策の見直しが急務となっている。
 2008年の馬英九*1政権発足後、台湾は中台間の自由貿易協定に相当する経済協力枠組み協定(ECFA)を10年に締結するなど、経済を軸に対中関係の改善を進めてきた。現在台湾の貿易総額トップは対中国で、中国で働く「台商」(台湾人ビジネスマン)は100万人以上、人的往来も年間800万人にのぼるとされる。

 要するにこうなると台湾、中国双方にとって「軍事的対立」はデメリットがでかすぎてとれないわけです。日本極右は「中国の台湾侵攻」が今にでもあるようなバカ言いますがありえない。
 台湾は経済関係を深めることによって中国の軍事侵攻の危険性を減らし、一方、中国は中国で経済関係を深めることによって「台湾即時独立派」の動きを封じ込め、中台統一が無理でも「現状維持」を台湾政権に続けさせる。そういう話でしょう。


■【あめりかノート】「失望」していない共和党
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140216/amr14021608140001-n1.htm
 単に共和党の某ネオコン議員、ティーパーティー議員(要するに極右)が「僕は安倍靖国参拝に失望してないよ」と言っただけです。ブッシュjr政権時に安倍(第一次内閣)が参拝しなかったのは明らかに「参拝するな」というメッセージがブッシュjr政権から出ていたからでしょう。つまり共和党だって主流は「靖国参拝反対」です。そもそも今、「民主党オバマ政権」で、それが当分続くのに、そして「ポストオバマ」が共和党になる保障もないのに「共和党は失望していない」と産経の古森がいったところで何がどうだと言うんでしょうか。
 もちろん「米国が容認すれば政教分離原則違反の疑いとか、中韓露の批判とか知った事じゃない」という「アメリカ・ポチ」態度は最悪です(容認しないでしょうが)。


■【日曜に書く】「大虐殺なかった」は正論だ 論説委員・石川水穂
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140216/art14021603200001-n1.htm
 もちろん、正論ではなくデマです。こういうデマが産経によって垂れ流されるのも朝日、毎日と言った同業者がウヨを恐れて、まともに批判しないからでしょう。困った話です。

中国外務省の報道官は翌5日、「(南京大虐殺は)日本軍国主義侵略戦争の中で犯した残虐な犯罪行為で、国際社会では定説だ」「日本国内の極めて少数の人たちが歴史を抹殺しようとしており、歴史を逆行させる日本の指導者と通じるものがある」と百田氏の発言と百田氏を任命した安倍晋三首相を激しく非難した。

 中国に非難されるようなことをすれば非難されて当たり前です。なお、百田は「東京裁判南京事件が認定されたのは米国が自分の戦争犯罪東京大空襲、原爆投下)をごまかすため、事件を捏造したから」とも放言したので米国も百田を批判しています。「日米友好関係は大事」「だから沖縄は基地を受け入れろ」という産経なら「反米デマゴーグ」百田を批判しないとおかしいのですがね。

38年2月の国際連盟理事会で、中国国民党政府の顧維鈞*2代表が「南京で2万人*3の虐殺と数千の女性への暴行があった」と演説し、国際連盟の行動を求めたが、採択されなかった。

 まあ、国際連盟(あるいは国際連合)が「大国にびびって行動しない」なんてのは今に始まった事じゃありません。南京事件が存在しないから行動しなかった訳じゃ全然ない。
 チベット問題なんかもそうでしょう。じゃあ国連が「常任理事国で経済大国の中国」に配慮してろくに動かないから「チベット問題でのダライの言い分は全てデマ、中国の下で発展するチベット万歳!」かと言ったらそういうことではないし、そういったら産経は「チベットをバカにするな」「この中国の犬め」などと怒り出すでしょう。
 「国際連盟(あるいは国連)が動かないならたいした問題じゃない」とは、中国が聞いたら「じゃあチベット問題ではダライは嘘つきだと言う事ですね」と喜びそうなことを言える産経も相当のバカで屑です。
 なお、これについては『 「南京の実相」を読む(1)「2万人すら認めなかった」というトリック』(http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/jissou1.html)を紹介しておきます。

改めて言うまでもないが、人口20万人の南京で「30万人虐殺」などあり得ない。

このデマについては『二十万都市で三十万虐殺?』(http://www.geocities.jp/yu77799/jinkou.html)を参照して下さい。
要約すると
1)20万人というのは「南京安全区(南京市の一部)」の人口に過ぎず南京市の人口ではない。
 ウヨのやってることは「東京大虐殺」なるものが仮にあったとして「東京都(23区だけでなく市町村を含む)」の人口で歴史学者が議論してるのに「東京23区(東京都の一部)の人口」を持ち出し、「東京(正確には23区)の人口を超えた虐殺などあり得ない」と言うくらいの珍論である。
2)しかも20万人は推計値に過ぎない。もっと多いかも知れないし、もっと少ないかもしれないと言う数字である。
3)また、ウヨの言う20万人には「国民党軍兵士の数」が含まれていない
4)「国民党軍兵士の人口」+「南京市の人口」は「30万人を越えている」と見られるので30万人虐殺は充分あり得る
5)ただし30万人という数は現在、通説とは言い難い。その意味で30万人は成立しないから虐殺は存在しないという産経の主張は酷い強弁
という話です。
既に論破されてるデマを産経が平然と垂れ流すのが「無知で怠慢だから」か「故意の嘘つき」か知りませんがこんなものは国際社会で通用しません。

NHKは平成13年、昭和天皇を「強姦と性奴隷制*4」の責任で弁護人なしに裁いた市民団体主催の「女性国際戦犯法廷」を教育テレビで放映した。

 市民団体は「弁護人」について「日本政府」に「出して欲しい」と要請したのに無視されたというのが事の経緯なんですが。
 そして、「弁護人」はつきませんでしたが、一応「弁護側主張(つうか過去の慰安婦問題に対する言動から、日本政府がするであろうと予想される主張)」は法廷で紹介されました。弁護とはまた違うでしょうが、何ら「弁護側的主張」が女性戦犯法廷に出なかったわけではない。
 大体弁護士がついた東京裁判ですら因縁つけてる産経ですので「弁護士」云々はただの因縁と理解すべきでしょう。

21年には、日本の台湾統治を扱った番組で、台湾先住民族日英博覧会に出演したことを「人間動物園」と表現した。

 当時、そう表現していたからそう表現しただけですが。NHKが当時のそうした表現を「是」としているわけでは全くありません。

籾井、百田両氏らはこうした偏向番組をしっかりチェックしてほしい

 どこが偏向なんですかね。つうか石川が籾井らに求めてることは「編集権への不当介入」というとんでもない行為です。こんなことは籾井、百田だって「秘密裏にやる」ならともかく、公言は出来ないでしょう。
 いやアホの籾井、百田だと公言しちゃうのか?


■【ジャンプ】葛西が銀メダル、男子ラージヒル決勝
http://sankei.jp.msn.com/sochi2014/news/140216/soc14021604560015-n1.htm
 失礼ながらさすがに41歳じゃ入賞が関の山と思っていたのでびっくりですね。
 たとえばジャンルが違うとは言え、いくら伊達公子が復帰後、それなりに活躍するとは言え「世界レベルの大会(例:ウィンブルドン)で準優勝」なんて思う人は普通いないわけです。
 つうか葛西の好成績それ自体はいいことですが、若手が頑張らないといけませんよ。葛西が銀をとるようなら「メダル全て日本勢」くらいでないと。

伊東大貴雪印メグミルク)は252・5点で9位

だってもちろんすごい成績ですが「年齢的に引退してもおかしくない大先輩・葛西」の前にかすむというか、何というか。それとも「葛西がすごすぎる」んでしょうか。でも複雑な気持ちですよ。これは葛西も後輩たちも同じ気持ちではあるでしょうが。


■【主張】羽生金メダル 他者思う心の戴冠を祝う
http://sankei.jp.msn.com/sochi2014/news/140216/soc14021603240013-n1.htm
 羽生を褒めるのはもちろん何ら問題ないことでいいんですけどね。最後がキモイ。

若きアスリートが口々に周囲や先輩への感謝を語る。その感謝の連鎖を、日本の伝統と呼んでもいいのではないか。

無理に「日本の伝統」なんてもんをでっちあげないでほしいですね。「羽生の謙虚な態度は国民として嬉しい」「こういう態度をスポーツ界に広めて欲しい」でいいじゃないですか。

*1:連戦内閣法相、台北市長を経て、現在、台湾総統

*2:戦前は国際連盟中国代表、外相、駐仏大使などを歴任。戦後も駐英大使、駐米大使、台湾総統府資政などを歴任

*3:やたらこの数字を重要視するバカがいますが、この時点では正確な数字がわかるわけもなく顧演説は「2万人虐殺説(つまりは『東京裁判で認定され、学界通説でもある10万人以上の虐殺』否定)」の根拠になどなりません。なお、「10万人以上虐殺」はもちろん、2万人虐殺(顧演説)も否定するのが産経です。

*4:要するに慰安婦制度のことです