【張成沢失脚後の】今日の北朝鮮・韓国最新ニュース(8/6分)(追記・訂正あり)

8月の日付で9月記事と大幅に日付がずれていますが連続更新の形にしたいので。

朝日新聞アジア大会出場の北朝鮮選手団、仁川入り 国威発揚狙う*1
http://www.asahi.com/articles/ASG9D4Q0NG9DUHBI00Z.html
 とりあえず参加はしたようでそれは幸いだと思います。不参加ってのは一番まずいでしょうからね。


朝日新聞北朝鮮最高裁アメリカ人観光客に労働教化刑6年』
http://www.asahi.com/articles/ASG9G6751G9GUHBI01S.html
 もちろん平和的解決(早急な観光客の解放、米国への帰国)を望みます。とはいえ「米国人のこと」なのであまり興味はないですね。米国が無茶苦茶な強硬策とって朝鮮半島で戦争が勃発、日本にとばっちりが来るようなことがなければ、基本的に「米朝二国間関係」のことですからね。米国だって日本の拉致問題にぶっちゃけ興味ないでしょうからお互い様です。


産経新聞『墓参遺族が北朝鮮に到着 5人が23日まで滞在』
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140915/kor14091520550007-n1.htm
産経新聞『慰霊、思い出の地に 北朝鮮墓参で遺族ら』
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140917/kor14091720400009-n1.htm
 交渉路線に移行したから墓参ができ、また「北朝鮮の遺骨を日本に持ち帰れる可能性」が出てきたわけでご遺族が「交渉の継続を望む」のは当然でしょう。つうか救う会に扇動されて「北朝鮮の回答に納得行かない場合は交渉打ち切っても構わない」という拉致被害者家族会の態度の方こそ変ですよね。


東洋経済オンライン『北朝鮮の対外窓口、羅先市に集まる海外企業・環日本海経済研究所の三村光弘調査部長に聞く』(福田恵介・週刊東洋経済 副編集長)
 大変興味深い記事ですので大幅に引用します(小生が重要視しないところは一部省略もしていますがいちいち「中略」などとは書きませんのでご注意を)。

http://toyokeizai.net/articles/-/47785
 金正恩*2体制になり、経済を回復させようとあらゆる政策を打ち出している北朝鮮。昨年には「経済開発区法」を制定し13カ所の経済開発区を指定、さらに今年には地方級の6カ所を指定している。
 北朝鮮にはすでに中国東北部*3、ロシアと国境を接する「羅先経済貿易地帯」がある。1991年に設定されて以降、浮き沈みを経ながらも北朝鮮の対外窓口としての役割を果たしてきた。今年8月18日から21日まで、この羅先で「羅先国際商品展示会」という経済イベントが開催された。北朝鮮国内や中国、欧州などの企業が各社製品などを展示・販売するイベントで、投資説明会も開催された。
 朝鮮中央通信などの報道によれば、展示会全体で約70種類、6万4000点の製品が展示されたという。また、北朝鮮の企業も20社が参加したようだ。北朝鮮経済に詳しく、同期間に羅先を訪問してこの展示会にも出席した環日本海経済研究所(新潟市)調査部の三村光弘部長に、現地の様子を聞いた。

 北朝鮮北朝鮮なりに「中国型改革開放やベトナムドイモイ」を参考にした改革開放を目指してることが分かります。巣くう会のような日本ウヨは「北朝鮮には改革開放の意思がない」と無茶苦茶言うことがありますが、「北朝鮮版改革開放」が成功しているか、あるいは成功の見込みがあるかはともかく「改革開放の意思」それ自体はあるわけです。「改革開放の意思」を否定する物言いは眉唾というか嘘と言っていいでしょう。

Q:
 海外企業はどこの国が多かったでしょうか。
A:
 やはり中国だ。特に国境を接する吉林省遼寧省の企業が多い。
 太陽電池ではA2判ぐらいの大きさで、大きめの発光ダイオードやテレビの電源として使えるようなものが、電池とインバータ込みで2000元〜5000元(約3万5千円〜9万円)程度で売られていた。
 これは、電力事情がまだよくないということに加え、羅先市民の懐具合がよくなってそのような製品を買えるようになったということだ。また、中国で売られているような電気自転車も2500〜3000元(約4万2000〜5万円)程度で売られていた。実際に、羅先市内で電気自転車に乗っている人も少なからずいた。

 過大評価はできないでしょうが北朝鮮の改革開放も「一定の成果は出ている」のでしょう。

Q:
 最近の北朝鮮は、(注:伝統的に関係の深い隣国・中国だけでなく)ロシアや国交を持つ西欧との関係も強化しています。それら地域からの企業も来ていましたか。
A:
 ロシア企業やイタリア企業が参加していた。ロシア企業はすでに羅先で貿易会社を設立し、食品や日用品を販売、また市内でレストランも運営している。イタリア企業は衣服関連だ。OEM(相手先ブランドによる生産)で中国で製造し欧州で販売しているものを展示していたようだ。

 北朝鮮が国際社会からただただ孤立しているかのような巣くう会の主張は明らかに一面的でしょう。

Q:
 (注:商品展示・販売会と)同時に投資説明会も開かれたと聞いています。また、2012年から約2年間で中国からは40社程度が進出しているようです。
A:
 外交的に日本からはまだ投資できるような環境ではないが、最も羅先と距離が近い中国、ロシア企業からもまだ容易に投資できる状況ではないだろう。
 中国からも、大企業が率先して投資するようにならないと、ほかの中小企業は投資できない。リスクがある国には、投資法制上でも、投資は簡単ではない。中国・吉林省は「羅先経済貿易地帯朝中共同開発および共同管理管理委員会」を設立して、中国企業の権利保護・紛争処理なども扱おうとしている。
 要は、トラブルが起きても投資企業が安心できる体制をつくっていくことが先だろう。それでも、共同開発・共同管理のスキームが動き出した2012年以降に(注:中国から)約40社が進出しているのは多いとは思う。

つまり
1)まだ本格的投資話は歴史的に関係の深い中国との間でも進んでいないが
2)中国、北朝鮮は投資の阻害要因を除去しようと動いているし
3)中国から現時点で40社進出しているのも決して少なくはない
4)従って今後投資が本格的に進む可能性も否定できない
という話でしょう。


 羅先市内はどのような様子でしたか。

 昨年と比べて明るくなった。特に、市内の「商業物流中心」という施設周辺は人通りも多く、明るい。中国からの進出で、カネ回りもよくなったようだ。また、中国人観光客も入るようになり、さらに経済的に活気を帯びていた。1日300人程度が1泊2日で入るツアーが開始され、宿泊したホテルもにぎわうようになっている。

 羅先は以前に比べ豊かになっているがそのメインが中国であることは「貿易相手先、観光旅行客を多様化したい北朝鮮」にとってはまだまだ不満があると言う事でしょう。

*1:国威発揚」なんてのは北朝鮮に限った話ではなく書く必要ナッシングでしょう。日本メディアの北朝鮮への敵対意識は異常すぎです。北朝鮮批判は当然していいのですが「こじつけ的批判」してもばかばかしいだけです。

*2:国防第一委員長、朝鮮労働党第一書記、朝鮮人民軍最高司令官

*3:遼寧省吉林省黒竜江省の東北三省