今日のMSN産経ニュース(7/31分)(追記・訂正あり)

■【主張】中国の権力闘争*1 対外強硬策*2は願い下げだ
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140731/chn14073103090002-n1.htm

中国の習近平*3国家主席にとり最大の政敵とされた周永康*4前党政治局常務委員が、汚職の罪に問われることになった。

 「最大の政敵」ってのは何が根拠なんですかね。周氏が習氏打倒工作(例:習氏や習氏側近のスキャンダル暴露など)に熱を上げて一定の成果を挙げ習氏に「周を打倒するしかない」という恐怖感を与えていたとでも言うのか?。報道を見る限り、そもそも周氏が「政敵」かどうか自体「どうなんかなあ」と思いますけどね。単に「汚職が目に余るし、別に側近でも何でもないから処分しよう」って話に過ぎないんじゃないか。

習主席への権力集中が進み*5、その対外強硬路線*6がさらに強化されることが案じられてならない。

産経らしい変な考えですね。
「周氏が摘発されると習主席への権力集中が進む」ってのは「何が根拠よ?」ですし、「習主席への権力集中が進むと対外強硬路線が強化される」ってのも「何が根拠よ?」でしょう。
つうことは産経的には「対外強硬路線≒かなりの程度、習氏の個人的性格が影響」「習氏が政治力を落とせば*7、あるいは退陣*8すれば現状の路線は変わる」ということなんでしょうか?。胡錦濤*9時代以前は産経にとって「対外強硬主義ではなかった」んでしょうか?。
 なお、産経は「民主的なら対外強硬的でない」と訳のわからないことを考えてるようです。しかし「民主的な米国やイスラエル」が「対外軍事行動」をやらかしてることでわかるように、「民主的」であろうと「政治家を選ぶ民衆が対外強硬的」であるなら「政策は対外強硬的」になるでしょう。民主主義の長所と言うのは「対外強硬路線が防げる」なんてことではない。「下野の可能性で、政治に緊張感をもたらす」と言うのが長所でしょうね。ただ「自民党長期政権」のように下野の可能性が低いとその長所「政治の緊張感」もあまりありませんが。

習指導部の強硬姿勢は当然、国内にも及ぶ。少数民族ウイグル族に対する弾圧が続く新疆ウイグル自治区では、それへの抵抗とみられる流血事件がまた起きた。

 「何だかなあ」ですね。いい悪いはともかく、ウイグルでのもめ事は習体制になってから始めて起こった話じゃないでしょうに。

*1:まあ、その可能性は当然あるでしょうが「そうだと決めつける」のもおかしいでしょう。

*2:後で突っ込みますが何を根拠に「対外強硬策が助長されるかも」と言い出すのか訳がわかりません。

*3:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*4:中国石油天然ガス公司総経理、国土資源大臣、四川省党委員会書記、公安大臣、党中央政法委員会書記(党中央政治局常務委員兼務)などを歴任

*5:前任者の胡錦濤氏、前前任者の江沢民氏も同じで習氏限定じゃないですが、「党トップ(党総書記)」、「国家トップ(国家主席)」「軍トップ(国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席)」の三職を兼務する時点で周氏摘発をしなくても既に権力はかなり集中しているのですが。なお、毛沢東は党トップ(党主席)のみ、トウ小平は軍トップ(国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席)のみですので役職だけ見れば江沢民氏以降の方が権力は集中しています。

*6:というほど、対外強硬か?て気がしますが

*7:そうするとナンバー2の李克強首相の力が強まることになるんでしょうか?

*8:もちろん当分退陣しないわけですが

*9:貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席