今日の産経ニュース(10/4分)(追記あり)

■【安倍政権考】日本「常任理事国入り」阻む中国、求められる「安倍戦略」は
http://www.sankei.com/premium/news/141004/prm1410040004-n1.html
・もちろん中国は「安倍政権が極右的なこと」もあって否定的ですが、じゃあ他の4大国(米英仏露)が日本の常任理事国入りに好意的かといったらそんなことないでしょう。「自分の票の価値が減る」んだから他の4大国だって否定的でしょう。ただ「中国が反対してるのなら、日本ともめたくないし俺が反対って言わなくてもいいや」と思って言わないだけです。
 中国が反対しないって事はありえないでしょうけど、反対しなかったら4大国はやむなく「これ以上常任理事国を増やすべきではない」とか何とか言って日本の要望を葬り去る方向に動くでしょうね。
 「アンチ中国」の産経はそういうことを無視しますが。
 また中国に「戦前を反省してない日本に常任理事国入りの資格があるか」と言われるのが嫌なら「靖国参拝」「河野談話否定論」などやめればいいのですがもちろん産経はそういう結論になりません。
・大体、常任理事国入りは「細川内閣」「小泉*1内閣」でもぶち上げて*2失敗*3*4してますし、今回も失敗するんだろうという感想しかないですね。何のために常任理事国入り*5するのか、メリットは何か、前回の敗因は何だと想ってるのか、その敗因を今回どう克服したのかとか、政府の考えがさっぱりわかりませんし。
 うがった見方をすれば「でかいアドバルーンをぶちあげて、注目を集めることだけが安倍の目的」で、常任理事国入りする気など全くないのではないかとすら思えます。


■【緯度経度 古森義久】中国の対日姿勢に変化の兆し 
http://www.sankei.com/premium/news/141004/prm1410040010-n1.html

 日中首脳会談の開催の見通しが日本側でまた一段と熱をこめて語られるようになった。だが中国側がその開催に(注:首相靖国参拝をしないことを確約するなどの)前提条件をつけ、日本側が無条件のままで会談に応じてもらおうと訴える基本構図は変わっていない。日本側が中国側に請い求めるという感じなのだ。
 しかし、米国の中国外交研究の超ベテランからは中国の対日、対アジアの両関係は日本側が考えるよりは脆弱で、中国首脳*6は(注:首相靖国参拝をしないことを確約するなどの)日本側の譲歩なしに安倍晋三首相との会談に応じる展望が強いとの見方*7が表明された。
(中略)
 (注:首相が靖国参拝しないことを確約しなくても首脳会談してくれるのなら中国を恐れず)日本も香港での民主主義抑圧やウイグル人学者への弾圧ぐらいには、(注:首相、官房長官、外相など)国政レベルで懸念表明があってしかるべきだろう。

 どうなんでしょうねえ。まあ、「首相靖国参拝をしないことを確約」しないと「会えない」or「会ってもただあっただけで終わる」んじゃないですかねえ。首脳会談て「しさえすればいい」てもんじゃないでしょう。産経だと「会っただけ」で「中国が屈した」というんでしょうし、会わなくても「安倍さんは悪くない」というだけでしょうが。
 しかし最後の落ちには苦笑しますね。古森も安倍政権が「香港の騒動やウイグル人学者の無期判決」でウヨが期待するほどには中国批判してないことは自覚してるわけです。で、それって、古森の認識とは逆で「首脳会談したい*8から安倍政権が自重してる*9」んじゃないですかね。
 たださすがの古森も「首脳会談できなかろうが知ったことか、香港の騒動とか、ウイグルの騒動とかで、がんがん中国非難したれや、安倍」「何、中国ごときに怯えてるんや!、期待はずれにも程があるわ!」とはさすがに言えず「中国批判しても首脳会談はできると想いますよ」とちょっと腰が引けるわけです。

*1:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相をへて首相

*2:正直、今回の安倍政権もそうですが過去の細川、小泉政権においても常任理事国入りを主張した理由は俺にはさっぱりわかりません。

*3:小泉政権時に首相が靖国参拝したことは常任理事国入りという意味では中国の反感を買う重大な失敗ですし常任理事国入りがどこまで本気か疑われる行為でした。

*4:もちろん失敗理由の一つは「現在の常任理事国にとって票の価値が減るだけで何のメリットもないから」です。これは今回も状況は変わりませんし、それを打破できる策が安倍政権や産経にあるようにはとても見えません。他には「日本以外に常任理事国入りしたい国(アジアでは韓国、インドなど、南米ではブラジル、アルゼンチンなど、アフリカではエジプト、南アなど)があること」も失敗理由の一つですがこれまた今回も状況は変わりませんし、それを打破できる策が安倍政権や産経にあるようにはとても見えません。

*5:非常任理事国入りなら何度かしています。

*6:習近平国家主席李克強首相など、安倍の地位に見合ったそれなりの地位の幹部

*7:そういう人もいるってだけです。かつ、そういう都合のいい見方を安倍政権、与党、外務省がしているかどうかははなはだ疑問です。

*8:他にも「中国進出してる日本財界が中国批判を望んでない」てのもあるかもしれません。

*9:たとえそうだとしても靖国参拝など他の件で中国は安倍への反感を強めておりあまり意味はないでしょうが。