今日のMSN産経ニュース(7/20分)(追記・訂正あり)

■【書評】違反してでも憲法守るとは『国家緊急権』橋爪大三郎
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140720/bks14072013000007-n1.htm

国家緊急権について、「憲法や法秩序にあえて違反してでも、憲法や法秩序を守ろうとするアクションをとること」と規定

故意に分かりづらくしてるんじゃないか、あるいは「いわゆる抵抗権と誤解してるんじゃないか?」と思う分かりづらい文章です。
まあ、ウィキペ「国家緊急権」を参考に俺の考えを書けば

テロや大規模災害などで無政府状態的な事態になったときに戒厳令を発動すること

が「国家緊急権」です。その場合、「憲法規定の運用」や「憲法上の機関(議会など)の活動」が一時停止されることがあります。
 戦後には例がありません*1が、戦前日本だと日比谷焼き討ち事件、関東大震災226事件戒厳令が発動されています(ウィキペ「戒厳」参照)。
 まあ、今の日本でそういう事態はちょっと想定できません。*2

この産経記事は

このような事態は今日、極めて現実的な問題で、これまでの憲法論では対処は難しい。

なんて書いてますが、「内戦下のイラク」等ならまだしも、今の日本で「戒厳令発動が検討されるような無政府状態」のどこが現実的なのか。それに「これまでの憲法論」だって「内容の是非はともかく」、戒厳令についてどう考えるかなんてことは論じています。
 なお、「戒厳令発動」が一般的に言って人権侵害や独裁の危険性があることはいうまでもないでしょう。

*1:そもそも現行法上、戒厳令規定がないが

*2:阪神大震災でも東日本大震災福島原発事故含む)でもそんなものは発動されませんでした。「福島を超える」大規模原発事故が起こったら話は別かも知れませんが、その場合考えるべき事は戒厳令でなくて「そういう事態を起こさないための脱原発」でしょう。また日比谷焼き討ち事件のような「警察では対応できないレベルの」民衆暴動、226事件のような自衛隊クーデターも考えられませんね。