■【安倍政権考】課題山積 真価が問われる11月*1
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140829/plc14082923530022-n1.htm
反日一辺倒の韓国とは違い、一筋縄では行かないのも中国だ*2。習氏*3がモンゴルを訪問し、安倍首相と親しいエルベグドルジ*4大統領(51)と会談。さらに南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島の領有権をめぐり対立するベトナムの共産党書記局常務(注:委員)とも北京で会談するなど、日本の友好国*5にくさびを打ち込もうとしている。
くさびを打ち込む*6も何も「遠く離れたアフリカや南米ならまだしも」ベトナムもモンゴルも中国の隣国ですけど。隣国首脳と会談することの何が「くさび」なんでしょうか。「安倍と対立する中国」という視点でしか物を見ないからそうなるんでしょうけど。
モンゴルについて言えば「貿易関係拡大」、ベトナムについて言えば「パラセル(中国名・西沙)諸島をめぐる領土問題の平和的解決」という安倍と関係ない理由での会談でしょうに。
■【遠い響・近い声】「日・マレーシア特別関係」再生の時 客員論説委員・千野境子*7
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140830/asi14083007530001-n1.htm
ナジブ首相の父、アブドラ・ラザク*8第2代首相はマレー人優位のブミプトラ(土地の子)政策の導入で有名だが、外交的には中国の国連加盟*9を無条件で支持し、74年に東南アジアで最初に中国を承認するなど親中派で知られる。ナジブ首相も必ずしもマハティール氏*10のような親日派とはいえないらしい。経済の対中依存の深まりや中国の積極攻勢も加わって、日本の影は薄くなりがちなのである。
「東南アジア経済に華僑が大きい影響を与えてること」「特にマレーシアでは華僑の存在感が大きいこと」を産経は知らないんでしょうか。それを考えたら反中国政策なんかとれるわけがないでしょう。
産経が親日派というマハティールだって反中国政策など取ってなかったと思います。
それでも「マレー系と華僑の対立」から、華僑系のリー・クアンユー*11をリーダーとし、シンガポールはマレーシアから1965年、分離独立に至るわけです。
*1:まだ9月にもなってない時点で「11月」と言い出すのはさすが産経です。
*2:こういう韓国を小馬鹿にした文章を平気で書けるアホさはさすが産経です。なお、朴大統領当選時は「朴チョンヒは親日派だ!」と大喜びしてたのが産経で掌返しが酷すぎです。
*3:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席
*4:国会副議長、首相などを経て現在大統領
*5:もちろんモンゴルもベトナムも日本の友好国(というかお互い敵対する理由もないでしょうが)ですが、だからといってモンゴルもベトナムも安倍・産経流の中国封じ込め論に荷担する気はないでしょう。はっきり「荷担しない」といわないとしてもそれは「現時点では抽象的話でしかないので安倍政権との関係悪化を危惧して適当に流してるだけ」であってマジで安倍が「中国封じ込め論への具体的協力」を求めれば、「そんなことはできない」とはっきり断るでしょう
*6:「相手(この場合、日本)の勢力範囲となった自分(この場合、中国)の昔の勢力範囲を取り戻そうとする」というような意味
*7:ウィキペ曰く「産経新聞マニラ特派員、ニューヨーク支局長、外信部長など歴任。1997年に東南アジア報道でボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書『アキノ政権とフィリピン社会』(共著、1989年、亜紀書房)、『ペルー遥かな道:フジモリ大統領の母』(1995年、中公文庫)、『インドネシア9・30クーデターの謎を解く:スカルノ、スハルト、CIA、毛沢東の影』(2013年、草思社)、『なぜ独裁はなくならないのか』(2013年、国土社)など」
*9:1971年のこと
*10:教育相、副首相を経て首相(1981〜2003年)
*11:シンガポール初代首相(1965〜1990年)。首相退任後もゴー・チョクトン内閣上級相(1990〜2004年)、リー・シェンロン内閣顧問(2004〜2011年)。シンガポールではリーが事実上の国父的存在のため、金日成国家主席を国父とする北朝鮮になぞらえて「豊かな北朝鮮」「明るい北朝鮮」と表現されることがある。