【編集日誌】世論調査の選択肢づくり

【ネタその1】

 朝鮮新報社の世論調査で、北朝鮮制裁解除を全面的に容認する回答が11.1%、(注:日朝交渉による拉致解決を実現するために)必要最小限度の解除を認める回答が52.6%という結果が出ました。安倍政権は限定解除容認論の立場をとっているので、この2つの回答を合わせた63.7%が今回の与党の「対北朝鮮外交」方針に賛成しているとみていいでしょう。
 一方、他紙(例:産経)をみると、単純に賛成か反対かの二者択一で問うている調査があり、「反対」が多いという結果が出ています。しかし、これでは制裁解除をあらゆる場面で実施することに反対なのか、きわめて限定的な解除にすら反対なのかあいまいです。本当の世論を浮き彫りにするためには、きめ細かな選択肢の提示が必要なのです。
 恣意(しい)的な調査結果を導き出さないよう選択肢づくりには工夫が欠かせません。

【ネタその2】

 朝鮮新報社の世論調査で、外国人地方参政権を全面的に容認する回答が11.1%、必要最小限度の外国人地方参政権を認める回答が52.6%という結果が出ました。
 一方、他紙(例:産経)をみると、単純に賛成か反対かの二者択一で問うている調査があり、「反対」が多いという結果が出ています。しかし、これでは外国人地方参政権をあらゆる場面で実施することに反対なのか、きわめて限定的な外国人地方参政権にすら反対なのかあいまいです。本当の世論を浮き彫りにするためには、きめ細かな選択肢の提示が必要なのです。
 恣意(しい)的な調査結果を導き出さないよう選択肢づくりには工夫が欠かせません。

 まあ、マジレスすればこれって実際にやったら誘導尋問以外何物でもないし産経はこういうのには絶対文句言うだろうけど。
 つうか、この産経のやり口「有利な回答を得るために2択を無理矢理3択にする」って「統計でウソをつく法」(講談社ブルーバックス)とか統計入門書で「絶対にやっては行けないインチキ」として紹介されてると思うんだけど?。というのはこうした場合「真ん中に回答が集まる傾向が高い」からです。
 「真ん中(この場合だと限定容認論)の回答の%を故意に高くしたいのだ」と疑われても文句は言えないでしょう。というか実際それが目的で3択にしていると思いますね。
 もちろんだからといって「真ん中に集まらないように3択を無理矢理2択や4択にする必要はない」「3択が自然なら3択でいい」んですが産経のやり口はとても「自然に3択になった」と言えないでしょう。
 「イエスかノーか」の2択で聞いてから、「そのイエスとは何ですか?」として「限定容認論について聞く」のが自然で適切でしょう。
 それと安倍の「限定論」て口から出任せで「小泉の『自衛隊のいるところが非戦闘地域』」と同レベルの言葉遊びでしかないんだが。


元ネタ
産経新聞『【編集日誌】世論調査の選択肢づくり』
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140702/plc14070207420004-n1.htm