■【書評】『「軍国主義」が日本を救う』倉山満著
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/141005/ecf1410051219004-n1.htm
タイトルからしてすさまじいですが書評とやらから中身もすさまじい物であることが予想されますね。
本来は
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.sankeibiz.jp/econome/news/141005/ecf1410051219004-n1.htm
ChieOsanai
一体ここのブコメ書いてるひとの何人が実際読んだ上で書いてるのか気になる。最近、読まずにタイトルだけでラノベ dis したひとの記事が炎上しただけに
と言うブクマもあるように読んでから批判するのがいいでしょうが
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.sankeibiz.jp/econome/news/141005/ecf1410051219004-n1.htm
susahadeth52623
読む気もしないがクソみてえな本だってことはひしひしと伝わってくる書評。
ですからねえ。
ちなみに小生は「この本を読んではいませんが」
日清・日露戦争までの日本は軍国主義だったものの、大東亜戦争*1では軍国主義になりきれずに敗れてしまったことなどを、豊富な歴史の知識から検証しています(書評の記述)。/言ってる意味がわからん。単に国力の違いを無視して無謀な戦いをするから敗れたのだが。
と言うブクマをつけております。
この小生のブクマ、もう少し詳しく言えば
1)この書評ではどうみても大東亜戦争には勝ち目があったと考えてるようにしか見えないが、大東亜戦争は始めたこと自体が愚かであって、何らかの手法で勝てたという代物ではない
2)勝ち負けは「軍事的な判断が適切かどうか」で決まるが、そういうことを普通軍国主義とは言わないし、そうしたこと(軍事的に適切な判断をすることそれ自体)を「軍国主義」と批判する人は普通いない
「軍国主義」と言う批判は通常
A)すべきでない戦争(侵略戦争、あるいは勝ち目のない戦争)を起こした場合
B)軍事優先によって予算が軍事ばかりに投入されて、民生(教育、福祉など)が圧迫されてる、あるいは軍事独裁によって民主主義が抑圧されている
など、軍事が弊害をもたらしてるときに使われる言葉であって「軍事それ自体」を否定しているわけではない
てことですね。
他にも気付いた問題点を挙げれば
【その1】
一般的に、「軍国主義=ファシズム」と理解されていますが、そもそも軍国主義とは、1648年からのウェストファリア体制による宗教原理主義から国家主義への移行に付随して形成されてきたもの
というのと
てのは両立するのかて事ですね。「ヨーロッパと日本の歴史は違うんだ」で片付けるんでしょうが、もちろん論理的にそういわないと「思いつきだろ」で終わってしまいます。まあ、実際、倉山の思いつきでしょうけど。
【その2】
やれやれですね。「ファシズム」と「軍国主義」はイコールではないでしょうが、「正反対」でもないですが。
イタリア・ムソリーニ体制やスペイン・フランコ体制はともかく大規模な対外侵略を実行したナチスドイツを軍国主義じゃないなんて言えるわけないでしょう。どうも倉山某の「軍国主義定義」が一般人と違う「オレオレ軍国主義定義」らしいということはわかります。しかし勝手に「自分好みの定義」をでっちあげて「俺の考える軍国主義なら問題ない」ていったところで誰も聞く耳なんか持ちませんよ、倉山の同類以外。
戦後の進歩的文化人たちが、一国一党の中国やソ連こそファシズムであることを隠すため、軍国主義とファシズムを混同させ、戦前の日本を悪者扱いしてきたと指摘します。
やれやれですね。
先ず第一にファシズム批判者、軍国主義批判者、戦前日本批判者を全員左翼扱いしてることがまず駄目でしょう。倉山は「ファシズム批判者、軍国主義批判者、戦前日本批判者=進歩的文化人=左翼」と思ってるようですが、実際には「ファシズム批判者、軍国主義批判者、戦前日本批判者>進歩的文化人>左翼」でしょう。
第二にファシズム国家のドイツやイタリアと同盟を結びながら「日本はファシズムじゃない」てのは無茶にも程があるでしょう。「一国一党」てのもそれを目指した組織として日本には大政翼賛会がありますし。
第三に「一国一党=ファシズム」じゃありません。ファシズムの重要要素としてあげられるのは「反共主義」であり、要するに「ファシズム=右翼」です。左翼までファシズム扱いして何か意味があるのかて事です。
左翼の全体主義には「スターリニズム」と言う別の用語があるんですけどねえ。