今日のMSN産経ニュース(6/8分)(追記・訂正あり)

■中印両外相が協力深化を確認 中国、日本や欧米に先駆けた「インド重視」強調か
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140608/chn14060819460005-n1.htm
 産経が期待する「インドと日本が手を組んでの中国封じ込め」などインドはやる気がないという話です。当たり前の話ではあります。
 産経記事は

 モディ政権発足後、主要国の外相がインドを訪問するのは初めて。
 中国には、欧米や日本に先駆けて要人が訪問することで、国境問題を抱えつつも、インド重視の姿勢を明確にする狙いがあるとみられる。

と中国の思惑ばかり強調していますが、インドにだって同様の思惑があるわけです。中国が真っ先に会いたくたって、インドが応じなければ会えないわけですから。 


■「なぜ改憲論出てこない!」 平沼氏が革新勢力を批判 交詢社フォーラム
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140608/trl14060817140001-n1.htm
・平沼の珍論には拙ブクマで

http://b.hatena.ne.jp/entry/sankei.jp.msn.com/affairs/news/140608/trl14060817140001-n1.htm
 いや革新勢力(護憲派)が出すわけないでしょ。「革新なのに現行憲法を保守するのか」ってそれまるきり「保守なのに現行憲法を保守しないのか」とブーメランになるし。

と突っ込んでおきました。
・それはともかく。
交詢社てのは慶應義塾創設者・福沢諭吉が作った団体で、現在の理事長・鳥居泰彦氏*1は前・慶應義塾塾長です。
 であるにもかかわらず「憲法を考える」とした集会で呼んだ面子が
岡崎久彦*2(元駐タイ大使)
櫻井よしこ(国家基本問題研究所理事長)
中西輝政*3京都大学名誉教授)
平沼赳夫*4(維新の会代表代行、国会議員団団長)
ってウヨだらけってのは何考えてるんですかね。慶應とはそういう大学に、交詢社とはそういう団体に成り下がってしまったのか。設立経緯を考えれば慶應交詢社も「左翼ではないでしょうが」、ウヨ団体ではないはずなんですが。あの世の福沢が泣いてると思います。
 まあ交詢社のサイト(http://www.kojunsha.or.jp/forum.htm)に寄ればこの集会は「後援・産経新聞」「開催場所:大手町産経プラザ」なので面子がウヨだらけというのはある意味自然なのかも知れません。産経が記事にしたのも要するにそういうことでしょう。
 しかし何で産経に後援を頼みますかね。まあ、役員名簿(http://www.kojunsha.or.jp/disclosure/yakuin.pdf)に「副理事長・清原武彦(産経新聞会長、一応、慶應OBではある)」と書いてあるので「昔はともかく」今や産経と交詢社はずぶずぶなのかも知れませんが。慶應と産経の関係までは知りませんがずぶずぶでないことを希望したい。


■【キーワードで読む沸騰中国】「日本は誤ったシグナルを中国に出している」 天安門事件のリーダー、ウアルカイシ氏のインタビュー詳報
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140608/chn14060818000001-n1.htm

 何が誤ったシグナルかといえば「日本は中国との商売の事ばかり考えてる、我々人権活動家に冷たい」という話です。要するに『「経済のほうが政治よりよっぽど現実(実状)に正直だ」の実例(日本の自治体編)』(http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/dac834e188396517b2a5114aa83a363e)というのがウアルカイシには我慢がならないようです。
 しかし、産経記事が事実なら、ウアルカイシの方が「日本右翼に間違ったシグナル」を送っているように思いますね。
 何せこれです。

「現在、中日関係は緊張しているが、主な責任は当然、道理をわきまえない側(中国)にある。中国は専制政府であり、私個人が中国に対して道理を説くことはできるが、それほどの効果は期待できない。しかし日本は民主国家であり、日本政府には大きな期待がかかっている。中日関係は、たんなる両民族間の関係ではなく、民主国家と専制共産国家の関係だ。もし普遍的価値を持つ国と専制独裁国家の間で衝突が起きれば、日本は当然有利な側にいる」

 本気でそう思ってるわけではなくインタビュアーである産経記者へのこびへつらいでしょうし、「河野談話否定論」に荷担するペマ・ギャルボよりはマシかとは思います。
 それにしたって安倍の靖国参拝などを完全無視して「中国の方が悪い、一党独裁だから」というのは正気の沙汰ではないでしょう。
 せめて「靖国参拝尖閣問題など日中間の問題は中国民主化に関係ないと思うのでコメントは差し控えたい」位言えなかったんでしょうか。日中関係について何か言うとしても「元・天安門事件活動家」として話を聞かれてるのだから、「日本が中国を隣国として重視するのはわかるがもっと人権問題で動いて欲しい」とでも言えばいいのであってこんな「日本ウヨへのおべっか(日中関係の緊張では中国の方が悪い)」を言う必要はどこにもないでしょう。
 かえって中国に「靖国問題尖閣問題で日本の立場にたつなどとはウアルカイシ中華民族の裏切り者だ」と攻撃されるだけでしょうに。つうか、国外追放された事もあってこうやって日本ウヨに媚びないとどうにもならないほどウアルカイシが活動家として終わってる、中国に批判されても日本ウヨに媚びざるを得ないということかもしれません(どっちにしろウアルカイシの日本ウヨへの媚態は、弁解不可能な醜態ではあります)。

*1:著書『経済発展理論』(1979年、東京経済新報社)、『はじめての統計学』(1994年、日本経済新聞社)、『回想・慶應義塾』(2013年、慶應義塾大学出版会)など

*2:ウィキペディア岡崎久彦」によれば「日本教育再生機構顧問、日本李登輝友の会副会長」

*3:ウィキペディア中西輝政」によれば「日本教育再生機構発起人、元・新しい歴史教科書をつくる会理事」

*4:村山内閣運輸相、森内閣通産相小泉内閣経産相など歴任