今日のMSN産経ニュース(3/30分)(追記・訂正あり)

■【クリミア併合】少数派タタール人、「民族自治区」目指す決議
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140330/erp14033023410006-n1.htm
 「どうもウクライナに戻れそうもないし、ウクライナが別にタタールに好意的だったわけでもないから、ここで『併合は支持する』とロシアに恩売って『その代わり自治権を認めてくれ』と言う話にしてタタールの地位アップした方がいいだろ」という話のようです。
 要するにロシアのやり口は酷いが、ウクライナタタールに好意的だったわけでもなく、単純に「クリミア併合反対」と言うのには躊躇を感じますね。


■【九州から原発が消えてよいのか 第7部 代替電源(5)】世界3位の資源大国! 地熱発電、国立・国定公園の壁厚く「宝の持ち腐れ」
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140329/trd14032920290008-n5.htm
 風力発電を「バードストライク」「騒音」「低周波」で、太陽光発電を「夜間に発電できない」と言う理由で「原発の代替電源になる資格はない」とさんざん罵倒してきた産経ですが「宝の持ち腐れ」と言うタイトルから想像できるように何故か地熱発電に対してはそこまで敵対的ではありません。
 温泉経営者が「泉質が変わる恐れがある」と反対していることなどに触れながらもオチが 

 純国産エネルギー、地熱発電の普及には環境省のさらなる協力と、温泉地の理解が欠かせない。
 地熱発電に積極的に取り組む温泉地もある。九重観光ホテル(大分県九重町)は、深さ350メートルと400メートルの2本の井戸で取り出した蒸気で自家発電している。出力は990キロワットで、47室のホテルで使う電力の100%をまかなう。
 杉乃井ホテル大分県別府市、1900キロワット)や霧島国際ホテル(鹿児島県霧島市、100キロワット)も同様に取り組んでいる。
 これらは小規模な自家発電なので、電力会社の事業用発電とは異なる。しかし、地熱の恵みで温泉が湧き出て、温泉街の電力もまかなえる−。そんな地熱発電所と温泉地が共存共栄する「エコ温泉地」が誕生するかもしれない。

ですからね。

「世界各国が化石燃料への過度の依存状態から脱しようと奮闘しているが、多くの国にとってその解決策は膨大な地熱資源を上手に利用していくことだ。私はインドネシアを世界最大の地熱エネルギー利用国にするつもりだ」
 インドネシアのユドヨノ*1大統領は2010(平成22)年4月26日、地熱業界の関係者が集まり、バリ島で開かれた世界地熱会議の開会式でこう胸を張った。
 インドネシアは経済発展と人口増加に伴い、電力消費量が増え、2003年には石油輸出国から輸入国に転じた。
 そこで大統領が着目したのが地熱発電だった。
(中略)
 インドネシア同様に経済発展著しいアフリカやアジア、中南米の多くの国々も地熱開発に力を入れる。

 
 で日本企業が地熱発電輸出をしてるからこんなに産経も好意的なんですかね?。ただ太陽光や風力も日本企業は海外に展開していたと思うんですが?


■【九州から原発が消えてよいのか第7部 代替電源(6)】「黒いダイヤ」輝き再び 石炭火力、環境にも優しく
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140330/trd14033023290006-n1.htm 
 「輝き再び」というタイトルからわかるように地熱発電だけでなく、何故か石炭火力に対しても優しい産経です。電源開発(Jパワー)が推進してるからでしょうか?
 「技術の進歩でCO2排出量が減った」とは言ってもCO2はもちろん出るんですけどね。


■【九州から原発が消えてよいのか 第7部代替電源(8)】バイオマス発電 家畜糞は「宝の山」
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140402/trd14040221430015-n7.htm
 「宝の山」というタイトルからわかるように地熱発電、石炭火力だけでなく、何故かバイオマスに対しても優しい産経です。それ自体は悪いことではないと思いますが。


■【九州から原発が消えてよいのか 第7部 代替電源(9)】第4世代原発、トリウム溶融塩炉 中国が開発を急ぐわけ
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140403/trd14040321470024-n1.htm
 第4世代原発・トリウム炉が産経が言うほど安全性や効率で「ウラン炉、プルトニウム炉(日本の場合、もんじゅ)といった従来から日本で実用化や開発がされてる原子炉」あるいは「火力、水力、風力など原発以外の発電」と比べて優れてるか知らないのでそこはノーコメント。別の面にコメントします。

2月7日。五輪開幕に合わせてロシア・ソチを訪問した中国の国家主席習近平は、チェコのゼマン*2大統領と会談し(中略)た。
(中略)
 「世界の大国」を自任する中国に対し、チェコ中欧の要とはいえGDP世界52位の小国に過ぎない。しかも中国政府に弾圧されるチベット民族を支援しようと、公の施設にチベット旗を掲げたりする、中国にとって苦々しい相手だったはずだ。
 習近平は限られた時間をやりくりしてまで、なぜゼマンとの会談を望んだのか。それは、チェコが、第4世代原発といわれるトリウム溶融塩炉の開発競争の先陣を切っているからだと言われている。

 「何だかなあ」と思いますね。
 アンチ中国の産経は「チベットを応援(?)するチェコに、トリウム炉欲しさに中国が頭を下げた」とでも言いたそうですが、チェコだって「トリウム炉」が中国に売れれば儲かるのだからお互い様でしょう。また「チェコがトリウム炉開発で進んでる」「中国はトリウム炉に魅力を感じてる」ってのも事実でしょうが一方で「我が国がトリウム炉を買うのだからチベット問題ではそれなりの態度をとってほしい、今までのような我が国に無礼な態度をチェコは改めるべきだ」という思惑も中国に多少はあるでしょう。
 いずれにせよ「なんだかんだ言っても」最終的にはチェコの「政府*3」は中国とうまく折り合っていくつもりだ、中国と決定的に対立してまでチベットを応援しないってことでしょう。
 まあ、欧米や日本だって「中国と決定的に対立してまでチベットを応援しない」って点ではチェコと一緒ですが。
 なお、産経の言う「チェコチベット支援」については以下の記事を紹介しておきます。


産経新聞
チェコ各地にチベット旗、動乱55年で支援の気持ち表明』
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140310/erp14031023370009-n1.htm


江沢民*4流「反日路線」の復活 中国・習*5主席 第三国で一方的主張展開
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140329/chn14032922280003-n1.htm
 復活と言う事は「胡錦濤*6時代はそれほど反日じゃなかった」という理解なんですかね?。まあ、習氏が国家主席・党総書記になって日本批判が激化したと言うより「安倍が首相になって」と考える方が適切ですが、産経はそのようには理解しません。
 なお、江沢民時代が反日だったか小生は無知のため知りませんが首相が安倍のような極右でないこともあって今ほど「日本批判」は厳しくはないでしょう。


■【日曜に書く】論説委員・湯浅博 「新型の大国関係」という罠
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140330/plc14033003240002-n1.htm
 「新型の大国関係」というのは中米関係について中国が言ってることです。で、小生も別に外交評論家ではなく、「ただのド素人」ですが要するに「今まで米国の対中国政策は中国封じ込めだったがそういうことはやめるべきだ」「それは冷戦時代の古い考えだ」→「新型の大国関係」ということでしょう。米国も今のところそういう主張を無下に否定したりはしていない(大賛成とも言ってませんが)。
 もちろん
1)「新型の大国関係」と言おうが言うまいが、米国企業が多数中国に進出している以上敵対関係にはなれない
2)「新型の大国関係」というのはもちろん同盟関係ではない
3)「新型の大国関係」なら中国批判しないというわけでもない
ことは指摘しておきます。
 で、まあ中米対立なんかされても日本も迷惑です。
 「新型の大国関係=中米同盟による日本封じ込め」なんて「日本の国益を明らかに害する代物」でない限り「新型の大国関係」に反対する理由は日本にありません。むしろ賛成すべきでしょう。しかし「反中国を極端にこじらせた産経」は「新型の大国関係になったら中国批判が出来なくなる」という珍理解を披露するわけです。


参考
人民日報
『中米による新型の大国間関係構築の好機』
http://j.people.com.cn/94474/8263667.html
王毅*7外交部長、中米の新型大国関係めぐり米国で講演』
http://j.people.com.cn/94474/8406440.html

*1:ワヒド政権鉱業エネルギー相、メガワティ政権政治・治安担当調整相などを経て大統領

*2:下院議長や首相を経て現在、大統領

*3:「国民」では必ずしもない。まあ、でも大多数の国民はチェコから遠く離れたチベットになんか興味なくて、そうした政府の親中(?)的態度を積極支持はしないまでも容認するのかも知れませんが。

*4:電子工業部長、上海市長・党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*5:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*6:貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*7:外務省日本課長、駐日大使館参事官、外務省アジア局長、駐日大使、中国共産党中央台湾工作弁公室主任(国務院台湾事務弁公室主任兼務)などを経て現在、外相