今日のMSN産経ニュース(7/14分)(追記・訂正あり)

■【安倍政権考】新ODA大綱に対中ODA廃止を盛り込め
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140714/plc14071410300007-n1.htm
 そんなことが政治的にできるわけもないでしょう。
まあ、
1)「財政が厳しいから対中国ODAをなくしたい」という反中国以外の理由で
2)中国と交渉して了解を取った上で
ならともかく、産経は「反日国家の癖に」という反中国を理由に、「日中関係が悪化しても構わない、交渉の余地なんかない」というんだから話になりません。
 なお、産経は「対中国無償援助はやらずぼったくり」と思ってるかも知れませんが「なかには日本企業を活用することが条件の紐付き援助もある」でしょうし、紐付きでなくても「日中友好関係の維持」は日本企業の中国ビジネスにプラスの訳です。


河野氏*1の「強制」認定 首相、独断性を指摘「談話作成チームは異なる印象」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140714/plc14071422090019-n1.htm
 河野談話を踏襲するといいながら何故か「河野氏に酷い因縁」をつける安倍です。しかも「談話検証チームの検証結果」云々と言って「俺の意見じゃない」と逃げを打つ汚さ。
 そのうち、河野氏も「不当な非難には反論せざるを得ない」と怒り出すんじゃないですかね。
 もちろん海外(米国、中国、韓国など)からこうした安倍の態度への批判が出るであろう事は言うまでもない。
 ちなみに興味深い朝鮮日報の記事。
朝鮮日報『米政治家、世界初の慰安婦歴史教育法案を再推進』
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/07/14/2014071400610.html

 ニューヨーク州を代表する親韓派政治家のトニー・アベラ上院議員(独立民主カンファレンス)は10日の記者会見で、「慰安婦の歴史など帝国主義時代の日本の犯罪について教えることを義務付ける『慰安婦教育法案』を再推進する」と発表した。
(中略)
 今年2月にアベラ議員がニューヨーク上院に発議した慰安婦教育法法案は、会期最終日の先月18日に上院で賛成41・反対18・棄権2で通過したが、下院での会期内に処理できなかったため自動的に廃棄された。
 「慰安婦教育法」は従軍慰安婦動員を日本の帝国主義による歴史上最大の「反人倫犯罪」行為と規定し、2016年7月1日からニューヨーク州の公立学校児童・生徒たちに教育するという内容を骨子としている。また、教育法第1条の序文に「戦争期間中の女性に対する暴力」という文言を新たに含めるよう義務付けている。
 ニューヨーク韓人保護者協会のチェ・ユンヒ共同会長は「米国ではこの法案が歴史上初めて州議会上院を通過しただけでも大きな意味を持つ。来年には下院でも必ず通過させ、ニューヨーク州が正義と真実を教える米国の先導的な州になるよう、韓国系コミュニティーが協力していく」と語った。

 明らかに「安倍のせい」だと思います。安倍が首相でなければここまで慰安婦問題は「米国政界の重要ネタ」にならなかったでしょう。
 でも、その事実を安倍と取り巻きは認めないんだろうな。「負けてたまるか」と変な敵愾心を燃やして事態をさらに悪化させるんでしょう。


■【主張】知事選自民敗北 慢心への警告受け止めよ
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140714/stt14071403070002-n1.htm
 ただしこの慢心には「強行採決連発」はやはり含まれないようです。「じゃあ、何が慢心なの?。お前慢心って言いたいだけと違うか」と首をかしげます。
 またこの選挙結果から分かることは「アベノミクスは政府が騒ぐほどじゃない」「少なくとも地方経済には全然効果ない(政府が騒ぐほどなら自民勝利でしょう)」ということでしょうが、そういうことはもちろん産経は書きません。

軽視できないのは、そもそも政府が安全保障政策の見直しに踏み込んだことが内閣支持率の低下を招き、選挙の足を引っ張ったとの分析があること*2だ。

 勝ったら「集団的自衛権容認が滋賀県民に支持された」とか抜かしてたであろう新聞が負けたら「地方政治と中央政治は関係ない」なんですから呆れます。

辞任問題には発展しなかった*3ものの、閣僚の失言もあった。

つうのは具体的に何なんでしょうか?。「麻生*4ナチス発言」?。「石原*5金目発言」?


■ホンダが中国に生産移管へ 船舶用小型エンジン
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140714/biz14071417330012-n1.htm
 このように日本企業と中国のつきあいは深いわけです。にもかかわらず反中国の安倍は異常としか言いようがない。


■女性管理職の登用目標、経団連主要企業が公表 資生堂など3社が「30%」明記
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140714/biz14071417210011-n1.htm
 悪いことではないといいたいところですが、「30%」てのは安倍が大宣伝してる目標ですからね。
(安倍による「30%目標の大宣伝」については、たとえば『【産経抄】ガラスの天井 7月14日』http://sankei.jp.msn.com/life/news/140714/trd14071403050003-n1.htm参照)
 「あんたら財界は『反中国・韓国はよしてくれ』と苦言もしないで、どんだけ安倍に媚びてるんだよ」「安倍の30%目標はともかく女性の社会進出という一般論なら安倍以前にだっていくらでもあったやないか、だから男女雇用機会均等法とか出来たんやないんか、もっとはやくこういう動きができんかったんか?、権力者の言動で経営方針がころころ変わるのか?」といういらつきを感じますな。


■【産経抄】ガラスの天井 7月14日http://sankei.jp.msn.com/life/news/140714/trd14071403050003-n1.htm

社会の指導的地位に占める女性の割合を、平成32年までに3割以上とする。

目標立てるのはいいんですけど、あと6年で実行可能とはとても思えませんけどね(特に役所と違って政府が影響力を及ぼしにくい「民間企業の幹部などと言った話」では)。たとえばわかりやすい例だと国会議員なんか「3割」なんて遠い夢でしょう。こういうこというなら「3割目標達成のため、我が自民党は、議員選挙の候補者は当然3割以上を女性にします」「野党の皆さんや公明党も3割以上を女性にして欲しい」とか「今後大臣、副大臣政務官も全て3割を女性にします」「安倍政権だけの力で出来ることはどんどん進めます」位言えよと思いますが、まあ、安倍は言わないでしょうね。
 確実に「3割女性、って俺達現役の男性議員の何人かは引退しろって事か!。誰に引退しろと言うんだ!」「それとも新人議員は今後全員女性になるのか!」「大臣、副大臣政務官が3割女性ってどういうことだ!。そんなのは逆差別だ!」と言う反発が自民党内から出て収まりがつかないでしょうから。
 まあ、本気で3割目標を目指したら、その種の「3割女性って俺達男性の扱いはどうなるんだ!」的な反発はそこら中で起こるでしょうけどね。それに安倍政権が本気で取り組む気があるようには見えないですね。
 単に「女性を増やそう」レベルなら

今月初めに発表された中央省庁幹部人事では、法務省経済産業省で初の女性局長が誕生した。

でもいいでしょうが「6年後3割」目指すならこれじゃまだまだ甘いでしょう。そのあたりどう考えてるんですかね。どうやら「6年後3割を目指します、自民党は女性の活用に本気です、だから初の女性局長が生まれた」レベルで「終了」のようですが。
 いやもちろん「女性局長」それ自体は悪くない。悪くないですけど「自民党が掲げてるハードな目標、6年後3割」とは全然かけ離れてるって話です(まあ、北欧だと「3割」なんか既に達成済みでしょうが日本においてはかなりハードでしょう)。霞ヶ関の場合だと、要するに「6年後に霞ヶ関の中間管理職以上(課長以上?)の3割を女性にします」て話ですからね。「できるの、それ」「できなかったらどうするの?」って話ですよね。
 目標作ったけど「実現できませんでした、てへ」「また新しい目標を作ります」の繰り返しでは「女性の社会進出」はもちろん、それ以外*6でも「あいつら狼少年だろ、××年までにホニャララ、なんて言ったって信用できない」と「政府の本気度」が疑われかねません。まあ、自民党は「政権維持さえ出来れば」疑われてもいいんでしょうけど。「女性の社会進出」なんて票になりませんからね。

能力と意欲のある女性のために、活躍の場を広げる方針に異論はない。ただ、女性の社会進出そのものが目的となってしまえば、本末転倒だろう。

なんか産経は「女性の社会進出は有能な女性を活用して社会に利益を与えるため」「利益がなければ社会進出しなくてもいい」「有能じゃない女性は社会進出しなくていい」と思ってるようですが全然違います。
 誤解を恐れずあえて言えば女性の社会進出は「それ自体が目的」です。もちろん「女性の社会進出」を「数字上達成するために」、その女性の能力に問題があっても無理矢理昇進させるというのは「本末転倒」ですが。
 正確に言えば「女性の社会進出はそれ自体が目的」というのは
1)社会進出したい女性は社会進出できるようにする
2)その場合、その女性が適切に評価され、適切に昇進できるようにする
て話です。要するに「自分の生きたいように生きられる制約の少ない社会ってすばらしい」って話です。
 ただそれだけだと「女性が社会進出できないのは女性に能力がないからだ、以上」で終わっちゃう危険性が高いので3割という「実現できるのかと、言われるほど、そんなに非現実的でもない*7が、そんなん簡単に達成できるから目標作る必要ないだろと言われるほど、そんなに甘甘でもない」数値目標を作ってみました、という話です。もちろん「女性を社会進出させること」で「男性にはなかった視点で社会にメリット」という可能性もありますが、「きれい事を言わせてもらえば」それは本来の目的ではない。
 だからこの後の文章で「メルケル*8はすごい」「サッチャー*9はすごい」「それに比べて朴クネは駄目だ*10」なんて書いてるのはある意味、本当にどうでもいい文章です。そういうこと(立派な政治家を生み出すこと)が「女性の社会進出」の目的じゃないですから。

*1:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長などを歴任

*2:その後安倍は野党の国会質問やマスコミの取材に対し渋々ながら「集団的自衛権が選挙に影響した可能性は否定できない」と語ったようです。安倍ですら「全く関係ない」とは言えないわけです。

*3:というより辞任を求める野党を無視して自公が居直っただけの話ですが。

*4:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て現在、第二次安倍内閣財務相

*5:小泉内閣国交相自民党政務調査会長(福田総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)などを経て、現在、第二次安倍内閣環境相

*6:例:少子化克服、財政再建など

*7:と言えるのかははなはだ疑問ですが

*8:コール内閣女性・青少年問題担当相、環境・自然保護・原発保安担当相などを経て首相

*9:ヒース内閣教育科学相などを経て首相

*10:まあ、「慰安婦問題や靖国問題での態度が許せない」という産経的理由が非難の理由であって「セウォル号事件の対応がなってない」なんてまともな理由でないのは言うまでもありません