7月の日付で9月記事と大幅に日付がずれていますが連続更新の形にしたいので。
■朝日新聞『拉致担当相に山谷氏*1、首相が起用方針 塩崎氏*2も入閣方向』
http://www.asahi.com/articles/ASG913CXWG91UTFK001.html
率直に言って山谷の拉致担当相ってのは正気を疑いますね。
と同時に「現拉致担当相の古屋は安倍の側近のはずだが古屋に対してどういう理解をしてるのか」とか「交渉途中で担当者を変えるのは、混乱を招く恐れがあるので普通愚策とされるが安倍はそうは思わないのか」とか思いますね。
■日経新聞『北朝鮮制裁解除、古屋拉致相「米に事前通知」 』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS01H1Q_R00C14A9PP8000/
古屋圭司拉致問題相は1日、都内の日本外国特派員協会で講演し、日本政府による北朝鮮への独自制裁を7月に一部解除したことについて「公表前に米国に通知している」と述べた。そのうえで「米国にしっかりと説明し、納得してもらっている」との認識を示した。
制裁解除発表後に米国が「不満そうな態度」を見せ、一部から「米国に事前に相談しなかったのか」と批判が出ている事への釈明です。
「何故すぐにそう安倍政権は釈明しなかったのか」「それが事実なら何故米国は不満そうな態度を取ったのか」という疑問はどうしても感じます。
■日刊ナックルズ『【未解決事件の闇2】女性編集者失踪事件の容疑者逮捕...しかし一転無罪へ』
以前荒木和博が自ブログで取り上げた特定失踪者・辻出紀子さんについて触れた雑誌記事です。
http://n-knuckles.com/case/doubt/news001650.html
辻出紀子さん失踪の鍵を握るXを三重県警は翌年1月下旬から9日間、任意同行を求め連日取り調べをした。Xが怪しいと踏んだのは、彼女の携帯電話の通話履歴を調べたところ、(注:失踪した1998年11月)24日当日、何度か辻出さんに電話をかけたことがわかったからだ。
辻出さんの働いていたのは伊勢文化舎*3という地方の出版社。そこの主力雑誌である「伊勢志摩」*4の制作にかかわっていた。一年目小間使いだった彼女も、2年目には特集を任せられるほどに成長した。そして「磯の食べ物を食べる」という特集で、彼女の案内役を務めたのがXだった。
取材後、Xは何度か辻出さんに会い、食事をしたり電話で話したりしている。
(中略)
辻出さんは(注:失踪した1998年11月24日)当日、午後11時すぎに退社し、会社から車で約5分の保険会社の駐車場でXに会っている。伊勢市の中心部からさほど遠くないが夜になると、ほとんど人通りのない寂しい場所。(注:Xの話によれば)辻出さんと会って、車内で1〜2時間一緒にすごしてから、朝方に自宅に戻っている。
任意同行による取り調べで県警はXの犯行だという供述を引き出せなかった。その間、直接的な証拠も揃えられなかった。しかし一方、辻出さん失踪の一年前に東京でホテトル嬢を逮捕監禁していたという疑いが関係者の証言により、浮かび上がってきた。地元の青年会議所に属していた彼は、その関係からか東京に来ることが多かった。上京するたびに会っていたなじみのホテトル嬢の手を縛り、部屋に閉じ込めたというのだ。県警はさっそく(注:ホテトル嬢逮捕監禁の)容疑をかため、Xを逮捕する。2月に入ってからのことだ。
県警は別件で引っ張り、辻出さんの失踪について供述させようという目論見であった。ところがXは徹底的に黙秘を貫いた。別件についてはある程度、話はしたが、被害者のホテトル嬢と話していることが食い違った。
3月に入ると、ホテトル嬢逮捕監禁事件の裁判がはじまった。法廷では被害者による生々しい被害の供述(強姦や暴力)がなされた。監禁中の証拠写真やメモ帳といった物的証拠と供述との整合性が問われ、10月に無罪の判決が降りた。
釈放後、Xは反撃に出た。捜査を担当する県警、そして立件した検察、当のホテトル嬢らを訴えたり*5、日本弁護士連合会に人権救済の申し立てをしたりした。前者の告訴は途中で取り下げたが、後者に関しては日弁連が県警や検察に警告書*6を送っている。
反撃が効力を発したのか、県警は以後、Xに簡単に手出しができなくなってしまった。
獄中にいたときXは、辻出さんの両親と接見、「無罪になれば(辻出さんの件について)お話しします」と約束したが、釈放後、口を開くことはなかった。
そりゃ無罪判決が出た人間には「よほどの証拠でもない限り」警察もうかつに手は出せないでしょう。この雑誌記事だって「X氏に法的措置を執られるのが怖くて」でしょうが実名を出せないわけです(俺が出して欲しいわけではないですが)。
とはいえ「この記事を読む限り」一番怪しいのは「失礼ながら」X氏でしょう。少なくとも警察がそう考えたのは自然でしょう。
荒木のように「これは北朝鮮拉致だ!(もちろんX氏が工作員だという話ではないでしょう)」というのは常軌を逸しています。まあ、「1998年」という失踪時期からしても辻出さんは北朝鮮拉致の可能性は皆無でしょうが。1996年には、朝日放送プロデューサーの石高健次が『金正日の拉致指令』(朝日新聞社)という本を出版し、1997年には拉致被害者家族会が出来ています(ウィキペ「石高健次」「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」参照)。