■【きょうの人】「中国と距離置くほど日本はうまくいく」 石平さん(52) 山本七平賞を受賞
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140925/art14092508290004-n1.htm
「日本は中国と距離を置いていた時代こそ、うまくいっている。遣唐使を廃止した平安時代。鎖国の江戸時代。『脱亜入欧』を掲げた明治期も日露戦争まで*1は良かった。今こそ、その歴史に学ぶべきでしょう」
『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(PHP新書)で第23回山本七平賞を受賞した。
ばかばかしいですな。一点だけ俺が気付いた点を指摘しておけば鎖国時代も中国との交流は「長崎出島」でありました。
鎖国とは
1)海外貿易を長崎出島に限定し、貿易相手国も清国、オランダに限定
2)日本人の海外渡航を禁止した
のであって「海外とのつきあいがなかった」わけではありません。「江戸時代に中国とのつきあいがなかった」なんて言ったら知性を疑われるでしょう。
■李登輝氏、訪日終了 政治的行動控える
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140925/chn14092522250006-n1.htm
19日の記者会見や23日の会合などでは、米国が台湾との事実上の外交関係を維持する根拠としている台湾関係法の日本版の制定に賛意を示したり(以上、産経記事)
してるのに、どこが政治的活動を控えていたのかさっぱりわかりませんが、どうやら「李が首相や閣僚、与党幹部に会わなかったこと」が産経的にそうなるようです。つうかそれ「李登輝が控えた」んじゃなくて「向こうが会わない」「李が会いたくても会えない」だけだろ。
会って中国の反感買ってどうするんだよ。しかし「李と会わない安倍*2首相及び閣僚」を批判しない産経ですが、これ民主党政権だったら「李氏に会わない野田*3総理及び閣僚は腰抜け」とか絶対言ってると思うね。いずれにせよ安倍にせよその配下にせよ「李とあったらまずいから、会わんことにしよう」位の計算はする*4わけです。
北海道でも、敬愛*5する新渡戸稲造*6が卒業した札幌農学校の後身である北海道大学の訪問を希望していたが、同大が難色を示したため見送った。
北大だって中国の反感買ったって何のいいこともないでしょうからね。李と会ってくれる日本人なんて今や極右ぐらいのもんでしょう。
【追記】
ちなみに外務省サイトに掲載された李登輝訪日についての岸田*7外相の記者会見は以下の通り。完全に逃げ腰です。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken4_000122.html#topic8
【共同通信・蒔田記者】
台湾の李登輝氏が5年ぶりに来日したということですが,(注:日中関係を考えれば)政府としては考えづらいかもしれませんが,政府と与党とかを含めた枠組みで,何か(注:李登輝氏と政府、与党関係者が)接触や交流を持つ機会があるのか,あるいは5年ぶりの来日で,いろいろ(注:李登輝氏が日本国内で)視察や講演をされるそうですが,何か受け止め*8がもしあればお願いします。
【岸田外務大臣】
李登輝氏,9月19日から25日の日程で訪日される予定であるということですが,私人としての訪日でありますので,政府として何かコメントする立場にはないと思っています。
その具体的な日程等についても,十二分に私(大臣)自身、承知しておりません。
■中国が民主化すれば「1300万人死亡」「国家は30に分裂」 機関紙が一党支配正当化
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140925/chn14092509080002-n1.htm
「李満長駐セルビア大使の論文」だそうです。筆者がセルビア大使ってのは「ユーゴ内戦」を意識してのことでしょう。
「民主化後のユーゴスラビア」で内戦が起こったことを考えれば「ばかばかしい」では済まない話ではあります。
まあ、「一党独裁を正当化するため無茶苦茶、話を誇張してる」可能性は当然ありますが正直「民主化しさえすればいいのか」と言えばユーゴ内戦を経験した今、手放しでそういえないことは事実でしょう。実際「誇張してる」としても「ユーゴのようになったら困る」と言う思いは正直、中国政権中枢にはあるんじゃないですかね。中国人も「ユーゴ化するぐらいなら当面、完全民主化しなくてもいい。あまり酷い独裁はノーサンキューだが」と言う人も多いかも知れない。
■日本の抗議は「儀式」 北方領土訪問のロ長官
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140925/erp14092519580006-n1.htm
北方領土・択捉島を訪れたロシアのイワノフ*9大統領府長官は25日、自らの北方領土訪問に対する日本政府の抗議は「宗教儀式の踊り」のようなもので形骸化していると指摘し、北方領土を「再び訪れる」と述べた。
また随分きついことを言う人です。こんな事を言っても日本の反感買うだけと違うのかと首をひねります。が、「全くの間違い」というわけでもない。正直「元島民」「漁業従事者」以外にとって北方領土への思い入れなどないでしょう。日本側も「抗議」はするものの、だからといって「ロシアと断交」とかあまり滅茶苦茶なことも出来ない訳です。
*1:「日露戦争までは中国と距離を置いていた」て、日清戦争(清との戦争)というのは思い切り中国と接近してると思うのですが石平はそうは思わないんですかね
*2:小泉内閣官房副長官、官房長官、自民党幹事長(小泉総裁時代)などを経て首相
*4:中国の反発を無視して李と公然と会ったりしない
*5:李は「農業経済学が専門」「クリスチャン」と言う点で新渡戸と共通点がある。
*6:東京第一高等学校校長、東京女子大学学長、国際連盟事務次長などを歴任
*7:小泉内閣文科副大臣、第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相を歴任
*8:「受け止め」とは「この出来事について心の中でどう受け止めたかいって欲しい」、つまり「感想」のこと。