今日のMSN産経ニュース(2/23分)

■【朝鮮半島ウオッチ】日本抜きの統一外交で勝負に出た朴槿恵大統領
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140223/kor14022312000001-n1.htm

 「統一の夢」を試算するシミュレーションも花盛りだ。朴大統領の公約「ユーラシア・イニシアチブ」はユーラシア大陸の各国と北朝鮮の開放を誘導して欧州と朝鮮半島の物流事業を実現、大陸横断鉄道「シルクロードエクスプレス」を通そうとの構想。あるいは統一後、中国東北3省*1とロシア沿海州と日本を結ぶ産業ベルトが誕生すれば資本、技術、資源、労働力がそろい北東アジアの中核になるとの「北東ベルト地帯構想」もそうだ。

 太陽政策金大中盧武鉉)ほど融和的ではないのでしょうが、要するに産経・巣くう会流の「北朝鮮打倒論」なんてお呼びじゃないということです。で「北朝鮮打倒論なんか採らない」んだから「北朝鮮打倒論的な立場」の日本との関係がこの問題で疎遠になるのもある意味当然でしょう。もちろん靖国問題慰安婦問題で関係が冷めてるというのもありますが。


■【水内茂幸の外交コンフィデンシャル】「日米」は片思いか
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140223/plc14022312000005-n1.htm

 外務省に近い東京・虎ノ門の老舗洋食屋。中堅の外務官僚は、熱々のピザを頬張りながら切々と説いた。
(中略)
 この中堅官僚氏自身も、オバマ政権には内心じくじたる思いがある。「あれっ」と強く思ったのは昨年9月のことだという。
 当時のオバマ氏は内戦で化学兵器を使用したシリア・アサド政権への軍事介入を決断。しかしロシアの仲介などを受けると約2週間で矛を収めた。
 「大統領が『戦争する』といえばできてしまう*2のが米の怖さ。その牙をあっさりと抜いてしまうとは…。結果が正しかったかは別にして、北朝鮮で何かあったときに頼りになるのか」

 言ってる意味がわからないですね。国際世論どころか米国国内ですら反対意見が有力だったのに、イラクやアフガンで厳しい状況なのに、ロシアの仲介を無視してシリアに軍事力行使できるわけもなければ、すべきでもないでしょう。大体「自分からシリアに軍事介入すること」と「北朝鮮で何かあったとき*3の対応」と全然違うでしょうに。それともこの外務官僚氏は米国が北朝鮮相手に「アフガン戦争やイラク戦争流の軍事介入すること」でも希望してるんでしょうか?

衛藤晟一首相補佐官じゃないが、私も米国が靖国参拝に『失望』というコメントを出したことに『失望』しましたよ。中国は、日本の力を相対的にそぐため、参拝を対日批判のツールに使っているのに過ぎない。参拝がなくとも今の姿勢を変えるとは思えません。韓国もそうですね。外務省内にも『もう少しで関係が改善しそうだったのに』と嘆く声があるが、私はそう思わない」

 本当にこんな外務官僚がいるとしたら絶句ですね。本気で「安倍が靖国参拝しなくても状況は変わらない、だから安倍が参拝したって問題ない」と思ってるのか?。安倍の首相就任以前は日中関係も日韓関係もこんなに酷くなかったのに。
 いやまあ、
1)「南京事件は中国の捏造」と田母神都知事選候補応援演説で放言した極右・百田尚樹NHK経営委員のままにし
2)「慰安婦は世界中の国がやっていたこと」と放言した籾井勝人NHK会長のままにし
3)南京事件否定論河野談話否定論の立場に立つ極右を政府審議会委員にし(櫻井よしこ・国基研理事長を中教審委員に、八木秀次日本教育再生機構理事長、元「つくる会」会長を教育再生実行会議委員に任命)
4)「アベノミクスの目的の一つは中国の軍拡に対抗して日本が軍拡する事、そのための基盤作り」とウォールストリートジャーナルの取材に放言した本田悦朗内閣官房参与のままにし
5)自民党内の河野談話見直し論(実際は撤回論ですが)にへつらい、「見直しを検討」と菅官房長官が発表し
6)島根県主催の「竹島の日」記念式典に今年も政府代表として内閣大臣政務官を出席させる
なんて中国、韓国を挑発するまねをしてたら「靖国参拝自重」しても日中、日韓関係はぎくしゃくするでしょう。
 また安倍は自分が参拝しない時でも「麻生*4財務相ら閣僚の参拝を黙認し、批判した中韓に対し『個人の自由だ』と反論」、「参拝はしないが玉串料は送った」んだからそう言う意味でも「参拝自重すれば問題解決」ではない。
 ただ参拝したことによって余計、日中、日韓関係の状況を悪化させたことは確かでしょう。
 しかも米国は「ケリー国務長官ヘーゲル国防長官の千鳥ヶ淵訪問」で「靖国参拝を望まない」というメッセージを送ったのに、それを「バカだから理解できなかった」のか「故意に無視した」のか知りませんが無視されれば米国も「失望」するでしょう。
 何でその程度の事がこの外務官僚氏にはわからないのか。

「私もオバマ政権に不満はあるが、それを表に出して、米側のさらなる『失望』を買っても事態は前に進まない」

匿名とは言え産経が外務官僚氏の米国への不満をこうして記事にした時点で『さらなる失望』を買うと思いますが?

外務省を取材していると、中堅官僚氏のような意見は4分の1程度。残り4分の3は、「タイミングが悪い」という考えだ。

「こんな意見の奴が1/4もいるのかよ」と絶句ですね。勿論水内氏の評価が「勘違い(もっと少ない)」と言う可能性は当然ありますが。

*1:遼寧省吉林省黒竜江省

*2:もちろん議会の承認が必要なので話はそう簡単ではないでしょう

*3:内乱やクーデターのことか

*4:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相を経て、現在、第二次安倍内閣財務相