今日のMSN産経ニュース(8/9分)(追記・訂正あり)

■【海外事件簿】「買い物をしろ!」ツアーバス運転手が中国人観光客を殴打 台湾旅行業界のブラックぶり
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140809/chn14080907000001-n1.htm

 台湾の大衆紙蘋果日報の8月1日付記事によると、被害に遭ったのは中国河南省から来た専門学校の女性教師(40)。母親を含む計15人の団体で7泊8日の台湾一周旅行に訪れた。台湾到着後は、台北故宮博物院阿里山など観光名所をめぐった。
 7月30日には、台湾南部、高雄市で宝石店に連れて行かれたが、ガイドから「店にいる時間が短い。会社から怒られるから付き合って」と言われ、店内に約1時間、缶詰にされた。
 この女性は同日夜、南東部の温泉地、知本で街に出たところ、ツアーバスの運転手の男ら4人に「ちょっと来い」と囲まれ、殴る蹴るの暴行を受けた。男らは、ガイドから女性が宝石店で買い物しなかった上、他の旅行客が買うのも止めたと聞き、憤慨していたという。
 女性は近くのコンビニ店に駆け込んで難を逃れたが、今度は事件を聞きつけた村長が「客人を守れなければ、知本温泉がやっていけなくなる」と激怒。村民約100人を引き連れて警察署を取り囲み、「今すぐ犯人を捕まえろ」と要求する騒ぎになった。警察は31日未明、ようやく4人を探し出して拘束した。
 台湾の旅行会社は、同紙に対し、「土産物店での買い物を強制することは絶対にない」と強調。運転手ら関係者の処分を約束した。
 この女性が7泊8日の台湾一周旅行に支払った代金は、航空運賃込みで約1万7千台湾元(約5万8千円)。こうした低価格旅行は「零団費(団体費用ゼロ)」旅行と呼ばれる。中国の旅行会社が低価格で団体客を募集し、現地到着後の旅費は全て現地側旅行会社が負担する方式で、すでにタイや香港で問題化している。
 6月30日付の聯合報によると、台湾一周8日間の場合、航空運賃を除いて12万5千〜20万円が採算ラインだというから、女性の旅費の安さが際立つ。
(中略)
 現地の旅行会社は、土産物店から取る紹介料でコストを回収する。8日間で多い場合は、土産物店10カ所を回る。旅行会社は客が支払った土産物代から定率の払い戻しを受ける。中には、ガイドに給与を支払わず歩合制にし、旅行客に買い物させるよう仕向けている会社もあるという。
 紹介料を取られる土産物店側も、不当に高い価格で売りつけるようになる。
(中略)
 中国は昨年10月、旅行法を改正し、買い物などでの払戻金を想定した不当に低い価格の旅行の手配を禁じた。だが、実態は抜け穴が多いようだ。中国で台湾政策を主管する国務院台湾事務弁公室の張志軍*1主任は6月末、北京を訪れた台北の●(=赤におおざと)龍斌*2市長と面会した際、中国人客が不当に高い価格で買い物をさせられている現状は「非常に深刻だ」と改善を要求。●(=赤におおざと)氏も、台湾人は中国人が買い物のためだけに来ていると思い「印象を悪くしている」として、中台双方の関係部門が改善に向け意思疎通を図ることを提言した。

 で、まあ、土産物屋で買わなかった女性はそういう裏事情をよくご存じだったんでしょう。
「旅行会社が紹介する土産物屋はたぶん通常価格より相当、割高のぼったくり価格だから買わない方がいいわよ、私も買わないから、土産物屋以外で買った方がいいわよ」と。
 で「俺達が儲からないじゃないか、あの女ふざけんな」とマジギレした旅行会社社員が暴力沙汰に及んだと。客からすれば「知らんがな、そんなの、あんたらの紹介した土産物屋で買うことは義務じゃないやん」て話ですけど。
 しかし暴力沙汰に及んだ旅行会社社員と言い

事件を聞きつけた村長が「客人を守れなければ、知本温泉がやっていけなくなる」と激怒。村民約100人を引き連れて警察署を取り囲み、「今すぐ犯人を捕まえろ」と要求する騒ぎ

といい台湾人って相当過激なんですかね。日本で「警察署を取り囲む」なんてやったらそれこそ公務執行妨害で即逮捕されかねないんじゃないか。
 いずれにせよ、そういう無茶苦茶な安売りツアーをやりたくなるほど「中国人観光客は魅力的」なんでしょう。こういう状況下で産経の言うような「台湾の反中国」なんかあり得ない。
 まあ、いずれにせよそういうブラック旅行を野放しにすることはいい事じゃないので改善して欲しいですね。

*1:中国共産党中央対外連絡部副部長、外交部副部長などを経て現在、国務院台湾事務弁公室主任

*2:1993年、李登輝総統・国民党主席の独立路線に反発し国民党を離党、新党を結成。2001年、陳水扁民主進歩党政権で環境相。しかし陳政権の「台湾独立住民投票」に反発し、2003年に大臣を辞任。2006年、国民党に復党し、同年に行われた台北市長選挙で当選。現在、二期目。