今日のMSN産経ニュース(8/10分)(追記・訂正あり)

■【山本雄史のだんじり政論】マスゲーム高麗人参酒で“接待”攻勢 金丸*1訪朝団 24年目の真実
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140810/plc14081017390015-n1.htm
 まあいつもの産経です。金丸訪朝を評価したくないからでしょうが、第18富士山丸船長が解放されたことには少ししか触れません。
 文章のほとんどは「産経が親北朝鮮と見なす」金丸氏(故人)への批判であり、「ああ、産経って本当に北朝鮮が嫌いなんだな」と改めて実感できます。何せタイトルが「マスゲーム高麗人参酒で“接待”攻勢」ですからね。「24年目の真実」と言う割には「北朝鮮の接待攻勢がすごかった」という話しか出てこず「衝撃の新事実」などは特に何もありません。なお、この金丸訪朝で「拉致問題の解決や国交正常化」が実現すれば良かったのですが残念ながらそうはうまくいきませんでした。


■【書評】『葛根廟*2事件の証言 草原の惨劇・平和への祈り』興安街 命日会編
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140810/bks14081011350005-n1.htm
■『【挿絵で振り返る「アキとカズ」】(19)ソ連軍が日本人1000人を虐殺した葛根廟事件を忘れてはならない』
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140810/art14081007000001-n1.htm
 日本の戦争被害を忘れないことはもちろん大事ですが、産経の場合「南京事件などの加害はなかったこと」にするので「何だかなあ」と思いますね。「葛根廟事件を忘れるな」というなら「南京事件を忘れるな」などといった中国や韓国の思いにも理解をすべきでしょうに。こういうのは数の問題ではないとは言え、南京事件なんて「1000人」どころか通説的見解では犠牲者は10万人超えてます*3からね。
 なお、この葛根廟事件については
東京新聞終戦前日、国は見捨てた 旧満州・葛根廟事件 生存者が証言集』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014071902000138.html
という記事を書いていますが産経と東京のスタンスの違いが面白い。
 産経は葛根廟事件の実行者・ソ連の批判しかしません。一方、東京はソ連批判を勿論しますが、「日本人を見捨てた関東軍を批判*4した」上で「二度とあの悲劇をおこしてはならない」と反戦平和を唱えるわけです。


産経新聞ソウル支局長を「出国禁止に」 韓国で報道
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140809/kor14080923220004-n1.htm
 この記事に小生がつけたブクマ。

http://b.hatena.ne.jp/entry/sankei.jp.msn.com/world/news/140809/kor14080923220004-n1.htm
 出国禁止が強制措置か、単なる要請(無視も可能)かはともかく取り調べ受けてる人間に「自由に出国していい」というのおかしいだろ。逃亡したらどうするんだよ。かつこんな時期に出国したらそれこそバカだし。

正直、どこの世界に取調中の犯罪被疑者に「自由に出国していいよ」なんていう国があるんでしょうか。
そして産経ソウル支局長だって言われなくたって、彼がよほどのバカでない限り「国外逃亡を疑われるような真似(この時期の出国)」*5なんかしないでしょう。
と思っていたんですが、まあ「ブクマがバカの見本市」というか、はてなブックマークが「韓国酷い!」の大合唱てのは呆れますね。
 ちなみにMukkeさんも大合唱の一人なのであの方には改めて「ああ、あの人とは絶対わかりあえないな」と確信しました(それとも俺が産経は自業自得だというブクマをつけたのを見て、逆張りすることにしたんでしょうか。どっちにしろあの人とわかり合えるとも、わかり合いたいとも思いませんが)。 それはともかく、はてな民はそんなに産経が好きなのか、はたまたそんなに韓国(あるいは朴クネ政権*6)が嫌いなのか。
 ほとんど俺の視点では「アホか」と言うブクマばかりですがいくつか共感したブクマ(メタブを含む)を紹介しておきましょう。

http://b.hatena.ne.jp/entry/sankei.jp.msn.com/world/news/140809/kor14080923220004-n1.htm
・coper
 市民団体からの告発を受理した検察が告発された側からの聴取を設定、聴取を確実に実施するために出国禁止措置。至って普通の流れ。
・nakag0711
 法治主義が云々というブコメがあるがこれ韓国の国内法的に違法な処分なの?
・koinobori
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/140803/kor14080312000001-n1.htm が問題の記事?(注:現地マスコミ報道*7を紹介しただけなのに不公平だと産経を擁護する人がいるが)現地報道が書いていない部分を付与してるので産経のみ問題視はわかる。
・ksaitou
 韓国批判につながるネタはまずは真偽を疑うこと。これもデマの可能性がある。なにせ(注:日本マスコミ、特に産経の韓国非難がデマだったと言う)実績はあまりにも多いのだから。
・hyolee2
 (注:名誉毀損親告罪の日本と違って)告発は(注:被害者でなくても)誰でもできる。←なお、虚偽の告発は誣告罪*8になるので注意
・Gl17
 国会招致だ何だと、政敵*9へ圧力キャンペーンに夢中になってたら特大ブーメランが。産経右派の敵方相手なら、やましい点無きゃ構わないだろとか言われるとこ。ただ産経は擁護学校訴訟とか名誉毀損はガチ敗訴歴がある。

http://b.hatena.ne.jp/entry/b.hatena.ne.jp/entry/sankei.jp.msn.com/world/news/140809/kor14080923220004-n1.htm
Gl17
・はてサは(注:韓国検察に)文句言うべき、と言う人らはまず自国で(注:政権与党の)政治的圧力を非難しないまでもホルホルすんの辞めてからな。そもそも事実関係の正当性が未だ不詳で、そこに問題があれば不当な方を非難するけどさ。
・Lhankor_Mhy
 もし韓国の法律で、名誉棄損が当人以外でも告発できて微罪でも出国拒否の要件となるなら、法律上の不備って感じがする。検察は粛々と処理しただけかもね。
・coper
 事件化しないという検察の判断の前に告発された側が自由に出国できるような司法制度は普通に考えておかしい。自由に出国可能なら告発された側は逃げ放題だろ。

 まあ、coper氏の言ってる事はほとんど俺と同じですね。

http://b.hatena.ne.jp/entry/b.hatena.ne.jp/entry/b.hatena.ne.jp/entry/sankei.jp.msn.com/world/news/140809/kor14080923220004-n1.htm
・Lhankor_Mhy
 allmanbrothers、いやあどうだろ、一部のブコメは「マスコミ関係者が名誉毀損で出国禁止」ということ自体を問題にしてるよね。あと、日本でも「名誉毀損で告訴→出国拒否」は合法な手続きでできそうかな。

【8/11追記】
 ちなみに産経問題についての韓国紙の報道。

http://japanese.donga.com/srv/service.php3?bicode=080000&biid=2014081155588
東亜日報社説『産経新聞の韓国冒涜は度を越えた 』
 検察が12日、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の名誉を毀損しているとの告発を受けた加藤達也・産経新聞ソウル支局長に、検察に出頭するよう求めた。同紙は3日、「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」という題名の電子版の記事(http://sankei.jp.msn.com/world/news/140803/kor14080312000001-n1.htm)で、朴大統領がセウォル号沈没事故発生当日、ある男性と密かに会い、その男性は朴大統領の補佐官で最近離婚したチョン・ユンフェ氏だったと報じた。
 同紙は、「韓国国会内での議論や韓国紙、朝鮮日報に掲載されたコラムなど、公開されている情報を中心に、それらを紹介するかたちで書かれている」としたが、内容を読んでみると、記事の出処の中心は証券街の情報誌だ。セウォル号沈没事故の当日、朴大統領の行動に関する金淇春(キム・ギチュン)秘書室長の国会答弁の内容を詳細に紹介したが、朝鮮日報のコラムと証券街の情報誌を巧妙に配合し、かえって疑惑を増幅させた。
 同紙が、証券街の情報誌を事実確認もなく報道したことは、同紙の低劣な水準を示す。外国特派員は取材の限界のために現地の報道を引用して記事を書いたりもする。しかし、そうする時も現地報道の出処が確認されなければならない。同紙が引用した朝鮮日報のコラムもうわさを扱ったものだった。うわさを扱ったコラムがニュースのソースになれないのは、言論人には一種の常識だ。
 産経新聞は、保守嫌韓新聞として悪名高い。今年3月、朴大統領の外交政策を「告げ口外交」と呼び、「告げ口外交は民族的習性」と言った。野田佳彦*10元首相が、朴大統領の外交を「女学生の告げ口のようだ」と言った性差別的発言*11をそのまま引用して新聞の用語として書いたのだ。今回問題になった報道も、朴大統領が独身女性であることを念頭に置いた女性卑下の性格が強い。非常識な韓国卑下記事で日本国内でも批判を受けている新聞であるとしても、韓国人全体が侮辱を感じるほどなら、かなり度を越えている。
 韓国憲法は、言論と表現の自由を保障しているが、他人の名誉を毀損し、人格を冒涜する自由までは許されない。大統領府は、産経新聞の報道を国家元首に対する冒涜と見なし、民事・刑事訴訟などの対応を準備しているという。検察捜査は検察に任せ、大統領府まで乗り出すことは言論の自由に対する侵害と映るため望ましくない。ただ、産経新聞のような低劣な新聞を日本の他のメディアと同等に扱うことはできない。政府も取材制限など適切な措置を講じなければならない。

 太字部分は小生による強調ですが東亜日報には全く同感です。産経への韓国検察捜査は言論弾圧ではなく産経の自業自得でしょう。


■【新・仕事の周辺】浮かび上がった「特攻の真意」 神立尚紀*12(ノンフィクション作家、写真家)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140810/bks14081009190001-n1.htm
 産経らしいいつもの「特攻隊員は国のため命を捨てたんだ、無駄死に呼ばわりは隊員の真摯な思いに失礼だ」という奴です。実際問題、軍事的成果はなく、無駄死にでしかない*13し、しかも自然発生的に自主的にやったわけではなく「国策として強制でやらせた」わけです。こんなもん正当化できるわけがないでしょう。


■【鼓動】中国広州*14にアフリカ人不法滞在10万人超 犯罪増、地元住民とトラブル
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140810/chn14081007000001-n1.htm
 「中国てやっぱ経済大国なんだ」と実感できる記事ですね。中国へ行けば飯が食えると思ってアフリカからはるばる中国へ行くわけです。まあ、「中国へ行かないと飯が食えないアフリカの惨状」「中国で今起こってるアフリカ系移民と地元住民の対立」は何とかして欲しいとは思いますが。


■【衝撃事件の核心】中国に屈した「ハリウッド」の“失いしもの”…もう独裁批判の作品は創れない
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140810/wlf14081007000018-n1.htm
 娯楽映画「トランスフォーマー」が中国市場狙いで「ロケ地が中国」「出演俳優が中国人」「中国商品の宣伝がすごい*15」からといって、「ハリウッドはもう中国一党独裁批判の作品は創れない」てことはないでしょう。この種の娯楽アクション映画とシリアスな政治批判映画とでは製作スタッフ*16がたぶん違うでしょうし。
 しかし、まあ、産経みたいに無意味に中国に喧嘩売るような「反中国・反共作品」はさすがに作らなくなる(作れなくなる)んでしょうね。それを「反中国の産経」は希望しないでしょうがどうしようもない。まともな中国批判作品ならともかく産経レベルの反中国作品なんか作れるわけないし、作らなくていい。

 8月8日に日本で公開された米映画「トランスフォーマー/ロストエイジ」が中国で大ヒットを記録した。公開日の6月27日から11日目にして興業収入が歴代1位に。全世界の3分の1近くにあたる3億ドル(約300億円)以上も(注:中国市場で)稼いでいるという。
(中略)
 シリーズ4作目となる同作品は中国企業との合作とするなど中国市場を意識した作品に。ただ、こうした製作方針には、専門家から疑問の声もあがっている。
(中略)
 エンターテインメントのニュースサイト「デッドライン」などによると、同作品は公開11日目でこれまで中国での歴代1位だった「アバター」(2009年)の2億2190万ドル(約221億9千万円)を抜き、1位となった。7月20日には3億ドルを突破したといい、全世界の興行収入の3分の1近くを(注:中国市場で)稼いでいる計算だ。
 大ヒットの背景には、配給元のパラマウント・ピクチャーズの戦略がある。
 中国は自国の映画産業を保護するため、外国映画の上映本数などを制限していいる。このためパラマウントは中国国営の中国電影頻道と提携、中国企業からも支援を受けて、米中合作の作品とすることで、審査をパスした。さらに、中国の人気女優リー・ビンビン*17を起用。中国各地でロケも敢行。中国での人気拡大の布石を次々と打っていた。
 ただ、こうした戦略には疑問の声もあがる。キーン氏*18AP通信に対し、こう指摘している。
 「チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世のように中国政府が敏感に反応するような事象*19は取り上げられなくなる。中国市場に入り込むためには」
 バラエティーによると、パラマウントは今後、中国最大の配給会社・中国電公司と共同でアクション大作「マルコ・ポーロ(原題)」を製作するという。
 13世紀にアジア各地を旅行し、当時の中国*20などを欧州に紹介した「東方見聞録」を執筆したイタリア商人、マルコ・ポーロの人生を描いた作品で、中国を舞台にしたアクション映画になる予定(中略)だ。
(中略)
 英BBC(電子版)は、重慶武隆カルストツーリズムという観光会社が、映画をめぐる契約違反があったとして制作会社やプロデューサーを訴えると伝えた。有名なカルストの風景を作品中に登場させるという契約を結んだが、実際の映像では香港でのシーンとちりばめられた格好になっていたといい、それが契約に反するというのが理由だ*21。さらに公開前には、北京を拠点とする不動産会社が、同社の所有するホテルが映画のポスターと予告編に使用されていないなどとして、契約違反で提訴するケース*22もあったとされる。

参考
■映画評論家町山智浩アメリカ日記『たまむすびで「トランスフォーマー:ロスト・エイジ」』
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20140805
■『町山智浩が語る トランスフォーマー/ロストエイジが映画界に与えた衝撃』
http://miyearnzzlabo.com/archives/19222
 町山のエントリ『たまむすびで「トランスフォーマー:ロスト・エイジ」』は町山の「たまむすび」出演動画がはってあるだけで、その動画を文字起こししたのが『町山智浩が語る トランスフォーマー/ロストエイジが映画界に与えた衝撃』です。
 町山曰く、アメリカ人の主人公が何故か中国建設銀行のカードを持ってるとか、「ギャグなんだろうか?」と思うほど宣伝の無理矢理感がすごいそうです。まあ、映画やテレビドラマに提携会社の商品入れること自体は昔からありますけどね。「ポパイのホウレンソウ」と言うのもアレは確か、「ホウレンソウ缶詰メーカー」とのタイアップの訳です。なお、町山は「今後はこういうのが主流になるのか」「行きすぎたプロダクトプレイスメントだ」と嘆いていますが、さすがに主流にはならないでしょう。
 「トランスフォーマーの過剰なプロダクトプレイスメント」は、あくまでも「面白ければ、論理的に問題が多少あっても構わない娯楽映画だから」と言う面が大きいでしょうね。全ての映画が無理矢理なプロダクトプレイスメントをするなんてことはありえないでしょう。


■人民日報『<動画>「トランスフォーマー4」に再び中国人出演者 鄒市明が出演』
http://j.people.com.cn/n/2014/0603/c94689-8736154.html
 町山の言う「トランスフォーマーに出演してる中国人金メダルボクサー」が鄒市明氏*23です。


【2014年8/21追記】
ライプツィヒの夏「経済のほうが政治よりよっぽど現実(実状)に正直だ」の実例(ハリウッド編)」(http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/1c8312a3983278b961a1d57d1dda94f9)が産経記事を取り上げてるのでコメントしてみます。

なおこの記事は、bogus-simotukareさんの記事よりヒントをいただきました。ありがとうございます。

いやこちらこそいつもありがとうございます。

>しかしキーン氏の指摘通り、今回の戦略が今後も採用され続ければ、民族問題や貧富の格差など多くの問題を抱える中国の事象を的確にとらえることは不可能になる。


 いや、それはないんじゃないんですかね。作りにくくなる、っていうことはあっても、「不可能」ってことはないでしょう。メジャーでなくったってインディーズで有名な監督が参加するってことだってあるし、また「トランスフォーマー/ロストエイジ」のような娯楽映画といわゆる社会派映画では、資本もスタッフも観客層も、往々にして俳優も違うし。別に中国の暗部を描くのに、中国本土でロケをしなくてもいいし、中国政府の協力をいかに得ないで制作するかというのも、そのあたりはプロデューサーの腕でしょう。

 全く同感です。まあ、「金にならない上、中国に恨まれるので」メジャーどころは作らない、とか、メジャーどころは配給しないと言う事はあり得ますが、そんなの日本で「原発批判ドキュメンタリー映画をメジャーどころは製作も配給もしない(金にならない上、電力会社に恨まれる)」のと同じ話でしょう。

 ただ、産経新聞が好むような、非常識な反中国映画とか、無意味にケンカを売るような映画が製作されにくくなる、っていうことは確かでしょうね。そしてそれはいいことでしょう。そんなもの作ったってしょうがないとしか言いようがない。

 全く同感です。

 ただ、これは別に中国に限りませんよね。日本だって同じでしょう。日本のメジャーな映画会社が、中国を(産経新聞みたいなレベルで)露骨に敵視するような映画を製作するというのはあまり現実的な話ではないでしょうし、またそれでいいでしょう。そんなものをつくったって、日本に全体として益するところはありはしない。そして米国だって、昔はいざ知らず、いまの時代は日本をそんなに露骨に馬鹿にするような映画やキャラクターを製作したり登場させるわけにもいかないでしょう。たとえば「ティファニーで朝食を」に出てくるデフォルメされた日本人のようなキャラクターは、いまの米国映画では出てこないしまたそれが当然です。
 中国だって韓国だって同じことでしょう。ブルース・リーの「ドラゴン怒りの鉄拳」だって、あれははじめから日本への輸出など考えもしなかったから制作されたわけで、そうだからあれだけ日本人が悪役なわけです。

 「ティファニー」や「怒りの鉄拳」だとそうした問題点(?)を気にさせない魅力(ヘップバーンの美貌やリーのアクション)があるし、「昔の作品だから」問題視する日本人も少ないわけですが、今ああいう描写で日本で一般公開できるかといったらまあ無理でしょうね。向こうもそういう日本人描写はしないでしょうが。
 なお、小生、「ティファニー」は見たことがありますが、「怒りの鉄拳」は見たことがない。ですがウィキペ「ドラゴン怒りの鉄拳」「霍元甲」でどういう内容かおおよその想像はつきます。

ドラゴン怒りの鉄拳(ウィキペ参照)
 日清戦争日露戦争大日本帝国が勝利した数年後の1909年、清朝末期の上海で、中国武術の大家・霍元甲が謎の死を遂げた。
 霍元甲がその年創始した精武館(上海精武体育会の前身である上海精武体操学校がモデル)の愛弟子の陳真(ブルース・リー)は悲しみに暮れながらも師匠の突然の死に疑問を抱く。
 時を同じくして始まった日本人柔道場からの執拗な嫌がらせ。ある夜陳真は、精武館に使用人として日本人スパイが紛れ込んでいる事を突き止め、やがて師匠の死の原因が、精武館を脅威だと感じた日本人柔道場主・鈴木寛(橋本力)の陰謀だと知り、陳真はたった一人で復讐の闘いへと向かっていく。

霍元甲(ウィキペ参照)
 中国の武術家。秘宗拳を広めたことで知られる。
 1909年には、上海精武体操学校(上海精武体育会の前身)を創設する。また、上海の静安寺路における公開試合に勝利した。霍元甲は、この試合で日本人武術家に勝ったことで怨みを持たれ、日本人に毒殺されたとの逸話が広く知られているが、これは全くの俗説である。彼の親族や弟子たちの証言によると、この試合はあくまでも友好的なもので過激な内容ではなく、彼は持病の肝硬変により死亡した。当時の彼は、肝臓を病んでいたことが知られており、(肝臓病が原因の黄疸により)「黄面虎」と呼ばれていた。
 毒殺説は、小説などにおけるフィクションに過ぎないが、映画『ドラゴン怒りの鉄拳』等のメディアを通じて広く流布している。
 2006年、彼の生涯を描いた香港映画『SPIRIT』が公開された。撮影時、霍元甲が死亡した年齢と同じ年齢のジェット・リーが主役を演じ、中村獅童が日本人武術家・田中安野役で出演した。

気になるのは2006年の香港映画「SPIRIT」ですね。普通に考えれば「ドラゴン怒りの鉄拳」の焼き直し、つまり「悪辣な日本人を正義の中国人がたたきのめす」で「ブルース・リーの役=ジェット・リー(正義の中国人)」、「橋本力の役=中村獅童(悪辣な日本人)」でしょうが、果たしてそうなのか。
 中村獅童出演と言う事はさすがにそうではないのか。それとも「『怒りの鉄拳』の焼き直しだから問題ねえよ」「日本での一般公開も予定してないし」という話で獅童も「日本人の悪辣な描き方」に「娯楽映画だから面白ければいいんだ」と特に不満もなかったのか。

SPIRIT (ウィキペ参照)
・『SPIRIT』(原題:霍元甲)は、2006年の香港・アメリカ合作による清代末期に実在した武術家霍元甲を描いたカンフー・アクション映画。
■あらすじ
 清代末期。名門武家に生まれた霍元甲は、父・霍恩第から病弱だと言う理由で、武術を教われなかった。だが、兄や他の弟子たちの練習をこっそりと盗み見、親友のジンスンの助けも借りながら、独学で習得して行った。やがて、成長し、大人になった元甲は、連戦連勝。天津では彼に敵う者はいなくなっていた。親友のジンスンすら止められない傲慢さから恨みを買い、母親と娘を趙一門に殺されてしまう。
 生きる意義を見失い、川へ身を投げた元甲は、山奥の村へと流れ着く。流れ着いた先には、盲目の娘ユエツーと孫おばさんなどの純粋無垢な農民たちがいた。名を偽り、村民たちと生活していくうちに、次第に生きる希望がわいてきた。数年ぶりに戻った我が家は何も変わっていなかった。親友のジンスンが自分の家財道具を売り払ってでも、そのままにしておいてくれたのだ。
 しかし、中国は大きな脅威にさらされていた。西洋の力持ちが「東アジアの腰抜けどもをやっつけてやる」と息巻いていた。この力持ちオブライアンとの対決で勝利した元甲は1910年6月1日、上海精武体操学校(上海精武体育会の前身)を設立する。これに危機を抱いた日本人の三田(原田眞人)らが、異種格闘技戦を企てる。
 1910年9月14日、異種格闘技戦が始まった――。

*1:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、副総裁(宮沢総裁時代)を歴任

*2:当時の満州国興安総省の地名(今は中国内モンゴル自治区

*3:東京裁判の認定もそうです

*4:ソ連を免罪する気もないですが、関東軍が国民を見捨てなければ起きなかった事件ではないかと思います。

*5:まあ、韓国国外に出たからと言って「日本にとどまって戻ってこないでトンズラ」なんて無様なマネはさすがにしないと思いますが「絶対に国外逃亡しないと言いきれない」「不当な逮捕起訴を免れるために日本にとどまって何が悪いと居直りかねない」のが産経です。でそのような異常事態になった場合、今、韓国検察を非難したり、産経を擁護したりしてる人は「無様なまねしないでひとまず韓国に帰ってから法律的に争えよ」というのか、はたまた「不当な逮捕起訴を免れるためだからOK」と擁護するのかどっちなんでしょうか。

*6:マジレスすれば左派(?)の端くれとして朴クネは嫌いで、野党に頑張って欲しいですがそれとこれとは話が別です。デマ記事を書けば産経がこういう目にあうのは当然でしょう。また、あえて言えば産経の方が大嫌いです。

*7:朝鮮日報コラム『大統領をめぐるうわさ』(http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/08/10/2014081000868.html)らしい

*8:日本でも昔は誣告罪と言っていたのだがわかりにくいと言う事で今は虚偽告訴罪(虚偽事実で刑事告訴や(行政機関等に)懲戒処分請求する犯罪)と言っている。

*9:朝日新聞のこと

*10:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相を経て首相

*11:全く東亜日報の言うとおりであり、野田氏の下劣さには唖然とします。

*12:著書『特攻の真意:大西瀧治郎・和平へのメッセージ』(2011年、文藝春秋

*13:まあ、軍事的成果があったってこんな非人道的作戦が許されるわけもないですが。

*14:広東省省都

*15:ウィキペ「トランスフォーマー/ロストエイジ」によれば「米国映画で過去最多の中国製商品のプロダクトプレイスメント(映画内で何らかの形で商品宣伝すること)」と言われているそうです。なお、前作「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」で既にレノボ社パソコン、TCL社テレビなど、中国製商品の「プロダクトプレイスメント」は行われてます。

*16:ライプツィヒの夏「経済のほうが政治よりよっぽど現実(実状)に正直だ」の実例(ハリウッド編)」(http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/1c8312a3983278b961a1d57d1dda94f9)も指摘していることですが。なお小生書きませんでしたが、ライプツィヒの夏「経済のほうが政治よりよっぽど現実(実状)に正直だ」の実例(ハリウッド編)」(http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/1c8312a3983278b961a1d57d1dda94f9)ご指摘のように観客層も違うでしょうね。

*17:なお、ウィキペ「リー・ビンビン」に寄れば彼女は既に『ドラゴン・キングダム』(2008年)、『バイオハザードV:リトリビューション』(2012年)で米国映画に出ています。

*18:産経曰く『中国の映画産業に詳しい豪州・クイーンズランド工科大学教授』

*19:ちなみにウィキペに寄れば、チベットをネタにした米国映画としては過去に『セブン・イヤーズ・イン・チベット』、『クンドゥン』(いずれも1997年)があります。

*20:当時は元王朝

*21:後で紹介する町山エントリでも指摘されていますが重慶と香港は大幅に離れています(何せ重慶は日本の侵略から逃れた蒋介石政権が首都をおいた中国奥地ですから)。にもかかわらず「香港のすぐ隣が重慶」と言う描き方をしたため「ふざけんな!、これじゃ香港にカルストがあると誤解されるだろ!」と会社側の反発を買ったようです。

*22:契約違反なら訴えられるのは当然のことで別にこれは産経の言うような「チャイナリスク」という話ではありません。

*23:2008年北京五輪、2012年ロンドン五輪でボクシングライトフライ級金メダル。2013年よりプロに転向。